機器を早送りし、次のレポートの日付まで進める。
二回目はさっきの映像の次の日。
早回しされる映像を見ながら、粘る汗がうなじを流れていくのを感じる。
こんな事をしている場合ではない。
しかし、指は早送りのボタンに張り付いて離れない。
いや、離れる。
金色が見えてしまったのだから。
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第二記録
精密検査
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「…………」
普段の快活さが鳴りを潜めている。
心なしか、少し俯き気味にすら見える。
「伝えた準備はしてきたか?」
司令官の言葉に、金色の小さな頭がこくりと傾く。
上げられた顔は、赤い。
「うん……ちゃんとしてきたよ」
緊張が声から溢れる
「よし、では早速昨日と同じようにそこの布団に」
「う、うん」
先ほど見た映像の繰り返しのように、金髪の駆逐艦が用意された布団に四つん這いになる。
指が垂れ下がる布地へと伸び、捲り上げる。
「んっ!」
「おっ」
二人それぞれが異なった声を上げる。
さっきの映像とは、少し違う。
「皐月、中々可愛い下着を履いてるな」
「見、見られるんだからそりゃボクだってかわいいの選ぶよ!」
見えるのは薄黄色の下着、このカメラの画質では分かりづらいが細いボーダーが入ってるようだ。元気なイメージと髪色によく似合っている。
「これは検査のしがいがあるな」
「な、なに言ってるのさ司令官!?ボク恥ずかしいんだから早く終わらせてよね!」
その言葉に、スカートを捲り上げた手が下りる。
丸みを帯び始めた未発達の臀部に沿うように、ぐいっと撫で下げ。
指先で、羽毛のように撫で上げる。
「ひゃわっ!?」
びくり、と震えた体に薄いながら尻肉が揺れる。
それを意に介さぬように、撫で触る。
二度、三度。
「あの、さ……司令官、それ必要なの?」
デリケートな部分に触れる感触を堪えながら疑問を呈す。
撫でる手をカギのように変え、掴む。
「昨日と同じように、しっかりとほぐしておく必要があるんだ」
「ホントに……?」
「本当だ――ついでに言うなら体の力を抜くと早く終わる」
観念したように力が抜け、深呼吸が始まる。
スー、ハー。スー、ハー。
早く終わってほしい。
恥ずかしい。
その一心で呼吸に集中する。
おかしな指示。
それでも従う、信頼してるから。
恥ずかしい検査。
それでも従う。
機密と言われて、おかしいと思っても。
それをからかうように、大きな手が揉みしだく。
強く、強く、柔らかく。
強く、柔らかく。
グニグニ、と形を変えさせる。意識を逸らすのを邪魔するように。
「すぅーー……っ、はぁーー……」
時折微かに身悶えしながらも、呼吸に集中する。
揉む手は動き続ける。
強く、優しく、強く、優しく。
強く、優しく、強く、優しく。
段々と単調になり、身じろぎが減る。
「いい具合にリラックスしてきたな――」
いやらしく動く手は止めず、告げる。
「――じゃあ、最初の検査だ」
そう言うとおもむろに前に屈み。
「えっ!?ちょぅ、うわっ!!」
目の前の尻に顔を埋めた。
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「なっ!なっ!なぁっ!?」
手を後ろに回し、引き剥がそうとする。
が、しっかりと掴んで離れない。
そして先ほどまで皐月がしていたように、深呼吸を始める。
スー……、ハー……。
スー……、ハー……。
ゆっくりと深く息を吸い、吐き出す音がする。
「な、なんでボクのお尻を嗅ぐの司令官……!」
足をバタつかせ、蹴り上げようとするも力で押し負け叶わない。
「これは……すぅ……検査だから……はぁ……」
「ひゃっ!息!息かかって、くすぐったいよ!」
「すぅ……我慢してくれ……はぁぁぁ……あまり暴れると、時間が掛かってしまう」
「うぅっ……!」
辱めの時間は、短い方がいい。
暴れるのを止め、反射で離れるのを堪える。
「んくっ……、んぅ……!司令官、まだ……?」
「もうちょっと、だからな……」
「なんか、恥ずかしいし、むずむずするし……んっ!」
司令官の呼吸と鼻の動きに合わせ、小さな体躯が震える。
皐月の息は、荒い。
「あっ……はぁっ……まだ?まだなの…司令官?」
熱い吐息が混ざり始める。
少し、何かを堪えるように。
「あぁ、この検査は終わりだ」
「あっ……」
堪えを知ってか知らずか、顔が離れる。
たっぷり堪能できた、と背中が語っている。
「じゃあ、次は……ボクどうすれば、いい?」
先ほどまでのやり取りで、下着がラインに沿って食い込んでいる。
布地の中心は、広い範囲で湿気っている。
司令官の吐息による影響だろう。
そしてそれを突き出したまま問う、赤い顔の幼い少女。
背徳的な、絵面。
「次が最後だ、安心してくれ」
そう言いながら、優しく背中を撫でさする。
その穏やかに少女の背中を撫でる姿は、さっきまでか弱い少女を騙くらかして無理矢理に尻の臭いを嗅いでいた卑劣漢とは思えないほどだ。
もちろん、その行為自体も次なる卑劣への布石なのだろうが。
「昨日と同じように、下着を下ろしてくれ」
穏やかな口調で告げられる、非道な一言。
「う、うん……」
皐月はそれに従い、胸を支えにした四つん這いの体勢のまま下着を下ろす。
布の食い込むシワが、尻の谷間から剥がれ、露わになる。
未熟なつぼみ。
こちらも昨日と少し違う。
乙女の秘密が絆創膏で隠されているのだ。
「ちゃんと、司令官の言う通りバンソーコー張ってきたよ」
「くま柄か、可愛らしい絆創膏だ」
指が優しく絆創膏の表面を撫でる。
「あっ……!んもぅ!ここは大切な場所だから、人に触らせちゃダメっ、て言ったのは司令官でしょ?」
「そうだったな、すまない」
「ちゃんとボクとのやくそく守ってよね!」
ぷんすか、と怒っているが、正直そんな約束がちっぽけに見えるほどの事を既にされている。
無知と信頼の組み合わせの悪用が心胆寒からしめる。
「それで司令官、最後の検査早くしてよ!すーすーして寒いよ!」
「あぁすまないな、じゃあ皐月。自分の手でお尻を広げてくれ」
「えっ!?うぅ……これでいい?」
「広げ方は良い、ただちょっとこっちに突き出してくれ」
「あぅ……こう?」
「あぁいいぞ」
金髪の少女に卑猥な姿勢を取らせ、ズボンをごそごそと探る。
取り出したのは、小さなビニールフィルム。
あれは――
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「何それ?」
「これを張って剥がすんだ、そのまま待っていてくれ」
そう言って、青丸の描かれたフィルムをぺりぺりと捲る。
蟯虫検査フィルム。
廃止されて久しい検査。
知識としては知っているが、自身も使用した経験は無い。
「じゃあ、触れるぞ」
「うん――んぅ!」
それをお尻の中央、小さなすぼまりに貼り付ける。
「んっ!司令官、これで……終わり?」
「いや、もう少しだ」
「うん……」
貼り付けたフィルムをしっかりと押し当てる。
「んぅ……!」
「力を入れちゃダメだぞ、皐月」
そしてフィルムの中央を指でトントンと叩く。
「ひゃっ!」
その刺激に耐え切れず、広げたお尻が締まり、フィルムをくしゅりと潰す。
「あぁ……」
短い嘆息。
「皐月、今のでフィルムが……ダメになってしまった」
「えぇ!?」
嘘だ。
あのフィルムは多少シワが寄ったところで問題は無い。
「だが大丈夫だ、予備があるからな。ただ……」
「ただ?」
「この予備が最後だ。もし、もしもこれで失敗した……もっと恥ずかしい、とてもじゃないが言うのを憚れる検査を、代わりにすることになる」
「もっと恥ずかしい!?今よりも!!?」
いけしゃあしゃあと嘘をつき続ける。
そもそも必要の無い検査だろうに!
「そうだ皐月、だから次はしっかりと我慢してくれ」
「う、うん!ボクがんばる……!」
なんとも健気な返事だ。
こんな、こんな良い娘を騙して罪の意識に苛まれないのだろうか?
「じゃあ、さっきと同じようにお尻を突き出して広げて」
「ど、どうぞ司令官……!」
先ほどと同じように、中心へと貼り付ける。
そして、押し当てるようにゆっくりと、フィルムの上からくりくりと撫でていく。
「あぅ……!んっ……!!」
「気を付けてくれ皐月、これが失敗したら後が無いからな」
「う、うん」
最低な忠告だ、あんな事を言われればどうやっても緊張する。
そして敏感な部分というのは緊張時に、さらに敏感になる。
指がトントンと叩く。
「んっ!んんぅ!!」
「よし、よく耐えたな皐月」
「え、えへへ……」
だが、指は止まらない。
たぶんだがこれは――
「し、司令官……!ま、だ……っ!?」
「もう少しだ、頑張れ」
そう言って励ますが、終わる気配は無い。
爪が立つ。
フィルム越しにカリッとすぼまりのシワが一掻きされる。
「あっ!やぁっ……!し、しれ……!それっ!ダメッ!あっ……!」
その言葉を無視して、あるいはしっかりと聞いて。
動作は連続される。
カリッ、カリカリッ。
最初から決まっていたのだ。
これは耐えられなくなるまで続く。
「あっ!あぁっ!やっ!ダメッ……!やめ、てっ……!」
手で痛いほどに広げるも、責めは止まらない。
爪が何度もシワを擦る。
「あとちょっとだからな、皐月」
「んぁ!あぁっ!あぁぁっ…………!」
クシャリ。
フィルムが肉に挟まれる。
「あぁぁ……あぁぁぁ……」
「ダメ、だったか」
失敗したことに、小さなうめき声を挙げ続けることしか出来ない。
そして肩が揺れる。
「ごめん、ごめんね司令官……」
涙声での謝罪。
気にしているのは、自分が我慢できなかったという事実。
ぐっ、と怒りが沸き上がる。
最初から、罠だったというのに。
そして、そんな健気な姿を見ても――
「いいんだ皐月、ちゃんと次の準備をしておく。次のは失敗のしようが無いからな」
――まだ続けようとする、司令官。
記録は、まだ終わらない。
悪逆非道を、見逃すわけにはいかない。
指が、レポートを捲り早送りのボタンへと伸びた。