「ん…ここは…」
瞼の外に朝日を感じ、シズキはゆっくりと目を開ける。
「おねえちゃん!目を覚ましたよ!」
金髪の少年がそう言うと、桃色の髪をした少女が駆け寄ってくる。
「シズキ!」
シズキはまだ頭がぼうっとしているのか、2人を見る焦点が合っていない。
ドロシーとギンタは蛭児を倒した後、再生を始めた蛭児から離れる為意識が朦朧としていたシズキを肩車して洞窟を脱出した。
ドロシーとギンタが畏鬼教の集会所に侵入したのが夕暮れ時。たった今3人が地上に出た時には夜明けだった。
それだけ長い間、ドロシー達は触手の陵辱を受けていたことになる。シズキはきっと、更に長い間。
「そうだ…私…!!」
記憶がはっきりしてきたと共に、少女はガバッと起き上がり、自分の股間を確認する。
大事なところから白く濁った液体が後から後から垂れてくる。
「や…」
あの苦痛が夢でなかったことがわかり、少女の目に大粒の涙が浮かんでくる。
「こんなにいっぱい注がれて…今日…危ない日だったのに…」
肩を抱くようにしてしゃがみ込む。
「蛭児の…獄鬼の赤ちゃん産むなんて…やぁ…」
ドロシーは少女の顔を自分の胸に抱き寄せる。
「辛かったね…」
そう1言だけ言い、シズキをぎゅっと抱きしめる。
(温かい…)
この女性自身、蛭児に陵辱の限りを尽くされただろうに。
ドロシーが犯されていた時点でシズキの意識はもうろうとしていたが、今のドロシーの姿を見ればわかる。
全身を濡らす精液、股からも逆流した精液が垂れてきている。
黒衣はもはやボロ布のごとく首、背中、腰回りに頼りなく肌を隠しているだけ…
ドロシーの言葉の、体温の温かさに涙が溢れそうになるが、どうにか堪えた。
「でも大丈夫。妊娠だけはしないわ。」
ドロシーの指輪が光り、空間が裂ける。裂けた闇に手を突っ込み、1つの銀細工を取り出す。
それをシズキの下腹部に当てると、淡い光が銀細工から溢れ出す。
「これで大丈夫。」
「え…それはどういう…」
「この光に当たれば、貴女の中にある精液で妊娠することはなくなるんだよ。」
ドロシーは自分の下腹部にもその光を当てながら説明する。
精液に妊娠の機能がなくなったとはいえ、精液そのものは2人の体中に残っている。
顔、胸、尻、お腹…ドロシーとシズキの綺麗な身体は白濁で汚され放題。
彼女らの子宮にもたっぷり注ぎ込まれたそれは、重力の影響を受けて今も2人の股からトロトロと流れ出ている。
「近くに川がある。そこで身体を綺麗にしましょ。」
―――――――――
川は幅10m程の広さでありながら背の高い草がそこらに繁茂していて見通しが悪く、流れも緩やかで、裸になって沐浴するには適していた。
「ゆっくりしてなよ。服を洗って、乾かしとくからさ。」
「…本当に、何から何まで、ありがとうございます…」
シズキは服を脱ぎ、精液まみれのドロシーに預けるとゆっくりと水に入る。
腰まで浸かる程の深さの川を歩き、ドロシー達と距離を取るかのように対岸側へと移動した。
川中にポツポツと生える背の高い草に遮られ、ドロシー達の姿が見えなくなっていく。
草の擦れ合う音や虫の声、風の音がシズキとドロシー達を聴覚的にも遮断していた。
川に浸かっている股間から、蛭児の精液が流れ出ては水に薄まり拡散していく様を見て感情の堰が切れたシズキは、静かに嗚咽した。
遠くへと歩いて行き、やがて茂る草に中へと消えていったシズキを見届けるドロシー。
今はそっとしておいてやろう。そう思った。
「私達も入ろうか。」
そうギンタに笑いかける。化け物に散々陵辱されたにもかかわらず、気丈に笑顔で振る舞う。
ドロシー自身もこの精液まみれの格好をそうにかしないといけない。
ギンタは犯されていなかったが、精液を好き放題に放ちまくる大量の触手に揉みくちゃにされていた彼もまた全身がネトネトした液体で汚れていた。
2人は服を脱ぎ、シズキの服と一緒に川に浸し、洗う。洗い終えた服を川岸に生える木の枝にかけて乾かす。
自分たちも川に入り、自分たちの身体を洗い始めた。
きめ細かい髪に染み付いた生臭い液、美しい顔や豊満な胸を汚す白濁、成熟途中な18歳の膣内に詰め込められた醜い異形の子種。それらを白く細い指で丁寧に洗い落とす。
「おねえちゃん…」
身体を清めるその作業の中、陵辱の記憶を思い出したドロシーの目尻に溜まる涙を見てしまい、思わず声をかけるギンタ。だがその先の言葉は言葉にならず、少年の喉の奥にとどまった。
自分は何もできなかった。
これでおねえちゃんを守る。男の子らしいその決意を形にしたかのように棄てずに持っていた刺突剣は彼の小さな体躯に合わず、役に立たなかった。
10歳の少年に凶悪なモンスターと戦うことなど誰も求めないし、負けても文句を言う者などいない。命があるだけで充分。ドロシー自身もそう思っている。
だが、ギンタは少年でありながら男であった。ドロシーという女と何度も愛しあい、身体を交えた彼は、本来の年齢以上に、愛する雌を他の雄から守らんとする雄としての面も存在していた。
しかしながら、戦闘面において彼は無力であった。
使える魔法はモンビ譲りの“無機物に命を吹き込んで動かす”魔法。
モンビは泥に吹き込んで強力な土人形を操ったり、魂を吸ったり吹き込んだり、死体を動かしたり等、魂に関することなら一通りできるのだが、
モンビが自らの魔法をギンタに全て移す前に、グリンダという魔女に奪われ、封印されてしまった。
現状、彼が命を吹き込めるのは木片や瓦礫など、ある程度形がありかつ1つ1つがそれほど大きくない物のみ。動かす方法も、人型に動かすことしかできない。
―一度だけ巨大な魔獣を作ったことがある―
彼が元の世界で暮らしていたとき、よく夢想していたファンタジーの世界。そこで絶対的な強さを誇る存在、ガーゴイル。
その力は凄まじく、多数の土人形を一薙ぎで殲滅してしまった。
だが、あれ以降どう頑張っても出すことができなかった…
魔法が役に立たないならせめて自分の身体で戦おうと武器を持ったが、その武器程の身長しかない体躯で振り回しても逆に武器に振り回されるだけだった。
どうすれば。どうすればドロシーおねえちゃんに辛い思いをさせる者たちからおねえちゃんを守れるようになるだろう。
「ギンタン…」
少年が自分を呼ぶ声に、笑顔で返すドロシー。
少年に背負わなくていい責任を感じさせまいと、作った笑顔。
ドロシーは、ギンタに戦闘面でのことは求めていなかった。
まだ10歳なのだ。ギンタ自身の心情はどうあれ、ドロシーが彼にそれを求めるのは理不尽であるとすら思っている。
―ドロシーは寧ろ、精神的なものを彼に求めていた。
敵を追ってやってきた世界に1人ぼっち。弱体化した自分に迫る欲望に塗れた手達。
そんな中現れた、かつての想い人の複製…
10歳。彼の若すぎる肉体年齢、精神年齢を鑑みて何度も抑えこんだその気持は、一昨日、無人の温泉街で溢れだしてしまった。
倍近く歳が離れている少年と、男と女の関係になることを選択してしまった。
「ギンタン、私、あんな気持ち悪いウネウネした生き物に何度もここに…されちゃった…」
ドロシーは自分の割れ目を指す。子宮の隅々まで注がれた精液は、川の水で洗っても指が届かない奥から垂れてくる。
「ギンタンので、忘れさせて…」
抑えきれなかった涙を溜めながら、熱のこもった声で乞う。
10歳の少年のペニスは、18歳の少女の精液まみれの膣内に迎え入れられていった。
パチャパチャと水の音が響く。少年が後ろからドロシーの尻に腰を打ち付ける度に、その音が出る。
「あ…んん…ギンタン…」
蛭児の触手よりも数段小さな10歳の男の子のペニス。だがその硬さは確かにドロシーの気持ちの良いところを突いており、何より愛する人と身体を重ねる安心感と多幸感がドロシーの心と身体を昂ぶらせていた。
突き上げられる度にするチャプチャプという水音、周囲の視界を覆う背の高い水草…
不意に、蓋をしていた記憶が蘇る。
敗北した自分を圧倒的な体格差で押さえつけ、無理矢理に繋がり合う。
普段自分より小柄な少年と行動していたのでなおさら、目の前の男の胸板に自分がすっぽり収まっている様に自分が『少女』であり、奴が『男』であることを意識させられる。
面長の二枚目面、太い腕、大きな胸板、細身ながら腹筋の割れた腹。その全てが浅黒く、ピストンの度に揺れる銀髪とコントラストを成している。
自分の中で暴れているそれは更に黒光りしており、大蛇のような太さが膣をいっぱいに押し広げる。
拒絶の意思に反して熱くなり悶える自分の身体を抱きしめながらその奥で子種を撒き散らしていく…
「!!」
振り向けば、自分の腰を小さな手で掴んでいるのは、あどけない顔で小柄な金髪の少年。
涙を流しながらいきなり振り向いたドロシーに驚いて、きょとんとしている。
水場、高草。シチュエーションの酷似が、あの夜の悪夢がまだ続いているかのような錯覚を見せていただけだった。
自分の人生で一番長かったあの夜が…
「忘れ…させて…」
ドロシーとオスカーだけが知るあの夜。
同し夜にモンビに誘拐されていて何も知らないギンタはドロシーの言葉の真意を推し量ることができる筈もなく、蛭児という獄鬼に辱められた記憶を自分で上書きしようとするかのように腰を打ち付ける。
「おねえちゃん…出るよ!」
「来て…ギンタンのでいっぱいにしてぇっ♥」
ギンタがドロシーの中で3度果て、少ししてシズキがやってきた頃には3人の服は乾いていた。
「はい。」
ドロシーはいつもお世話になっている裁縫のARMでシズキの服を修復し、恥ずかしそうに草陰に身を隠しているシズキに手渡す。ギンタはシズキの裸を見ないように、背を向けていた。
「それ、神導器ですか!?」
自分の服を修復したと思われる、ドロシーの指輪を指差す。
「それだけじゃないです。さっきの…その…避妊のやつとか、昨日私が襲いかかってしまったときに何もないところから出した箒だって…」
「えーと…」
ドロシーはギンタと顔を見合わせると、仕方ないといった顔でシズキのほうを向く。
「これはね、ARMっていうんだ。…私がやってきた世界の道具だよ。」
「え…貴女がやってきた世界…?」
ドロシーは話し始めた。ここ、オズの国とは違う世界。どんなに遠く歩いても、空を飛んでも行くことができない世界が存在することを。
ドロシーはメルヘヴンという世界から。そして、―詳しい説明は省いたが―ギンタは更に別の世界からやってきたことを。
「異世界…それって、地獄みたいなものですか?」
想定していなかったシズキの質問に虚を突かれた。
地獄。獄鬼というモンスターがやってくるという世界。
オズの国の地下に獄鬼の国がある。だから畏鬼教の施設は地下に作る。
ということではあるが、実は地獄とオズの国には空間的な連続性はないそうだ。
「昔、す~~っごい深い穴を掘って地獄へ攻めようとしたことがあったそうなんです。でも、掘っても掘っても見つからなかったとか。獄鬼は掘った深さよりも浅いところから出てくるのに、です。」
あくまでもオズと地獄の間の“門”がオズの国の地中に局所的に発生し、そこから獄鬼がやってくる、ということのようだ。そういう意味では地獄も異世界だ。
「そういうことなら…4つあるのかな。オズの国、地獄、メルヘヴン、ギンタンの世界。」
同じ異世界ならひょっとしてメルヘヴンにも獄鬼がやってくることもあるのだろうか。男は食し、女は犯す凶悪なモンスターが…
簡便願いたい。そうドロシーは思った。
それ以外にも、ARMという道具のこと。オスカーという、故郷を裏切った卑劣漢を追ってこの世界に来たこと。元の世界に戻る手がかりを探す為もあって、今はオズの国中央部、エスメラルダを目指していること。そういったことを、シズキに説明した。
ギンタ以外のオズの国の人間に自分のことをここまで話したのは初めてかもしれない。
やはりどこかスノウや小雪ちゃんに似た澄んだ瞳を持つシズキには、心を許してしまうところがあった。
念のため、彼女に『変な夢を何度も見ることはないか』訊いてみた。そういうことは全くないらしい。小雪ちゃんとの精神的なリンクは全くないようである。
―ひょっとしたら、もしもディアナが人工的に小雪ちゃんの複製を作らなかったら、異世界間の“リンク”はシズキと小雪ちゃんの間にできてたりして―
そんなことを思った。
(まあ、似てないところは結構あるけどね)
年齢相応な小柄な体格に不相応な胸の膨らみを見て、ドロシーはくすりと笑う。
「あ、ちゃんとお礼するのが遅くなってしまいました。」
シズキは土の上に跪く。
「1度出会っただけの、それも勘違いで襲いかかってしまった私を危険承知で助けていただき、本当にありがとうございます。」
お尻を踵の上に載せた状態で膝を合わせるという特殊な座り方で、手のひらと額も地につけて平服して感謝の意を伝えた。
「いいんだよ。獄鬼なんてのが蔓延る危ない世の中なんだもの。困ったときはお互い様さ。」
シズキはそんな危険な世界で、獄鬼を狩り、魔法を持たない人々を守る仕事をしているのだ。
彼女の小さな体躯に込められた苦労を考えると、同情する。
「お二方はエスメラルダを目指しているんですよね?お礼と言ってはなんですが、エスメラルダへ続く道で、比較的獄鬼と出会わない道までご案内します。」
――――――――――――――――――
「あ、あった!」
ドロシーとギンタを案内して先頭に立って進んでいたシズキの指差す方向には、煉瓦で出来た道があった。北から南へと、一直線にどこまでも伸びている。
「黄色い煉瓦の道、って私達は呼んでます。エスメラルダを中心に、オズの国のいたるところに張り巡らされているんです。」
「へえ…まあ舗装されてると歩きやすいわよね。」
それだけじゃないんですよ、とシズキは言う。
「この煉瓦は黄瓦という鉱物で、獄鬼が嫌がる何かを出しているんです。」
おお、とドロシーとギンタは感嘆する。確かに、獄鬼が蔓延り人々を脅かすこの世界では重要な道と言える。
「これを砕いて身につけてれば獄鬼よけになるんじゃないの?」
ギンタが訊く。
チッチッチ…とシズキは指を振ると、自分が乗っている煉瓦の道に向けて瓦割りの構えを取り、拳を突き落とす。人の拳から出るとは考えられない程の重低音が響くが、煉瓦は割れるどことかひび1つ入らない。
「ものすごく硬いんです。実はこれ、エスメラルダで管理している神導器の1つなんですよ。」
「これ、神導器なの!?」
成る程神導器は壊すことができない。ドロシーはその原則を思い出した。
「黄瓦という鉱物を生み出す神導器…ということなんだと思います。核はきっとエスメラルダの、オズ大王とやらの城の中にあるんでしょうね。」
ドロシーはあの象形文字が刻まれた無色の珠がエスメラルダの城の中央に埋め込まれ、木の根が張り巡らされるが如く城中、街中、オズ全土に広がっていく煉瓦の道を想像した。
「それにこの道、絶対安全じゃないんですけどね。獄鬼が“嫌がる”ってだけで、本気で人間を襲おうと思ってたら数秒くらいならこの上を歩けます。」
「でもこの道を通らないよりはましです。それにエスメラルダに通じているのは確かですから、この道をずっと通っていけば着きますよ。」
では私はこれで、と言いかけるシズキの言葉を遮り、ドロシーは質問する。
「ねえ、シズキはこれからどうするの?」
「そうですね、悪魔教の施設は壊したので、依頼のあった村へ報告へ行こうかと。」
行方不明の犠牲者は全員男性。畏鬼教、もとい獄鬼の基本方針として男性は喰い、女性は繁殖に使う。シズキが来た頃には、行方不明者は全員獄鬼の餌となっていた。
それを報告するのは気が重いだろうが、それもまた仕事だ。
南を指差しながら、シズキはそう思う。
「ああ、南なら私達と方向一緒じゃない。」
ドロシーとギンタが目指すエスメラルダは南方向にある。シズキが目指す村はその途中にあるわけだ。
「通り道なら、そこまで一緒に行かない?」
「喜んで!」
シズキは弾けるような笑顔でドロシーとギンタの手を取る。
それから、ギンタ、シズキ、ドロシーは黄色い煉瓦の道を通って南へと進んだ。
シズキの村には同世代の若者が少なく、ドロシーとギンタと話ができて嬉しいようだ。
「おねえちゃん…」
ギンタがドロシーのスリットの裾を引っ張る。
いつもの合図だ。“溜まってきた”のだ。
彼のスカートを押し上げる勃起を隠そうと前かがみ気味になっている。
「シズキ、ちょっと場所外してくれる?私達少しだけ…」
「…またエッチなことですか?」
シズキは照れるような、呆れたような顔でドロシー達を見る。
「う…」
「…やっぱり私、お邪魔でしょうか…」
「ちっ違うの!あれは別に…ギンタの為に必要なことで…」
ドロシーはシズキにギンタの体質を説明した。
ギンタの体内には神導器の核が埋め込まれていることを。
無制限に魔法を使える神導器。その核には無限の“力”を生み出す仕組みがあること。
その影響で“力”が無限に体内から生み出され、溜まり過ぎるとギンタの身体を蝕むこと。
現状、その“力”を排出するにはギンタの精液と他者の粘膜を介して譲渡する方法しかないこと。
畏鬼教の拠点で魔力切れになっていたドロシーがギンタの精液を飲んで逆転できたのも“力”の譲渡によるものであること。
「…だから、そういうことをするのは発作の治療みたいなもので…」
―私達がHも我慢出来ないで野外で盛ってしまうほど乱れた人間ではない―とまで言う必要はないだろう。
シズキも顔を真っ赤にしながら納得した様子だ。
「すぐに済むから、ちょっとだけ待ってて。ね?」
シズキは頷き、黄色い煉瓦の道から少し離れた茂みへと姿を消していく2人を見送った。
――――――――――――――――――
「シズキも待ってるから…とりあえずお口でいい?」
「うん。ごめんねおねえちゃん…」
シズキに聞こえないよう、いつもよりも音を抑えめにしてクプクプと少年のペニスを唇と舌で刺激する。
程なくして、ギンタはドロシーの口に精液を吐き出し、ドロシーはそれをごくりと飲み干す。
そしていつもどおり、ドロシーは口に咥えたままのペニスを“お掃除”する。包皮と亀頭の間に舌を通し、精液を舐めとっていく。
「ギンタンまだカチカチだよ…」
お掃除フェラが終わり、ドロシーの口から離れたギンタのペニスは、未だ上を向いていた。
最近はいつもこうだ。1回で終わることは少ない。
(まだ溜まってるなら仕方ないよね…ギンタンの為だもん…)
―ギンタの為―
…だけでもない。完全に自分はハマっている。愛しい少年と身体を重ね合う快楽に。
特に、今日は抑えきれない程ムラムラする。蜥蜴の獄鬼が言っていた。蛭児の精液には催淫作用があると…
「ギンタン、今度はこっちにちょうだい♥」
屹立したおちんちんを放り出したまま地べたに腰を落としているギンタに馬乗りになり、魔女服のスリットをずらしてギンタを誘惑する。
「んっ…♥」
スリットからスカートを横に流し、露わなった秘裂を真下のおちんちんに沈めこむ。
自分の体重がかかる分、いつもより奥までギンタンのペニスが入ってくる。
ドロシーの膣肉はそれをみっちりと締め付け、ドロシーの腰が動く度に亀頭を愛撫する。
(すごい…これがセックスなんだ…)
シズキは、少し離れた木陰で彼らの様子を覗いていた。
あまりに遅いから心配で、と自分に言い聞かせ、彼らが交わる姿に見惚れていた。
大地に腰掛けるギンタさんの上に乗るようにして繋がり合い、腰を振っている。
私もドロシーさん自身も化け物に犯されたばかりだというのに、
しかも私と同行中なのに、野外で、隠れてHしたがるなんてどういう神経だろう。
そう思っていたが、ギンタさんの体内に埋め込まれた神導器核の説明を受けて納得した。
ギンタさんは定期的に抜いてあげないと、神導器核の生み出し続ける“力”が蓄積し続けて苦しむ。
ドロシーさんは故郷の世界よりも魔力消費の多いオズの国で魔力切れに悩まされながら戦い続けている。
そういうことなら彼らがHする関係なのは、お互いにとって理想的なのだろう。
(ドロシーさん…あんな小さい子のおちんちん入れて…すごい…)
細身でスタイルの良いドロシーさんの身体は胸とお尻だけ大きく、それでいて細い腰と滑らかなラインでつながっている。女の自分から見ても扇情的な身体だ。
ドロシーさんはその大きな胸をギンタさんの顔に押し付け、お尻は真後ろのシズキの方を向いて激しく上下にうねっている。
綺麗で豊満に育った肉体の全てを、2周りも3周りも年下の少年に捧げるかのような激しいセックスを見せつけられ、無意識に、シズキの手は自身の秘裂に伸びていく。
ドロシーに催淫精液の効果が残っているというなら、彼女以上に長い間、大量の精液を注がれたシズキはその限りではない。
ドロシーとギンタの行為を見て、ただでさえ火照っていた身体が更に熱を持つ。
「あ…ん…」
自分を慰めることは時折あった。しかし、陰核を擦るときの感覚が、今までと少し違う。
(いつもより気持ちいい…)
催淫精液の効果が残っているのだろうか。それとも…
蛭児に処女を奪われたこと自体は自分の人生の汚点であり、一生隠していきたい悪夢だ。しかし、あの夜、初めて少女は性の快楽を知ってしまったのだ。
(本当の…人間のおちんちんってどんな感じなんだろ…)
自分にはまだ早いと思っていた。今だってそうなのかもしれない。自分にはただでさえ討鬼師として村の皆を守る役目があるのだから。
だが…
…次の開獄日が終わったら、ちょっとは楽になる。
そうしたら恋人を作るのもいいかもしれない。
シズキは女にされたばかりのそこをいじりながら、そんなことを考えた。
―――――――――
「お待たせ、シズキ。」
「いえ…」
3人とも、顔を赤く染めている。
シズキは2人が何をしていたのか知っているし、2人もシズキが知っていることをわかっている。
3人はしばらく無言で黄色い煉瓦の道を歩いていた。
やがて、恥ずかしいような気まずいような空気を断つ為か、シズキが話を切り出す。
「ドロシーさんとギンタさんは、エスメラルダへはオズ大王様に会いに行くんですか?」
「や、そこまでは考えてないよ。優秀な魔法使い達がいっぱいいるらしいからギンタンも安全だろうしとか、オスカーを倒したりメルヘヴンに戻る手がかりが見つかるかも、とか。」
オズ大王。オズの魔法使いとも呼ばれる、オズ中央部エスメラルダの王様。
北部ギリキンの姫であるオーリンやモンビも彼の親戚。
神導器もオズ大王が管理していて、モンビはそのうち幾つかの神導器を盗み出した。
そんなことをオーリンやモンビから訊いたことをドロシーは思い出す。
「なんだ、てっきりオズ大王様に“ギンタさんを治してほしい”とか“元の世界に帰りたい”とか“オスカーって人を倒してほしい”とかお願いをするのかと思ってました。」
「そ、それどういうこと?」
シズキの言い方はまるで、この世界の王様に、気軽に願いを要求できるような言い方だ。
「やっぱりご存じなかったんですね。オズ大王様は、なんでも願いを叶えてくれるんです。」
「コッローディさんみたいにエスメラルダで討鬼師として働く魔女・魔法使いはオズ大王から“試練”を受ける権利があるんです。」
大抵は強力な獄鬼の討伐みたいなことらしいです。オズ大王は本人の“願い”に応じた“試練”を魔法使い達に課して、無事試練を成し遂げたら願いを叶えてくれるんです。」
だから魔法を持つ人はみんなエスメラルダで働きたがるんですよ。そうシズキは付け加える。
「そうだったんだ…」
エスメラルダの魔女としてオズ大王に仕えれば、オズ大王に願いを叶えてもらえる。
数多くの魔法使い達を束ねる、この国の王というのなら、それはもう大魔法使いなのだろう。きっと、ドロシーの願いも叶えてくれるかもしれない。ギンタンの体質も治るかもしれない。
漠然とエスメラルダに向かえばなんとかなるかもと思っていたドロシーだが、それは間違っていなかったのだ。
ドロシーはエスメラルダへ向かう決意を新たにする。
「シズキはいいの?エスメラルダの魔女にならなくて。」
「私は大丈夫ですよ。…特にお願いもないし、私がいなくなったら、村を守る魔女がいなくなっちゃいますし…」
そう言って、シズキははにかむ。
「貴女だけなの?ここいらの討鬼師は。」
ドロシーはびっくりしたようにシズキに問う。まさかとは思っていたが、こんな小さな少女が1人で獄鬼と闘っているというのか。
「ええ、ちょっと前までは5人体制だったんですが…」
シズキの話では、この近辺の村にいる討鬼師は4人いたという。
アガタ村に住んでいるシズキ、シズキの姉。
カヤベ村に住んでいるアーテンボローという中年の魔法使い。
サルホ村に住んでいる魔女、カンラ。
その4人に加えて、エスメラルダからの派遣討鬼師であるコッローディという魔女が3つの村の担当として定期的に様子を見に来ていた。
「でもアーテンボローさんは獄鬼を倒してお金を稼ぐことばっかり考えてて私達とはあまり連携してくれなかったんですよね。ですから私、お姉ちゃん、カンラさん、たまにコッローディさんで実質4人体制でした。」
シズキが困った顔で言う。
「ですが、前回の開獄日にその体制は崩れてしまいました。」
開獄日―サバト―は地底湖の畏鬼教の信徒達が待ち望んでいた日だ。
獄鬼の棲家である地獄とこのオズの国との“境界”が曖昧になる日。
普段は弱い獄鬼がたまに通れる程の“境界”が大きく開き、強力な獄鬼が地上にやってくる日。
オズの住民たちにとって、その日は天災と言える。
オズの魔法使いが管理している神導器の加護を受けてエスメラルダから張り巡らされた黄色い煉瓦の道。その周辺には地獄の穴が空くことはない為、人々はその上に村を作る。
サバトの日は村に立てこもり、黄色い煉瓦の道から離れた処に現れる地獄の穴から出現し、村を襲撃しようとする獄鬼達をその村の魔法使いが討伐する。
それがエスメラルダより外の地域の人間共通の、サバトのしのぎ方である。
前回のサバトでもそれは同じだった。
アガタ村はシズキとコッローディが守っていた。
アガタ村に比べて近隣同士のカヤベ村とサルホ村は、カンラとシズキの姉が守っていた。
アーテンボローは怯えていて戦力にならなかった。
アガタ村では、激戦であったものの誰も命を落とさずにサバトを耐えることができた。
開獄日の後、カヤベ村とサルホ村を訪れたシズキ達を迎えたのは死屍累々で呻く村人と、茫然自失のカンラ。
シズキの姉は、獄鬼に敗北して命を落としていた。食われた村人の死体とごちゃ混ぜになり、どの肉片が誰のものか判らない程の地獄絵図だった。
カンラはそれ以来心を閉ざし、サルホ村に引きこもっている。
カンラとなんとか連絡をとろうにも、彼女の扱う岩石の魔法で、巨岩に身を包んで閉じこもっている為取り付く島がないそうだ。
「元々気難しい方で、おねえちゃんを通してしか私も話したことがないんです。」
心を閉ざしたのも、心を開いていたシズキの姉の死がきっかけだとシズキは考えている。
「それから…生き残ったカヤベ村とサルホ村の人々はカヤベ村にまとまって暮らすようになりました。」
心を閉ざし、獄鬼と戦う気力をなくしたカンラに愛想を尽かしたサルホ村の人々がカヤベ村に移り住んだのだ。
そんな理由で、今はアガタ村とカヤベ村に人が住んでいる。
その2つの村を襲う獄鬼をアーテンボロー、シズキ、コッローディが討伐しているのだ。
「アーテンボローさん、ちょっと苦手なんですけどね。いつも私達のことやらしい目で見てきますし。」
それでも次のサバトでは彼の首根っこをひっつかんで、3人で2つの村を護ろうと思います。
そう言ってはにかむシズキの健気な笑顔を見ると、『アーテンボローは私と獄鬼退治の途中に上級獄鬼に襲われて行方不明』だなんてドロシーには言えなかった。
「そんな若いのに苦労してるね…あんた…」
スノウと同じくらいの年頃なのに…ドロシーはメルヘヴンで彼女に抱いた哀れみに近いものを目の前の少女に感じた。
「でもコッローディって心強い味方がいて良いわね。私も会ったことあるよ。ここよりもマンチキン寄りの場所で、獄鬼に襲われてた私達を助けてくれたんだ。」
オズの国東部、マンチキンを脱出したとき、子鬼の獄鬼に襲われていたドロシーとギンタを糸の魔法で救ってくれたのだ。
アーテンボローにも会ったことがあるのだが、ドロシーは言わなかった。
何しろ蛞蝓型の獄鬼から逃げた結果お互い裸でボロ小屋に籠城し、挙句欲情したアーテンボローを鎮める為にフェラチオをするはめになったのだ。
その上、それでも欲情が治まらなかった彼に襲われ、亀頭の先っちょまで挿入れられかけた。
もしもそこで獄鬼が乱入しなかったら…
脂くさい中年男性に体中を舐られ、獄鬼に気づかれぬよう声を押さえながら抵抗らしい抵抗もできずに抱かれる自分を想像すると背筋が寒くなる。
コッローディさんに会った!?本当ですか!?と目を輝かせてシズキは言う。
「コッローディさんは本当にかっこいいんです!綺麗で、強くて、正義感があって…」
「今は村を離れるなんて絶対にできないけど…いつか私の村に新たに魔法使いが生まれて、肩の荷が降ろせるようになったら、エスメラルダのオズ大王様に会いに行って王属の退鬼部隊に入って、コッローディさんと一緒に仕事したいなあって思ってます。」
先ほどよりも更に明るい笑顔で彼女は言う。
今いる3人の魔法使いのうち村に常駐しているのは彼女1人。
この年齢には重すぎるものを抱えているにも関わらずあどけない笑顔を向けられる彼女は、とても強くドロシーの瞳に映った。
「あ、あれです!カヤベ村ですよ!」
シズキが指差す先には木の先端を鋭く削った柵で村をぐるりと囲った小さな集落があった。
黄色い煉瓦の道が村を貫通するように通っている。なるほど、獄鬼避けの黄色い煉瓦の道の上に村を作れば比較的安全を確保できるというわけだ。
村についたらドロシーさんとギンタさん達を歓迎してもらいましょう。みんな優しいんですよ。そんなことを言いながらシズキはカヤベ村へと2人を導いた。
――――――――――――――
「そんな…どうして…」
辿り着いたカヤベ村に、生きている者はいなかった。
カヤベ村14世帯分の死体のみが、そこにあった。
シズキはこの村の依頼を受けて畏鬼教の調査を行ったのだ。
彼女がこの村を出たのは2日前。そんな短い時間で、村中の人間が皆殺しにされている。
死体を見ると、何かに食い散らかされている。
若い女性の死体はなかった。村中を探しても彼女たちの姿はなかった。
「畏鬼教…じゃないみたいだね。畏鬼教のメンバーはあの場に全員いたようだし。」
ドロシーが言う。
「はい。それに畏鬼教はこういう殺し方はしません。野生の獄鬼が入ってきたんだと思います。
…でもどうして…普通の獄鬼なら村の柵や壁で侵入を防げて、私が戻るまでは保つはずなのに…」
黄色い煉瓦の道は確かに獄鬼避けの効果があるが、効果があるのは道の上、あってもその周辺のみ。あくまでも村を獄鬼から守るのはその周囲を覆う柵や壁である。
だが、村と外界との連絡口である門は開放されていた。だからこそ中から開けてもらうことなく3人はカヤベ村に入れたのだ。
「ッ…そうだ、サルホ村、カンラさんは!?」
シズキはカヤベ村の端にかかっている吊橋を走り抜ける。
カヤベ村とサルホ村は距離的には近いものの、その間をちょっとした渓谷が分断している。
そこに掛けられた橋を渡り、シズキはサルホ村へと走った。
遅れて吊橋を渡り終えたドロシーとギンタは、サルホ村の奥からシズキの声を聞く。
声を頼りにたどり着いた場所は広場。そこには大量の獄鬼の死骸が散らばる中、カンラの名を呼ぶシズキがいた。
「カンラさんっ!カンラさーん!!」
「シズキ…これは…」
「わかんないですっ…ここはカンラさんが篭ってた場所なんですけど、カンラさんはいなくて…獄鬼の死体がこんなに…」
全滅しているカヤベ村の住民。サルホ村に1人こもっている筈のカンラはおらず、大量の獄鬼の死体…予想外の連続にシズキはパニックになりかかっている。
ドロシーはそこらに散らばる獄鬼の死体を眺める。猫の獄鬼、象の獄鬼…多種の獄鬼が刻まれ、潰されている。
この獄鬼達が村を襲い、カンラがそれを倒し、姿を消したということなのか。
「私の村…アガタ村が心配です…」
シズキが立ち上がる。
アガタ村はシズキが普段住んでいる村だ。カヤベ村、サルホ村とは山1つ離れた場所にある。
今死体となっている獄鬼は、アガタ村も襲ったのだろうか。
襲っていないとしても、生き残りの獄鬼がアガタ村を今襲っているかもしれない。
そう考えると、シズキはいてもたってもいられなかった。
「僕達も行くよ。」
「獄鬼と戦闘になるかもしれない。その時は私達が加勢するよ。」
「ドロシーさん…!ギンタさん…!」
シズキは目に涙を浮かべて、ドロシーとギンタに抱きつく。
「行きましょう。アガタ村へ!」
カヤベ村を貫通して通っている黄色い煉瓦の道。途中山道になっているが、そこを抜けるとアガタ村だ。
3人は、シズキの故郷の村へと走っていった。