その後、三度ほど同じ事が繰り返された。
消毒、塗布、拭き取りと……舐め上げ。
一連の事をある種習慣づけ、二重に慣らさせていく。
精神と身体、その両方を。
その為か、その三度においては特筆すべきことは無い。
そもそも三度もあったという事自体が特筆すべき事なので、無いというのもおかしいが、とにかく、"変わった"事は無かった。
判を押したように同じ。
いや、少々"細工"はされていたか。
ただ四度目。
これは変わり種、記録も次項に移っていた。
* * * * * * * * * * * * *
第五記録
祭日の例外処置
* * * * * * * * * * * * *
「えへへ、どうかな?似合うかな?」
そう言って皐月がくるりと回る。
二つ結びがその動きに遅れて付いてくる。
「あぁ、とても似合ってるぞ」
「でもこれ、ちょっとその……露出が?」
「皆それなんだ、我慢してくれ」
「まぁしょうがないよね!そういうお祭りだもんね!」
この映像の撮影日はお祭り。そこそこ大きな地方祭が開かれている。
ただ、この地方祭の恰好は、法被と褌。
そういう祭りなのだから仕方がないと言われればそうだが、近年過激化しているようにも思う。っと、これは余談。
画面の中の少女も、大変な薄着で色々と危ない。
上は晒しと法被、下は褌オンリー。
「ところで司令官、今日呼んだのってさ。お駄賃くれるから、ってわけじゃあ、ないよね?」
「お察しの通りだ。ただ、ちゃんとすれば日頃頑張ってもいるからお駄賃も上げよう」
「えっ!?本当!」
その言葉に目を輝かせる。
これから、何をされるか知っているのに。
何度もされれば、やはり麻痺してしまうのだろう。
「えっと、じゃあ早くしないと」
「珍しく乗り気だな」
「ボクおみこし担がなくちゃならないからね!」
司令官がちらりと時計を見やる。
神輿まで時間は、
「たしかに急がないといけなさそうだな」
「うん、じゃあえっと」
そう言って布団に立ち、褌を脱ごうとするが。
「皐月、褌は着けたままの方がいい」
「えっ、でも……」
「結び直し、できるのか?」
「うっ……」
「そのまますれば時間の短縮にもなる」
「分かったよ司令官」
これまで繰り返されたように、四つん這い。
大きく露出、というよりも幅の広いTバック程度の隠し、だ。
二つの丸みの真ん中を、白い帯が走っている。
そしてその僅かに下、秘所からはつるつるの柔肉が一寸覗いている。
「これでいい?」
「あぁいいぞ」
「じゃあ。司令官に、ふんどしを履いたお尻を……見られてます」
習性付けられた実況。
それを聞きながら、おもむろに腰のあたりに手が伸び、褌の中心を掴む。
「えっ!?ひゃっ!」
手がぐいぐいと引き上げていく。
覗いていた柔肉の面積が広がりその真ん中へと布地が食い込む。
「あっ、ちょっと!司令官!」
「こうやって褌を使えば早く済むだろう」
「それは、そうかもしれないけどっ!んっ!」
「続けて」
「んぅ……、司令官に、ふんどしをっ、ぐいっ、ぐいって……されて!」
ぐい、ぐい。
引き上げられ、刺激される。
今度は腰の上空方向ではなく、頭の方へと動かす。
ぐいっ、ぐいっ。
引き絞られた布地が、尻の間を押す。
空いた手が伸び、引き上げられた布帯を弦楽器のように弾く。
「うひゃっ!」
小さな悲鳴。
爪弾く手に合わせ、薄いながらも尻肉がぷるぷると揺れる。
「司令官!?ボクのお尻で遊んでない?!」
「いつも通り、これは必要なことだ」
変態ながらも一分の隙も見せぬポーカーフェイスは最早天晴れ。
その真剣な表情に疑問もぐらつく。
「うぅ……でも、何もそんな揺らさなくて、も……っ!」
爪弾く手が下にするりと動き、布越しにぐりぐりと責め立てる。
「あっ!ちょ、もう!とつぜ、んっ!」
褌の布地は荒い。
それを指先で擦りつけられ、布目の刺激に腰が震える。
「んふっ!んんっ!」
声が漏れる。
再三に渡る調教、それの結実だ。
羞恥心を超えて、快楽がその体をやわやわと蝕む。
「どういう感じかな」
「し、司令官の指が、ふんどし越しに、お尻の穴擦って……んっ!」
「気持ちいい?」
「……この前より、気持ちよく、なってる、っん!」
声に出させるというのは効果覿面のようだ。
まだ恥じらいはある、それでも自身が快感を得ていることを表明した。
「良い傾向だ、この調子でいけばそんなに長くはしなくていいかもしれない」
「えっ、あっ……んっ!」
「じゃあ消毒に入るぞ」
いつもの銀色の缶、そこから濡れた紙。
褌をズラし、すぼまりを露出させる。
「んっ、司令官がボクのふんどし、ずらしてる……」
状況説明を聞き届け、消毒薬を宛がう。
「んっ!うぅ!」
じっくりと、丹念に拭き上げていく、が。
「あっ!司令官、時間!時間あぶないよ!」
「そういえばそうだったな」
わざとらしくは聞こえないが、レポート上は時間の調整を行っている。
それは――
「ちょうど消毒が終わったところだ、薬だけ塗ろう」
「でも、あの薬塗ったら……おみこし担いでる途中、ずっと……」
「痒いのはどんどん大丈夫になってきただろう?」
「う、うん……」
「じゃあ今回は前回よりも大丈夫さ」
「う、うん分かった……!」
痒みを誘発するだけの塗り薬。
それに段々と慣れてきている?
違う。
あの薬品は、単に回数をこなす度に薄められただけだ。
卑劣なる"細工"。
ただ、この小細工は効果があった。
これにより、皐月はある種の上達が出来た、という錯覚を得る。
上達を認識し、褒められれば、乗り気になりやすい。
しかも薄め液は、ある種の性感の増幅剤だ。
「気持ちよくなれば良い傾向」として教えられているから二重の罠、というわけだ。
いや、皐月の反応からしてもう一重、掛かってしまっているのかもしれない。
「それじゃあ皐月、塗るぞ」
「いいよ、司令官……!」
薬液が、塗られていく。
やはり垂れないように、細心の注意が払われながら。
粘りは無い、しかしねっとりという表現が似合う、塗られ方。
「んふぅ!んん~~~!」
痒みそのものより穴の周りを這い回る感触に呻いているようだ。
湿った綿球が離れる。塗り終わった。
褌が戻される。
「さぁ皐月!遅刻はよくないぞ」
パン、と皐月の尻に平手が叩き込まれる。
叩き込まれる、というのは正しく無いか。
音を立てるのを重視した平手だ。
「ひゃっ!もう!ボクのお尻叩かないでよね!」
平手の勢いを利用するように立ち上がる。
「んっ……痒い……」
「前も言った通り、掻くんじゃないぞ」
「う、うん……!」
「それじゃあ、終わったらすぐ戻ってくるように」
「行ってきます!司令官!」
そして尻がもじもじするのを堪え、見送られながら祭りへと向かった。
* * * * * * * * * * * * *
祭りの終わる時間、そこまで早送りする。
「た、ただいま!司令官……!」
「おかえり、皐月。お神輿はどうだった?」
「う、うんちゃんと担げたよ!」
扉を開け、飛び込んでくる祭り姿の金髪の少女。
その体は汗まみれで、法被が少し透けている。
「そ、それより司令官……!」
「どうした?」
「どうした?、じゃないよ!早く、その……」
ぐいっ、と腰を動かす。
堪えられないかのように。
「ボクのお尻……!お尻、はやく……舐め、て」
「そういえばそうだったな」
「うぅ!はやく!はやく!」
あまりにも我慢できないのだろう、とんでもない事を言っている。
しかし、それに気付いた様子は無い。
急いで布団へ行き、四つん這いになる少女。
「司令官!はやくして!ボク、もう我慢できないよ!」
「そうだな、それじゃあ早速」
そうやって皐月の尻に顔を近づけ。
「んふぅ!んぅ!」
褌をズラし、舐め上げた。
「ちゅっ、んむっ」
舌を重点的に使い、時折唇で一瞬間吸い付く。
ありえてはいけない、キス。
「んぅ……司令官、そんな吸っちゃやぁ……」
「皐月、いつもの」
「ん……司令官が、ボクのお尻、舐めたり、吸ったり。あっ……ふっ、ぅん……」
官能の息を漏らし、羞恥を捨てされるがまま。
ある意味で努力の賜物なのだろう、最低の努力だが。
その"賜物"に腰を浮かせ、振り、舌を挟み、ため息を漏らす。
「はっ、ふぅ、んぅ、っ……あぅ……」
「どんな、気分だい、皐月」
「んぁっ、司令官のべろ、あったかくて、ぬるぬるしてて、当たると……きもちいい……」
「よし、よし」
蹂躙は続く。
顔を一段と押し付ける。
「んぐっ!あっ!司令官の、はいって、る……!」
腰の揺れが強くなる。
しかし、逃げない。
「んん!んんぅ!!」
むしろ押し付けるように動こうとさえ、しているように見える。
実際にはそう動かず、堪えている。
彼女の中の、無自覚な最後の一線。
それがたぶん、自分で動くこと。
唾液の水音が響く。
「んぅ!はっ、あっ!あぁっ……あっ……?」
ゆっくりと引き抜かれる。
それまで刺激を与えることを念頭に動いて来ていたのに、だ。
「司令官……終わり?」
四つん這いの体勢を崩さぬまま聞く皐月。
今までの聞き方とは、明らかに違う。
「あぁ、今日は終わりだ」
「そ、そうなんだ!」
「それに皐月」
「?……どうかしたの」
それは皐月には意外な、計画的な言葉。
「今日はとても長いこと薬を塗っていただろう皐月」
「うん!すっごい長くて、ボク諦めたかったよ……!」
「だからな、しばらくはしなくて大丈夫だ」
「えっ……!?そう、なの?」
企みが皐月の足元を浸していく。
急速に、確実に。
「あんな恥ずかしいこと、したくないだろ?だから暫くはお休みだ」
「そ、そっか!」
どっぷりと、しっかりと。
「日程は追って連絡をする。ほら、約束のお駄賃だ」
「あ、ありがとう!司令官!」
こうしてその日の"処置"は終わった。
しかし、罠はしっかりと、皐月を捕らえている。
執務室から元気良く飛び出す少女。
その未発達な尻は、痒みの薬を塗られていないのに疼いていた。