※この作品はR-18です。

女性化願望の果てに   作:姫野真沙美

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その1:はじまりの日

 「あ、、、あん、、んん、、いや、、あああ」

 

 僕の口から、女の子の喘ぎ声が漏れ続ける。

 

 パンパンパン

 

 教室内に、男子生徒の腰と僕の腰がぶつかり合う音が響く。

 

 四つん這いになった僕の両掌に、僕自身の涎が滴り落ちる。

 

 「あ、、あ、、あ、、あああ」

 

 パンパンパン

 

 破かれ摺り下げられたブラウス、フロントから引き千切られたらブラジャー、そして隠すものが無くなり周りの男たちに惜しげも無く丸出しにされた大きめの乳房が、腰の振動に合わせて前後に揺れる。

 その揺れが僕を取り囲んで居る男たちの欲情を煽っている。

 

 パンティーを剥ぎ取られ、強引に僕の中に挿入されている男根の動きが段々と早くなってきた。それにつれて、腰を動かしてる男の息使いが荒くなっていくのを感じる。

 男根が大きくその硬さを増しているのが、膣の中で感じた。

 

 ああ、これは射精だ。こいつはもう逝く寸前だというのがわかる。

 

 「待って、ねえ、待って。中に出さないで。お願い。やめて。妊娠しちゃうかも!」

 

 「ああぁ? それがどうした? 別に構わねえだろう? ガキ出来たら勝手に降ろせよ。」

 

 そう云うと、男たちはゲラゲラと笑った。

 

 「ああ、あああ、、いいい、、いくぞ、、、いくぞ、、、おらああ、、、出すぞ! 出すぞ! 中だ! 中出しだ!」

 

 「あ、だめえ、やめてえぇぇぇぇ、、、お願いぃぃぃいい!」

 

 男根の擦りが激しくなり、僕の腰を掴んでいる男の手に力が入った。

 僕の腰を自分の腰に強く密着させて、男根を僕の奥まで突く。

 そのまま激しく腰を痙攣させて、「あぁっ・・」と呻き声を上げた。

 それと同時に、子宮に熱いものが数回当たるのを感じた。

 

 どびゅぅ どびゅぅ

 

 「あああああああ、、、ぁぁぁあああああああ、、、」

 

 射精されたのだ。僕の中に出されちゃったんだ。

 ああ、ひどい。妊娠しちゃうかも。嫌だと思う気持ちと同時に、無理やり中に出されたという事実に興奮する気持ちが綯い交ぜになって、頭が真っ白になってしまった。

 

 なんでこんなことになったんだろう。

 

 僕は、ただ、女の子になりたいって思っただけなのに……

 

 

 

 ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 それは数日前の出来事だった。

 

 ドガッツ

 

 「お前、頭わりぃなあ。俺は昨日、1万円持って来いっつったんだよぉ。これは千円札じゃねぇかぁ。1桁ちげぇんだよぉ。算数もできねぇのかぁぁ、おぉぉ!」

 

 僕を殴りつけた隆氏(たかし)という名の大柄な男子生徒は、拳を此方に見せつけながらドスの利いた声で恫喝した。

 人目に付かない校舎の裏で僕は這いつくばり、口の中に血の味を感じながらその男を見上げた。

 

 「だって、もうお小遣い無いんだよ。昨日もそう言ったじゃないか。無いものは無いんだよ。言ったのに無視てどっか行っちゃったのはそっちじゃないか。」

 

 僕は胸ぐらを掴まれて無理やり立たされ、顔を近付けられた。

 相手の眼が怖くて、眼を逸らしてしまう。

 

 「無い金をどうにかするのがお前の役目だろうがぁ。俺の知った事か!」

 

 ドガッツ

 

 再度殴り倒された。頬がジンジンと痛む。痛みと悔しさから眼に涙が滲んできた。

 

 「せっかくよぅ、お前の為を思って、1人1万円のところをぉ、3人で1万にマケてやったのによぅ。お前、誠意ってもんが足りねえぇんだよぉ。」

 

 僕を取り囲んでいる3人がゲラゲラと笑った。

 悔しい。悔しいよう。

 相手がたとえ1だったとしても、僕の力じゃ到底敵いっこない。僕は非力で喧嘩になんか勝てる気がしないし、勝った事なんて今まで無い。おまけに、背が低く、小学生の頃から今の高校生になるまで背の順でいつも前から2番以内なのだ。

 

 こいつらいつも僕に突っかかってきて、殴る蹴るを愉しんでいる。最初は、殴る蹴るだけだったが、最近は金を巻き上げるようになってきた。

 しばらくは言うとおりにお金を渡していた。それで済ならと思った。でも甘かったんだ。彼らが要求する金額はどんどんと釣り上がっていき、とうとう僕の貯金も尽きてしまったのだ。

 

 そして今日に至る。

 

 もうこれで僕の持っているお金は無くなる。そうなれば、こいつらは他のカモを探すだろうと思った。でも、それも甘かった様だ。

 

 倒れ伏している僕の髪の毛を乱暴に引っ掴んで自分の方を向かせ、

 

 「おぃ。今日のところはこれで許してやる。明日だ。明日、3万持って来い。いいなぁ! 返事はぁ!?」

 

 相手の剣幕に負けて、つい「はい。」と返事をしてしまった。

 

 「よし。はいって言ったよなぁ。もう訂正できねぇぞ。わかったな!」

 

 そう言い捨てると隆氏たちは去って行った。

 

 ああ、どうしよう。

 暴力に屈した。怖かったからと言っても、自分から「はい。」と言ってしまった。

 先生に話そうかとも思ったが、前に一度先生に話したら、逆上した彼奴等に散々にボコられたからなあ。

 また話しても、何も変わらないのが目に見えている。

 親に相談……。は、なんか男として恥ずかしい。こんなところだけ変に男のプライドがある自分が悩ましかった。

 

 なんで僕、男なんかに生まれちゃったんだろう。

 女の子だったら、背が低くてもいいし、非力でも問題無いのに。

 女の子には女の子のいじめとかもあるだろうけど、それは僕でもなんとかなるかも知れないし、少なくとも今より悪い状態にはならないだろう。

 

 そんな事をつらつらと考えながら、放課後の憂鬱な夕暮れの空の下、学校からの帰宅の途についていた。

 

 ふと足下に、風に飛ばされたA4サイズ程のチラシが当たった。

 うまい具合に僕の足首に巻き付いている。

 何の気なしに、そのチラシを取って見てみた。

 

 『完全性転換手術 今だけ無料!!』

 

 は? なんだこれ?

 性転換手術が無料?

 確かに僕は女の子になりたい。でも、性転換手術は見た目を女の子にするだけで、中身は男のままだ。僕がなりたいのは、中身も正真正銘の女の子なのだ。男のアレを切って豊胸したい訳じゃない。僕が望んでいるのは、本物の女の子の身体に自分の意識が宿る方だ。

 

 チラシをぽいっと捨てようとしたとき、文言の一部が眼に入り、投げ捨てるのを思い留まった。

 

 『生理もあり、妊娠も可能。完全な女性の身体になれます。』

 

 なんだって? そんな事が出来るようになったのか? いつの間に?

 いや、待て待て、怪しげなチラシじゃないか。こんなことを言って、臓器取られて売られるみたいなんじゃないの?

 

 バカバカしい。

 

 そう思った。

 

 僕はチラシを綺麗に畳んで、制服のポケットにそっとしまった。

 

 

 

 家に着くと誰もいない。

 まあ、いつもの事だった。

 両親は共働き、父の帰りはいつも遅い。深夜に帰ってくることもしばしばだ。

 母の帰りはそこまで遅くは無いが、いつも19時をまわるだろうか。

 数年前に一軒家を購入し、そのローンの支払いのため必死な状態なのだ。

 

 とりあえず選択肢の1つとして、家に置いているお金が無いか探す。

 あくまでも選択肢の1つだ。僕の考えがまとまるまで、誰も居ない今のこのチャンスを活かして、一時的に3万をゲットしておくのは悪い手じゃない。いや、悪い事だけどね。

 

 タンスや小物入れを隅から隅まで漁る。

 こんなこそ泥のようなまねをしている自分が嫌でしょうが無いが、明日どうするか考えると胃がキリキリと痛み、とりあえず明日だけでも凌ごうと心が僕を急き立てるのだ。

 家計を考えると酷い事をしているという自覚はあるが、最後には親に事情を話して謝れば、親に暴行を加えられる事は無いという確信はある。そもそも酷い事をしているのは彼奴等の方なのだ。

 

 それに親に怒られるより、彼奴等にボコられる方がやっぱり怖い。

 

 ぴーーんぽーーーーーん

 

 「――!?」

 

 心臓が口から飛び出るかと思うぐらいにびっくりした。

 バレた?! と最初に思った。が、それも瞬間。よくよく考えてチャイムを鳴らしたんだから、親じゃない。親は鍵を持っているし。新聞か何かの勧誘だろうと思って気を取り直して、玄関へ向かう。

 

 玄関を開けると、銀縁の四角い眼鏡を掛けた背の高いスーツ姿の痩せた男が立っていた。

 

 「はじめまして。わたくしこういう者です。」

 

 差し出された名刺を見ると『性転換研究所所長 松戸 菜園(さいえん)』と書かれていた。

 

 なんで突然? と、不審な顔付きに気付いた彼が

 

 「あなたがわたくしのチラシを拾われたのを偶然観ておりましてですね。ぜひご利用いただきたいと思い、失礼ながら直接お訪ねいたしました所存でございます。」

 

 チラシを聞いて、まだ脱いでなかった制服のポケットを弄って、取り出す。

 

 「チラシってこれですか?」

 

 「いかにも。」

 

 松戸と名乗った男は満足そうに深々と頷く。

 

 「性転換手術の無料サービスは本日限りとなっておりましたので、早急にお知らせするべく急ぎ参った次第です。いかがでしょうか? ご利用なさいますか?」

 

 なんだって? 本日限りだって?! 

 親に相談する時間は無さそうだし、そもそも相談したところでオッケーしてもらえるとは到底思えない話だ。

 でも、本日限りなのか。今日を逃せばそのチャンスは無いと。

 でも、怪しすぎる。

 

 「あー、お悩みですね。うーん。困りました。わたくしもう時間がございませんので、そろそろ失礼させていただかねばなりません。住所も連絡先もその教える訳にはいかないので。では、ご縁が無かったということで、また、いつか機会がございましたらよろしくお願い致します。では。」

 

 松戸という男は深々と頭を下げて、きりっと回れ右をして玄関を出ようとする。その背中に声を掛けた。

 

 「すみません。決めかねます。あの、見学っとか出来ないでしょうか?」

 

 「見学、ですか?」

 

 松戸は怪訝な顔をして振り向き、その意を質した。

 

 「はい。その、本当に僕を女の子に出来るのか。話しだけでは信じられませんので、その証拠みたいなものが、観ることが出来れば決心出来るかも知れないと思って。」

 

 「なるほど、わかりました。では、ご一緒に。施設へご案内いたします。」

 

 僕は、怪しみながらも、期待を込めて松戸の後に付いて行った。

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