※この作品はR-18です。

彼女の手足となるために   作:最上@なろうで別作品投稿中

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エロあります。


やきもち

僕は今、家に戻ってきて夕飯を食べている。

昨日の夕飯と同じように、綾乃を父と母が挟んで楽しそうに食事をしていた。

まるっきり昨日と同じ光景だ。

でも、昨日とは明らかに雰囲気が違う。

完全に僕はいないものとして扱われていた。

別に僕の料理や食器が用意されていないわけではないけれど、僕と綾乃達の間には隔絶した壁が間違いなく存在していた。

昨日は確かに疎外感は感じてはいたが、ここまでハッキリした拒絶を感じてはいなかった。

その違いが生まれる理由は単純だった。

綾乃が僕の方をまったく見ないからだ。

 

昨日に続いてとても豪勢な食事なのに、僕はまったくご飯が美味しいとは感じられなかった。

普段の10分の1も食が進まない。お腹の中は、なんだか重くて淀んだモノで既に一杯だった。

自分が酷く悪いことをして、綾乃を怒らせている。

それはわかっているのに、何が悪かったのかが僕はわからなかった。

自分の中で整理がつかないから、謝ることも開き直ることもできない。

あのショッピングセンターの通路で綾乃から電話を受けたとき、振り返って綾乃を見た瞬間確かに僕は恐怖を覚えた。

だけどあれは綾乃が発する怒気と、その冷たい視線を受けたから感じたものではなかった。

綾乃と視線を合わせるその前から、綾乃がそこにいると感じた瞬間から逃げ出したいほどの恐怖を感じた。

僕が恐れたのは綾乃を怒らせること、そして泣かせることだった。

僕はあそこに綾乃がいるとわかった瞬間、綾乃を傷付けたと感じていたんだ。

だが、あの場の何が綾乃を傷付けると感じたのか、その根本的原因に思い至らなかった。

 

綾乃を置いて遊んでいたことが原因だろうか。

でもそれを言うなら、先に放置されていたのは僕の方だったはずだ。

僕の両親は、僕を置いて買い物に行くつもりまであったようだし、綾乃を置いて遊んでいたことを怒るなら、そもそも僕を置いて3人で買い物を楽しんでいたのはどうなんだと思う。

 

僕の両親は、この件について完全にノータッチだった。

ただ、中立な立場というわけではない。

綾乃に付き合って僕の方を見ないことからわかるが、綾乃よりの考えなんだろう。

たんに綾乃の世話を焼くことに夢中なだけかもしれないけど。

父はたまに、チラチラと僕を見ている。

本人はばれていないと思っているんだろうが、僕にも母にもバレバレだった。

実際、僕と父の視線が合いそうになると、母が父に声をかけて視線を引き戻す。

母は怒っているわけでないようだった。むしろどこか楽しそうに見える。

息子を無視することが楽しいって、酷い話だ。

 

機械的にご飯を口に運びながら、綾乃を怒らせた理由を考え続ける。

綾乃を置いて遊んでいたことは、綾乃を怒らせた原因ではない気がする。

上手く言葉に出来ないけど、綾乃は僕を仲間外れにしようとしたつもりはないはずだ。

あれは僕が勝手に離れただけだ。

もう1つ理由が考え付くけど、それが原因だと思うと、僕の暗く沈んだ心のさらに奥底からふわふわとした気持ちが沸いてくる。

綾乃を嫌な気持ちにさせているのに、それを嬉しく思う心を否定したくて、僕はその考えを自分の願望だと決め付ける。

でも、まったくありえないことではないはずだ。

だけど、どうだろう。

綾乃は大人だ。

やっぱりそんなことはないのかな。

僕が学校で、友達と楽しそうに笑い合う綾乃を見かけたとき感じるモノ。

それと同じモノを、綾乃は感じているだなんてことは。

 

 

 

夕飯を食べてお風呂に入ると、母は父を連れて早々にリビングを出て行ってしまった。

父がすぐ自室に行くのはいつものことだが、母がこんなに早く寝室に向かうのはかなり珍しい。

母は父の腕に自分の腕を絡めながら父を引きずる様に行ってしまったが、あれは僕らを二人きりにするためにわざとやったことなんじゃないかと思う。

その気遣いは、僕を千尋の谷に突き落とす様なものだけど。

現在リビングには僕と綾乃の二人きりで、綾乃は座イスに深く持たれてテレビを観ている。

結局あれ以降綾乃と一切会話できていないこともあり、非常に気まずい。逃げ出したい。

とはいえ、綾乃を一人にするわけにもいかず、僕は綾乃から若干距離を取ってクッションに座りこんでいる。

テレビと綾乃を交互に観てるから、内容がまったく頭に入ってこない。

まあそもそも、今テレビに映ってるのはニュースだから、そんなに興味があるものではないんだけど。

 

「寝るわよ」

 

唐突に声を掛けられてびっくりする。

綾乃の方を見ると、綾乃は先ほどと何も変わらない姿でテレビを凝視していた。

僕の聞き間違いだったのかな…

 

「おかあさま達の邪魔をしちゃいけないから、早く寝るわよ」

 

テレビの方を向いたまま、綾乃が口を動かす。

邪魔ってなんのことだろう。

 

「早く」

 

綾乃はまったく体を動かさないまま、口だけが動いている。

えぇっと、僕の部屋に連れていくってことでいいんだよね?

僕はそろそろと綾乃の背中に近付くと、綾乃の脇の下から両手を差し込んで持ち上げようとした。

すると綾乃は、僕の左手を避けて右腕に体重をかけて寄りかかった。

自分で連れて行けと言うのに、この態度はよくわからない。それともさっきの言葉は、連れて行けって意味じゃなかったのかな。

僕が屈み込んだ姿勢のままおろおろとしていると、綾乃は僕の腕を脇にぎゅっと挟み込み、そのまま仰向けになるように倒れ込みながら僕の左腕に足をぶつけてきた。

綾乃の顔は、いまだにテレビを向いている。

僕は怒られたらすぐ降ろそうと考えながら、綾乃を横抱きにして持ち上げた。

落とさないように位置を調整してしっかりと抱いたが、綾乃は特に抵抗する素振りはなかった。

これで正解のようだ。

僕は綾乃を抱いたままテーブルの上に置いてあったリモコンでテレビを消すと、リビングの明かりも消して階段に向かった。

 

僕の部屋に入り、綾乃をベッドの上に降ろす。

綾乃は壁の方を向いたまま、ごろんと寝転がって微動だにしなかった。

寝ちゃったのかな…

 

「あの子、この間の子でしょ」

 

綾乃が僕の方を見ないまま、問いかけてくる。

あの子っていうのは、田中さんのことでいいのかな。

この間っていつのことだろう。

 

「えぇと…」

 

「この間、階段で」

 

「あ、はい」

 

僕が言葉に詰まっていると、綾乃が苛立ちを含んだ低音で言葉を続けてきた。

僕は自然と、絨毯の上に正座した。

綾乃は相変わらずベッドに寝転んだままで、こちらを向いていない。

 

「どういう関係なの」

 

「ただのクラスメート、だけど」

 

以前もそう答えた気がするけど、言ってなかったっけ。

 

「…よくああいう風に遊んでるの?」

 

ああいう風って、ゲームセンターでってことかな。

 

「いや、今日初めてだよ。というか、学校外で会ったのも初めてだし」

 

「たっくんが呼んだの?」

 

「いや! たまたま偶然会ったんだよ!」

 

思わず少し大きな声が出てしまい、僕は口をつぐんだ。

綾乃は何も言わない。

なんて言ったらいいかわからなくて、僕も俯いて黙りこむ。

あまりに静かな沈黙に、家鳴りの音が遠くでギシギシと響いている気がした。

 

「楽しかった?」

 

顔を上げると、綾乃は起き上がって僕の方をじっと見ていた。

表情は無い。

けど、その瞳の奥には複雑な感情が渦巻いているように見えた。

 

「楽しかった、けど…」

 

「けど、なに?」

 

「なんでそんなに怒ってるの?」

 

僕がそう言うと、綾乃は口をへの字にして黙りこんだ。

綾乃の顔が見る間に赤くなる。

前回のことならまだしも、今回は綾乃に怒られる様なことは何もないはずだ。

 

「ぉ…怒ってないし」

 

綾乃の瞳が揺れる。

声が震えていた。

 

「怒ってるじゃないか。僕何か悪いことした?」

 

悪いことをした自覚はある。

明確に説明はできないけど、あの状況が綾乃を傷付けることは理解できていた。

でも、なんだか綾乃の様子が可愛くて、つい言葉に出てしまった。

 

「たまたま会ったクラスメートと遊んでただけだよ?」

 

僕の言葉に、綾乃は顔を背けた。

お風呂上がりでまだ少し湿り気を帯びた長い髪が、桜色した綾乃のうなじを彩っている。

 

「…怒ってない」

 

綾乃は口元を震わせながら呟いた。

綾乃の目尻に涙の粒が浮かんだのを見た僕は、衝動的に立ち上がると綾乃の腕を取って抱き寄せた。

ベッドの上で綾乃を抱き締め、僕は流れ出す直前の涙の粒に唇を寄せた。

しっとりとしていて柔らかい綾乃の頬が、とても心地よかった。

 

「ごめん。綾乃があんまり可愛いから、いじわるなこと言っちゃったね」

 

綾乃を抱きしめながら、僕はその頬にキスをした。

綾乃のことが、愛おしくてたまらなかった。

僕が学校で、綾乃を見かけるたびに感じていた感情。

綾乃が今、感じてくれている感情。

単語は知っていたけど、実感の無かった感情。

今ならはっきりと理解できた。

 

「やきもち、焼いてくれたんだよね」

 

僕が綾乃の耳元でそう言うと、綾乃はう~っと低く唸りながら腕の中で暴れた。

僕から逃れようとするかのような、それでいて本気ではない綾乃の抵抗に、僕は強く抱き締めることで答える。

口元がにやけそうになるのを、綾乃の頭に頬ずりすることで誤魔化す。

僕を苦しめていたあの想いが、一方通行のものではなかったとわかって凄く嬉しかった。

段々と綾乃の抵抗が弱まり、やがて完全に脱力した。

綾乃を抱き締めたまま、綾乃の頭や背中を優しく撫でる。

僕のなすがままになっている綾乃から、少し早い心音が伝わってくる。

 

「嫌な思いさせちゃってごめんね」

 

自分も感じていたからわかるけど、この想いはとても理不尽なものだ。

相手に自分の身勝手を押し付ける暗い感情は、気高い綾乃には認めることのできない苦悩だろう。

 

「…許さない」

 

綾乃はそう言って、僕の首筋に噛みついた。

少し痛いけど、全然本気じゃないのがわかる。

そんな反応が可愛くて、少しおかしくて僕は笑ってしまう。

 

「ごめんって、おわびになんでもするからさ」

 

僕がそう言った瞬間、綾乃の動きがぴたりと止まる。

本当に一切身動きをしなくなったので、不審に思って綾乃の顔を見ると、ちょうど綾乃もぱっと顔をこちらに向けたところだった。

 

「今なんでもするって言ったよね」

 

鼻同士が触れそうなほど近い距離で、綾乃が強い力を込めて僕を見つめる。

なんだかちょっと怖い。

 

「いや、なんでもってのは…」

 

「言ったよね」

 

綾乃の鼻息が荒い。

 

「まあ…僕のできる範囲でだけど…」

 

あれ、僕は何か間違ったかな?

さっきまで世界一可愛いと思っていた存在が、今では脅威に感じている。

綾乃は口元をもにょもにょさせながら、じっと僕の方を見ている。

目の焦点が合っていないのは、何か考えているからだろう。

可愛い、けど、怖い。

綾乃は僕に何をさせるつもりなんだろう。

 

「じゃ、じゃあ、舐めて」

 

「は?」

 

突然の綾乃の発言に、僕は目が点になる。

 

「何を?」

 

「それは秘密」

 

え~…?

それは罰ゲーム的なモノなのかな?

カラシとかわさびとか舐めさせられるんだろうか。

 

「まず、目隠しして」

 

秘密と言うだけあって、何を舐めることになるのか見させてはくれないようだ。

 

「え、変なモノじゃないよね、舐めるの」

 

「ゼンゼンヘンナモノジャナイヨ」

 

完全に棒読みで怪しさ全開だけど、僕のほうにも綾乃にひどいことをしたという自覚はあるので、多少のことは我慢することにしよう。

苦い物だけは嫌だなぁ。

 

「早く準備して」

 

「はいはい」

 

僕はベッドから立ち上がると、机の上に置いてあったアイマスクを手に取った。

かなり前に興味本位で買ったけど、一度使っただけでずっと使ってなかったものだ。

 

「…それ着けた上から、タオルも巻いて」

 

えぇ…

疑問に思いながらも、綾乃の要求にしぶしぶ従う。

僕はタンスからタオルを一枚取り出すと、ベッドに腰掛けてアイマスクとタオルを頭につけた。

目を開けても一切何も見えない。隙間から光が入ることすらなかった。

 

「そのまま、ベッドの上に四つん這いになって」

 

綾乃指示通りに動く。

というか、これじゃあ綾乃は何も取って来られないよね。

綾乃は僕に何を舐めさせるつもりなんだろう。

 

「これは罰ゲームだからね」

 

僕は黙って頷く。

綾乃が僕の前で、ゆっくりと深呼吸しているのが感じられた。

 

「こりゅ…これから、ルールを説明するわよ」

 

「うん」

 

「まず、何を舐めているか絶対に気付いちゃいけない、考えないこと」

 

はい?

普通は逆じゃないのかな。

目隠しして物を当てるゲームならよくあるけど、考えてすらいけないって。

 

「それと、私がいいって言うまで舐め続けること」

 

不安しか感じられない謎のルールに、僕は固まる。

 

「わかった?」

 

「まあ…はい」

 

しかたない、ここは綾乃を信じよう。

そんな酷いことはされない、はず。

僕の返事を聞いた綾乃は、ベッドの上でなにやらごそごそと動いている。

 

「じゃ、じゃあ、そのまま少しずつ顔を下げて」

 

罰ゲームの準備が終わったのか、綾乃の指示通りに僕は顔を下げる。

僕は今、伸びをする猫みたいなポーズになってるはずだ。地味に同じ姿勢を続けるには厳しい格好だった。

 

「ねえ、これって四つん這いのままじゃなきゃダメかな」

 

「えっ、あ、そうね。腹這いでもいいわよ」

 

綾乃の許可を貰って僕がベッドにうつ伏せになると、僕の顔に向かって何かがずりずりと近付いてきた。

 

「逃げちゃ、ダメだからね」

 

石鹸の香りとほのかな暖かさを顔に感じた瞬間、綾乃の声がかかる。

覚悟を決めた瞬間、僕の顔に柔らかくて温かくて、ぬるりとしたものが押しつけられた。

 

「っ…そのまま、そこ、舐めて」

 

言われるがままにおそるおそる舌を伸ばすと、舌先にぴりっとした味とぬめりを感じた。

なんだこれ。いや、考えちゃいけないんだっけ。

 

「もっと、舌伸ばして、ベロ全体で舐め上げて」

 

僕は無心で、綾乃の指示通りに舌を動かす。

ぐっと舌を突きだすと、何かの割れ目を割って温かい穴に舌が潜り込んだ。

その瞬間、僕の顔を熱くてすべすべして柔らかいモノが挟み込んだ。

これは…

 

「あっ…んっ、そう、そのまま、犬みたいに、べろべろっ、して」

 

何かに思い当たりそうになった思考を、綾乃の声が遮る。

僕は考えるのを完全にやめて、ひたすら舌を動かした。

下から上に舐め上げ、複雑な溝全てをなぞるつもりで何度も動かす。

綾乃は何も言わない。

ただ、時折苦しそうな吐息を漏らすだけだった。

僕はなんだか楽しくなってきていた。

ぬめりが発する初めて感じた味もそんなに嫌なものではなく、次から次へと穴から出てくるその液体を、僕はベッドに垂れないようにどんどん舐め取っていった。

柔らかな穴は、舌を入れるときゅっと締まったり弛んだりして、変化があるのでとても面白かった。

手前には少し硬い輪のようなモノがあるのに、その奥や外側はとても柔らかく、また複雑な形状をしている。

外側には穴の中とは違った感触の、なんだかプリプリとした細長いモノが二本ついており、その先端にはまた少し違った感触の粒のようなモノがついていた。

その形状に、何かに思い至りそうになった僕は、慌てて思考を中断する。

気付いても考えてもいけないってルールなんだから、とにかく無心にならなきゃ。

 

粒を舐めると、僕の口から逃げるようにそれは動いた。

手で押さえたかったが、それをするとルール違反なような気がして我慢した。

粒の形状を確かめるように舌先を動かしていると、僕の顎にぬるっとしたものが押し当てられた。

いつのまにか穴から液体が溢れて垂れそうになっており、僕は慌てて舌で掬い取った。

穴の中にもぬるぬるした液体が溢れかえっているようで、僕はそれも舌で掻き出して舐めとった。

綾乃には舐めろと言われただけだったけど、僕は液体をベッドに零さないという自分ルールも付け加えて、一心不乱に舌先を動かした。

いや、舐めるだけだと間に合わないな。

僕は穴に唇を寄せ、中の液体を勢いよく啜った。

 

「あううううぅぅぅ」

 

綾乃の声が聞こえた気がしたけど、「やめ」と言われたわけではないようなのでそのまま続ける。

穴の周囲がぴくぴくと痙攣するのを感じる。

穴の奥からさらにどろりと塊が流れ出てきたので、僕はそれも啜って飲み込んだ。

なんだかちょっと、さっきまでと味が違うかな?

変化があるのが面白くて、僕はさらに舌を動かす。

さっきまで何かに包まれる様な形だったはずの粒は、いつの間にか少しだけ大きくなり、包みから出ていた。

ぷりぷりとした弾力を返しながら逃げる粒を、舌先で追い回す。

そういえば、べろを全部使えって言われてたっけ。

アイスクリームを舐め上げるように、僕は舌を大きく動かした。

僕の口周りだけではなく、頬や鼻先までぬるぬるとした液体がまとわりついている。

穴周りの痙攣は、先程より激しくなっている。

たまに口から完全に離れてしまうくらい動くから、今は口をべったりとくっつけるようにしながら舐めていた。

 

「アッ、あ、だめッ、だめぇ」

 

綾乃の弱々しい声がする。

ダメってのはやめろって意味なのかな?

そう思った瞬間、ぬめりとはまた違った温かい液体が溢れだした。

僕が慌てて口をつけると、その液体は舌先が入らない様なもう一つの小さな穴から溢れだしているようだった。

吸い付きながら舌先でその穴を突くと、液体の出てくる勢いが増す。

給水機みたいな勢いで出てきてしまったその温かい液体を、僕はベッドに零さないように口をぴったりとつけて飲み込んだ。

 

「だめっ、汚いよぉ…」

 

逃げるように動くそれを、強く顔を押しつけながら追いかける。

だめと言われても、この量が零れたらベッドがびしょびしょになってしまう。

なかなか止まらない液体を、僕は飲み続ける。

上唇に粒が押し潰されて、その感触がくすぐったかった。

汚いと綾乃は言ったけど、そんな感じはしなかった。

むしろちょっと塩味が効いてて、甘みのないスポーツドリンクみたいな不思議な味だ。

ただ鼻を抜けるその匂いに、また何かに思い至りそうになり僕は思考を中断する。

液体が流れ出るのが完全に収まると、僕はすぐにその下にある大きな方の穴に舌を伸ばした。

思った通り、ぬめりのある液体がかなり穴の外に溢れ出してしまっていた。

ベッドに垂れることがないように、僕はさらにそのずっと下から舌を突き出して大きく舐め上げた。

 

「ッ! そこはっ」

 

僕の舌先が、きゅっと何かに挟まれる。

今なにか当たった…穴?

そこには確かに、零れ出たぬめりを纏ったすぼまりのようなものがあった。

ぬめりを取り除くために舌を這わせると、そのすぼまりがきゅっと動いた。

 

「そこはいい! もういいから!」

 

綾乃から明確なストップが入ったので、僕は最後にぬめりを溢れさせている穴を強く啜ると顔を離した。

綾乃の荒い吐息だけが聞こえる。

舐めてるときは夢中で気にならなかったけど、顔中がぬるぬるのべとべとで早く拭きたかった。

 

「ねえ、もう目隠し取っていい?」

 

「ダメ」

 

綾乃が即答する。

仕方なく僕は、目隠しをしたままベッドの上に座りなおした。

家鳴りがする以外は部屋はとても静かで、綾乃の呼吸が段々と落ち着いてくるのがよくわかった。

 

「…お手洗い、行きたい」

 

体感的に結構な時間が経ってから、綾乃はぽそりとそう言った。

 

「えっ、うん、わかったよ」

 

「ダメ、目隠しは取っちゃダメ」

 

目隠しを取ろうとしたところで、綾乃に厳しめの口調で制止される。

 

「えっ…でもそれじゃあ、トイレに連れていけないよ」

 

「大丈夫。私が指示するから、ゆっくり動いて行けば大丈夫」

 

綾乃は念を押す様に早口で答えた。

確かに二階にもトイレがあるから、気をつければ大丈夫だろうけど。

 

「…わかったよ」

 

「あ、私の脇の下に両手を入れて持ち上げてね。絶対に他の所に触っちゃダメだから」

 

また難易度の高いことを言う…

そもそもさっきは、その抱きあげ方を嫌がったんじゃなかったっけか。

 

「ほら、早くするっ」

 

綾乃の声の位置からおおよその当たりをつけて、僕は慎重に綾乃を抱きあげた。

いや、抱くっていうよりは、本当に持ち上げるって感じだ。高い高いする直前みたいな形になる。

綾乃の体はとても軽いけど、それでもこの体勢は結構辛い。

毎日トレーニングしてなかったら、すぐに音を上げていたかもしれない。

 

僕は目隠しをした状態のまま、二人羽織みたいに綾乃の指示を受けながらなんとか無事にトイレに辿り着いた。

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