「ちょ…速い…シズキ…」
山道をシズキ、ドロシー、ギンタが駆け抜けていた。
彼女らが進むルートには黄色い煉瓦の道が走っているものの、山の中である為傾斜がきつい処もあり、走って進むのは困難だった。
ゼピュロスブルームが壊れていなければひとっ飛びなのに…
ドロシーは心のなかで毒ついた。
一方シズキは少しも速度を落とさずに走り続けている。幼いころから何度も通っている道な上に、肉体強化の魔法で悪路など問題でなかった。
シズキも時々振り返ってドロシー達を待ってあげるが、故郷の村が獄鬼に襲撃されているのではないかと思うと足は勝手に速度を上げていた。
ドロシーですらシズキについていくのに精一杯なのだからギンタは更に遅れているかと思えば、そうではなかった。
山道に落ちていた枝で形成した木偶人形が、ギンタを赤児のように抱えてドロシーと並走している。
「…なんか…ごめんね、おねえちゃん。」
ギンタの木偶人形は複数体創れないこともないのだが、比較的強力な個体―山道をシズキと一緒に走れるような個体―を作ろうとすると1体が限界なのだそうだ。
メルヘヴンのARM使いも操作できるガーディアンは1度に1体。複数体同時に操れるのはファントムクラスの化け物くらいだったし、それと同じだろう。
山を抜けると、遠目に村が見えた。
外観は今まで訪れた村と同じ。木の先端を鋭く削った柵でぐるりと囲われている。野生の獄鬼へのバリケードだ。
門は、閉まっている。シズキは更に速度を増し、ドロシー達を引き離して村へ辿り着いた。
「みんな!みんなぁ!」
閉ざされた門をドンドンと叩く。思わず怪力の魔法が出てしまい、硬木で出来た門が軋む程だった。
シズキが我に返って門を叩くのを止める。内側から門が開いたのだ。
「シズキちゃん!」
門番がシズキを見て呼びかける。
シズキの目に映ったのは、いつもと変わらぬアガタ村だった。
「おかえり!」「畏鬼教の調査は上手く言ったかい?」
次々に集まってくる村の皆からねぎらいの言葉を受ける。
この様子だと、アガタ村はまだ獄鬼の襲撃を受けていないようだ。
シズキはいつもと変わらぬ村の様子に安堵した。。
「大変です!カヤベ村が獄鬼に襲われて…皆…」
村人の表情が凍りつく。
「この村には獄鬼は来てないんですね!?」
「おう。変な男が来たくらいだな。妙な銀細工を武器だとか抜かして売りつけようとしてきてよ。俺らが突っ返してやったぜ。」
シズキは胸を撫で下ろした。
行商ならたまに訪れてくる。黄色い煉瓦の道沿いにあるこの村はそういった人々がよく訪れるのだ。アガタ村は、いつものアガタ村であることにシズキは胸を撫で下ろした。
前回の開獄日に実質滅んだサルホ村に次いで、カヤベ村も壊滅してしまったことは由々しき事態だが、シズキの生まれ育ったアガタ村が無事だったのは不幸中の幸いと言えた。
「はあ…はあ…シズキ」「村は大丈夫?シズキおねえちゃん…」
ようやく、ドロシーとギンタも村に着いた。
村の人々の様子を見て、2人も村が無事であることを知った。
「どなた?」
村の女性が訊く。皆、シズキのような服を着ている。長着を羽織って帯で締めているタイプの服だ。色はくすんだものが多い。シズキの純白と朱色の服は高価なものなのだろう。
「この方はドロシーさんとギンタさんです。畏鬼教に負けそうになったときに助けていただいたんです。」
畏鬼教の集会所で起きた陵辱のことには触れずに、そう説明する。
「それはそれは」「シズキちゃんを助けてくれてありがとうねぇ」「疲れたでしょう。ゆっくりしておいき」
アガタ村の人々は気さくで、シズキは勿論、客人としてドロシーとギンタのことも温かく迎え入れてくれた。
振る舞われた軽食をいただきながら、シズキ達はカヤベ村とサルホ村の惨状を説明した。
カヤベ村の人々が皆殺しになっていたこと。若い女性がいなくなったこと。
カンラが1人で篭っているはずのサルホ村に多数の獣型獄鬼の死体があったこと。カンラの姿がなかったこと。
「むう…獄鬼がカヤベ村を襲って、次にサルホ村を襲撃しようとしてカンラさんに返り討ちにあったってことか?」
村の男性が言う。
「多分、違う。」
ドロシーが口を開いた。
「サルホ村の獄鬼の死体、随分腐敗が進んでいた。カヤベ村の人々は殺されて1日経ってるかどうかって状態だったけどね。」
「!!…私あの時わけわかんなくなってて…流石ドロシーさん。」
シズキが感心する。
「じゃあカヤベ村を襲った獄鬼は別にいるってことかい!」
村の女性が不安そうに言う。
「でも、その為に私が戻ってきたんです!どんな獄鬼が来ても私が皆さんを守ります!」
シズキが不安を押し殺した笑顔で言う。
「そうか…すまないなあ…いつもシズキちゃんに苦労をかけて…」
「せめてコッローディさんがいてくれたら…」
「私達も手伝うよ。これも何かの縁さ。」
ドロシーが身を乗り出す。
「ありがとうございます…そうです!ドロシーさん達は強いんですよ!畏鬼教にいた上位の獄鬼も追い払っちゃったんです!」
おお、それなら安心だ。そう村人たちが口々に言い合う中、村の入り口から門番の声が響いた。
「おーい!コッローディさんがいらしたぞ!」
「コッローディさん!?」
シズキは目を輝かせて立ち上がる。
「噂をすれば、ですな。」
「私っ、迎えに行ってきます!」
そう言って村の入り口へと駆けて行く。
コッローディ。
東の魔女の追っ手を掻い潜ってマンチキンを脱出した際にドロシーとギンタは獄鬼に敗北しそうになった。あと1歩のところで彼女が駆けつけてくれて、襲われずに済んだのだ。
少し姉貴肌ぶるところがあったが快活な女性で、オズの国のことを色々と教えてくれた。まさかシズキと仲が良かったとは思わなかった。
ドロシーとギンタもシズキの後を追っていった。
村の入り口の門は再び開け放たれ、人だかりができていた。その中央に、すらりと背の高い女性がいた。
ドロシーも遠目からすぐにコッローディだとわかった。
ショートカットの栗毛に黒いタンクトップとショートパンツ。見た目はドロシーとギンタが獄鬼から助けてもらった時と変わっていなかった。
しいて言うなら少し露出度が高くなっていた。タンクトップはへそ出しになり、ショートパンツは裾を詰めてVラインが見えそうなくらいだ。
もう1つ挙げるとするなら、露出した彼女の臍下に…
「エスメラルダのファッションですかい?」
村人の1人がコッローディ臍の下を指差す。そこには緋色の刺青が描かれていた。ハートのような形の刺青だ。
「うふふ、似合ってる?最近入れたの。」
(この刺青…どこかで見たことあるような…)
どこで見たのだろう。ドロシーは記憶を掘り返してみる。
「あなた達もいつもお疲れ様♥」
村の入口の門を開け閉めする門番2人をまとめて、その頭を胸元に抱き寄せる。門番はコッローディの大胆なスキンシップに顔を赤くしている。
コッローディはこんなに艶っぽい女性だっただろうか。
ドロシーが前回出会った印象だけで言えば、熱血かつ快活。爽やかな印象を受けた。
村人たちも同じことを思っているようだった。普段と違うコッローディの様子にどう対応していいものか、と。
「おねえちゃん、あのお臍の下のやつ…」
ギンタが不安そうにドロシーのドレスの裾を引っ張る。
(あ、そうだ…この刺青…)
マンチキンの城…柱に縛りつけられて無理矢理チップ―ギンタ―とセックスさせられたとき…
自分の視線の高さからは東の邪悪な魔女、ネッサローズの腰が見えた。
露出度の高い服装から覗く臍の下。そこにも刺青があった。細かい模様は少し違った気がするがハート型で緋色の刺青…
ドロシーがそう気付いた瞬間、目の前が血に染まった。
胸元に抱き寄せていた門番達の頭に一瞬で絡んだコッローディの糸が、そのまま“収縮”した。分厚い頭蓋骨は一瞬でひしゃげ、白い脳漿と真っ赤な血が飛び散った。
「え…コッローディさん…?」
想像を越えた光景にフリーズしてしまったシズキは、ただ尊敬していた先輩魔女の名を呼ぶ。
「さ、いらっしゃい。みんな。」
シズキの言葉も、湧き上がる村人の悲鳴を耳にも留めていない様子で、背中越しに後ろへ―門の外へ声をかける。
カサカサカサ…
虫の這う音をそのまま大きくしたような音がしたかと思うと、開け放たれた村の門から黒い影が一斉に湧き出てきた。
影の正体は、蜘蛛。
大きさはまちまちだが、ほとんどが子犬~豚程度。歩脚は長く、灰褐色のゴワゴワした毛で覆われている。
その中でも1段と巨大な蜘蛛―象程の大きさだ―がコッローディの元へ駆け寄る。
「あンっ…もおっ…まだ早いよぉ…」
前脚の1本をコッローディのショートパンツと素肌の間に差し込み、クチュクチュと膣の入り口を探っている。
蜘蛛の愛撫にコッローディは嫌悪の欠片も示さずに、まるで性欲旺盛な恋人をたしなめるかのような態度で接する。
「コッローディ…さん…これはどういう…」
予想外の光景に頭が追いつかない村人は、彼女に問う。
「ごめんねぇ。私、気付いちゃったんだ。」
蜘蛛の愛撫を受けながら、紅潮した顔でコッローディは言う。
「魔法を持ってない人間を守って獄鬼と戦うより、獄鬼と仲良くしたほうが気持ち良くて、楽しいって♥」
まだコッローディに“手マン”を続けている巨大蜘蛛の顔をさすりながら、そう言い放つ。
「だからみんな。私の“家族”のご飯になってくれるかな…」
その言葉を合図に、まさに蜘蛛の子を散らすように蜘蛛の獄鬼達は村中を散らばっていった。
村中に悲鳴があがった。
蜘蛛たちは村人の首筋に噛みつき、肉を食んだ。尻から出す糸で巧みに女性の身体の自由を奪い、縛り上げていく。
あまりにも予想外の展開に思考が止まっていたシズキも、蜘蛛達が動き出したのを見て戦闘体勢に入る。
「待ってシズキ。」
「コッローディさ…」
つい、自分の姉貴分の声に反応してしまう。彼女の口が裂けるようににやりと歪むのを見た時にはもう遅かった。
シズキの肩を掴む手から糸が吹き出し、シズキを包んでいく。
「…ッ!こんな糸の出し方、コッローディさんはしなかった!蜘蛛の獄鬼が化けているんでしょう!この偽物!」
頭と爪先を除いて糸で絡め取られてしまったシズキは、拘束を破ろうと力を込めながら叫ぶ。
「ンフフ♥ひどいなあシズキ。本物よ。コッローデイよ。―“力”を与えてもらったの。このダーリンに♥」
片手で臍下の刺青をさすり、もう片手で自分の隣にいる巨大な蜘蛛の顎下をさする。
「出せる糸の量も、強さも、性質も変わったの。前は私の糸だと貴女の怪力で千切られちゃったけど…これはどう?」
破れない。シズキは思い切り力を込めて身体に纏わりつく糸を裂こうとする。
これまでコッローディの出していた糸は1本1本が硬く、それ故により強い力がかかると簡単に崩壊した。
今シズキが巻かれている糸は硬さに加えて靭やかさも備えていて、シズキの怪力に対しても程よく伸び縮みして衝撃を殺してしまう。また粘り気もあって、シズキが頑張れば頑張る程に絡まっていく。
―まるで蜘蛛の糸のように―
「ゼピュロスブルーム!!」
風の刃がコッローディの首筋に向かって飛ぶが、糸の魔女は驚くべき動体視力でそれを避ける。
「あら、もう一人魔女がいたのね…って、あの時の娘じゃないの。」
コッローディも憶えていた。ドロシー達が、あの日子鬼から救った少女たちであることを。
「あんた、どうしちまったんだよ。私達を助けてくれて…それにシズキと一緒に村を守ってたんだろ?」
ドロシーが悲しそうにコッローディに問う。
「何度も言わせないで。獄鬼様に―アラネア様に身も心も捧げちゃったのよ♥」
そう言って、隣にいる象のように巨大な蜘蛛の身体を撫でる。この巨大蜘蛛がアラネアという名前のようだ。脚は木の幹ほど太く八本、黒いごわごわした体毛で覆われて、大きい口には人の脚程もある鋭い歯が並んでいる
「そのお腹の刺青…それが獄鬼に服従している証ってこと?」
「正解♥この紋を獄鬼様につけていただけることができるのは魔女だけ…魔女だけが獄鬼様に次のステージへ連れていっていただけるのよ♥」
成る程、だからネッサローズもこの紋をつけていたのだ。獄鬼に与する魔女集団、ヘルファイア・クラブの構成員であるネッサローズが。
それはファントムへの忠誠の証としてロランに刻まれたゾンビタトゥを想い起こさせた。
「馬鹿言うんじゃないよ。獄鬼と恋人気取りになって人間を襲うなんて…」
「うーん、恋人っていうか、妻、かなあ♥」
コッローディが手を広げると、犬程のサイズの子蜘蛛達がカサカサとその腕に抱かれに来る。
「ほら、この子達、私が産んだのよ♥」
あまりのことに、シズキは気を失った。ドロシーも血の気が引いたが、嫌悪感のほうが勝った。この魔女は、既に人間としての一線を越えていたのだ。
「っこの…気狂い!ゼピュロスブルーム!」
風の刃を蜘蛛たちに向けて乱れ打ちするが、素早い蜘蛛たちはそれを全て避ける。
子蜘蛛達は8本の脚で地面を滑るようにドロシーに近づき、噛み付こうとする。
ドロシーはそれを避けるのに手一杯で、攻撃する暇がない。
遠距離攻撃を得意とする風使いであるドロシーは、こうやって複数の対象に懐に入られるとめっぽう弱いのだ。
そんな場合、ブリキンのような巨大ガーディアンを自分の上に落とすような真似をすることがあるが、村人たちがいるこの小さな村でそんなことはできない。
ドロシーの肉を喰もうとする子蜘蛛の鋭い顎を間一髪で避けていくが、ドロシーの魔女のドレスは少しずつ子蜘蛛達の顎に削られていく。
子蜘蛛達の対処に手間取っていると、それに紛れて近づいてきたコッローディの掌がドロシーのゼピュロスブルームの柄に触れる。
一瞬触れただけのゼピュロスブルームとコッローディの掌の間には、ネバネバした白い糸束が引いていた。コッローディは掌の糸を民家の壁になすりつける。
「っ…と!」
壁とゼピュロスブルームが粘着糸で繋げられ、ゼピュロスブルームを振り回していたドロシーは動きを取られてしまう。
一瞬動きが止まったドロシーを見逃さず、コッローディはドロシーの左手首に触れ、反対側の民家の壁と糸で結んでしまう。
次は足首と大地をネバネバの糸で結ぶ。その次は太もも。更に腰回り…
「ッ!?」
あっという間に、ドロシーは体中を粘着糸に縛られ、拘束されてしまう。
「あらやだ、すごい格好♥」
コッローディの言うとおり、ドロシーは服を子蜘蛛達の牙に剥かれてあられもない姿になっていた。
腹周りは露わになり、同じく露出した下乳はその周囲、乳房の間を糸束に縛られてその豊かさを強調されている。
「離しなさいよ…」
ほぼ完全に露出した下半身の、せめて大事なところだけは見られまいと内ももをぴったりとつけながらドロシーは言う。
「あら、恥ずかしいの?可愛い♥ でも折角綺麗な身体してるんだからみんなに見せてあげなさいよ。おっぱいだってほら…」
コッローディはドロシーの双丘の上半分をどうにか覆っていた布を手で引きちぎる。
「こんなに大きいのに綺麗な形してるじゃない。乳首も薄いピンクで可愛い♥」
「く…」
ドロシーは手でどうにか隠そうと、腕を拘束する糸を引っ張って伸ばそうとする。その努力をあざ笑うかのように、コッローディは糸を操作して彼女の腕を頭の上に上げてバンザイのポーズで固定する。
コッローディの言うとおり美しく形の良いドロシーの乳房は、遠巻きに様子を伺っている村人たちの視線に晒されていた。
子蜘蛛達は今は村人たちを襲うのを止め、村の外に逃げないよう囲んで牽制しているだけだ。ドロシーの痴態を村人たちにもゆっくり拝んでもらおうというコッローディの指図だろう。
「もっといい格好にしてあげる♥」
コッローディは人間離れした腕力でドロシーのドレスのパフスリーブをちぎる。
バンザイのポーズをさせられているドロシーは、脇の下も大衆に見せびらかす格好になってしまう。
「さて次はぁ…」
胸、脇、尻を晒している羞恥に耐えながらも、せめて一番隠したいところを隠そうとまだ太もも同士をぴったりとつけているドロシーを見て、糸の魔女はにやりと笑う。
彼女の指が指揮棒のように動くと同時に、ドロシーの右踵を縛る糸が動きドロシーの右脚がゆっくりと吊り上げられる。
「や…やだ…」
脚をあげたことで桜色の秘部が丸見えになる。
遠巻きに見ている村人達の視線が自分の股間に集中するのを感じずにはいられない。
「く…おねえちゃん…!」
蜘蛛に破壊された家屋を材料に木偶人形を組み上げ戦闘態勢をとっているギンタはドロシーを助けようとするが、多数の子蜘蛛がギンタに襲いかかろうとしているのでそれを牽制するので手一杯だ。
「こっちも綺麗な形してるわね…嫉妬しちゃう♥」
コッローディはドロシーの背後に回り、太ももをさすりながら掌をドロシーの股間へと近づけ、指を挿入する。
「ぁ…やめ…」
「処女ではないみたいね…私が助けたときみたいに下級な獄鬼に襲われた?それとも人間のならず者にレイプされたのかしら…ひょっとしてあそこのボクと愛し合ってたりして♥」
コッローディは少し離れた場所で木偶人形を操作して蜘蛛を牽制しているギンタを指差す。
ドロシーには、コッローディの言ったその全てが当てはまっていることなど口が裂けても言えなかった。
グチュグチュジュポジュポと、わざと周囲に音が響くように激しく、それでいて気持ちいいところを的確に責めていく。
同じ女性だからこそ可能なこの技術に、ドロシーは村人の前であることを知りつつも喘ぎ声が出てしまう。
惜しげもなくご開帳されたドロシーの女性器に、コッローディの細い指がまるで別の生き物のように激しく出入りする様が村人達の目には映っていた。あまりに非日常的な見世物に、男たちは獄鬼に囲まれているのも忘れごくりとつばを飲んで股間を膨らませる。
「あっ…ああああああーー♥♥」
やがてドロシーの秘部から、大量の飛沫が噴き出る。それは乾いた地面に放射状の水濡れを形成する。遠巻きに見ている村人からも、彼女が潮を吹く程にイってしまったのは明らかだった。
「あっははは!弱いって悲しいわねえ!」
大衆の面前で達してしまった恥辱に、顔を真っ赤にして俯くドロシーを嘲笑いながらコッローディは言う。
「…貴女も魔女なんでしょう?貴女もこの紋を刻んでいただいて力を授けて貰ったら?」
そう言って自らの臍下の紋を指差す。
「獄鬼への服従の証ってヤツ?私は何されたって人間の誇りは失わないつもりだよ。」
ドロシーはコッローディ本人に当てつけるようにして返答する。
「大丈夫よぉ。“これ”で三日三晩愛していただければ、魔女であれば誰でも。」
ドロシーの嫌味は意に介さず、コッローディは大蜘蛛の腹部から伸びる飴色の棒状のものを擦る。蜘蛛の生殖器だ。
「はん!虫なんかとヤるなんて頭おかしいんじゃないの…絶対御免だよ!」
コッローディは仕方ない…という顔をして、大蜘蛛と顔を見合わせる。
「あら…子どもたち、あなた達がしたいの?」
生まれてから比較的日の浅い蜘蛛が、キイキイとコッローディに乞うように訴える。
「いいわよ、“童貞”卒業してらっしゃい。」
「来ないで…這い回らないでぇ!」
子蜘蛛といっても1匹1匹が中型犬程の大きさの蜘蛛が、ドロシーの柔肉に群がる。
ドロシーが抵抗しようともがくたび、蜘蛛の糸が絡まり、ドロシーの身体は宙吊りにされる。脛の裏が太ももとくっつき、お尻をつき出したような格好で動けなくなってしまう。
蜘蛛の1匹が剥き出しになっているドロシーの尻から腰にかけて、真ん中に陣取る。
腹の先を、ドロシーの大きく柔らかい尻に擦りつける。
「嘘でしょ…?やだやだ!…蜘蛛は蜘蛛としてなさいよ!!」
「獄鬼同士では繁殖できないの。雄の獄鬼は他の動物の雌と交尾するのよ。常識でしょ。」
簡単なことを幼い子供に優しく教えるようにコッローディは言う。
後ろを振り返っても自分の秘部までは見えない。
だが親指くらいの太さのツヤツヤしたものが何かを探すように、自分の尻や会陰部をつつきまわっているのを感じる
やがて、ドロシーは自分の大切なところに、それが侵入していくのを感じた。
「や…入ってる…蜘蛛の…」
ドロシーは嫌悪感に青ざめる。
親指くらいの太さなのは先っぽだけで、途中で一気に太くなった。蛭児の触手程ではないが、成人男性のペニスくらいの太さ。
だがその感触は“肉”ではない。つやつやしているが軟性がない、まさに虫の甲殻。虫はペニスまでも外骨格式なのか…とドロシーは思った。
「や…やあっ…こんな…」
自分の中を、蜘蛛の生殖器が動いている。
細い先端がドロシーの子宮口を何度も突く。確実に孕ませる為に排卵を促すその動作は、同時にドロシーの敏感な箇所を責め立てることにもなった。
「嘘でしょ…私…蜘蛛としてる…」
気持ち悪い蟲とセックスをしているなんて想像もしたことがない悪夢。それに、突き出すように拘束されているお尻の先には、村人たちが遠巻きに見ている筈だ。
自分のあそこが蜘蛛のペニスと繋がっているところを、何人もの人に見られている…
こんな屈辱、死んだほうがましだ。だが粘着糸に絡め取られているドロシーは、ただ蜘蛛のペニスを受け入れることしかできない。
やがて、蜘蛛のピストンが動きを早める。
「う…んっ…ぐぅ…」
「あら、そろそろイきそうなの?いいわよ。この娘の膣内にたっぷり種付けしてあげなさい♥」
激しさを増すピストンに、声が漏れているのを隠すかのように顔を俯かせていたドロシーは、コッローディの言葉を聞いて青ざめる。
「やっ…やだっ!抜いてっ!蜘蛛の精液なんて…やあああああっ!!!」
途端、ドロシーの奥で何かが弾ける。奥が何かに満たされ、子宮が膨らむ感覚…
「嘘…これ…注がれてる…」
ドロシーは涙を流しながら、自分の中に大量の液体が注がれている感覚を感じる。
蟲の精液が、自分の大事なところに流れ出ている。
射精を終えた蜘蛛のペニスがゆっくりと引き抜かれる。ペニスの先とドロシーの秘裂の間に白濁が糸を引き、ポタポタと地面を濡らす。
村人達からはドロシーの膣が丸見えで、その割れ目からは蜘蛛の精液が滴っている。
人でありながら蟲の子作りの行為を受け入れたことを雄弁に物語っていた。
「う…ううっ…」
ドロシーは余りの恥辱に泣き出してしまった。
「あら…アラネア様♥」
巨大蜘蛛の腹部からも飴色の生殖器が伸びてコッローディの尻肉をつつく。
「良い娘だ…」
低い声で大蜘蛛がつぶやく。口数が少ないのは彼の個性なだけで、アラネアもまた流暢に人語を喋る、知能と力が強い上位の獄鬼のようだ。
アラネアとコッローディは目を見合わせ、精液を垂れ流しながら宙吊りになるドロシーに近寄る。
「な…何する気…」
「子どもたちが貴女の膣肉、気に入っちゃったみたい♥アラネア様ご自身も試してみたいっておっしゃってるしぃ、私達の“巣”でいっぱい愉しみましょ♥」
「連れて行くの…私を…」
この悪夢がまだ終わってくれないことを感じ、ドロシーは青ざめる。
「大丈夫、村の女達は1回産ませたら子どもたちのご飯にしちゃうんだけど、貴女は生かしておいてあげるわ♥」
コッローディは白い歯を見せて笑う。
「私と貴女とで、蜘蛛の赤ちゃんいっぱい産みましょう♥」
ドロシーの目が嫌悪と恐怖に見開かれた瞬間、彼女の口は蜘蛛の粘着糸で塞がれてしまう。
拒絶の叫びはくぐもった声に抑えられてしまい、ドロシーの身体も糸でぐるぐる巻きにされていく。
「じゃ、そういうことで。女達はいただいていくわね~。」
コッローディは遠巻きに見ている村人に向かって言う。
「前の村じゃ男はその場で皆食べちゃったんだけど、今はその時に食べた分でみんなお腹いっぱいなのよ。」
巨大な蜘蛛、アラネアの背に乗りながら、こともなげに言葉を続ける。
「だからお腹が減ったら食べに来てあげる♥ばいばーい。」
そう言い残すと、蜘蛛達とコッローディは移動を開始する。
子蜘蛛達は糸で巻かれた村の女達を背に乗せ、アラネアは拘束されたドロシーと、コッローディを背に乗せて村を出て行く。
「あ、そうだシズキ。」
コッローディは、蜘蛛の糸でぐるぐる巻きに拘束されて地面に横たわっているシズキに言う。
「本当は貴女にじっくり獄鬼の良さをを教えてあげようと思ったんだけど、アラネア様がこの娘としたくてたまらないみたいだからさ。貴女は次私が来た時に、ね♥」
ガサガサ、と普通の蜘蛛が這いまわる音をそのまま大きくしたような轟音と共に、蜘蛛たちは村の外へ消えていった。