復讐の唄ーリアルエンドーリバースストーリーー 作:lOOSPH
そして
それは彼女
網葛 風子がまだ
中学二年の時だった
その時の彼女は明るく気さくで
誰においても分け隔てなく話をする
普通の中学生だった
そんな彼女には
親友と呼べる少女がいた
弓月 伊月
愛称、いっちゃん
風子にとっては
かけがえのない親友だった
幼稚園の時から風子と彼女ともう一人の幼馴染
ふうちゃんとろっ君、いっちゃん
この三人でよく行動を共にしていた
中学校に入ってろっ君と別々になってしまうも
二人は仲良く過ごしていた
だがそんな平穏も
ある事件のせいで終わりを迎えた
あと少しで
3年に進級できる前
伊月は思いを寄せている先輩に
思い切って告白をし
何とある場所に待ち合わせを約束した
風子も自分のことのように喜んだ
やがて約束の日に約束の場所
そこでついに運命の時も迎える
風子も伊月に頼まれて傍らで見守っていた
ところが
そこにやってきたのは
憧れの先輩ではなく
全くにても似つかない
不良集団だった
伊月も風子もともに
その集団に拉致され
伊月は強姦された
風子は抑えられ
そのさまを見せつけられる
自分の番が来るのかと
思ったその時
風子はすきをついて
その者達から逃げ出した
助けを呼びに行った
だがそこには
男たちはおろか伊月の姿もなかった
風子はそこで泣き崩れる
それからしばらく風子は
親友を見捨てて逃げた最低の女のレッテルを張られ
集団無視をさせられる
風子はやがて海に出かけた
風子と伊月はともに
泳ぎがうまかったこともあり
共に夏休みでは
プールや海によく出かけた
そこで見つけてしまったのである
流れ着いた遺体を
殴られたのか
顔が異様に変形し
誰が誰だかわからなくなっていた
だが風子にはそれが誰なのかが分かった
その遺体は
自分の幼馴染にして親友の伊月であることに・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・
風子はその場に泣き崩れた
自分が助けて上げられれば
あの時もっと早く駆けつけられたら
自分を激しく攻めた
許せなかった
無力な自分が
伊月を殺した犯人が
激しく憎悪をみなぎらせていく風子
そんな彼女に
「・・・いいねぇ
その憎悪に満ちたその瞳」
「え・・・?」
そこに現れたのは
黄色いフードを深くかぶり
顔を隠している一人の人物と
その傍らにいる橙色のフードを羽織った少女
「親友を殺され・・・
無力な自分
彼女を殺した者に対する
その憎悪・・・
実に美しい黒い憤怒だ・・・」
「あなたは・・・」
風子は自分の顎を上げるその人物に
名前を尋ねる
「私の名前は明かせないが・・・
黄色なる傲慢と覚えていてくれるといいよ」
「黄色い・・・・傲慢・・・?」
その人物はさらに続ける
「黒い憎悪に満ちた君に教えてあげよう
君の親友を陥れた犯人は・・・
君の学校にいる・・・」
「っ!?
何ですって!?」
「そしてその犯人は
君の親友を陥れつつ
のうのうと普通に学校生活を
送っている・・・
君はそれを知ってどうする?」
その問いに風子は
「・・・・もしもそうなら・・・
アタシは許せない・・・
私の親友を陥れて殺して・・・
それでのうのうと生きているなんて・・・
アタシは絶対に・・・」
とその人物を憎悪を込めた瞳で
にらみつけて言う
「アタシはほしい・・・
いっちゃんを殺した奴を・・・
いっちゃんが苦しみ続けた分だけ
苦しめられる力が・・・」
すると
黄色いフードの人物は風子の顎から手を放すと
彼女に手を差し伸べる
「だったら私たちのもとにおいで
私が君に復讐する力を
あげようじゃないか・・・
君に君が復讐するにふさわしい力を上げようじゃないか?」
「・・・・・・・」
風子はしばらく見上げるが
立ち上がる
「勘違いしないで・・・
アタシはあんたの話を全て
信じてるわけじゃない・・・
でも・・・
力はほしい・・・
そのためになら私は・・・
悪魔にもなるわ
だから・・・
アタシに伊月を殺した奴に復讐する力を頂戴・・・」
この言葉とともに
黒い憤怒が誕生するのであった
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現在
黒い憤怒として
活動する風子は
そこであらゆる格闘術を会得し
様々な力を携えていった
やがて彼女にあたった風当たりも
多少は収まった
だが人当たりの良い
あの明るさは
失われてしまった
そんな日常で風子は
ある事件のことを知った
それは
3年前に自分のいるこの街で
起こったとされている
赤い封筒事件
白咲高校に星座のカードなどが入った赤い封筒が
当時の3年3組と三年四組に次々と届いて
次々に何らかの災厄に見舞われたという事件
犯人は射手山 愛理奈
その彼女を抑圧したとされているのが
藤沢 彩菜だった
もっとも彼女もその事件のさなか
死亡してしまったらしい
この事件に落ちて死亡したのは14人
残ったもの達の大半は
社会復帰が難しくなるほどの精神的ダメージを負ったらしい
風子はこの事件に
強く惹かれた
もしかしたらこの事件を
模倣すれば復讐が果たせるかもしれないと
やがて彼女は
決して弱まることを知らない
憎悪の炎を燃やしながら
その時を待ち続けた
復讐の準備をするための爪をとぎながら・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・
九人はそれぞれ違う罪を犯した
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