片手で両胸を、もう片手で股間を申し訳程度に隠しながら、ドロシーは夜の街を歩く。
(裸で街の中を歩くなんて…)
夜の涼しい風が裸身に当たる。
発情し、出来上がりきった身体を全て外気に晒しながら、ドロシーは街の中にいる。
見つかればどんな目に合うだろうか、想像に堅くない。
幸い今は夜だ。闇に紛れて進めばどうにかシズキとギンタンの待つ宿にたどり着けるかもしれない。
ここは酒場や雑貨屋等があるメインストリートではないようだ。
しかし活気のある居住区で、深夜帯であるにも関わらず窓から灯が漏れている家も少なくない。
これらの家の住民の誰か1人でも気まぐれに窓の外を覗いたら…
悪い予感は的中するもので、ギィ…と木枠が軋む音と共にドロシーのすぐ隣の家の木窓が開き、ドロシーと同じ目線に太った中年女性の顔が現れる。
ドロシーの心臓は縮み上がり、顔からは血の気が引く。
「あ…あの…これは…」
小声で弁明するように喋り始めるドロシー。
中年女性は顔をしかめ、わざと大きな音をたてて窓を閉めた。
娼婦か、露出狂の色情魔かと思われただろうか。
大声で叫ばれるよりはマシだったが、女性の軽蔑するような眼差しはドロシーの心を抉った。
十字路の向こうから人の足音が聞こえる。ドロシーは建物の影になっているところを選びながら、姿勢を低くして横道へ逸れる。
足音は、そのまま通り過ぎていった。気づかれずに済んだようだ。
心臓が早鐘のように鳴っている。
裸で夜の街を、人に見つからずに歩く。
普通に生きていたら一生経験することがなかったであろうこの試練は、ドロシーが想っていたよりも難しいようだった。
夜の街は、意外と人がいる。
人目を避けるように、ドロシーは町灯りの少ない場所へと足を向けていく。
灯りが少ないエリアということは、そこの住人の層も知れるということに気づくには、体力を消耗し強制的に発情しているドロシーの判断力は弱りすぎていた。
建物の密度こそ同じだが、今ドロシーが彷徨っている場所は空き家同然の家ばかり。
家の中に入れないかと思ったが施錠はしっかりされている。
荒れているが人はいるのだろう。
なんとか落ち着ける場所はないか。或いは何か服の代わりになるものはないか。
普段外気に触れない部分を存分に夜風に晒しながら、ドロシーはあてもなく暗い街を歩く。
「ウウウウゥゥ…」
「!っひ…」
ドロシーの背後から聞こえる唸り声。
その声の主は、犬。野良犬だ。
随分と気が立っている様子だ。きっと貧民街ではまともな餌にありつけないのであろう。
小さな、それでも人間の子供程の体躯がある獣は、白く柔らかそうな肉を晒しているドロシーを獲物として認識していた。
集中力が乱されてARMも使えないドロシーは、唯の18歳の女の子であった。
服も殆ど着ていない状態で、徒手で野犬を追い払える程、彼女は強くはなかった。
狂ったように吠えながら、犬はドロシーを追いかける。皮を裂き肉を食む為の牙を剥き出しながらドロシーに襲いかかろうとする。
ドロシーは恐怖に涙目になりながら、力の限り走る。
手は恥部を隠す余裕などなく、大きな胸がブルブルと揺れる。
「きゃあ!!」
ドロシーはバランスを失い、転んでしまう。ドロシーの靴は片足は完全に溶かされ、もう片足は爪先だけ溶かされてヒールが生きている。普通に歩くだけでも困難な状態だ。
野良犬に襲われてパニック状態で走って転倒するのは当然と言えた。
恐怖に目を見開くドロシーに馬乗りになった野良犬。白く、大きく、柔らかそうに揺れる裸の乳房に牙がかかる瞬間…
「ギャン!」
野良犬は、突如出現した巨大な何かに弾き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
したたかに身体を打ったようで、弱々しい悲鳴をあげながら逃げていった。
犬を撃退したもの…闇の中では、その姿はよく見えない。
しかし、ドロシーの倍以上ある巨大な体躯、丸い輪郭、粘液に光る肌は明らかに人外のそれであった。
「っ!」
“それ”の動きに反応し、ドロシーは反射的に回避行動をとる。巨大な体躯から生えた手は、一瞬前までドロシーが背を預けていた建物の壁に手刀を突き立て、穴を開けていた。
(無差別攻撃…私を助けてくれたわけじゃないのね…)
“それ”の一撃を回避したドロシーは、そのまま物陰へと隠れる。
(獄鬼…?)
どう見ても人間ではない風貌。“それ”はドロシーを探し、あちこちを覗き込んで回っている。しかし、ドロシーにはあまり執着していないようで、“それ”はすぐに捜索の仕草を止め、ヌタヌタと粘液を撒き散らしながら人気のない貧民街を歩いていった。
(なによこの街…なんで獄鬼が徘徊してるのよ!)
ランゼスは獄鬼避けの鉱物がすぐ地下にあるから獄鬼が来ない。迫る開獄日も安全に過ごせる。
この街に潜入した前提が根底から崩れてしまうではないか。
ただでさえ身体が熱くておかしくなりそうなのに、混乱した頭を抱えながらドロシーは“それ”から逃げるように街の暗闇の中を小走りに移動する。
やがて、程よく暗い路地裏を見つける。
(ここなら…人気もないし一息つける…)
もう脚が限界だった。とにかく落ち着いて腰を降ろしたかった。
長く人が住んでいないであろう建物同士の、壁と壁の間。樽や瓦礫などのごみを越えて奥へ進んでいく。
汚く狭く薄暗い場所。だが、暗闇とごみが表通りの人目からドロシーを遮断してくれる。
路地裏に座り込み、ドロシーはため息をつく。
犯され、肛門の処女も奪われた上、それなりに発展している街の中に裸で投げ出される。
この世界に来てから受難続きのドロシーだが、今回は特に厄日だ。
落ち着くと、自分の身体がジンの代償で発情状態にあることを思い出す。
(やだ…私こんなに濡れて…)
ドロシーの大事なところは、全く抵抗なく指が入る程濡れていた。
触って確認するまでもなくかった。ドロシーの膣から溢れた愛液は内太股を伝って垂れてきている。その中には白濁も混ざっていた。膣内射精されたマイラの精液だ。
同じ白濁が、ドロシーの肛門からも垂れている。
「うっ…」
悪夢だった。下種男に膣内だけでなくお尻の穴までも玩具にされ、子種をたっぷりと注がれてしまったのだ。
マイラに犯されている間はあれ程嫌悪感でいっぱいだったのに、ドロシーは更なる性行為を望んでいる自分に気づく。
ダラダラと愛液を生産し続ける膣穴は、再び自分を突き上げてくれる硬いモノを切望している。
新しい快楽を知った菊穴も、ビクビクと痙攣しておかわりをせがんでいる。
膣穴に入れられたままのドロシーの指は、そのまま愛液の蜜壺の中をピストン運動し始めた。
(信じられない…私…外なのに…外で裸でいるのに…)
クチュクチュと粘音をさせながら、ドロシーの細い指は自分の大事なところを慰める。
狂おしい程に高められた性欲は、理性の制止など歯牙にも掛けなかった。
何しろ、こうしていないと気が狂いそうになる程に、身体が熱いのだから。
(1回だけ…1回イったら終わりにするから…)
指を2本挿入して、愛しい少年の可愛らしいペニスを再現する。
「ギンタン…ギンタンのおちんちんほしい…ほしいよぉ…」
無垢な少年が、小さな腰を一心不乱に自分へ打ち付ける光景を思い出しながら、指を出し入れする。
(あ…イキそ…もう少し…)
「…おい、お嬢ちゃん何してんだ?」
突然の背後からの声に、ビクッとして振り返る。
ボサボサの白髪交じりの髪、伸び放題の髭、薄汚れた衣服。
浮浪者だ。歳は60後半くらいだろうか。
垂れ目の斜視に厚ぼったい上唇。何年も風呂に入っていないであろう黒ずんだ肌。
「なんでこんなとこで裸なんだぁ?それに…お楽しみ中に見えたが?」
「ご、誤解よ…」
ドロシーは片手で胸を、もう片手で股間を隠しながら、ドロシーはこの場から離れようとする。
「私、もう出てくから…きゃあっ!」
「まあ待てよ、あんまり騒いで人が来たら困るのはお嬢ちゃんなんじゃねえのか?」
背中を向けて退散しようとしたドロシーの手首を浮浪者が掴むと、隠されていた両胸がぷるんと揺れながら姿を現す。
もう片方の手はどうにか下半身を隠そうとするが、秘裂とお尻の穴から溢れてくるマイラの精液は、彼女の指の間を通過して垂れてきていた。
「随分と好きモノじゃねえか。両方の穴で愉しんだ後に、裸で男漁りしながら待ちきれず1人でオナニーってか」
「ち、違うの…」
「マンコとケツ穴から精液垂れ流して何言ってやがる!」
狭い路地裏の中、浮浪者はドロシーを壁に押し付ける。冷たい石壁がドロシーの乳房から体温を奪う。
「や…お願い…」
こちらに尻を向けて弱々しく暴れるドロシーを抑えこみながら、ゴソゴソと下半身を露出させる。
(駄目…こんな…名前も知らない男となんて…しかもこんな汚らしい…歳だってもう老人…)
ツンとくるアンモニア臭と共に露出した浮浪老人のペニスは、年齢相応に勃起角度は下向きなものの、赤黒い亀頭を張らせて挿入準備を整えていた。
何年もの路上生活で薄汚れて黒ずんだ不潔なペニスは、ドロシーの真っ白で張りのある美尻にあてがわれる。
「やだ…ほんとに…やめて」
「こんなにぐしょぐしょにして、説得力ねえぜ」
浮浪者の恥垢に塗れた亀頭は、熱く濡れた愛液に包まれながら、美しいピンク色をしたドロシーの膣内を掻き分け、進んでいく。
「すげえ…こんなに濡れてるのに俺のにきゅうきゅう吸い付いて…こんなマンコ初めてだ」
浮浪者は呻きながら、腰を打ち付ける。
(やだ…セックスしてる…獄鬼でも、魔法使いでも、オスカーやギロムでもない普通の男に組み敷かれて…それも、こんな気持ち悪い乞食と!)
自分の年齢の3、4倍はある老人と男女の関係になる嫌悪感。
何よりも苦しいのは、それで自分の身体が悦んでいることだった。
「あっ…はん…んん♥」
「へへ…お嬢ちゃんも愉しんでるじゃねえか。ほれっ」
中折れしかけの老人のペニスが膣奥を突くたびに、ドロシーの脳内で抵抗できない痺れが走る。
普段のドロシーであれば、たとえ男であれ老人の腕力など振り切って、嫌悪感にまかせて暴れていただろう。
しかし、ジンの副作用で性を求めるドロシーの身体は、気持ち悪い乞食の肉棒相手であっても貪欲にそれを貪り、離そうとしない。
「はあ…出すぞ…何年も溜めた俺の子種…」
「やだやだ!それ…だけはっ♥」
心は本気で拒否しているのに、強制的に発情させられた身体は、もとい膣壁は、恥垢まみれのペニスにきゅうきゅうと吸い付いて離さない。
どくっ…どく…
年齢の所為か勢いのない射精。しかし長い間外に放たれることのなかった精液は量が多く、亀頭の鈴口から滲み出るようにドロシーの膣内を満たしていき、身体の動きに押し出されるように子宮口に飲み込まれていく。
ドロシーの膣内に、老人の黄ばんだ精子が放たれ、受精すべき卵子を探し回っている。
その嫌悪感に、今にも吐きそうだった。
「へへっ…まだできるぞ…俺の住処に持ち帰って、縛りあげて、一生俺専用の肉穴にしてやる…」
「そこで何をしてる!」
路地裏の2人に向かって、表通りから叫びかける声が聞こえる。青年の声だ。
「やっべ!」
貧民街のごろつきの若造だろうか。リンチにあってはたまらない。浮浪者は急いで自分の衣服を履き、奥の路地へと逃げていった。
「暗闇でこそこそしやがって。ここらででかい爆発があったって騒ぎになってるが、お前の仕業か?」
オズの国に浮かぶ2つの月は共に新月に近づいていた。
青年から見て、路地裏は光が注さず闇と微かな輪郭しか見えない。
早業で浮浪者が逃げたことに気づかず、おぼろげに見えるドロシーの輪郭に向かって問いかける。
「さあね…」
不本意ながら浮浪者に抱かれたことで、発情の苦しみが少し和らいだドロシーは青年に向かって言い返す。彼女から見ても、逆光で青年の顔はよく見えない。
「俺はシキ。この街の魔法使いだ。最近妙なものをばら撒いてる奴がいるって聞いてるんでな。怪しい奴が好き勝手してるのは見逃せねえんだよ」
お互いの姿がよく見えないまま、2人は会話を続ける。
(魔法使い…戦うか…?)
ドロシーはゼピュロスブルームを起動させる。発情は少し収まり、ARMとどうにかシンクロする集中力も回復した。
ドロシーの指輪が一瞬にして、銀色の箒へと姿を変える。
「!!…これが…例のARMってやつか…!」
「貴様!それをどこで手に入れた!?」
青年の足元から伸びる影が変化し、地を這うようにドロシーの身体にまとわりつき、縛る。
「くあああぁぁあっ!!」
「な…裸…!?」
ようやくドロシーの姿を見れるようになった男は、彼女の姿に肝を抜かれる。
ボロボロの帽子、手袋、ブーツ以外は何も身につけず、男が出した魔法に縛られている。
狭い肩幅ですらりとした細身ながら、胸は豊かで腰は安産型。
シミひとつない肌は、それを縛る黒い影の魔法によってその白さが引き立てられ、
豊満な乳房は影に縛られて変形し、その大きさが強調されている。
幼さを感じさせる三つ編みは彼女の成熟した身体とのギャップを感じさせ、いやらしさを掻き立てていた。
「ふ…くん…」
悩ましい声をあげ、ドロシーは縛りの責めに耐え切れずに意識を手放してしまう。
地下水路での戦闘・レイプ・スライムによる強制絶頂に排便ショーとアナルセックス。全裸で街中を徘徊する絶え間ない緊張。野犬に襲われる恐怖。不本意な発情で燃え上がってしまった、行きずりの浮浪者との性交…
彼女の体力は、既に限界だった。
「…やっちまった」
男は影の拘束を解除する。
これと決めたら突っ走ってしまう。自分の悪い癖だった。
「おい!あんた!しっかりしろ!」
ドロシーは完全に気を失っていた。
青年が遠慮がちに肩を揺すっても、大きな胸がゆさゆさと揺れるだけ。
シキは思わず目をそむける。こんなに間近で女性の裸を見るのは初めてだった。
「参った。目を覚まさない…」
随分衰弱しているようだ。こんな状態の女性を裸で、野外に放置しておくわけにはいかなかった。それに、気絶させたのは自分なのだ。
どこかに移動させようと思い、青年はドロシーを抱え上げる。
裸の女性に触れるのも初めてである彼は、柔らかい感触にドギマギしながら、彼女の裸を見ないよう目を逸らす。
そのせいで、男はドロシーの股間の2つの穴から垂れてくる白濁液に気づくことはなかった。
「どうしたものかな…」
魔法使いの青年は、途方に暮れた顔でドロシーを抱えていた。