ベート・ローガは好かれると同時、弄ばれているようです。 作:飛鳥
絶対しないよ。
「っ、やめろ、てめえらっ!?」
壁際におい込められて、叫ぶ青年が一人。
頭から飛び出るとがった耳は狼人の証、同じく尻尾も。
頬にある稲妻のような刺青は、彼の美形と言える顔立ちを荒々しい印象に上書きしていた。
ただ今、その顔は___
「やめろっていってんだろうがっ!?」
___焦りと恐怖に歪んでいたが。
彼___ベート・ローガの目の前にいるのは、第一級冒険者を含む複数人。
にっこりと微笑む【千の妖精】や、彼の顔の横に手をおいて、ぺろ、と唇を舐める【大切断】。
「じゃあ今日は誰がいく?」
「じゃああたしー!!」
姉の呼び掛けに、はいっ! と手をあげて答えるティオナに残りのものは少し距離を置く。
ロキ・ファミリア一の俊足を逃がさないように、壁を囲むように半円を描く。
「ぉ、おいっ、ティオナっ?」
「なーに、ベート?」
いつもの爛漫さを消して、妖艶な笑みを浮かべる少女に、上ずった声をあげるベート。
その姿に笑みを深めると舌を彼の首へと伸ばした。
「っ、ゥン…やめっ……」
スーッ、と舌が這う感覚に、体を小さく跳ねさせるベートは、力で彼女には敵わない。
押さえつけられてる今は抵抗するすべなど彼にはないのだ。
自由な尻尾でペシッ、とティオナの足を叩くも、有効打ではない。
「なにー?もどかしいの?」
「ぃやっ、ちがっ、ぅあっ!?」
にやり、と笑うと服の中へとティオナは手を差し入れた。
胸の突起を撫でられると同時、大きく体をのけぞらせ、力が抜けた。
彼等彼女等によくいじられるそこは、既に開発済み。
今や性感帯の1つになっており、彼はそれだけで倒れ混んだ。
「ありゃりゃ……」
力が抜けてしゃがみこんだ彼に合わせて自分も座り込み、服をずらして顔を胸に埋め、小さく吸い上げる。
「ぁあっ!?」
そのまま吸い続ければビクビクっ、と体を痙攣させる。
快楽に思考が溺れそうになるとすぐに___
「じゃあ終わりー♪」
___寸止めをくらうのだ。
肩で息を繰り返すベートが請うように回りを見渡せば、【剣姫】が、…ダメ、と呟いた。
「……ベートさんの、理性は残しておかないと」
ね? と回りに問いかければすぐに頷く。
薄く涙が膜を張る目で見れば、嬉しそうに微笑する。
ああ、もういっそ。
溺れさせてくれればどれだけ楽か___
そう考えて頭をふる。
理性をなくしたら、ただの獣だ。
それだけは、許せない。
中途半端に熱を持った体を持ち上げ、ホームへと戻ろうと歩く。
後ろからは、意地悪な子供のような、笑い声が響いていた。
…落ち迷子