「ギンタン…」
意識がはっきりするにつれ、自分を抱えている存在が何かわかってくる。
それはチップだった。
彼の後ろには彼女がよく知る魔獣 ガーゴイルがそびえていた。
「ガーゴイル…どうして…」
その輪郭は随分と粗い。よく見るとそれは岩片や木片、金属片などの寄せ集めが魔獣の形を取ったものだった。
チップの念動力―いや、無機物に生命力を与える魔法の発展形なのだろう。
彼の服装や容姿と相まって、本当にギンタンが助けに来てくれたのかと思ってしまった。
そんなことを考えている場合ではない。
モンビはどこだろう。
あたりを見渡すと、年老いた魔女は部屋の隅で身体をよじっていた。
壁に激しく身体を打って痛みに苦しんでいるようだ。チップの出したガーゴイルが殴り飛ばしたのだろう。
ドロシーは尻や乳房を放り出した格好なのも気にせずモンビに掴みかかる。
「教えなさい!ギン…チップの体内にある神導器の核、どうやって取り出せるのよ!?」
「…簡単に取り出せるよ。剥き出しの核は1つしかないから私もさっき取り出そうとしたところさ。…胸を掻っ捌いてね。」
モンビは嘲るようにケタケタ笑って短刀を手に取るが、ドロシーは間髪いれずに短刀を持つ手を蹴飛ばす。
「そういう意味じゃない!チップを殺さずに、安全に取り出す方法はないの!?」
痛みに呻くモンビに罵声を浴びせる。
「無理だね。神導器の核はチペタリウスの心臓と融合している。」
そう答える老婆の言葉にドロシーは声を失う。
どうしようもなければ“無理矢理” 取り出して癒しの天使で即座に傷を閉じる方法も頭の隅に考えていた。
だが心臓と繋がっているものを取り出すのは確かに不可能だ。
即死されては癒しの天使でどうこうできる範疇ではない。
「…どうやってチップの中に入れたのよ…」
ドロシーは静かに問う。
「勘がいいね。確かに私の魔法の1つを使って核を小僧の体内に入れて心臓と融合させたさ。当然逆だってできるさね。 …だが私がそれをする義理はない。」
「やりなさい!私、あんたをいつでも殺せるってことわかってるの?」
「ふん…本当にそうかねえ?」
モンビの言葉に少し動揺するドロシー。ハッタリだ。もう戦えるはずはない。血塗れで骨も数カ所折れているだろうに…
「“反魂の魔女”の底力、見せてやるよ。」
モンビの背後から闇が煙のように噴き出る。闇はドロシーとチップの周囲をぐるぐると旋回し、人の顔のような形を浮かべながら怨嗟に満ちた声を発する。
悲鳴のような、金切り声のような声は何を言っているかわからないが、ドロシーは何故かその声がとても恐ろしかった。今にも耳を塞いで座り込みたいほどだ。
「おねえちゃん…?どうしたの…?」
チップには見えていないようだ。かといってチップだけに戦わせるのは危険だ。
ガーゴイルも既に形を失って山積みの石片に戻っている。
「っ…く!チップ!逃げるよ!」
ドロシーはチップを抱えて走りだし、城の出口へ向かっていく。
モンビを倒すには絶好のチャンスだが、ここに来てまだ奥の手を持っているとは驚いた。
自分も満身創痍で未知の魔法と戦う余裕などない。
周囲を見渡せばバラバラになったモンビの土人形達が再生を始めている。
ここは引いておくのが得策だろう。
「ハア…ハア… …ここまで来れば…充分かな…」
ドロシーは小脇に抱えたチップを下ろし、自らも尻もちをつくようにして座り込む。
ここはモンビの城の脇に流れる川を渡った先の雑木林。鬱蒼としていて城側からは捉えられない。ドロシーはそこを緊急の隠れ場所にすることにした。
「さて…どうしよう…」
これからどうするか。モンビは暫くは動けないだろう。
しかしいつチップの体内にある神導器の核を狙って追ってくるかわからない。
それにあっちは遠隔視の魔法も持っているのだ。どこに逃げてもいずれ位置を把握される。
せめて物理的な距離をとっていかないと追いつかれてしまう。
行き先は、相変わらずエスメラルダだ。
オズの魔法使いとやらが治める、良い魔法使い達が人々を護る国。
そこへ行けばメルヘヴンに戻る方法もチップの神導器の核を取り除く方法も見つかるかもしれない。
チップを救出した以上ギリキンに用はない。来た道を戻って国境を抜ける必要がある。
廃村になった温泉街を抜けて、国境の検問まで行くのだ。
目の前には川が流れている。アーテンボローと蛞蝓女が流されていった川だ。
この川沿いに進めば例の温泉街にたどり着く。まずはそこまで進もう。
「その前に…」
ドロシーは自分の姿を確認する。
ボロボロに破れた服。あの激しい陵辱を思い出し、涙がにじむ。
だが精液まみれだった筈のドロシーの身体は、いつの間にか泥だらけになっていた。
それは土人形に注がれた精液の成れの果てであることに気づく。
土人形はただの土塊に、モンビの魔法で擬似的な魂を注いで形作られたもの。
モンビがその魔法を解いたら、その身体は土に逆戻りするのだ。精液にしてもそれは同じなのだろう。
先ほど自分を陵辱した相手が無機物であるということは、ドロシーにとって少し心が救われる事実だった。木の棒でも突っ込まれていたのと同じ、と思うことができる。
散々注がれた精液も今となっては泥水でしかない。きっとメンフェゴーラを用いての避妊も必要ないだろう。
とはいえ膣奥まで泥水にまみれているのは衛生的な意味で心配である。
「チップ。ちょっとここで身体綺麗にするね。」
「う、うん!」
チップは急いでドロシーに背を向ける。
衣擦れの音がした後、水音が響く。
ドロシーが全裸で身体を洗っているのだ。
彼女の一糸まとわぬ姿が自分の後ろにあることを想像すると、なんだかムズムズしてきてしまう。
(おねえちゃん…僕のせいでまた泣いてた…アソコにおちんちん入れられて…)
股間にペニスを差し込む行為。チップにはまだその意味するところが理解できていなかった。
ドロシーおねえちゃんは“いけないこと”と言っていた。“好きな人としかしちゃいけないこと”とも。
だからおねえちゃんは泣いていたのだ。ネッサローズの城で僕とした時、さっき土人形達としていた時…
チップはモンビに攫われる日の前日の夜のことを思い出す。ついおちんちんがムズムズしてしまって、おねえちゃんの股間におちんちんを入れようとしてしまい、注意されたこと。
おねえちゃんにとって僕は好きな人ではないのだ。
せめておねえちゃんが他の獄鬼などにそういうことをされないよう護らないと。
そんなことをチップは考えていた。
「ん…く…」
膣奥から泥を掻き出す作業はなんとも屈辱的だ。
ドロシーは肩まで川に浸かり、泥を掻きだしていく。
ふとチップを見やる。彼はドロシーの裸を見ないように背を向けていた。
チップの唯一使えた魔法。無機物に擬似的な命を与えて動かす魔法。
あれもモンビの土人形と同じものなのだ。ドロシーはてっきり念動力の類かと思っていたが、今思えばチップは無機物を動かす際、大抵人型に形作っていた。
時折彼の作る木偶人形が彼の意識外の攻撃を防いだりしたことがあったが、それも木偶人形自体に即席の魂があったから自律的に動けたということなのだ。
ギンタンは優れたガーディアン使いだった。元々彼には異形の守護者を作って動かす才能があったのだろう。幸か不幸か、モンビの魔法は相性が良かったということだ。
遂にはガーゴイルまで生み出してしまった。
そうだ、ガーゴイル…
どうしてガーゴイルを出せたのだろう。
「チップ」
ドロシーは背を向けているチップに話しかける。チップは返事をしたがドロシーには背を向けたままだ。
「さっきはありがとう。ガーゴ……あの魔物、すごい強かったじゃない。」
「うん!こんな物も作れるなんて思わなかった!これからはおねえちゃんも守れるよ!」
ギンタに似た男の子に守ると言われ、少しドキッとしてしまう。
「ねえ、この魔物、どうやって思いついたの?」
「うーん…なんとなく…」
困ったような、照れているような調子で金髪の少年は答える。
「昔からこういうの考えるの好きだったの。」
「そう…」
そういえばギンタンは幼少時からそういうメルヘヴン的な世界―ファンタジーというらしい―を空想するのが好きな少年だったと聞いている。
別にオリジナルのギンタンの記憶がシンクロしたとか、そういうのではないようだ。
何を期待していたのか。
ギンタンとしての記憶と人格が彼の中に宿って感動の再会、とでも思っていたのか。
この子は5歳の時点でオリジナルのギンタンとは分岐している。別の人間としての生を送ってきたのだ。
「昔から…そうだ。」
チップは何かに気付いたかのように喋り出す。相変わらず律儀にドロシーに背を向けている。
「おねえちゃん…そのことなんだけど…」
少年は言おうか言うまいか少し考え、後ろにいる魔女に伝える。
「僕、本当はギンタっていう名前なの。」
「え…どうして…」
ドロシーは息を呑んだ。
モンビの説明だと、5歳までのギンタとしての記憶と自我は完全に消し、チペタリウスとしての自我を持った段階だったはずである。
「さっき、あの大きな額縁に写ってた人…あの人…僕…?」
チップが頭を抱えて座り込む。
「それに…今思い出した…その前に額縁に写ってたの…お父さんとお母さんだ…」
まずい。
モンビの遠視額装が写しだしたトーキョーの映像、ギンタンの家族と彼のオリジナルを目にしたことで“ギンタ”としての記憶が戻ってきてしまったのだ。
「お父さん…お母さん…どこ…?ここはどこ?もう家に帰りたい…」
少年の身体が小刻みに震える。
当時五歳のギンタンの魂を一部切り取り、このオズの世界にギンタンの複製を生み出した。
複製のほうのギンタン視点で見てみればこうなる。
眠りにつく直前まで家族のもとで暮らしていたのに、目を覚ましたら突然黴臭い城の中。目の前には邪悪な魔女。いきなり暗い部屋に閉じ込められて自我を崩壊させるための処置をされる。
長い眠りから醒めてみれば自分は10歳ほどの身体に成長している。
それからは私という魔女に外に連れだされて恐怖と戦いの日々…
そんな記憶が戻った彼が考えること、それは「家に帰りたい」。当然のことだ。
ドロシーはパニックで潰れそうになっている少年の小さな肩を抱き寄せ、裸の胸に彼の顔を埋める。
「お、おねえちゃん?」
“ギンタ”はドギマギしながらドロシーの名前を呼ぶ。生まれたままの姿のドロシーが彼を抱きしめているのだから、当然だ。
「だ、大丈夫…帰れるよ… おねえちゃんが…返してあげる…」
嘘だ。
“このギンタ”に帰る場所はない。
もし仮に元の世界に戻れたとしても、5歳で止まっている彼の記憶とは10年以上の開きがある。
何よりオリジナルのギンタンはそのことなど全く知らず、家族や恋人と元気に暮らしているのだ。
「そうだよ…ギンタ。5年前、悪い魔女が君を攫ってこの世界に連れて来ちゃったの… 魔法の力を植え付けられて、魔女の新しい肉体にされるとことだったんだよ… あの額縁に映っていたのは…ギンタとは関係ない、別の人だよ。
ホラ、だってギンタン今10歳でしょう?あんなに大きいはず、ないよ。」
5年前なんかではない。本当は10年近くの時が流れている。5年間グリンダという魔女が水の封印で彼の時を止めていたのだから。
虎水ギンタは15歳であるべきなのだ。
彼を騙すことの罪悪感をごまかすかのように、少年を抱く腕の力を強める。
「早く元の世界に帰ろうね… お父さんやお母さんも心配してるよ…」
大嘘だ。
5歳のギンタがどこかに消えてしまったと思っている人間など1人もいない。
オリジナルのギンタは14歳の時にメルヘヴンに行ったことを除けば、ずっと彼の生まれた世界で元気に暮らしていたのだから。
今ですら相当心細い思いをしているだろうに、そんな残酷な事実をどうして伝えられようか。
「だから、もうちょっとおねえちゃんと一緒に旅しよう?きっと君を元の世界に戻す方法を見つけてあげる。」
「…うん。」
彼を抱き寄せる手を離す。
目の前の少年は、少し落ち着きを取り戻したようだった。
「じゃあ、改めてよろしくね。チップ… いや、ギンタ。」
意識して、ギンタンではなくギンタと呼ぶドロシー。
目の前の“ギンタ”は“ギンタン”とは違うのだ。
自分が好きになったのは、あくまで当時14歳のあの少年。一緒にメルヘヴンで数々の冒険をしたあの少年なのだ。
「うん。よろしくね。ドロシーおねえちゃん。」
そう笑い返すあどけない笑顔は、確かに“ギンタン”のものだった。
どうしても意識してドキっとしてしまう
ギンタの面影を見ないようにぷいっと目をそらして川岸に生えている木の枝にかけられた自分の服のほうに視線をやる。
ボロボロに破かれた魔女服は修復が終わっている。水浴びをして身体もだいぶ綺麗になった。
ドロシーは身体を乾かすと、服を着て出発の準備をする。
まだモンビの城から彼女の手下達が出てくる様子はないが、早く離れるに越したことはない。
「さ、行こうか、ギンタ。」
「うん…その…」
チップはスカートを抑えてモジモジして何か言いたそうにしている。
「どうしたの?ギン…」
言いかけて、気づく。
ギンタの動揺を沈めようとして、全裸なのも気にせずに彼を抱きしめたが、別の所も元気にしてしまったようだ。
(そうだ…まだ神導器の核がこの子の体内にある以上…)
ドロシーは顔を紅くしながら、少年のスカートでテントが張られている様子を見る。
(口でしてあげるのは定期的に続けないといけないんだ…)
「じゃあ…するよ…………ギンタ。」
ドロシーはモンビの説明を思い出す。
目の前の少年の肉体は、10歳のギンタの肉体そのものなのだ。
スカートを捲ると、可愛らしく屹立したペニスが顔を出す。
(かわいい…)
アーテンボローのように醜くなく、オスカーのような凶悪さもない。
色素の薄い亀頭は包皮に包まれており、年齢相応の子供のペニスである。
ドロシーは遠視額装で見た、15歳のギンタンのペニスを思い出す。
(このおちんちんが5年も経てばあれと同じになるんだ…)
何度、彼と繋がることを夢見たかわからない。
本物が今、目の前にある。
(ギンタンのおちんちん…)
それを見つめるドロシーの視線が、ついとろんとしたものになる。
(…なら私の初めては、ギンタンのおちんちんだった、ってことになるのかな…)
東の魔女の城で、強制的に処女を散らされた。出会ったばかりの少年に奪われてしまったことを少なからず悲しんでいたが、その少年は奇しくも想い人の複製だったのだ。
(これが…私の初めてを奪ったおちんちん……ギンタンのおちんちん…)
うっとりと目の前の肉棒を見つめ、舌を延ばす。
「ぁ…」
久々のフェラチオの快感に声を漏らすギンタ。
舌はまだ竿の部分をペロペロとなぞるだけだったが、少年には充分な刺激である。
14歳当時声変わりしかけていたギンタンの声とは違う。だが確かに目の前の少年の発する高い声からはギンタンの面影が感じられた。
潤んだ瞳は澄んだ緑色。長い金髪はポニーテールにまとめられている。
そして今の彼の服装…
理性では彼を“ギンタン”と同一視してはいけないと思っていても、目の前の少年はもはやドロシーにとって想い人そのものだった。
さくらんぼ程度の大きさの亀頭は大部分が包皮に包まれている。
ドロシーはそれごとぱくりと口に含む。
「ぁぅ…」
“ギンタ”は先っちょから広がる温かさにまたしても声を漏らす。
(ギンタンのおちんちん…かわいいよ…全然怖くない…)
地底湖で無理矢理口にねじ込まれたオスカーの巨根は顎が外れそうなほど太く、根本まで押し込まれれば胃に達するのではないかと思うほど長かった。
今、口に含んでいるものはあんな恐ろしいものとは真反対。口をすぼめるようにして咥えることができ、根本まで咥えても喉奥が少し圧されるだけだ。
(皮…剥いてあげたほうが気持ちいいんだよね…)
舌先を亀頭と包皮の間に差し込み、丁寧に皮を剥いていく。
「あ…うわああっ!」
普段露出していない亀頭が顕になり、軽い痛みと共に腰が抜けるような快感が“ギンタ”に走る。
ドロシーは一旦口からペニスを出し、皮が剥けていることを確認する。
「綺麗に剥けたね♥…ギンタ♥」
蕩けた瞳で、にっこりと“ギンタ”に笑いかける。
続けて再び亀頭部分のみを口に含み、柔らかい唇で剥けた亀頭を舐っていく。
「ぁ…おねえちゃん…すごい…きもちいいよぉ…」
いつになく丁寧な愛撫に戸惑うギンタ。
僕がモンビに捕まる前までも何度もおちんちんを舐めてもらったが、ドロシーおねえちゃんは眉間にしわを寄せた気難しい表情で、何か単純作業でもするかのように機械的に舐めていた。
今のおねえちゃんは何か愛しいものをみるかのような表情で僕のおちんちんをしゃぶっている。ほっぺたも紅く、息遣いは荒い。
“ギンタ”の観察したとおり、ドロシーは今まで彼に施してきた口淫とは比べ物にならないほど昂ぶっていた。
「ふふ…ギンタ、気持ちいい?」
一度ペニスを抜き、亀頭にキスするようにしながらそう目の前の少年に語りかけると、一気に根本まで咥え、頭を上下させ始める。
(ギンタン…ギンタンのおちんちん…)
ドロシーは口奉仕を続けながら、目を閉じる。
瞼の裏に浮かぶのは、何度も夢や白昼夢で見たギンタンのペニス。そして遠視額装で見せられた今のギンタンの本物のペニス。
たまらなく切ない気持ちになる。
ペニスを抑えていないほうの手は魔女服のスリットを捲り、自らの股間に伸びていく。
案の定グチョグチョに濡れていた秘裂に指を軽く入れ、指先についた愛液を擦り込むようにしてクリトリスをいじっていく。
「ん…ちゅ…ふうん…」
自らに快楽を与えながら、口のほうも少年のペニスに対する奉仕を忘れない。
「お…おねえちゃん…もう…」
少年のペニスが爆ぜ、大量の青臭い精液がドロシーの口腔を満たす。
久しぶりの射精故、濃厚でゼリーのようになった精液がドロシーの舌に絡む。
「ん…♥ごく…」
うっとりとしながらその精液をごくごく飲むドロシー。
ドロシーの体内に魔力が満ちていくが今の彼女にとって些細なことである。
(ギンタンの精液…ギンタンの赤ちゃんの素…おいしいよ…)
目の前の“ギンタ”はオリジナルのギンタの複製。ギンタの世界でいう処のクローンと同じ代物である。それ故ドロシーの目の前のギンタの肉体の遺伝情報はオリジナルの遺伝情報と寸分違わない。
精液にしてもそれは同じ。本物のギンタの精液であるといっても間違いではなかった。
精液を飲み干しても、ドロシーはペニスを口から離そうとしない。
肉棒に残った精液を舌でこそぎとり、尿道の精液を吸い上げる。
「お、おねえちゃん?もう出し終わったよぉ…」
射精後で敏感になっているペニスに更に刺激が加えられるのは初めてのことで、苦痛にも等しい暴力的な快楽が彼を襲う。
「ん…ちゅ…ちゅぱ…」
“ギンタ”の制止の言葉はドロシーには届いていない。
彼女は“ギンタン”のペニスを、丹念に丹念に奉仕しているのだ。
それから更に数分、ドロシーは左手で自分を慰めながら右手と口を使って少年のペニスを愛撫し続けた。“ギンタ”は抵抗を止め、ドロシーの口淫に身を任せていた。やがて…
「おねえちゃん!また…」
「ん…んんんんっ♥」
ドロシーが逝くと同時に、少年の亀頭から二度目の精液が飛び出る。
ドロシーも我に返り、射精が終わった後のペニスを夢中になってしゃぶっていたことに気付いて顔を紅くする。
「ご、ごめんねギンタ…つい調子に乗っちゃって…あはは…」
(駄目…ついギンタンのこと考えちゃったけど…)
ドロシーは“ギンタ”を見つめながら考える。
(“ギンタ”は“ギンタン”とは違うんだ…私が一緒に冒険して、心ひかれていったギンタンとは違う… この子にとって私は、突然連れてこられた異世界で出会った魔女…)
そこまで考えて、1年前に出会った本物のギンタにとっても自分はそういう存在であったことに気づく。
この“ギンタ”と新たに関係を築き、自分の虜にするという考えが一瞬頭をよぎってしまう。
(…っダメダメ!そもそもこの“ギンタ”はまだ10歳かそこらの子供なんだから…
流石に7つも8つも離れてるのはアウトよ…
口でしてあげるのはあくまで神導器からの過剰魔力を排出する為…
それ以上のことには…ならないんだから…)
オナニーしたばかりの秘裂がうずくのを感じながら、ドロシーは自分に言い聞かせる。
―北の魔女 モンビの城―
モンビはまだ立ち上がれなかった。壁の隅で身体を投げ出していた。
骨が数か所折れている。暫くの間は歩きまわることはできないだろう。
「くく…まだ18かそこらの小娘の癖して、何人か殺したことがあるようじゃないか…」
先ほどドロシーに向かって出したのは死霊。
“反魂の魔女”の通り名の通り、多芸なモンビがもっとも気に入っている魔法である。
血肉にはその持ち主の業が宿る。特に命のやり取りという、深い関わりを持った相手の怨嗟が染みこむ。
モンビは、血を採った相手が今まで殺害した人間の死霊を呼び出すことができる。
実体を持たない虚仮威しだが、命を奪われた者の呪いの声は相手の心を乱すのには充分。
案の定ドロシーは動揺し、この場を離れてしまった。
チペタリウスに埋め込んだ神導器の核を持っていた人間もこの魔法で殺した。
随分と強力な力を持った凶暴な男だったが、それ故あまりにも多くの人間を殺してきたのだろう。相当に怯えた後、ショック死してしまった。
“血”でできるのはこの程度。だが肉まで手に入れることができたら…
文字通り、現世に受肉させることができる。
モンビの隣では数片の肉塊がビクビクと蠕動しながら少しずつ大きく育っていく。
ドロシーの肩を噛み千切った土人形の顎から採取したドロシーの肉に、モンビが魔法をかけたものだ。
蘇った死者達は、チペタリウスのように完全な人間として健やかな生を全うできるような代物ではない。心も多少壊れているだろう。勝手な行動も取るだろう。
それでも自我を持たない量産品の土人形よりはよっぽど知恵が回り、強力で、頑丈な手駒だ。
「新たな肉体は作り直しだ。それと同時にあの失敗作を追って神導器の核は回収する必要がある。核だけの神導器はあの1個っきりなのだから…」
モンビの隣の肉塊達はそれぞれが子犬大までに成長している。四肢が分かれ人間のような形になってきた。皮膚はできていないが、頭の部分には髪の毛が、手足の先には爪が生え始めている。
ある肉塊の側では水色のドロドロした生物が寄り添うようにして成長している。
彼が生前使役していたモンスターか何かだろうか。
「あの小娘と小僧を追うのはあんた達の役目だ。さっさと死ぬ前の姿に戻りな。」
モンビは肉塊達に話しかける。
「このままで終わらせやしないよ…小僧からは核を取り出して、あの小娘には死よりも辛い地獄を見せてやる…」