いつからだろう?自分の気持ちに嘘をつくようになったのは、隣に眠るコイツが好きな下弦の月を窓越しに見ながら思った。
あの日々には、もう戻れないのだろうか………。
「好きなんだ。」
突然告げられた。出逢いこそ最悪で、顔を会わせる度に喧嘩ばかりしていた。
久しぶりの仕事で、料金も弾んでもらい行きつけの居酒屋へ出掛けた。
ガラガラと引き戸を開けると、着流しを来てうっすら頬を赤く染めた土方がカウンターいた。
別に混んでもいないので、隣に座る必要なんてないのに土方から手招きされて何となく隣に座った。
この日の土方は機嫌が良いらしく、喧嘩することなく奢って貰ったりして……。
「明日も奢るから、来いよ。」
いつの間にか、その居酒屋で一緒に呑むのが日課になっていて。
そんなある日の突然の告白。
手まで握られて、頷くしかなかった。自分でも何故頷いたのかわからなかったが、たぶん好きだったんだと思う。
じゃなきゃ、男にコクられてそのまま付き合うなんてあり得ないでしょ?
けれど、みんなに言うのは恥ずかしかったから俺たちは内緒で付き合った。
「こんどさぁ、出張が入ったんだけど、一緒に来るか?」
「はぁ?何言ってるんだよ。行けるわけねぇだろ?バレたらどうすんだよ。」
「大丈夫だって、行くの京だし。誰も知り合い居ないだろ?」
「居ないけど、怪しまれるだろ?八ツ橋をお土産に待ってるから。」
「マジで行かねぇの?」
「行かない。」
いつものように、ホテルのベッドで相手がシャワーを浴びるのを待っていると、出てきてすぐに言われた。
俺は、内緒のままでいたいんだけど、土方は違うみたいで………。
俺の肩に顎を置きながら話しかけてくる。
「無理だかね。」
「そうかよ。」
やっと、諦めてくれたみたい。
そうやって、いつも自分の気持ちに蓋をして来た。俺だってね、本当なら皆にさぁ『
けど、言えないでしょ?男同士だもん。キモがられて、終わりでしょ?
でも、ソレがいけなかったのかもしれない。
その日、土方から初めて呼び出された。今まで居酒屋で会えばそのままホテルへって感じだったから、正直戸惑った。だって、誰かに見られたらアレだろ?ホテルへ行くのだって、どっちかが先に行ってたし……だからなんの呼び出しかわかんなかった。
「なんなのこんなとこに呼び出したりしてさぁ。人に見られたヤバイっていつも言ってんじゃんか。」
屯所と万事屋を結ぶ橋の下に呼び出された。まぁ、真夜中だし人通りはないけど………。
「………」
ん?なんか、顔色悪い?
「ひじか……「結婚することになった。」
えっ!?けっこん?ってナニ?
「幕府のお偉いさんの娘で………」
土方がナニかを喋っているが、よく聞こえない。
あんまり、長く続かなかったなぁ。別れたくないけど………。土方の姿も良く見えないよ。
「銀、………俺は、別れたくない。」
抱き締められて、涙を拭いてくれる。
「銀………愛人になってくれないか?」