或部琉家の一人息子である剛士は、幼少の頃に子役としてかなりの人気を博していた。
特に牛乳推進のCMが好評で、日本酪農協会から救世主だと崇められるほどだった。
その人気度は子役界の星として今も語り継がれている。
それから十五年が経ち、二十歳となったかつての「みるくボウヤ」は屈強の男子へと成長していた。
体育会系の大学へ進み、趣味は筋トレという日常の中でたまに立ち寄るホットスポットがある。
俗に言うハッテン場。女子禁制の男の楽園だ。
受付を済ませた剛士はロッカールームで服を脱ぎ捨て鏡に目を向ける。
今日も寸分の狂いもない均等な筋肉が剛士の身体を包み込んでいた。その姿は美術部の人間に言わせれば芸術。さらに奇跡の大腿筋とまで言った者もいた。
ロッカールームを後にした剛士は獲物を求めてサウナへ赴く。
すると一歩中へ踏み入れた瞬間にそれと目があった。少し細身ではあるが筋肉質な、痩せマッチョというヤツだろう。
視線を交わして五分後、そいつがサウナを出たのを見計らって剛士も後を追う。
すると先程の男が緊張した様子で剛士を待っていた。
「みるくさんですよね」
「そうですけど」
短い会話で相手を喜ばせた剛士は早速と休憩室に相手を連れ込んだ。
CMから十五年が経ち大学生となった剛士はあの頃の知名度もあって、この界隈では「みるく」と呼ばれていた。
汗と汗が混ざり合う中で男はやはりお約束のように叫ぶ。
「ああっ、みるくさんのみるくが僕のなかにぃぃぃっ!!」
ガツガツと腰を押し進める剛士に喘ぐ男は周囲の目も気にせず声をあげていた。
その声と名前につられたのか一人の男が剛士の背後に近づく。
そっと剛士の臀部を撫でると「みるくたん」と濡れた声でささやく。
「僕はみるくたんの中に僕のみるくを注ぎ込みたいよ」
はあはあとうるさい息を漏らした男はそういうなり剛士の中に剛棒をねじ込んできた。しかし百戦錬磨の剛士はわずかに唸るだけでそれを受け止める。
背後から男に突かれ、自身のものは他の男に突っ込んでいる。
三人で合体しぶつかり合いながら「みるくさんのみるくを飲み込みきれないっ!」と声があがり続けた。
三時間後、二人の男を倒した剛士―――みるくは新たな獲物を求めて街に繰り出す。
変態の夜はまだふけたばかりだった。
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