* * * * * * * * * * * * *
初回記録
簡易検査
* * * * * * * * * * * * *
* * * * * * * * * * * * *
皐月自室
* * * * * * * * * * * * *
テロップはその二語のみ。
寒気が走る。シンプルなタイトルが逆におぞましさを高まらせている。
いや、どのようなタイトルでもおぞましさは感じたことだろう。
それに、青葉だって、他人の事を言える立場では無いのだ。
画面が切り替わる。
少々薄暗い。
駆逐部屋の二段ベッドの下側、足を向ける方。
画面には誰も映っていない。映った。
扉から入ってくるのはタイトル通り、皐月。
風呂上りのようで、下着だけの姿だ。
年齢も、この女所帯もあるのだろう。無防備な姿。
特徴的な金髪の二つ結びは少し高めに括られている。
湿気を逃がすためだろうが、普段よりさらに活発な印象を受ける。
パタパタと手うちわで扇ぎ、ベッドに腰掛ける。
「ふー、あついあつい!」
布団がその体重に僅かに沈む。
髪の括りを解き、火照りも冷めぬままにベッドに横たわる。
足の裏、下着の股、薄い胸、鼻。それらが一望できる。
髪が傷みそうだが、そこは若さがカバーするのだろうか、あるいは気にしてないのか。
下着姿で、もぞもぞと布団の上を転がる。
「ん、んー」
落ち着かない。
時折動きが止まったかと思えば、また動く。
照明は消えてない。寝るつもりというわけでも無いのかもしれない。
あの元気の良さからはこうもゴロゴロしている印象は受けないが、それぞれであろう。
「んんぅ、んっ……!」
何かを決意したかのように、勢いよく上体を起こし、足元から何かを取り出す。
取り出したのは、銀色の缶。
消毒薬だ。
蓋を開き、一枚を手に取る。
「長月もしばらく帰ってこないし、時間はあるよね……」
濡れた紙を見つめ、呟く。
その頬の赤さは、風呂上りのそれだけでは無かった。
また、横たわる。左半身を下にして。
下着を脱ぎ、足元に放り捨てる。
これも、普段は見られない一側面、なのか。
「んっ……」
自身の尻肉の間、その奥。
濡れた紙の感触に息を飲んでいる。
幾度も繰り返された行為。
たぶん、自分でするのも何度目かなのに。
それでも初々しい反応、元の……感度が良いのだろうか。
奥を拭く手を、薄肉の谷間に沿って動かす。
手と連動して、指も動いている。
「んっ、んっぅ……」
もぞり、もぞり。
指が動いたタイミング、それに合わせて声を押し殺す。
「こんな、もんかな……」
少し荒い息。
濡れた紙をゴミ箱へと捨てる。
銀の缶をしまい、別の物を取り出す。
タオルと、プラ容器に入った、ローション。
先ほどの動画では、渡されていなかった。
後で渡したか、どこかで入手したか。
思う間にタオルを敷き、蓋を外し手に取り出す。
指先に、塗っていく。
本来なら薄める物と聞いている――詳しくは知らないが。
使用方法を知らないのか何なのか知らないが、彼女は原液で使うようだ。
「この前薄めたら、垂れすぎてひどいことになったからね……今日はそのまま使ってみよっと」
こちらの疑問に答えるように呟く。
なんとも言えないシンクロニシティ。
ぬらぬらと光る、細く小さい指先が伸びていく。
「んっ、ぐぅ……んん」
上手く入らない。
薄めていないせいか、少々滑りが悪いのかもしれない。
はぁーー、ふぅーーーー。
深呼吸の音。
再アタック、違う。
ぬるぬるとした指で、弄っている。
「んぁ……うんっ……」
間の抜けた声を上げ、ぐにぐにと刺激する。
よくほぐす方向に舵を切ったようだ。
「司令官なら……もっと、上手にっ、ん!」
愚痴をこぼしながら触り続ける。
金髪の、幼い少女が、自身の指で、尻穴を弄る。
改めて考えると凄い光景だ。
「そろそろ、いいかな…………はっ、あっ……んっ……」
指先に力が入る。
ぐに、ぐに。
何度か突き入れる動きをし、
「は、いったぁ……はぁぁぁ……」
指を入れたまま、大きなため息をつき一休み。
そして、また動かす。
入っているのは、人差し指。
一般的には、最も器用な指だ。
慣れた、とも言えないが、たどたどしさも無い手つきで動かす。
「はぁっ……んふっ、んっ!」
堪える声。
防音はそこそこあるはずだが、恥ずかしさがまだ残ってるのかもしれない。
ゆっくりと動かすと、体もピクリと動く。
「んんぅ……ちょっと、太さ、足りない、かな……」
不満を漏らす。
それでも指は止まらない。
ローションに気泡が混ざり始めたのか音が聞こえる。
ぐちゅ、ぐぷっ。
じゅっ、ぐぷっ。
指の抜き差しが動きに入ったのだろう。
音が早くなる。
ぐっじゅぷっ。
ぷじゅっぐっ。
「司令官……司令官……」
切なげな声を漏らす。
指は止まらない。
指が掻きまわすように動く。
ぐぴっ、ちゅぷっ。
ぐぱっ、ぢゅっ。
とろりと尻から垂れる、液体。
体が震えると、垂れる液体が少し飛び散る。
薄めてないおかげか、ほんの僅かだが。
「はぁっ、あぁっ!司令官、しれ、いかん!」
語気を強めながらも声量は低く。
空いた手が、周囲の肉を揉む。
「っはぁ!……はぁっ、うぁっ……!」
解かれた髪が緩く振り乱れる。
半ば暴れるように体を動かす。
その様は、快感に耐え切れず、では無い。
物足りなさ。
それが、体を暴れさせる。
不満が、薄い快楽が。
ぺちん。
快音、自らの尻を叩き、少しでもと発散する。
「うっ、ぐぅっ…………はぁっ…………」
指が引き抜かれる。
ごぷりとタオルに液体が足される。
「んっ……はぁぁぁぁ……」
引き抜く感覚を余韻に変え、ため息をつく。
「やっぱり、司令官じゃないとだめ、なのかな」
ティッシュで後片付けをしながら、そんな言葉を漏らす少女。
顔は赤く火照り、表情は不満と満足のさなか。
つまりは不満。
足りない、足りない、物足りない。
皐月は乱暴にティッシュをゴミ箱に捨てた。
* * * * * * * * * * * * *
暗転。
明転。
動画はまだ続きがある。
* * * * * * * * * * * * *
続きは先程と同じ部屋。
少し違うのは、皐月が既に床に入っていて、制服姿なことか。
部屋の光、その色からして夕暮れ。
どうも昼寝をしているようだ。
制服を少し着崩し、すやすやと眠っている。
きぃぃ……ぱたん。
扉が開いて、閉まる。
現れたのは、司令官。
寝ている皐月にそっと近づき、頬と肩を優しく叩く。
「…………」
無言。頷き。
上着をベッドの向かいの机に畳む。
これは……なんだ?
一時停止、慌ててレポートを捲る。
…
……
あった。
今再生している盗撮動画の撮影日は"処置"を行った日。
そしてレポートにはある旨が書かれている。
「坐薬型睡眠薬」
それを、使用したと。
坐薬のくせに、若干の遅効性。
ちゃんと体重に合わせて薬量を調整するというあたりも気が利いている。
(だから、なんですねー……)
入って即座に頬と肩を叩きに行ったのはその為だ。
寝ていると知っていた、後は念を入れての確認。
さて、と。
この動画は、今までと趣が大きく違う。
これまでは何だかんだと一応の同意を得てきてはいた。
だが、これは、違う。
卑劣――今までの行い全てそうだが、これは輪を掛けて卑劣。
だが、本当にそうだろうか。
いやそのはずだ。
だが、だが。
確認は必要だ。
再生。
(…………っ!)
ぐいっと、司令官の顔がこちらに近づく。
驚いた、心臓が飛び出るかと思った。
どうやらカメラの位置調整か確認だかのようだ。
「……よし」
一言発し、離れる。
ベッドの足元の缶を引っ提げて。
「…………」
無言のまま、ベッドの横に膝をつく。
そのまま、金色の頭を撫でる。
優しく愛情溢れる、しかしどこか、じっとりと湿った撫で方。
指先で前髪を整える。
笑った。
角度のせいで見えづらいが、笑った。
そしてそのまま、前に倒れる。
首筋に顔を埋める。
背中が、膨らむ。
息を吸っている、匂いを吸っている。
顔を離し、
「はぁぁぁぁ……」
恍惚の表情で息を吐き出す。
そしてまた前に屈む。
頭頂、胸元、腋、腹部、そして股間、果ては足の裏まで。
各部の匂いを嗅いでいく。
レポートをちらりと見やる。
そこには各部の匂いについて事細かに、書かれていた。
読まない、正気を失いそうだ。
このような変態の思考――あるいは嗜好――に触れ続けるのは、良くない。
だが、目の前での狂態に、目を離せない。
存分に嗅いだところで、手を伸ばす。
頬に触れる。
手の平で柔らかさを確かめながら、同時に親指で唇をもてあそぶ。
おもむろに、顔を近づけ、離す。
「いや……今はやめておこう」
狂人の企みは分からないが、何らかの美意識――狂人が最も大切にするもの――に反したのだろう。
少女の口付けは守られた。いや今は、というべきか、もしかしたら次のレポートでは――。
いや、それよりも目の前だ。
一度離れた顔がまた近づく、今度は首筋。
細やかな破裂音。
首筋へのキス。
何度か連続して、音が響く。
手が下へと伸びる。
胸。
まだまだ未発達の、薄い胸。
本当についこないだ、平らでは無くなったばかりのような胸。
それを服の上から、さわさわと撫でる。
何かを探すように。
いや、こういう時探すものは分かっている。
だが、見当たらない。
未熟な上にあの厚着であれば、捜索は困難だ。
だから、力技に出る。
ぷつり、ぷつり。
元々開いていた上着、その下のブラウスのボタンが外されていく。
ぷつり、ぷつり。
制服のサイズの関係で、ボタンが小さい。司令官には少し時間が掛かる。
だが、多少時間が掛かるくらいは問題無い。
むしろそれが「焦らし」としてスパイスになる。
横顔に夕日が当たり、汗がそれを反射する。
直射日光と緊張、その両方。
ブラウスのボタンが全て外され、正中線に沿い少し肌色が見える。
胸元は、薄緑。綿製と思しき、スポーツブラ。
薄い胸にぴったり張り付いたそれが、呼吸に合わせ上下する。
ブラウスを開く、ゆっくり、丁寧に、少々残忍。
ヘソが見える、呼吸に合わせ上下するのは胸だけではない。
柔らかなお腹も上下する。くびれは無い。
いや、微かにある、か。ほんの微かに。
この画質では、判断しづらいが。
上下するお腹を撫でる。
上から下へ。小指でスカートを少し弾く。
「んん…………」
小さな呻き、司令官がビクリと肩を震わせる。
だが、すぐ収まる。
薬効は確かなようだ。
手が上に伸びる。
細い胴、司令官の手が比較対象としてあるせいか、普段より細く見える。
手が胸を覆う、すっぽりと腋まで収まる。
微かな膨らみに乗った手の平を動かす。
たぶん、動いている。その位にしか見えない程度に、緩やかに。
綿の感触と膨らみ。
それらを小刻みに撫でる。
「んっ、すぅぅ…………」
反応、今度は驚かない。
薬には余程の自信があるのだろう。
手の平を浮かせ、親指を膨らみにあてがう。
服の上からでは分からなかった突起、それを改めて探る。
胸の外側から内側に向かって、円を描くように指がなぞる。
親指の先端が綿と膨らみに微かに沈み、潜る。
見つけた、少し外向き。
沈み込みを少し弱く、生地の上をなぞる。
かり、かり。
生地の糸目、それを刺激するように引っ掻く、突起の場所を。
「んんぅ、んっ…………」
反応、戻る。
指の腹が押す、まるでスイッチのように。
ぽち、ぽち。
ぽち、ぽち。
皐月の息が荒くなる。
構わず、指の腹でなぞる。
次は指を立て、ぴんぴんと弾く。
その次は布を剥ぐ。
その次は――。
その次の次は――。
様々な方法で、胸を玩具のように弄り回し続ける。
荒い、吐息。獣のような。
「はぁ……皐月、かわいいよ……」
じめり、とした声が部屋に響く。
日が、そろそろ沈む。
腕時計をちらりと見やる。
残り時間が少ないようだ。
「名残惜しいが、これで最後だ」
ぐわっとベッドに入り、膝の上に皐月を抱える。
ここまでされても起きない。
ある程度時間に余裕は持っているのだろう。
スカートをたくし上げ、下着を見せつける。
もちろん、カメラに向かってだ。
そして少女の体を抱えたまま、器用にチャックを下ろす。
露出する、いきり立った男根。
たぶん、大きい部類に入るが、皐月の華奢な体と並べると、凶悪とも言えるサイズだ。
それを――皐月の股布に擦りつける。
「はぁっ、皐月……!皐月……っ」
一心不乱に名前を呼び、頭に鼻を擦りつけ、下着越しに秘所に押し当てる。
「んっ、んっ……」
少女は、起きない。
起きる気配が全く無いわけでは無いが、まだしっかりと残っている。
その声もスリルとしてか、ブラと同じ色の布に擦りつけ続ける。
細い体を抱き締め、腰が勢いよく突き上がる。
「皐月っ……」
「んぅ、んんっぅ……」
呼ばれた声に返事するかのごとく皐月が応え。
下着を白濁が汚していく。
まだ、止まらない。
出る、たっぷりと。
尋常じゃない量だ。
「はぁっ、はぁっ……今日までずっと溜めてきた分だ……」
息を整え、服を整える。
後片付け。枕元に持って来ていた缶から消毒薬の染みた紙を取り出し、各所を手早く拭いていく。
早い、手慣れているかのように。
実際は綿密なシミュレートのおかげらしいが、あっという間に片付いた。
「そろそろ、だ。皐月、もうそろそろだからな」
その言葉と共に、皐月の額に唇を当て。
上着を羽織り、颯爽と部屋を出ていった。