コッローディの言うとおり、道なりに進んでいくと街が見えてきた。
「街っていうより砦だねこりゃ」
街の外観を見てドロシーが呟く。
ドロシーとチップの目の前には巨大な壁がそびえ立っていた。
一軒一軒の家の壁が繋がってドーナツ状になり、町そのものが城壁となっている。エスメラルダの魔法使いの庇護があまり届かない地域においての、野生の獄鬼から町を守る知恵というわけだ。
壁に一部出入口が開いている。獄鬼の動きが活発でない日中は門を開いて通行を自由にしているようだ。2人は門を通り、街の中に入っていく。
「わ、人がいっぱいだよ!お姉ちゃん!」
街の賑わいに当てられたのか、チップははしゃいでいる。
ネッサローズ城の城下町は悪の魔女による圧政もあってか静かなものだったが、反してこの街は人々が活気に持ちている。
(ここはオズの国々の緩衝地域、ネッサローズの支配も、北の国ギリキンや中央国エスメラルダの統治も及んでない、か。)
治めるものがいない故のこの活気は、同時に柄の悪い連中の存在も示唆している。
コッローディの忠告を思い返しながらドロシーは、物珍しそうに街の様子をきょろきょろ観察するチップの手を離さぬように握りしめた。
「あ、お姉ちゃん、あれ何?」
チップの指差す先には人だかりができている。
飛び交う怒号やヤジからして、喧嘩だろう。こういう街では珍しいことではない。
「悪い奴らが悪いことしてるのよ。チップは見ちゃダメ」
散々獄鬼と戦ってきて今更とは思うが、まだ小さいチップに人間の粗暴な面を見せるのは避けたい。
今は身寄りのない彼と同行しているが、このままオスカー達との戦いに巻き込むわけにはいかない。
いずれ信頼できる人物や機関に保護してもらうことになるだろう。そして普通の子供のように育つのが一番良いのだ。
そう思いながら人だかりを通りすぎる途中、ドロシーは横目でちらっと喧嘩の様子を見る。
スキンヘッドの筋肉質な男がナイフを構えて目の前の相手を威嚇している。
対するは男性としては中の下くらいの背丈の男。前だけ逆立てた頭に細い目の嫌な感じの男だ。ニヤニヤしながら両手を上にあげてブラブラさせている。
お前なんか武器なしで充分とでも言いたいのだろうか。素手で刃物を持った相手を制圧するほどの力量はなさそうだが、そのニヤケ面は余裕そのものだ。
挑発と受け取った相手の男はナイフの先を目の前のトサカ男に向け、刃を突き立てようと突進する。観衆もどよめきながら様子を見守る。
肉の切れる音と共に血しぶきが舞い上がる。スキンヘッドの男は驚愕の表情を浮かべながら崩れ落ちる。血しぶきは彼の胸からのものだった。
いつの間に着けたのか、トサカ頭の男の両手の指には鉤爪が装着されていた。男は勝ち誇った顔で鉤爪に付着した血を舌で舐めている。
「手品だ」「目にも視えない疾さで武器を取り出したのだ」見守っていた観衆は口々に自分の意見を述べる。
「いや、手品なんかじゃない…」
ドロシーは肩を震わせながら呟く。彼女の動体視力はそれを捉えていた。
彼が親指に装着していた指輪が光り、10本の鉤爪へと変化する瞬間を。
「あれは…ARM…」
ネッサローズが所持していた神導器というものではない筈である。
特徴である白い玉は確認できなかったし、何より世界に10数個しかない希少な武器をあんな小物そうな男が持っているわけがない。見せびらかすなんて以ての外だ。
「お姉ちゃん?どうしたの?」
背の低いチップは視界を観衆に邪魔されて喧嘩の様子を見られていなかった。
「なんでもないよ♪ さ、行きましょ」
すぐにでも飛び出してARMを何処で入手したのか問い詰めたかったが、すでにギャラリーが集まっている中、飛び出して行き注目の的になるのは避けたい。それに下手な接触をすれば怪しまれて情報をくれないだろう。
トサカ頭の男は見守っていた仲間たちと共にドロシーがいる方向とは反対側に去っていく。
見たところ彼らは旅人ではなくこの街のゴロツキ集団のようだ。街にいる限りは、接触可能だろう。
もう日も暮れかけている。とりあえず今晩の宿を取ろう。
ドロシーは先ほど喧嘩の野次馬からスった財布の中身を確認する。
この世界の通貨はメルヘヴンやギンタの世界と同じ、金属を小さな円盤状に削った形をしていた。
早速この貨幣を使い、町外れの安そうな宿を取った。
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「お休み、お姉ちゃん。」
「うん、お休み、チップ。」
同じ部屋の中、ドロシーとチップは別々のベッドで眠りについた。
程なくしてチップの寝息が聞こえてくる。今日もたくさん歩かせてしまった。ボロ宿屋とはいえ風を防ぐ屋内で、初めてのベッドと布団に包まれてゆっくり眠れるだろう。
チップが眠ったのを確認すると、ドロシーはそろそろとベッドから降り、外にでる準備を始めた。
(チップ、ちょっと待っててね。)
あのARMの情報を集めなければいけない。
鉤爪を見た人々のうち誰も「あの男の指輪が爪に変化した」とは推理しなかった。
それは、少なくともこの辺りでARMのような道具の存在が浸透していない証拠。
そして今まではなかったそんな道具を持つものが現れた。 ドロシーとオスカー達がこの世界にやってきた時分に。
あのARMの存在はオスカーにも繋がっているという確信があった。
(オスカー…今あいつは何をしているんだろう…)
彼の同行を一刻でも早く掴まねばという焦燥感がドロシーを動かしていた。
柄の悪い連中がウヨウヨしている夜の街に彼を連れ出したくはないので、チップを起こさないように静かに準備をする。
(ちょっと服装を変えようかな…)
あからさまに魔女のような格好をしてARMのことを訊くと警戒されてしまうだろう。なるべく一般人のような服に着替えたほうがいい。
ドロシーは服を脱いた。帽子と手袋、足袋を脱ぎ、ドレスを脱ぐだけで、下着をつけていないドロシーの肌は全て外気に晒される。
更に三つ編みを解くと僅かにウェーブのかかったロングヘアが開放され、彼女は完全に生まれたままの姿になる。
ドロシーはディメンションARMジッパーを起動させ、白いタンクトップとホットパンツを取り出し、それを身につける。
1年前、ギンタ達と架空の「トーキョー」に飛ばされた時の服だ。何かと気に入っていたので取っておいたのである。
(ん…あれから1年しか経ってないけど…胸とお尻大きくなったかな…)
タンクトップは彼女の身体にぴったりと張り付いて、トーキョーで着たときよりも少し成長した胸のラインが強調される。「ブラジャー」はしていないので乳首も少し浮き出ている。
ホットパンツもピチピチで、お尻が食い込み、尻肉がはみ出しているのが見える。
「よし、あのARMの情報、必ず集めてやる。」
宿屋を出て、夜の街へ繰り出すドロシー。聞き込みなどやったことがないので、その辺にたむろしている若者に端から声をかけていく。
「ねえ、昼にこのへんで変な道具使って喧嘩してた奴いなかった?」
しかし男達がドロシーの話を真面目に聞いている様子もなく、ニヤニヤしながら彼女の身体を見つめる。
「あんた胸でかいなあ」「いくらで寝てくれるんだ?」「ケツもいやらしいなあおい」
うち1人にホットパンツ越しにお尻を鷲掴みされる。
「ひゃっ!?ど、どこ触ってんのよ!!」
…柄の悪い連中ばかりだ。それにこの街は怪しげな店も多い。客引きの娼婦と勘違いされたのだろう。
こんな聞き込みは無謀だったかと溜息をつくドロシー。
「へへ、お嬢ちゃん、俺のことを探してるのかい?」
ドロシーの後ろから声をかけたのは、黒いタンクトップを着た猫背で細目、トサカ頭の男だった。
「貴方は昼間の!ねえ、そのAR……武器、誰に貰ったの?」
「そりゃあ、秘密だよ。簡単に教えて皆に広まっちまったら俺らの強みがなくなっちまうだろうが。」
「そんなぁ~! アタシと貴方だけの秘密にするからぁ。お・ね・が・い♥」
ドロシーはわざと前かがみになり上目遣いでトサカ頭の男を見る。両肘で胸を寄せると、胸元の大きく開いたタンクトップから深い谷間が現れる。
色仕掛けはメルヘヴンでARM集めをしていた時もよくやっていた手だ。胸を強調してみせたりスリットから太ももを覗かせるだけで鼻の下を伸ばして情報をくれる男はいる。勿論それ以上のことはしなかったし、劣情をもよおして無理矢理求めてくる相手をいなす強さもドロシーは持ち合わせていた。
目の前の男もごくりと喉を鳴らし、ドロシーの谷間に釘付けになる。
「あまり人目につくところでは話せねえなぁ。どうだ、俺のおすすめのバーで話さないか?」
「いいわよ。連れてって。」
色仕掛けは成功だ。ドロシーは男の後をついていく。繁華街から人通りの少ない裏通りに移り、さらにそこから伸びている小道へと導かれる。
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「何よ、行き止まりじゃない。」
細い道を通り、着いた先は開けた袋小路だった。
建物に囲まれた、20メートル四方の空間。民家のようだが、2階の窓から下卑た顔で眺めている住人たちの様子を見るに、あまり上品な人たちは住んでいないようだ。
「へへへ、俺たちゃここで毎晩酒盛りしてんだぜぇ?」
表通りへの出口、トサカ頭の男の背後からぞろぞろと男たちが現れてきて、出口を塞いでしまう。
「お嬢ちゃんみたいな女を肴にしてなぁ!!」
「ちょっとちょっと、あんたの武器のことを教えてくれてからでしょ?」
ドロシーは自分のARMを指で確認しながら、落ち着き払ってトサカ頭の男に言い放つ。
軽い色仕掛けでペラペラ吐いてくれれば楽だったのだが、そんなに純ではないということか。
しかしこうなる場合も想定済み。魔力が弱っているとはいえチンピラ十数人程度ならワケなくいなせる。
「へへ、こいつのことだろ?」
ドロシーを囲む男たちは何も持っていない手から一瞬で武器を出現させる。
ナイフ、短剣、斧にハンマー…単純なダガーARMだ。
そしてトサカ頭の男の手には、鉤爪。
「あんたがこの集団の頭ね?」
「トンワンって名前だ。よろしくな嬢ちゃん。 あんま抵抗しないほうがいいぜ?俺は血塗れの女でも構わねえが、他の奴らが嫌がるんでなあ。」
「犯る気マンマンってワケね。それを誰から貰ったか教えてくれれば相手してあげてもいいんだけどな~」
「いいだろう、教えてやるよ。」
鉤爪を構えたままトンワンが語りだす。周囲の男たちも武器を持つ手を緩めない。
「名前は教えてくれなかったが、肌の浅黒い色男が一昨日やって来てよ、『君たちへのプレゼントだ』ってタダでくれたんだわ。気に入ってくれたらもっとレアなヤツも紹介してくれるってよ。丁度明日の朝が次の取引日だ」
「へえ、じゃあ明日になればそいつに会えるんだ」
「おう、待ち遠しいからよ、長い夜を俺らと愉しく過ごそうや。」
「折角だけど、今晩はゆっくり眠りたいわね!」
ドロシーは指輪を箒に変化させ、横一文字に薙ぎ払う。
すると彼女を中心に突風が巻き起こり、ドロシーを囲んでいた男たちは一斉に壁に叩きつけられる。
「へえ、なよっちいと思ってたけど、チンピラのリーダーやるだけのことはあるのね。」
壁に叩きつけられて呻いている男たちの中で、唯一トンワンだけが直立していた。
「へへ…こんなマブい女目の前に寝転んでいられるかっつーの…よ!」
鉤爪を構え、ドロシーに飛びかかるトンワン。
ドロシーは突風を起こして吹き飛ばそうとするが、避けられてしまう。
「結構素早いんだね」
しかしドロシーの周囲に渦巻く風の壁がトンワンを寄せ付けない。安定した防御の上から一方的に攻撃できるドロシーが有利だ。
「じゃあこんなのはどうかなっ!」
トンワンは痛みにうずくまっている小太りの男を掴み、そのままドロシーに投げつける。
「っきゃ?」
予想外の行動に驚いたものの、風のバリアは男の身体を弾き返す。
しかし―
「ヒャハッ!」
男の背後からトンワンが迫り来る。
風のバリアは男の身体を弾いた分瞬間的に、局所的に弱くなっていた。
そこに飛び込んだトンワンは鉤爪を振るう。
「うぐ…!」
爪が肩をかすった。しかし出血も少ししかない。こんな浅い傷どうってこと…
「…ッ!?」
ガクン、とドロシーの脚が崩れる。ゼピュロスブルームから発生していた風のバリアも途切れる。
「へへ、こんな武器も貰ってるんだぜ。」
鉤爪のARMは右手部分のみが発動していた。彼の左手には鉤爪がない代わりに爪状の光に覆われていた。
「『パラ・クロー』つったかな?」
ウォーゲームで猫の娘が使っていたARMだ。能力は、刃を当てた対象の麻痺…
「く…そんなものまで貰ってたワケ…?」
身体に力が入らず、まともに立つこともできない。身を捩るのがやっとだ。
「いてて、酷いっすよ~ さて、どうしますか、親分」
先ほど投げられた小太りの男がタンクトップの細目男に問いかける。
「悪い悪い。俺の次にハメさせてやるから勘弁してくれや。」
カラカラと笑うトンワン。その細い目には身の毛もよだつような下卑た欲望が溢れている。
「さ、嬢ちゃん、夜は長いんだ。楽しもうぜ。」
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身体に力が入らない。油断していた。だが…
ドロシーは指にはめた指輪に魔力を込める。
「毒消しの…アールフェ…」
ドロシーの身体から麻痺毒が抜けていき、身体が自由になる。
「何!?」
毒消しのアールフェ。その名の通り解毒のARMである。普段は身につけないARMでジッパーの中に仕舞っているのが常だった。しかし今日は宿で夕食をとったときに毒が盛られていないか用心して食事を解毒するのに使ったのだ。そのままARMを着けたままで良かった…
動けないとばかり思っていたところに不意をつかれたトンワンはあっけなくドロシーに背中を許してしまう。
「全員動くな!」
素早くトンワンの背後に回ったドロシーはダガーARMを発動させ、彼の首筋に突き立てる。
「ひいっ!」
「まずはアンタだね…」
首筋に突き立てられたダガーナイフに力が入る。
「ゆ、許してくれぇ! 降参だよぉ…」
先ほどの勝ち誇った表情からは打って変わったような情けない声でトンワンは命乞いを始める。
「あんた…」
「調子に乗り過ぎちまった…俺らダメな奴だからよぉ…まともな仕事なんかできねえし、荒事やろうにも魔法の才能ねえから獄鬼退治なんかやったら命がいくつあっても足りねえ…だからこいつを使って…強くなって…」
惨めな表情で震えながら命乞いをするトンワンを見て、呆れてため息をつく。
「情けないわね…それに夜な夜な女を攫っていたぶる理由になってないわよ… ちょっと痛めつけるだけだからこれに懲りたら…」
突如湧き上がる魔力。それに気付いた時にはもう遅かった。
「…っ!?」
再びドロシーの身体の自由が効かなくなる。だが先ほどのような筋肉が麻痺する感覚ではない。
身体の節々に視えない楔を入れられているようだ。自分の身体が自分のものでないような感覚…
「…これは…呪い…」
「ひゃははっ!時間稼ぎに付き合ってくれてありがとうよ! いい働きだぜ、ナンウェイ!」
ドロシーとトンワンを囲む男たち。そのうちドロシーの背後にいた1人が出てくる。
「あんた達まさか…」
顔の筋肉だけは動かせるドロシーが、ナンウェイと呼ばれたその男に視線をやる。彼の手には手のひらサイズの人形があった。
間違いない。ダークネスARM、ブードゥードール。
十秒以上対象の近くで発動し続けないと成功しないという制約があるが、それさえこなせば通常時でのっぺらぼう状態のブードゥードールは相手の姿に似たデザインの人形と化す。
そうなったら最後、相手の身体の動きは人形の動きに支配されてしまう。
「へへへ、オスカーの旦那からはこんなものも貰ってたんだよ。どうだ、非魔法使いの俺たちにも魔法が使えるってわけだ!」
トンワンは動けないドロシーに近寄り、その身体を見つめる。
今日のドロシーの服は非常に露出の多い恰好だった。タンクトップはへそ出しのノースリーブで、きゅっとしたウエストと白い肩が丸見え。そんなぴったりしたタンクトップで強調された大きな胸はノーブラゆえ乳首が浮き出ている。ぴちぴちのホットパンツには尻肉が食い込んでおり、普段片方のスリットからしか見えない彼女の健康的な太ももは惜しげも無く露出している…
トンワンはたまらなくなりドロシーの胸を服越しにギュッと掴む。
「きゃ!?」
そのままモニュモニュと揉む。
「う…このお…」
更にホットパンツの隙間から膣内に指を入れる。
「あっ…やぁ…」
「おいおい、嫌とか言いながらこんなに濡らしてるじゃねえか。」
グチュグチュと淫猥な音を立てながら侵入するトンワンの指。
「あ、ずりいよアニキ!」
「俺らもそのデカ乳揉みてえよ!」
「悪い悪い、我慢できなくてよ。 焦らずにじっくりこの姉ちゃんで楽しもうぜ野郎ども。」
「く…あんたの思い通りになんて…」
「なるんだなあ!この魔法のアイテムさえあれば!こんなポーズだって思いのままというわけだ!」
ナンウェイがブードゥードールの腰を折り曲げ、手足も四つん這いにする。
するとドロシーの身体もそれに合わせて地べたに四つん這いになる。
「身体があの人形の動き通りに…!」
そのままナンウェイがブードゥードールの尻をつまみ左右に振ると、ドロシーも尻を突き出し、振ることを強いられてしまう。
トンワン達との戦いの中、ホットパンツの裾が少し破けてしまい、元々刺激な格好だったのが、さらに露出度が上がってしまっていた。ドロシーの白くて綺麗な尻肉が半分以上見えている。ホットパンツは尻に食い込み、尻肉の柔らかさを現していた。
「ううっ…このお…」
トンワン達に向かっていやらしく振られる尻。男ならだれでもむしゃぶりつきたくなるような光景だった。
「すげえ…細い身体のくせしてでかい尻してやがるぜ…」
男の1人がドロシーの尻を撫でる。
「きゃ! さ、触んじゃないよ…!」
「ごめんよ嬢ちゃん!じゃあ触るのはやめるとするか!」
そういうとドロシーの尻を勢い良くパァンと叩く。
「ひゃああっ!!」
パン!パン! 叩かれる度に尻肉がプルプルと揺れる。
「たまんねえ…もう剥いちまおうぜ!」
ドロシーの尻に欲情した男達をトンワンが制する。
「まあ待てよ。折角だから自分で脱いでもらおうぜ。」
「そ、そんなこと誰が…」
「もう忘れたのか?お前の動きは俺たちが操れるってことをよ。なあナンウェイ!」
ナンウェイはブードゥードールの両手を臍の下に這わせる。
その動きにシンクロして、ドロシーの手も彼女のフロントホックに手をかけ、カチャカチャと音を立てながらボタンを外そうとする。
「あ…悪趣味なヤツっ…」
指先の操作も可能であるものの、あまり精密にはできずに手こずってしまうが、十数秒かけて、ホットパンツのボタンは外れる。
そのまま彼女の指はファスナーをつまみ、下まで下ろす。
「おい…この女下着つけてねえんじゃねえか?」
V字状に開かれたパンツからは、毛一つ無い下腹部が見えるだけ。パンツを履いているならそれが見える筈だ。
やっぱり誘ってるじゃねえか、そう嘲る男共の声に頬を染めるドロシー。
続けて、ブードゥードールの両手は腰回りを這わされ、同時に、ドロシーの両手もホットパンツを手にかけ、降ろそうとする。
「や、やだっ!」
ドロシーが叫ぶと、パンツを降ろそうとする手がぎこちなく止まる。
普通の人間なら抵抗などできない筈なのだが、仮にもカルデアの魔女である彼女の精神力が、ダークネスARMの支配に抗っているのだ。
しかしホーリーARMでの解呪でない以上、無駄な抵抗にすぎない。ドロシーの両手は止まることはあっても上に行くことはなく、少しづつ下へ降りていく。
「頑張るねえ。」
「はあ…はあ…いい趣味してるじゃない…女をいたぶるのが趣味ってわけ?」
「そうさ、俺はお前みたいな女をゆっくり裸にしてから嬲るのが大好きなのさ!」
ゲラゲラと気持ち悪く笑いながらトンワンは答える。
「くっ…変態…っ!」
一瞬の気の緩みが災いし、手が一気にずり落ちる。結果、ホットパンツは膝まで降ろされてしまった。
ドロシーの背後から歓声があがる。
「う…く…」
後ろから見ればお尻が丸見えだ。それどころか腕が膝下までおりた前屈姿勢なので、割れ目まで見えてしまうだろう。
これでは恥ずかしい時間が増えるだけ…ドロシーは諦めて抵抗を緩め、パンツは足まで降ろされる。
「ほれ、自分でマンコ見せてみろよ。」
「う…やぁ…」
ブードゥードールの動きに従い、ドロシーは路地裏に放置してあった大きな荷箱の上によじ登る。そのままM字に脚を開き、秘部がギャラリーに見えるようにする。
(う…こんな屈辱…)
「まだこれじゃあ見づらいなあ…」
「指で開いてみせろよ!」
ドロシーの指はぎこちなく秘所を這い、指を陰唇に押し付けると、外側に開いて膣奥を広げてみせる。
「うう…見るなぁ…見るな…」
目に涙を浮かべて視線を拒むドロシー。
(こんな…恥ずかしいところを大勢の前で晒すことになるなんて…)
「初物か?」
「こんなエロい身体してそれはないだろ。ほら、膜は破れてるぜ。」
「でもあんまり使ってないみたいだ。」
「もったいねえなあ。俺らでいっぱい使ってやろうぜ。」
(イヤ…見られてる…私の中… 恥ずかしくて死にそう…)
「こんどは胸も見たいなあ。ナンウェイ。」
「うす。」
秘部を開いている左手はそのままに、ドロシーの右手が動き出しタンクトップをまくり上げるとドロシーの白く大きな胸が男たちの前に晒される。
「うひょー!綺麗な乳首だ!」
「でかいと思ってたが、脱ぐと更に迫力あるな。」
「う……っ!」
ウォーゲームでキメラに服を破かれ、大衆の前に胸を晒したこともあったが、自分で胸を露出させられる分、恥ずかしさはその比でない。
「そうだ、気持よくしてやるよ」
今度は秘部を抑えている左手が動き出す。ドロシーの指先はクリトリスを擦り、くちゅくちゅと水音が立つ。
「な、何を…っ!?」
「こんな人数の前でオナニーとは、魔女はやっぱり淫乱なんだな」
「あんたたちが…操ってんで…んんっ…」
望まぬ形とはいえ、敏感な部分を刺激されると声が漏れてしまう。
「んっ、あっ…はっ、んはぁっ」
指はドロシーの膣内に侵入し、愛液で濡れたそこを掻き回す。
「おいおいしっかり濡らしてるじゃねえか!」
否定しようとも、グチャグチャと音を立てている自分自身の指が濡れていることを証明しているので、ドロシーは真っ赤になって目を背けることしかできない。
「魔女さんのお味をみてやるよ。」
男の1人がドロシーの秘裂に口をつけ、啜り上げる。
「ひゃッ!?そんなとこ…舐めちゃ…」
「ひゃっ あぅ… うぅ…んああっ…」
男性の舌は力強く、激しく、的確にドロシーのクリトリスを責め立てる。
「ああっあの野郎抜け駆けしやがって…」
「兄貴ィ…俺らももう我慢できねえっすよ…」
「ふふふ、仕方ねえなあ。お前ら!ストリップショーはここまでだ!お触りタイムといこうぜ!」
トンワンが言い終わらぬうちに、男たちの手がドロシーの肉体に伸びる。
「でけえ胸だなあ。何食ったらこんなに育つんだ?嬢ちゃん。」
男の1人がドロシーの生乳を揉みしだく。
「や…め…ろぉっ!」
ドロシーの豊満な胸は男の掌の中で乱暴にこねられ、形を変えていく。
「た、たまらねえ…!どけっ!」
乳を揉む手を押しのけ、別の男がドロシーの乳首に吸い付く。
「や、やあっ!」
胸を吸われるなんて初めての体験だった。本来赤子が吸う部分を、汚らしい男達がちゅうちゅう吸い上げている。凄まじい嫌悪感なのに、今まで感じたことのない乳首への刺激にドロシーの肉体は悲鳴を上げる。
「く…気持ち悪… んっやっそこ…ああっ♥」
依然として股間に吸い付いている男からの刺激も相まって、ドロシーの意思に反してその喉からは甘い声が出てしまう。
「もっといい格好にしてやるよ。」
ドロシーを模した人形は膝を折った格好のまま頭が上になるように回転させられる。するとドロシーの身体は糸操り人形のごとく前方へ半回転し、冷たい地面に膝から落下する。
「痛っ!」
「おいおい丁寧に操れよな。」
ドロシーを気遣うでもなく、自分たちの玩具に傷がつかないようにといった意味合いで周囲の男たちがナンウェイを注意する。
「悪い悪い。そら。」
続けて人形は腕を上に回される。ドロシーは膝立ちで、手を頭の後ろで組む姿勢にさせられた。
上体は反り気味で、ずり上がったタンクトップから露出するドロシーの豊かな胸を見せつけるような格好だ。
彼女の官能的なポーズに、男たちの腕は再度その胸や尻、秘部に伸びていく。
膝立ちになったことでドロシーの頭の高さは丁度男性の股間部と同じくらいになる。男の1人がカチャカチャとベルトを緩め始める。
「ほら舐めろよ。」
「く…」
目の前に差し出された肉棒を、ドロシーは口を閉ざして拒む。
「無駄な抵抗しやがって…ナンウェイ!」
「えいっ!そりゃ…! ダメだコンハイ。この人形の顔、口が開くタイプじゃねえから顎は操れねえよ。」
ドロシーの形をしたドールの顔をムニムニさせながら、困った顔をするナンウェイ。ブードゥードールの制御範囲は首から下の関節の動きのみなのだ。
「ちっくしょ…口開けよ!」
ぎゅっと閉じた唇に赤黒い亀頭が押し付けられる。チップのより大きな大人のペニス。不快なアンモニア臭がドロシーの鼻をつく。
「よせよせ。突っ込めたとしても顎は操れねえんだから噛み切られちまうぞ。」
「そうだ。胴体の動きはこっちのもんなんだから、後でこっちに突っ込めばいいじゃねえか。」
そういう男はドロシーの膣内に指を突っ込み、既に濡れそぼっているそこをグチョグチョとかき回す。
「あっはんっ!やめろ…ぉ…」
ドロシーの右乳はちゅうちゅう吸われ、左乳は揉みしだかれ、乳首を摘まれる。
「うあっ… あううぅ…あッ…あん…」
(悔しい…こんな雑魚どもに身体をいいように弄ばれるなんて…)
(でも何より悔しいのは…)
「ぁ…ぁあん…!♥」
(すごく嫌なのに身体が疼いちゃうこと…)
「こんなエロい体つきなのにツルマンだなんて、本当に今日の獲物は上玉だな。」
別の男がドロシーの秘裂に口をつけ、舌を侵入させる。
「も、もうやめて…」
先ほど強制的に自慰行為をさせられた時点で敏感になっていたドロシーは、その昂りを抑えられなくなってきた。
男の舌はドロシーの制止を聞き入れる筈もなく、膣内を刺激していく。
「あ、だめ、ほんと、嫌っあっ♥あっあーーーーー!!!♥♥♥」
プシュッ
じょろろろろ…
ドロシーの股間から黄色味がかった透明な液体がじょぼじょぼと音を立てながら放出される。
「あ…うそ…や…やぁぁ…」
「こいつ漏らしやがった!」
「しょっぺえ~!」
「そんなに気持ちよかったのか?お嬢ちゃん。」
男たちはゲラゲラ笑い、嘲る。
屈辱に涙を浮かべるドロシー。
「や、止まんない…やああ!!」
おしっこはまだ止む気配を見せず、石畳をどんどん濡らしていく。
今まで指でクリトリスを弄るオナニーくらいはしたことがある。この世界に飛ばされる前は月に2,3度、ギンタのことを思い浮かべながらしていた。その時に逝ってしまうこともしばしばだった。
ネッサローズによってチップと強制的にセックスさせられた時も快感を感じていたが、痛みのほうが強かったこともあり達することはなかった。
今、初めて、他人の手によってイかされてしまった…
「な、なあ兄貴!もう…」
「そうだな…俺も我慢できねえ。」
トンワンはズボンを下ろし、いきり立ったペニスを露出させる。
“獲物”を一番にいただくのはリーダーであるトンワンという決まりだった。
石畳の上に仰向けになり、ペニスを屹立させながらドロシーに手招きする。
「ほら、自分で挿入れるんだよ。」
ドロシーの足は彼女の意思に反してトンワンの方へ赴き、彼に跨る。
「や…」
そのまま腰を下ろすと、ドロシーの秘裂とトンワンの亀頭がくちゅ、と音を立てて接触する。腰はさらに沈み込むが、位置が少しずれていたため、トンワンのペニスは秘裂をなぞってドロシーの下腹部に滑りこむ。
「やっぱり難しいな…」
ナンウェイは再度ドロシーの腰を持ち上げると、彼女の手を操り、トンワンの肉棒を握らせる。
ドロシーの白く細い指に熱くて固い感触が感じられる。そのまま彼女の手はペニスの先を秘裂に導き…
ドロシーの掌からトンワンのペニスがずり落ちる。彼の一物は根本から切断されていた。
「ひ…」
何が起きたか一瞬遅れて理解し、痛みに悲鳴をあげかけたトンワンの身体は横薙ぎに吹き飛ばされ、路地裏の壁に鈍い音を立てて激突する。彼に跨っていたドロシーは吹き飛びこそしなかったが、地べたに倒れてしまう。
「あ…兄貴… …!っぐぅ…」
目の前の事態がうまく飲み込めないナンウェイの背後に巨大な人影が現れ、彼の首をへし折ってしまう。
ブードゥードールの術者が死んだことで拘束が緩み、ドロシーは立ち上がろうとするが、すぐにまた身体の自由が効かなくなり、再度石畳に倒れこむ。ナンウェイを殺した侵入者がブードゥードールを奪い、自分で発動させたのだ。
「な、なんだよオスカーの旦那!商談は朝からのはずじゃ…」
「晩のうちに到着して、朝に備えようと思ってな。で、暇だしくれてやったARMの調子はどうかちょっと様子を見に来てやったんだよ。」
「な、なるほど。わざわざご丁寧に…ってコラァ!そうじゃねえ!兄貴とナンウェイさんに何してくれ…」
言い終わらないまま、オスカーと呼ばれる大男に食って掛かった男は突如発生した雷に焼かれて黒焦げになる。
やっと事態を察知した周囲のチンピラ達がウェポンARMを発動させてオスカーに殴りかかるが、同じく全員雷の餌食となる。
「な…に…すん…だ…」
股間の痛みに耐えながらトンワンは大男に言う。
「渡したARM使って好きにやれとはいったが…この女は知り合いなんだ。ま、運が悪かったな。」
大男は淡白にトンワンに告げる。
「ARMのモニターになってくれてありがとうよ。悪いが俺らのメインのお客はお前らみたいなチンピラじゃなく、もっとでかい奴らなんだわ。くれてやったウェポンARMくらいならそのうち一般市場に出回るかもしれないから、その時また買ってくれよ」
直後、トンワンの喉が裂け、断末魔の叫びが暗い路地裏に響き渡る。
「来世で、な」
「よう。ドロシー」
「オスカー…」
ドロシーより頭1つ分以上高い長身に、褐色の肌、銀色の長髪。
カルデアの民でありながらカルデア宮殿を襲撃し、ドロシーをこの世界に連れてきた張本人、オスカーだ。
「…っ!この!逃げるなよ!今私が…!」
カルデア襲撃への怒りに、声を荒らげるドロシーだが、ブードゥードールによって動きが封じられているため悔しそうに身を捩る。
「おいおい、折角助けてやったのに敵意剥き出しかよ。」
オスカーは肩をすくめて困った表情をしてみせる。
「あ、あんな奴ら…油断させるためにやられた振りしただけよ。」
敵に助けられてしまった事実にバツが悪そうなドロシーだが、精一杯強がってみせる。
「へえ?あとちょっとで犯られそうだったように見えたがな。」
「くう…こ、この世界でまともに魔法が使えないのはお前だって同じだろう!」
「ははは!そうだなあ。」
何がおかしいのか、嬉しそうに笑うオスカー。
そうなのだ。オスカーもメルヘヴンの人間なのだからこの世界では魔力の消費量が尋常でない筈。何よりオスカーはARM彫金師としての腕は高かったが、ARMの扱いとなるとてんで弱かったのだ。
(さっきチンピラどもを倒すのにARMを使用していた…今ブードゥードールを発動しているだけで魔力は一杯一杯なはず…)
ここは時間を稼ぎ、ブードゥードール発動によるオスカーの魔力消費と自分自身の魔力回復を狙うのが得策とドロシーは考えた。
「…あんたは、わざわざカルデア宮殿で門番ピエロを盗んで何をするかと思えば異世界でARM売り?」
時間稼ぎの意味もあったが、ドロシー自身オスカーの目的は知っておきたかった。
「…なんでまたそんなことしてるのよ…」
「そうだなあ…」
オスカーはドロシーの目線に合わせて中腰になる。
「この世界のことは知ってるか?魔女や魔法使いとか、神導器とか」
「ああ、何人か会ったことがあるよ。」
「この世界の一般人はかわいそうだとは思わねえか?魔法が使えるかどうか、どんな魔法を使えるかは完全に生まれ持った素質のみによって決まる。
魔法の素質にかかわらず使用できる神導器とやらはあるらしいが、全部で数えるほどしかない上に複製不可能の国宝モンだろう?
そこらの凡夫でも訓練さえすりゃARMで色んな魔法を使えるメルヘヴンと比べたら、シビアな世界だと思うぜ。」
ドロシーはトンワンの死体を見やる。彼も命乞いの中で、自分が魔法の才能に恵まれなかったことを悔やんでいた。ブードゥードール発動までの時間稼ぎだったわけだが、今思えば言った内容は本心なのだろう。
真面目でもなく頭もよくなく…といったあぶれ者が職を得ようとすれば大抵は傭兵などの荒事稼業に落ち着く。メルヘヴンでもARMの訓練をして用心棒になったり近衛兵に志願したりする者はいた。しかしこの世界ではそういった仕事でさえ持って生まれた魔法の才能の有無に左右される。“何もない”人間の居場所のなさはメルヘヴン以上なのだろう。
「そんな可哀想なオズの国の凡人達に、俺の作ったARMをくれてやるのさ。オズの国の人間の魔力に合わせた代物だ。OZ-ARMとでも呼ぶかな。
こいつらみたいな雑魚に簡単なウェポンARMを与えて資金を稼ぐのも良し、見込みのあるやつに強力なARMをチラつかせて忠誠を誓わせるのもアリだな。」
「…金稼ぎが目的なわけじゃないだろう?」
「鋭いな、ドロシー。だがこれ以上は話せねえ。お前は俺の仲間になれば別だがな。」
「はあ?馬鹿言うんじゃないよ。」
「俺は結構本気だぜ?誰がお前をここに連れてきたと思ってる。」
オスカーは決して軽口で言っているわけではないようだ。確かにドロシーをカルデア宮殿におびき寄せてまでこの世界に連れてきたのだから、何かしらの理由があるはずだ。
「あたしはカルデアの外の世界のARMも見てきたからね、あんたの商品のラインナップも増えるってワケかい? 生憎だけどお断りだよ。」
「ちょっと違うが…まあそんなところだな。それに、お前は美しいからな。俺のものにしたい。」
「っな…」
思わず赤面してしまうが、オスカーの視線がはだけたタンクトップや、何も身につけていない下半身に落とされたのを感じ、身を硬くする。
「な…何する気よ…」
「心配すんな。何もしやしねえよ。胸もマンコもあのゴミ共の唾液でベトベトじゃねえか。」
先ほどの恥辱を思い出させる身も蓋もない言い草に、ドロシーの顔は更に紅くなる。
「多人数でやるのも嫌いじゃないが…お前はじっくり可愛がってやりてえからな。」
「はっ…舐めんじゃないよ…!これから私を隠れ家にでも持ち帰るつもりかい?」
「そうしたいところだがな、こっちも何かと忙しい。お前を堕とすのはもうちょっと色々整ってからだな。」
ブードゥードールで動きを封じることに成功したからって私に勝てるつもりでいるのが憎らしい。魔力は私のよりも少ないくせに…
「ってことでお前から離れてから呪いを解除させてもらうわ。俺を追いかけたいなら勝手にしな。」
ドロシーの眼前でブードゥードールをぶらぶらと揺らしながら、オスカーは立ち上がる。
「ただ…今度会った時に俺の邪魔をするようなら、容赦はしないぜ。」
そう耳元で囁くと、オスカーの姿はこつ然と消える。それから数秒遅れでドロシーの身体に自由が戻る。
「オスカー…舐めやがってあの野郎…」
彼はこの後どこへ行って何をするのだろう。そんなことを考えながらドロシーは捲り上がったタンクトップを直し、落ちていたホットパンツを拾って身に着ける。
オスカーに倒されたゴロツキ共を見ると、彼らに受けた恥辱の記憶が呼び起こされる。恥ずかしさに歯を食いしばりながらドロシーはその場を立ち去り、チップの眠る宿屋に足早に帰っていく。
「チップ? …寝てるわね。」
部屋に着くなり小声で名前を呼んでみるが、返ってくるのは彼の寝息のみだった。
彼の無事を確認すると、ドロシーは疲労困憊といった顔でベッドに身を投げ出す。
オスカー本人に会ったという意味では期待以上だったし彼の目的の一端もわかってきたが、いいようにおちょくられて終わった感じもある。
(何が仲間になれよ!何が堕とすよ…!私より遥かに弱いくせに!)
全ての元凶であるオスカーに怒りが沸き起こってくる。
(あのゴロツキ集団にあんなことされなければオスカーだってあの場で倒せたんだから!)
(あんな…あんな…)
タンクトップに手を滑りこませ、乳首を摘んでみる。
「ん…」
ついさっき、ここを摘まれ、こねられ、吸われた…
(ここも…)
ホットパンツのチャックを緩め、大事な箇所に指を這わせる。
自分で弄くるなんて何ヶ月ぶりだったろう。少なくともこの世界に飛ばされてからはオナニーなんてしていなかった。それを大勢の男の前でしてしまった…
ドロシーの膣内からは溢れんばかりに愛液が湧いていた。ただでさえ先日まで処女だった彼女に、先ほどの恥辱はあまりにも刺激が強すぎた。
もう少しであの汚らしい男のペニスを受け入れるところだった。そう考えると嫌悪感が蘇る。
(怖かったよ…ギンタン…)
路地裏で頬に押し付けられたペニスを思い出す。チップのとは形も大きさも違っていた。あれが大人の男性器なのか、とドロシーは思う。
(あれから1年…ギンタンも大人になっていってるよね…あんな感じなのかな…)
愛しい少年のそこを想像すると、勝手に指が動いてしまう。先ほど受けた行為を、もし彼にされていたら…
「あん…」
片方の手で乳首を弄り、もう片方で秘部を掻き回す。
(もう処女じゃないし、いいよね…)
ドロシーはジッパーから、尻尾を噛んだ蛇の形をした指輪を取り出し、魔力を込める。
シルバースネイクというガーディアンARMだ。発動すると腕ほどの長さ、親指ほどの太さの小さな銀色の蛇が姿を現す。ドロシーはそれを諜報用に使っていたが、本当の使用方法は、自慰の補助だった。
これもメンフェゴーラと同様、イフィーに押し付けられたものだ。結局ドロシーはそれを本来の使い方で使用しないまま今日まできていた。
処女膜に空いている穴をかいくぐる知能も持ち合わせていたため、破瓜の心配はないのだが、初めて膣奥を受け入れるのは心に決めた人のを、とドロシーは思っていた。
結局、ギンタではない出会ったばかりの少年に処女を奪われてしまったが…
蛇はドロシーの意思のままに彼女の下半身へとするすると移動する。胴よりも一回り大きな鎌首をもたげると、彼女の濡れた割れ目に侵入していく。
「ぁ…」
膣内に異物が侵入する感覚。今夜の出来事で昂っていたドロシーの身体は、それを容易に快楽に変換していた。
背中越しに聞こえる声や水音に、チップは目を覚ます。
寝ぼけ眼で何事かとそろそろ振りかえると、ドロシーが背中を向けて丸まりながら切なげに鳴いていた。
(お姉ちゃん…何してるの?)
声をかけてはいけない気がして、ドロシーの行為を見守る。時折見える蛇は、ドロシーの中を出たり入ったりしているようで、その度に彼女は悩ましげな声をあげている。
(このあいだ僕のおちんちんが入ったところだ…)
あの時の溶けるような快感を思い出すと、少年のペニスは硬くなってしまう。
(お姉ちゃんも、あそこになにか入れると気持ちいいのかな…)
そして時折彼女が発するギンタン、ギンタン、という言葉。
(ギンタンってなんだろう…人の名前…?)
彼女がそれを言う度になんだか心がきゅっと締め付けられるような感覚を覚えるチップだが、それ以上にドロシーの卑猥な姿に劣情が抑えられなくなってしまう。
だが彼にはドロシーの行為を見守ることしかできなかった。
自分の隣で少年が悶々としていることを知らないまま彼女は果て、眠りに落ちた。