復讐の唄ーリアルエンドーリバースストーリーー 作:lOOSPH
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
暗い部屋の中
そこに入ってきた
黒いフードをかぶった
一人の少女
網葛 風子
彼女はフードを脱いで
壁に掛けると
額縁のほうに行く
左から黄色、緑、青、赤と
並んでいる額縁
彼女はいよいよ
張られているうち
今まで一度も手を付けなかった
緑色の額縁の写真に
目を向けると
風子はそのうち
一枚の写真に目を向けた
それは男子の写真だ
見た目からして
筋肉質な人物
彼女はそれを見ると
さっそくその傍らにかけている
複数の資料を壁からいくつかはがし
机に広げていく
こうして
次のターゲットを見据えるのであった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
高校の陸上部
そこでは
部員が何人か走りこんでいた
そのうち一人の男子生徒が
見事に完走した
「すごい
また新記録だ・・・」
おおーっと静かに歓声が上がる
「フフフ・・・」
この男子生徒が
今回のターゲットである
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
織部 怜音
元白咲中学校 三年一組所属
成績優秀スポーツ万能
お金持ちでルックスもよいため
女子生徒からの人気が高い
だがその本性は権力主義者
彼の所属する陸上部も
実質、彼のワンマン部である
彼の独断と偏見で
スタメンが選ばれているため
一部の部員からは
ひどく恨まれている
風子はそれに目をつけて
彼に怨みのある生徒に
いくつか目をつけて
動かせそうなものを選定していく
そこで目を付けたのは
陸上部の美織 名音だった
彼も一年のころから
陸上部に所属していたが
初日の練習試合の時に
運悪く結果を出し切ることができず
結局その時メンバーには選ばれなかった
それだけならばいい
だがそれ以来彼は
選抜するどころか練習に
参加させてもくれなかった
走るのが好きで陸上部に入ったのに
これでは雑用じゃないか
まさにその通りだった
風子もそんな彼を
じっと見つめていた
自身の復讐に利用するために
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・今日も練習に参加させてくれなかった・・・
どうしてなんだよ・・・
いつまで俺はこんなことやらされなきゃ
行けないんだよ・・・」
部室の更衣室で着替ようとしつつ
そんな愚痴をこぼしている美織 名音
すると
ロッカーの中に
何やら手紙が入っている
そこに書いてあった内容を見て
名音は驚愕する
「なんだよこれ・・・」
その内容は
彼を怒らせるのには
十分なものだった
それは
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その帰り道
一人の男子生徒は
ため息をついていた
それは
「はあ・・・」
織村 怜音
陸上部部長である
彼がどうしてため息をついているのか
それは部活の練習の時だった
練習の後に
部員に言われた
こんな部活、本当にやりたいんですか
と
その時からは初めて人に手をあげた
どうしてそんなことをしたのか
それは反発心からだ
彼はこの世でただ一人
尊敬している存在がいる
それが父であった
彼は子供のころから
自分を支えてくれた父を
誰よりも尊敬していた
だから自分はそんな父の期待にこたえたい
そう思って運動も部活も
必死に頑張った
中学校の時、成績が伸び悩んでしまったときも
父が特別指導に当たってくれたことによって
優勝に発展できた
気が付いたら彼は
父のやることにすがっていた
依存ともいえるものだった
だが彼自身もわかっている
このままではだめだと
人気のない公園に一人
座り込んでしまった彼は
どうすればいいのかを迷っていた
「俺は・・・
俺のやり方は・・・
間違っていたのか・・・」
すると
そこに一つの影が現れる
「うん?」
怜音はその人物に見覚えがあった
それは
「織部先輩・・・
こんなところで何を
しているんですか?」
美織だった
彼は静かに
話しかけていく
「美織・・・
お前こそ何をしている!」
「探していたんですよ
先輩をね・・・」
彼の言葉はいつもより冷たいものだが
怜音は気にすることなく話しかけていく
「俺にだと?
ひょっとして
練習のことか?
悪いがお前を参加させるつもりはないぞ」
「いいですよ先輩それでも・・・
まあ先輩ももう練習に出ることはありませんから」
「何を言って・・・!?」
すると
何やら鉄の棒を
大きく振るって
怜音に振るう
「み、美織!?
いったいなんの真似だ!?」
「あんたがいけないんだ
ずっと俺のことを
ゴミ扱いしてぇ・・・」
それでもなおも
鉄の棒を大きくふるっていく
それから逃げていく怜音
すると怜音の足が
大きくひねってしまう
「うあああ!!!」
「うわあああ!!!」
それでも必死に逃げる怜音
直りはそれを見てふうっとすっきりしたようにため息をつく
「あーすっきりしたぜ
あいつのおびえたあの顔
顔は見られちまったけど
あいつの足はもう終わりだし
これで満足だ・・・」
と鉄の棒をそのあたりに放置し
去っていくのであった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はあ・・・
はあ・・・」
逃げた怜音は
ある道端で激しく倒れこむ
立ち上がろうとするが
足に痛みを覚えて立ち上がれない
この時初めて
逃げる際に足をひねってしまったことを知った
するとそこに
黒いフードをかぶった人物が
訪れる
「あ、ああ・・・
お、お願いします
助けてください!
あ、足をくじいて動けないんです・・・
手を貸してもらえませんか・・・」
そう言って彼の横に入り
ひねった方の足を思いっきり踏みつける
「あああ!!!」
絶叫する怜音
「道端に駆け寄る人間が
そういえば助けてくれる人だと
思ったら大間違いよ
ましてやあなたのように
権力を糧に他人を陥れるような人間に
手を差し伸ばしてくれるお人よしなんて
一人もいない!」
そう言って倒れた彼の前に立って座り込んで
彼の顔を上げていく
「権力なんて所詮見栄っ張りな人間が振りかざす
ただの見せかけの力・・・
あなたはそんなものにすがって
生きていただけよ・・・
それをよく思い知りなさい!」
「ぐう・・・」
彼は涙を流す
「お、俺だって・・・」
そしてつぶやき始める
「俺だって必死だったんだ!
勉強も部活も
どっちでも頑張ってきたのは
みんな父さんのためだ!!
だって一番にならなきゃいけない・・・
父さんの期待に応えなきゃいけないんだ!!!」
「・・・・・・・」
彼の訴えに黙って耳を傾ける
「美織を外したのだって
父さんの指示だ・・・
そうしたらあいつは
俺に襲いかかってきた・・・
倒産の言うとおりにすると・・・
みんな俺を怨んでく・・・
俺だって・・・
俺だって好きでこんなことしてるわけじゃ・・・
なあ・・・
教えてくれ・・・
俺のやり方は間違っていたのか・・・?」
彼は問う
すると
「あいにくあたしは
道徳を述べる教師じゃないわ・・・
だからその問いに
答えることはできない・・・
でもこれだけは言えるよ・・・
自分の間違いを間違いだと
思えるのなら・・・
それもまた一歩なんじゃない?」
「・・・・・・」
黒いフードの人物の問いに
怜音はただ顔をうつ伏して頷く
「それと
答えなさい・・・
弓月 伊月を殺した犯人は・・・
貴方なの?」
「え?」
黒いフードの人物は黒いフードの人物を見上げる
暗いところからはうっすらと
仮面をかぶった顔が見える
「な、なんでお前
弓月のこと・・・」
「いいから答えなさい!」
すると
「し、知らない・・・
確かに俺はあの時
伊月に何度も迫って振られたけど・・・
だからって怨んでなんてない
ましてや殺すなんて・・・
そもそもあいつらを殺した犯人は
つかまったんだろ!?」
「じゃあ質問を変えるわ・・・
弓月 伊月を不良に襲われるように
差し向けたのは・・・
貴方なの?
それとも違う!?」
「し、知らない・・・
俺が知ってるのは
伊月が死んだていうことが
あった時だけだ
それ以上のことは知らない・・・
本当だ!」
すると
「ありがとう・・・
その問いを訊けただけでも十分よ・・・」
「お、お前・・・
何でそのことを
俺に訊いて・・・」
「あなたが知ることはないわ・・・
せいぜいそうやっていつまでも
うつ伏していなさい・・・」
と去っていくのであった
「ぐう・・・」
一人取り残された怜音は
その場にうつ伏すのであった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後
黒いフードをかぶった
一人の人物
黒い憤怒
黒い憤怒は
草におおわれた道を
踏み分けていき
その先にあった
一つのお墓を見つけた
そのお墓の前に立つと
そこに添えてあった
お花を変えてあげている
「いっちゃん・・・
今日も来てあげたよ・・・
あの日からもう・・・
一年以上もたつんだね・・・」
そう言って
墓前に手を添えた
「待ってていっちゃん・・・
絶対にあなたを追い詰めた
奴にたどりついて・・・
必ずいっちゃんの無念を晴らすからね・・・」
そう言って黒い憤怒は
お墓の前を去っていく
すると
そこに二人の人物が立っていた
「いっちゃん・・・
ってことはあなたは
風子ちゃん?」
「友人のお墓参り
欠かさず行ってるんだねー・・・」
「あなた達には関係ない・・・
わざわざこんなところまで
私に嫌味でもいいに来たつもり?」
その二人の人物は白と紫のフードを
それぞれ羽織っていた
「ううん
久しぶりに
会いたかったー
それだけー」
「だからってこんなところにまで
来ないでくれる?
あなた達には関係ない!」
そう言って二人の間を通って去っていく
「風子ちゃん・・・」
「気を悪くしないでー
あの子、初めて来たときから
ああだったからー
それじゃあ私もいくー」
と紫のフードの人物も去っていくのであった
「・・・・・・
広樹・・・」
少年はオリオンのごとく
乱暴に他人を扱ったために
強みを失うのであった
残り 28人と十五人 ⑨ Ⅲ人と弐拾六人
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・