獄鬼を忌避する鉱物、黄瓦の層を地盤とする街、ランゼス。
黄色い煉瓦の道という”線”の形でオズの国中を走る黄瓦層が“面”で密集するこの場所に人々は街を築き、周囲を高い塀で囲った。
人口は2万人。夜でも塀から漏れる光が、この街の活気を表している。
ランゼス内、とある広場にて…
「ヨハンさん!」
茶色の髪の青年が、長い金髪をなびかせた男性に声をかける。
「おう、シキか」
ヨハンと呼ばれた長身の男も、シキという青年の姿を見ると、男前な細長い顔を崩し、にこやかに笑いかける。
久々の再開を喜んだシキに連れられ、2人は近くの酒場に入っていった。
「前回の開獄日以来じゃねえか。もっと顔見せてくれよな、あんたランゼス担当なんだからよー」
酒が飲めないのか、牛乳を片手に持ったシキは、ヨハンに気さくに話しかける。
「エスメラルダ王国公認の討鬼師は忙しいんだよ。ランゼスだって俺の担当してる"緩衝地帯"の街の1つに過ぎん。それにエスメラルダ本国の仕事だってある」
ヨハンは、葡萄酒をあおりながら面倒くさそうに返答する。
「へへ、なんにせよ今回の開獄日も安心だな。常駐の倒鬼師4人に咥えて、ヨハンさんもいるんだ」
「お前はどうなんだ。エスメラルダ王国直属倒鬼師の試験、受けたって聞いたぞ?」
「…不合格…」
シキは、うつむきながら答える。
「お前の魔法は昼間には使い物にならないもんなあ」
「そうだよ!試験の時間帯と場所さえ合ってたら絶対合格してた!」
シキは興奮気味に、テーブルを叩く。
「ヨハンさんも口利きしてくれよ。エスメラルダの魔法使いの中でも、結構偉いんだろ?そうでなきゃ神導器の所持なんて任せられてねーもんなぁ」
シキは、ヨハンの背負う長物を指差す。
鞘に入った剣のような形だが、普通のものより細長く、少しだけ弓なりに反った、奇妙な形をしている。
「かっこいーよなー!ヨハンさんが元々持ってる魔法に加えて神導器の魔法の両刀使いなんてよ」
「…少し動きが早くなるだけのポンコツだ。それにあんまり神導器のことを大声で言うな…」
ヨハンは辺りを見回しながら、口に指をあてる。
「なあシキよ、王属倒鬼師なんて無理に目指すこたねえんだぞ?もしなれたとして、昼間はまともに魔法が使えないお前が獄鬼と戦えるとは思えない」
「だから剣術だって鍛えてんじゃねーか!俺の我流剣術すげえんだぞ。こう構えることで突くんじゃなく叩き斬ることに特化した…」
「いーや、お前には100年早い。偉そうなことは童貞捨ててからほざくんだな。お前ももう17だろう?キサラなんて良いじゃねえのよ」
「そっ、それとは関係ねえだろ!それとは!それにキサラは妹みたいなもんだし…」
シキと名乗る青年は、顔を真っ赤にして反論する。
「あんな良い娘いないぞ?先越されて王属倒鬼師になられたから気に入らねえのか?」
「ちっ…ちげーわ!」
シキは決まり悪そうに頭を掻く。
「…ヨハンさん、なんだよそれ?」
シキは、ヨハンの持っている指輪を指差す。
「ランゼスの貧民街の奴らから押収したものだ」
ヨハンが指輪を嵌め、念を込めると、それは短剣へと姿を変えた。
「!!…ヨハンさんの魔法じゃこういうことはできないよな…
てことはこの指輪そのものが魔法を持ってる…これは、神導器?」
「いや、こいつとは違う」
ヨハンは背負っている長物を突いて言う。
「神導器がこんなにあってたまるか」
ヨハンは、手荷物からジャラジャラと、似たような銀細工を取り出す。
「…これ全部…」
「ARM、と貧民街の奴らは言っていた。最近これを配って回ってる奴がいるんだと。そいつのことを調べるのも仕事の1つだ」
「魔法アイテムが貧民街中にばら撒かれてるってのか!?そこらのチンピラじゃなくて暴力団の手に渡ったら…」
「既に出回ってるよ。ギャングの奴ら、この銀細工で妙な魔法使いやがるから警邏隊の魔法使い達も困ってるって話だ」
「じゃ、じゃああさ!俺もそれ手伝うよ!手柄立てたらエスメラルダの倒鬼隊の人に頼んでくれよ!夜でも受験させてくれって!」
「おいおい、そんな…」
喋りすぎた、と思いながら、ヨハンは興奮気味のシキを制する。
「決まり!じゃあなヨハンさん!」
ヨハンが止める間もなく、シキは風のように夜の街に繰り出していってしまう。
「ったく阿呆が…」
ヨハンは頭を掻いて、持っていた葡萄酒を飲み干した。
―場所は変わり、ランゼス地下水道―
「そうだ…歯を立てるんじゃないですよ…その綺麗な脚が一瞬で醜く焼け爛れますよ…」
強力な獄鬼が地下世界より出て来る”開獄日”。天災と言えるその夜を安全に凌ぐことができる、地表が獄鬼避けの鉱物でできている街ランゼス。
そこへ侵入すべく、ランゼス地下水道を彷徨っていたドロシーは仲間と分断され、かつて殺した筈のマイラに敗北し、身体を蹂躙されていた。
たった今膣内射精されたドロシーは、現在お掃除フェラを強要されている。
マイラの精液と、自分の愛液の滴る肉棒を丁寧に舐め取る。
「ふふ…よくできたご褒美です。気持ちよくしてあげましょう」
バキュアはドロシーの膣に入り込み、膣壁を嬲っていく。
「あ…ふ…くぅ…」
不定形な粘液塊は人の手では真似出来ないような形でドロシーの膣内を蹂躙し、未知の快楽を与えていく。
赤ん坊のおしめを変えるような格好で固定され、膣とお尻をマイラに曝け出しながら、ドロシーはバキュアの責めに耐えきれずに声を漏らし、時折身体を痙攣させる。
屈辱的な格好で喘がされるショー、というわけか…
やがて、バキュアがドロシーの膣穴の周囲をまさぐり始める。
「や…そこっ…お尻の穴…」
ドロシーの制止も虚しく、スライム状の触手は彼女の菊穴に侵入していく。
『中から内蔵を溶かす』
マイラの発言を思い出し、ドロシーは青ざめる。
「怖がる必要はないのですよ。言ったでしょう。ご褒美に気持ちよくする、と」
バキュアはドロシーの乳房にも粘液を伸ばし、乳首に吸いつくように覆ったままグニグニと蠕動する。
膣と乳首を甘く刺激されつつも、お尻の穴から体内へと侵入するバキュアの感覚にざわざわしてしまう。本来出すところから何かが入ってくるのは、不思議な感じで、やはり不快だった。
抵抗もできずに格好の見世物としてマイラに視姦される屈辱と、性器に与えられる刺激、肛門の異物感に耐えていると、
やがてドロシーはお腹が張っている感覚を覚える。
ドロシーはその感覚の正体に気づく。
「まさか…入ってきてる…?」
バキュアは、ドロシー膣と肛門を、まるでペニスのピストン運動の如く出入りしてドロシーを辱めている…かに見えた。
膣についてはその通り。出ては入ってを繰り返し、彼女を快楽の渦に閉じ込めている。
バキュアに膣奥を突き上げられる度に甘い刺激が襲い、バキュアが引き抜かれる度に膣壁がざわざわと撫でられていく。
しかし、ドロシーの肛門にバキュアが侵入していく感覚はあれど、出て行く感覚がないことに気付いた。
「ふふ…気づきましたか」
バキュアはその身体を、どんどんドロシーの体内に仕舞い込んでいく。
「ああ…嫌…入って来ないで…苦しい…」
バキュアが肛門からの侵入を停止する。これ以上はもう入らない、ということだろうか。ドロシーの身体を肛門から逆流して侵入してきたバキュアは、心なしか胃にまで到達しているような気がした。
ドロシーのお腹は張り、妊娠初期のように膨らんでいた。
彼女の腸内には、バキュアがパンパンに占拠しているのだ。
一刻も早くその異物を出したかったが、出ない。
バキュアはドロシーの直腸部分限定で固化し、栓をしていた。
「しばらく我慢しなさい」
マイラが冷たく言い捨てる。
「そん…な…苦しいの…お腹…痛い…」
白いお腹からギュルギュルと音が聞こえてくる。
便意の臨界点はとっくに超えているが、バキュアが栓をしているので排泄は不可能だった。
「我慢ができないのなら、これでもしゃぶっていなさい」
「んぶッ!む…」
ドロシーの口にマイラのペニスが押し込まれる。
頭を掴んでの強引なイマラチオを、ドロシーは腹痛に耐えながら受け入れるしかなかっった。
マイラがドロシーの喉奥で射精した頃には、10分が経過していた。
「そろそろ頃合いですね」
マイラがそう言った途端、ドロシーは肛門の違和感に気づく。
「直腸部分のバキュアの固化を解きました。今やバキュアはただの力のないゲル状の物体です。好きな時に出していいんですよ」
「な…そんなこと…できるわけ…」
ドロシーの肛門はひくつき、キュっと締まった括約筋が排泄を妨げている。
ドロシー自身がお尻の力を緩めれば、腸内を占拠しているバキュアは、体外へと排出されるだろう。
しかし、その絵面は…排便そのものであろうことは理解していた。
この苦しみから解放されたい気持ちと、人目のある前で排泄することへの抵抗がせめぎ合う。
その選択を他でもないドロシー自身に委ねる為に、マイラはバキュアによる肛門の栓を解除したのだ。
「う…この…ゲス野郎…」
ドロシーはゴロゴロ鳴るお腹を抱えながら、涙をたたえてマイラを睨む。
こんな下種の前で、排泄するなんて、絶対に嫌だ。
だがこの現状を打開する策はない。
四肢は未だにバキュアが覆い、ARMは使えないままだ。
バキュアの一部が膣内に入り込んでの責めも続いている。
乳房もバキュアが覆い、人間の手ではできないような形で乳肉が揉みしだかれ、乳首がこねられる。
腹痛と、肛門に走る緊張。
膣と乳首への性感。
肛門をバキュアが占領する異物感が、膣内と乳首への甘い刺激と溶け合い、どっちがどっちだかわからなくなる。
「あああああっ!!」
ビリュ…ブビュルルル…
ドロシーの肛門から、バキュアが―水色のスライムが放物線を描いて排出される。
それはドロシーの股の下でうず高く積み上がり、
排便したわけではないと言える。それでもドロシーの尻からゲル状の物がドボドボと飛び出してくる絵面は、見るものに排泄という2文字を連想させるに充分だった。
「う…ひっく…」
ドロシーはあまりの辱めに泣き出してしまう。
こんな姿を他人に、しかも男に見られるなんて、死んでしまいたいほど恥ずかしかった。
「く…ううう…なんで…こんなことするのよぉ…」
「何故?」
マイラが歩み寄る。
マイラが指を鳴らすと、バキュアはドロシーの脚にまとわりつき、強制的に開脚させる。
快感でひくついたドロシーの秘裂と、その下で痙攣している菊穴が丸見えだ。
「それはですね…」
マイラは再び勃起したペニスを取り出し、彼女の股間にあてがう。
マイラの亀頭は、秘裂ではなく菊穴のほうに押し当てられる。
「私のモノが汚れないようにですよ」
「え…そこ…」
戸惑うドロシーを無視し、マイラは一気に腰を突き出す。
「やああああああっ!」
マイラは、ドロシーの肛門にペニスを挿入していた。
信じられない。排便するところにペニスを入れるなんて。
ドロシーの知らない世界だった。
「まさか…冗談でしょ?そこは…お尻はそういうことするところじゃ…」
「"悪名高い魔女"はアナルセックスも知らないんですか?」
「では、貴女のアナル処女を奪う男は私というわけですね」
「馬鹿…言うな…」
「や…汚いっ…」
「そんなことはないですよ。その為の"掃除"だったのですから」
ドロシーの肛門から排泄されたバキュアは、意外にも腸内に侵入する前と全く同じ澄んだ水色だった。便と混ざり合い、別の色になってもおかしくないのに、である。
そう。ドロシーの腸内にあった便は、バキュアによって分解されたのである。
細菌、バクテリアの類まで溶かしきり、便特有の色も残らないまでに綺麗に分解されたのだ。
今やドロシーの直腸内は素肌よりも清潔といって良い。挿入されたマイラのペニスを濡らすのはドロシーの腸液だけである。
「う…ぐ…痛い…」
「なかなか初めからは気持ちよくなりませんよ。しっかり開発しないとね」
ペニスが突き入れられる度に腸壁が擦れ、引き抜かれるときはまるで排便しているかのような感覚で恥ずかしい。
「貴女の具合は最高ですよ。入り口はきついのに中は襞が多くて、絡みついてくるようです。温度も高くてペニスが火傷しそうだ。膣だけでなくアナルも名器なのですね」
「くくく…まさか、イったのですか?」
ドロシーは知る由もないが、先程のバキュアによる肛門への責めは、マイラによるアナル開発調教であった。
通常、女性のアヌスは性感帯でない。それを性感帯に変化させるのがアナル開発だ。
ギンタの世界では、犬の前で鈴を鳴らすと同時に給餌するのを繰り返すと、やがて犬は鈴の音を聞くだけで涎を出す、という実験がある。
性感帯の開発も同じ原理であり、マイラはそれを経験的に知っていた。チェスの駒として暴虐の限りを尽くしていた彼は、多くの女性を手篭めにし、従順な性奴隷へと調教していた過去がある。
既にある乳首・膣といった性感帯を刺激しながら肛門を弄ることで、肛門にも性感の神経が育っていき、脳が肛門への刺激を性感として認識するようになる。
通常、アナルの開発には数日かかるというのがマイラの経験則だ。
ドロシーのように一度目の開発でアナルでの快感を覚える女性は初めてであった。
「ほんのすこし前まで尻穴に何か入れるのも初めてだったというのに。お尻で感じる才能があるようですね。全く、この乳房といい、膣の具合といい、セックスの為に産まれてきたような身体です!」
「知らないっ!…しらな…ん…ああああん♥」
マイラの言うとおり天性と言うべきスピードで性器と化したドロシーのアナルは、マイラのペニスに絡みつき、膣では真似出来ない締りで快楽を搾り取る。
「ハァ…ハァ…出しますよ…!」
腸の中で熱いものが弾け、じんわりと腸壁を広がっていく。
メルヘヴンで格下だった下種の子種は、ドロシーの膣も肛門も制圧していた。
あまりの恥辱に目の前が真っ暗になる。
興奮の絶頂にいたマイラは、まだ硬いままのペニスを今度は再び膣内に挿入し、腰を振る。
もう何も考えないで、与えられる快楽だけを愉しむだけの人形になったほうがましかもしれない…
そんな考えに取り憑かれかけたドロシーの瞳が、あるものを捉える。
(小指…バキュアが離れてる…)
バキュアが覆うARMは発動できない。だから、バキュアがドロシーの両手を覆った時から、詰みであった。フェラチオもセックスも、アナルへの恥辱も、受け入れるしかなかった。
だが今、ドロシーの右小指だけ、バキュアが覆われていない。小指についているARMは、ジン。昨夜ドロシーが契約したARMだ。
夢中で腰を振っているマイラはそれに気付いていない。
ドロシーは小指に意識を集中させる。魔力をジンとシンクロさせていく…
マイラの動きが止まり、訝しむような視線を送る。ドロシーの表情の変化で察したか。意外と気づく男だ。
ドロシーの右小指に気づかせるわけにはいかない。
ドロシーは咄嗟にマイラの背中に腕を回し、仮面の下から覗く唇に舌を絡める。
「ん…ちゅ…む…」
臭い唾液がドロシーの口にも入ってくる。仮面を押し上げて初めて見えた素顔は、彼の心根を映すかのように醜かった。
しかしドロシーは、我慢して恋人のようなキスをマイラへ捧げる。
マイラは興奮して、一層激しくドロシーと交わる。
マイラの背中に回された右手に意識を集中させる。今なら、発動できるだろうか。
否、ドロシーはまだジンを出したことがない。どんな攻撃をするかもわからない。
トトのように、出現までに時間がかかるようなガーディアンだったらおしまいだ。
ドロシーのほぼ全身を覆っているバキュアにマイラは命令を出し、ドロシーの身体は二目と見られない姿になるだろう。
ジンを使う以上確実に当てなければいけない理由は他にもある。
ジンは日に1度しか使えない。
更には…代償がある。詳しく聞かされていないが、それ以上戦うことができない状態になるのだ。
本当に最期の手段なのだ。ジンで戦いを終わらせられなかった時点で、終わりだ。
ジンを出すなら一番隙が生まれるとき…
「ちゅ…フウ…"悪名高い魔女"も所詮小娘ですね。あっさりと堕ちましたか」
「マイラ様…気持ちいいの…もっと…ほしい…です…」
内心で吐き気を催しながら、マイラの性奴隷に堕ちたふりをする。腰をいやらしくくねらせ、射精を促す。
「私の中に…いっぱいマイラ様の注いでください…」
マイラの胸板に両手のひらを当て、上目遣いでマイラの唇を食む。
ドロシーと唾液を交換し合いながら、マイラはドロシーの膣内で果てる。
(今だ…)
ドロシーは、小指に嵌めたARMに意識を集中させる。
ドロシー達の周囲に風が巻き起こる。
地下水道という閉鎖された空間の中で風はあちこちで共鳴し、やがて唸り声のような音になる。
ドロシーの周囲で乱舞する風は"密度"を増し、空気の渦でできた像が人の…辮髪の大男の上半身のような形になる。
「ジン!!」
「ッバキュア!この女を溶かし…」
マイラが言い終わる前に、彼の胸板に当てられたドロシーの掌から高密度の空気の塊が沸き、弾け、突風に変化した。否、これは突風ではなく、爆発だった。
大砲が炸裂したような音と共に、炎を伴わない爆発は一瞬でマイラの肋骨をひしゃげさせた。
彼の身体は後ろで控えていたバキュアの本体に叩きつけられる。それでも全く勢いは止まらず、バキュアを巻き込みながら水路の奥まで吹き飛んでいく。
爆発の余波はドロシーの掌から放射状に広がり、下水の壁を半壊させていた。
閉鎖された空間は衝撃の逃げ場がなく、ドロシーの真上の天井から地上へと吹き出す。
天井が吹き飛び、彼女の頭上から街明かりが覗く。
マイラは、ジンの直撃を受けた瞬間に気を失った、もしくは死んだ。
それは、ドロシーの膣内・腸内からバキュアが消滅したことからわかる。
術者が気をやったと同時に、ガーディアンは魔力供給を絶たれ、ARMに戻るのだ。
もし一瞬で仕留められなかったら、マイラは最期のあがきにドロシーの体内にいるバキュアに“溶解”若しくは“崩壊”の指示を出していたことだろう。
「や…やった…でも…」
直後、ドロシーは背骨に電撃が走ったかのような感覚に膝をついてしまう。その電撃が、じわじわと彼女の身体に広がっていき、彼女の全身はビクンビクンと痙攣する。
「や…っあ…身体…熱い…」
この感覚はつい昨晩経験したばかりだ。催淫の効果である。
しかし実を食べたときとは比べ物にならない程、ドロシーの身体は強く疼いている。
「…こんな…濡れて…」
あそこに手を当てると秘裂はぐしょ濡れで、ダラダラと内太ももまで愛液が流れているのがわかる。
これが、ジンの代償である。
数多くのARMの中でも特異な性質を持つARM、ジン。
発動に魔力を必要としないのにも関わらずトップクラスの破壊力を叩き出すARM。
代償として、一度使えば術者を足腰が立たない程発情させてしまう。
遥か昔、カルデアの魔術師が作り出し、闇に葬られたフェイクARM―術者の生命力を使用することで魔力なしで魔法の発動を可能とするARM―の機構を参考に作られている。
ジンはフェイクARMの機構をブラッシュアップすることで、術者の寿命を削ることなく生命力を魔法に変換することに成功した奇跡の逸品だ。
事前にARMとの擬似性交をさせ繋がりを作ることで負担をかけることなく生命力を吸わせる。
1日に1度しか使えないセーフティーロックをかけることで術者の命が削られることを防ぐ。
また、衰弱した生き物に共通の現象、“子孫を残そうとする”本能を活性化させることで、生命力を吸われた術者のケアをする。
様々な方法を組み合わせて、“魔力も使わず寿命も削らず大魔法を発動させる”ことを可能としたARM。それがジンである。
「おい、なんだ今の爆発!?」
頭上から聞こえてくる声。
見上げて初めて、ジンの爆風が地下水路の天井を吹き飛ばし、地上との大穴を開けていることに気づく。
「黄瓦は絶対に壊せない」「ランゼスは広い黄瓦層の上にある」とのシズキの説明があったので不審に思ったが、「黄瓦の層はところどころ穴が開いている」という説明をすぐに思い出し、納得した。
崩れた天井を見てみると、地を這うように延びている黄色い鉱物は全く崩れずに形を保っており、後から人々が舗装した石材は爆発によって綺麗に剥がされている。
「すげえ煙だ…」「見て、地面が崩れて…」
まずい。街の人々が集まってくる。
地下水路の奥へ逃げるか…いや、これだけの騒ぎを起こしたのだ。すぐに水路内に調査の手が入るだろう。そうなれば水路の出口がわからないドロシーは袋の鼠だ。
地下水路と地上の間に空いた大穴は土煙が立ち上り、地上にいる人々の地下への目を遮断している。
崩れた瓦礫が山状に重なっており、天辺まで登ればどうにか地上まで手が届く。
今しかない。
ドロシーは思い切って瓦礫の山を駆け上り、地上に出た。土煙を抜けると、そこは煉瓦の家が並び立つ住宅街。
ドロシーの目の前に人は、いない。先ほど聞こえた人の声は、今なお立ち上る土煙の反対側から聞こえる。
(運が良かった…)
だが安心はしていられない。騒ぎを聞きつけ、あちこちの家の窓に灯が灯り、窓が開く。
ほぼ全裸のドロシーは胸と股間を手で隠しながら、闇にまぎれて路地裏に入り込んだ。
「はあ…はあ…」
壁を背にして、息を切らしながら腰を落とす。
敵と一線交え、恥辱も受けて体力がギリギリの中全力疾走したのだ。
しかし、休憩もほどほどにしなくてはいけない。家から次々に人が出てくる。
彼らは皆地面に空いた大穴を見ているが、やがて周囲にも気を配り始めるだろう。
家と家の間の路地にいればすぐに見つかってしまう。
せめて服をどうにかしたかったが、それも難しい。
裁縫のARMがあるとはいえ、これほど溶かされきってしまえば、修復には相当の時間がかかる。替えの服はあるが、それを仕舞っているARMを起動させる程の魔力がない。
いや、魔力があっても厳しかっただろう。なぜなら…
(欲しい…欲しい…んぅ…)
ジンの“代償”だ。身体が、どうしようもなく昂っている。膣が、子宮が、心臓のように脈打ち、刺激を求めている。
こんな状態ではARMとシンクロなんてできない。
「ん…くう…」
身体の疼きは治まる気配はない。むしろ苦しさが増すばかりだ。
先ほどのバキュアによる辱めのせいで、お尻もじんじんする。
ドロシーの耳に複数の人の話声が入ってくる。
人がやってくる前に、ドロシーは身をかがめて路地裏から出ていった。
大きな胸。安産型で張りのある腰。すらりとしていて肉付きのよい太腿。
それらをどうにか手で隠そうとするが、隠しきれない。
乳首は硬く勃起し、膣と肛門からは精液が垂れている。
官能的に育った肉体を発情の炎に焼かれながら、18歳の少女は夜の街へと歩を進めた。