復讐の唄ーリアルエンドーリバースストーリーー 作:lOOSPH
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例の赤い部屋にて
絵理奈は黒い手袋をはめて
白い額に張られている写真を二枚はがし
じっと見つめていた
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翌日
3組と四組
この二つのクラスの者達は
全員集められている
そこでは四組の熊野 真が
強姦を受けたというもの
彼女の体にある精液から
この学校の不良であることが分かり
全員がしかるべき処分を受けたという報告だ
これにはどちらのクラスの生徒も息をのむ
そして
「今朝、職員会議で決まりました・・・・
今日より一週間、3組と四組は
学級閉鎖となります」
と教員の口から
そう告げられる
一部の者は学校が休みになるので喜んでいた
ただ一人を除いて
それは
「待ってください!
本気でこの時期に学級閉鎖にするつもりですか?
僕たち受験生にとって
この時期がどれほど重要かわかってるんですか!?」
3年3組 出席番号30番
山瀬 裕也
彼であった
「もちろんわかっています
受験勉強で大変な皆様には
本当に申し訳ありません
ですがやはり
この赤い封筒事件の犯人が
まだわからない以上対策を取らないわけには
行かないのです
この事件において熊野産をはじめとして
どれだけの生徒が巻き込まれてしまったのか」
教員は告げる
「ええ、わかっていますよ
自殺者一名、死傷者二名
事故死が三名
欠席者十四名
入院中が二名
合計24名が今
学校に来ていません・・・
だからどうしたというのですか?」
「どうしたって
なんとも思わないのか?」
「思いますよ
自殺者がクラスメイトから出たなんて
内申書に響いてしまいますから
はっきり言って迷惑ですよ」
「山瀬・・・・
お前それでも学級委員か!?」
「なんやねん
お前偉そうに!
休みになるくらいええやろ?
むしろ家で好きなだけ勉強できるんやから
ええやないか!」
3組 出席番号20番
辻村 健太郎
彼が裕也に食って掛かるが
裕也はそれを無視する
「学級委員だからこそ申し上げます
これはクラス全体の今後の進路に
かかわることなんですよ
今この場にいない者のために
時間を割いている暇なんて
僕らにはないはずです」
「ちょい待ちぃ!
お前だってクラスの一員やろ?
死んだ奴を思う気持ちはあるやろ?」
「ああ、あるよ
本当に迷惑なことを
してくれたって気持ちでいっぱいだよ」
その言葉に担任は声を上げる
「山瀬!
いい加減にしないか!!
お前は自分のことしか考えていないのか!?
学校は団体生活の場だ
もうちょっと協調性を持ちなさい!」
「協調性?
だったらあの事件のあれは何だ!?
くだらない動機で
一人の人生を平気で踏みにじれるような低レベルの連中と
協調性を持て?
無理な話だ!!」
「裕也、ちょっと落ち着・・・・・」
健太郎がなだめようとすると
「お前らだってそうだ!
お前らはあの事件の真相に
気づいていながらみんなで同意した
お前たちも何も変わらない
気に入らないのがいたら
すぐに切り捨てようとする
臆病で低俗なサルそのものだ!!」
裕也が叫ぶ
「落ち着けよ裕也・・
もう決まったことなんだ」
3組 出席番号9番
北浦 亮
彼がなだめていく
だがその反応に
クラスメートはうんざりしはじめていく
「どいつもこいつも
バカばっかりだ・・・
罰が当たったんだよ」
「何よその言い方・・・
まるで自分は悪くないみたいに言って!」
「事実だろう!?
お前たちは事実を調べていた奴に
圧力をかけてほとんどの連中を丸め込んだ
僕もその一人だ!」
裕也はクラスメートにあたり始める
「ああもううざい!
過去のことほっぽりだしてんじゃねえよ!!
もういい加減うざいんからもう出てけよ!!!」
詩織に同調しクラスの女子の大半が騒ぎ始める
「どいつもこいつも・・・
どうしてそんな考えしか出てこないんだよ!」
すると教員が
裕也を抑えていく
「覚えていろ・・・
この報いはいつかその身に
受けることになる・・・」
裕也はそう告げて
教職員たちに退室させられるのだった
この事態に笑みを浮かべているのは
「・・・・・」
3組 出席番号23番
夏目 麻衣
彼女であった
だが
その中にもう一人
笑みを浮かべつつ麻衣を
見つめる視線に彼女は気が付かなかったのだった
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その後 3組と四組は
帰宅前にそれぞれ班ごとに分かれて
清掃をしていく
その中で四組と合同になったものの一つに
音楽室があった
「あ、絵理奈・・・」
「彩奈さん・・・」
偶然にも同じ場所になった彩奈と絵理奈だった
「山瀬君のほうは
どうなりました?」
「生徒指導室に連れていかれたみたいね・・・
まだ処分は決まってないみたいだけど」
「そっか・・・
それにしても真さん・・・
友人二人がいなくなって
おまけにあんな目にあって・・・
ショックでしたでしょうね・・・」
「やっぱり・・・
あれも誠二が?」
「わかりません・・・
私も私なりに調べているのですが」
すると
「あ、ふ、藤沢さん・・」
3組 出席番号24番
野村 藍
彼女が二人のところに行く
「あ、野村さん・・・
あなたもここの?」
「うん
それにしても
二人共知り合いだったんだ」
「ちょっとね・・・
それにしても驚きですね・・・
まさかこうして面識のある同級生と
同じ場所になるなんて・・・」
「本当は常盤君と森谷君、峰嶋君、山瀬君もなんだけど
常盤君は学校にいないし
森谷君と峰嶋君は学校に来てないし
山瀬君はあんなことがあったし・・」
「おかげで私の班は女子だけよ
そっちも女子だけみたいね」
「本当は真珠さんと熊野さんが一緒なんだけど
二人共学校に来ていないし・・・」
と話をする
「とにかく掃除を終わらせてしまいましょう・・・
あまりお話に夢中になってると
帰りが遅くなっちゃうしね」
「それもそうね・・・
あ、そうだ野村さん・・・
これも何かの縁だし
これからよろしく」
「こ、こっちこそよろしくね」
そんなやり取りをひそかに見つめる一つの視線
「・・・やっと私にもチャンスが
めぐってきた
山瀬っていう壁がなくなって
残るは・・」
それは
夏目 麻衣だった
すると
「麻衣っち・・・
あんまりそういうの
言わない方がいいよ?
特にこういう場所ではさ・・・」
3組 出席番号14番
島 音野
彼女が楽器をしまってある棚を
清掃していた
「だって・・
やっと私にもチャンスが
めぐってきたのよ?
貧乏で地味でデブでブスな私にとっては
勉強こそがすべてだった・・
でもこの高校に来て
山瀬と言う越えられない壁ができた
おまけにあの早乙女っていう更なる壁が
私ね・・
実を言うと
この事件の犯人に感謝してるのよ」
「犯罪者に感謝だなんて・・・
罰が当たるわよ・・・」
麻衣の発言に音野は発言を控えるように言う
「でもおかげで山瀬はあのざま
あの様子なら次の期末で私は
きっと今よりいい成績になる
だから残るは・・」
麻衣は絵理奈を見る
麻衣にとって越えられない壁の一つだ
麻衣は勉強以外にできることがないので
勉強以外のことができる裕也や絵理奈は
まさに目の上の瘤
「・・・わかるでしょ?
私は次の期末絶対に一位を取る
そのためならなんでもするわ
犯罪者や悪魔にすがったってね
家が宗教のあなたにはわからないだろうけどね」
「そうね・・・
もういいわ」
と言って作業を続ける音野
家が宗教の彼女は
その習わしの一つとして
身の回りの清掃を心掛けている
ゆえに掃除は大好きだ
人とコミュニケーションをとるのが苦手な麻衣も
思わず話し込んでしまう彼女
だがそこに
「ん!?
おお!?」
「え?
ちょっ!?」
「「きゃああ!!」」
二人は悲鳴を上げる
「大丈夫!?」
悲鳴を聞きつけ
三人は中に入る
「すぐに先生を・・・
彩奈さんと野村さんは
二人のほうをお願いします!」
「「うん!!」」
と絵理奈は教員を呼びに走り
彩奈と藍は倒れている
棚の下敷きとなった麻衣と音野を介抱する
「夏目さん、しっかり・・」
「い、痛い・・」
「待っててすぐに先生が来るから!」
「うう・・・」
そして
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保健室
「この様子・・・
たぶんひびが入ってるか
骨折してると思う・・・
あんなことが起こって
むしろ良かったかもね・・・
でも問題は・・・」
とベッドで安静にしている
島のほうを見る
「彼女は頭を強く打ったのね・・・
二人共病院に行った方がいいわ」
「あ、あの・・
やっぱり骨折ですか?」
「たぶん大したことはないと思うけどね・・・」
保険の教員はそう告げるが
麻衣は
「なんで?
何で私なの・・
だって私一生懸命やってきたのに・・」
顔を青ざめていき
「なんでよ・・
私は何にもしてないのに・・
何でよ」
「な、夏目さん!?」
「なんでなのよ!」
麻衣は勉強ができない体になってしまったことに絶望し
「なんで私なのよおおお!!」
発狂しながら保健室の先生に抑えられるのだった・・・・・・・・ ・・
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教室に戻ると
もうほとんどの生徒が
掃除を終えていた
帰りのホームルームを待ちわびている一同
そこに
「さ、早乙女さん!
さっき先生が言ってたけど・・
夏目さんと島さんが
大けがを負ったって!?」
「大丈夫だったんですか!?」
白取 良
鷲尾 藍子
四組の女子グループの一つ
恵理グループの女子の二人が
絵理奈に詰め寄る
「夏目さんは両腕を骨折・・・
島さんは頭を強く打って寝込んでます
二人共帰りに病院によることになったそうよ」
「そうなんだ・・
二人共大丈夫だろうか」
「山瀬さんもまだ出てきてない
見たいですし・・・
これも赤い封筒のせいでしょうか・・・」
「・・・・・・・」
二人の会話を聞きつつ
手を顔に覆い
ひそかに笑みを浮かべる絵理奈であった
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彩奈は急いで教室を出る
詩織と真央につかまらないためだ
するとそこに
「美穂?」
「あ、彩奈・・」
3組 出席番号19番
塚本 美穂
彩奈とは幼馴染で
親友だったのだが
結子と恵美が離れたのを機に
いつの間にか彩奈の元を離れてしまい
今や真莉グループの傘下に入っている
「何?
急に・・」
お互い久しぶりなのか
言葉がなかなか出てこない
「美穂・・・
あなたにお願いがあるの・・・」
だがそれでも彩奈は言葉を出す
「お願いって・・
例の赤い封筒事件のことで?
昨日もそれでいろいろ奔走してたみたいだし?」
「知ってるのなら話は早いわ・・・
お願い協力して・・・
誠二を止めるの!」
「彩奈・・」
「お願い・・・
彼はもう暴走してる・・・
このままだったら
彼はきっとまた過ちを
犯していってしまう・・・
お願い・・・
普段の私のことは無視してくれていいから」
「無理よ
大体あなた今自分が置かれてる状況わかってるの!?」
「わかってるわよ
だからこそお願いしてるの!」
必死に頭を下げる彩菜
「私はあなたの申し出を
受けるつもりはないわ・・
前にも言ったはずよ・・
私に話しかけてこないでってね」
だが美穂はそう切り捨てる
「私・・・
結子と恵美のこと・・・
誤解してたの・・・
二人は実は私のことを
助けてくれてたんだって・・・
でも私はそれに気が付かずに
二人、助けられなかった・・・
だから・・・
だから美穂のことは信じたいの・・・
お願い!
協力して!!」
「・・・・・・」
「お願い・・・」
涙目で必死に頼み込む彩奈
すると
「・・・・栞に会いに行って・・
図書委員だからきっと今
図書室の整理をしてると思うから・・
彼女のことに関してだったら
協力してくれるかもしれないわ・・」
「栞に?」
美穂はふいにつぶやいた
「ごめんなさい・・
今はまだ・・
あなたにかかわるわけにはいかないの・・
あと少しでいいから・・
お互いのためにも・・」
美穂はそう言って去っていくのであった
「私にはまだ・・
やらなきゃいけないことが・・・・ある・・」
そうつぶやきながら
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学校から出てくる
一人の男子生徒
すると
「よう、裕也・・」
幼馴染である亮が
彼を訪ねていく
「亮か・・・
何の用だ?」
「ああ、ちょっと心配だったから・・
すっごく怒ってたし」
「怒るに決まっているだろう
まったく迷惑な話だ・・・
これで僕の三年間が無駄になった・・・」
「でもみんな裕也がこの学校で一番だってことは
みんな知ってる
だからもう気にするなよ」
「そういう君こそ・・・
何か思いつめていることが
あるんじゃないのか?」
それを聞いて亮はやや反応した
「幼馴染である君に
一つだけ忠告をしておいてやる
この赤い封筒事件は
僕たちが高校一年の時のあの事件が
関係している
だからこの事件を解くカギは
その三年前の出来事にあると思っている」
「俺たちが一年の時に・・
それだったらどうして今になって・・」
「それは僕にもわからない
だがこんなカードが送られてきたんだ・・
きっとその事件につながっているだろう」
と亮にあるものを見せる
それは
赤い封筒と星座のカードだ・・・・・・・・ ・・
「裕也・・
まさかお前の元にも・・」
「ある意味運がよかったかもしれない・・・
敵が仕掛ける前に僕は退場だからな・・・」
「裕也・・
今回の犯人はやっぱり・・」
亮は恐る恐る聞く
「とにかく気を付けろ・・・
あの事件にかかわったのは
今の3組と四組だ・・・
僕もうそうだったように
君も気を付けておくんだな」
「・・・・ありがとうな、心配してくれて」
「礼を言われるほどじゃない・・・
ただもう一つ」
「どうした?」
「君のその何か悩んでいるのを態度に出してしまう癖・・・
いい加減になおせ・・・」
「・・・・そんなに出ていたか」
「・・・重症だな・・
てっきり言い返してくると
思ったんだが・・
何かあったのか?」
裕也が聞く
「・・・・悪い・・
今は言えないんだ・・・・俺・・実は・・
・・・・とんでもないこと・・しちまって・・」
「・・・無理をするな
言いたくないならそれでいい・・・
でも一つだけ言っておいてやる
下を向くな・・・
やらなければならないことがあるなら・・・
前を見ていろ・・・」
「・・・・やらなければ・・いけないこと・・・・・・」
それを言って
真剣な顔つきになる亮
「亮・・・
神藤 栞を訪ねてみろ」
「栞に・・?」
「彼女は滝嶋と同じく誠二の幼馴染だ・・・
もしかしたら何かヒントがあるかもしれない
彼女は図書委員だから
今図書室の整理をしているはずだ」
「・・・・わかった・・」
裕也に勧められ
亮は図書室に向かうのだった
「たまには原点に戻ってみるのも・・・いいかもしれないな・・」
鳳凰はその英知におぼれてその地位を失い
孔雀はその地位を求めるものの
風鳥とともにその翼は折れて挫折してしまうのだった
残り 19人と十二人
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