第五世代。私たちはそう呼ばれる世代だった。
始まりは、光輝く赤ん坊。
教科書にはそう書いてあった。馬小屋で生まれたかどうかは知らない。
続いて世界中で生まれる『特殊な』子供達。
石を牛肉に変える少年。
その身に対する攻撃を跳ね返す不良グループのトップ。
隠蔽も隔離も抹消もできない勢いと数。
能力は遺伝した。片親の能力、さもなくば両親の能力を複合させて発現させることが判明し、特殊能力者はさらにその数を増し…。
世界総人口の8割が特殊な能力を持つようになった現在。
個性化社会。
懸命に秩序を回復させて、法律を整備し、超常が日常となった日々。
その平穏を乱す者。『個性』を悪に使う者。人々はそれらを
そして、ヴィランから一般市民を守る者。『個性』を自由に使う事を許された者。それこそがヒーローであった。
ヴィランとヒーローが描く善悪の螺旋。
その渦が五つ廻った世代に、私は生まれた。
私は
『個性』は“
人様に説明する時になんとも躊躇う個性名だが、小一と中一の時に行った『個性』一斉診断・登録でお医者さんが判断した正式個性だから仕方ない。
私の顔立ち、声、匂い、そういった物全てが周囲の警戒心を解き、好意的な感情を強く引き出す。
また、その影響は同性において顕著であり、無意識下で常時発動している『個性』である、とのこと。
正直、小さい時からカワイイ、カワイイとは言われてきた。自分でも顔立ちはそう悪くはないと思っていた。
ただ、『個性』が周りに“可愛いと思わせている”
自分はズルをしているんじゃないか。
そんな風に悩んだりもした。
小学生の時に受けた一斉カウンセリングでは、『個性』として認識される程でなくても、可愛い、キレイは生まれつきの差はある。
ウラヤマシイと思うこと、思われることは仕方がない。
でもそこにズルいと考える必要も、そう言われる筋合いも無い。
そう断言してもらい、気分はずいぶんと軽くなったが、それでも心のどこかに引っ掛かることはあった。
だって、この『個性』が有る限り
けれど、この『個性』には真の姿が有った。
それを知ったのはつい最近。
おそらく、私の成長度合いによって
私は、私の『個性』が引き起こしている問題を誰にも相談できないでいる。
だって、死ぬほど恥ずかしいから。
今、私の隣にはスーツ姿のメガネ美人なお姉さんがいる。
国立雄英高等学校の教鞭を握るプロヒーロー。
ヒーロー名は18禁ヒーロー“ミッドナイト”と言えば皆わかるだろうか。
母の友人でも有る彼女は、幼いころからの知り合いだった。
今はプライベートなので、ボンデージに極薄タイツという、ヒーローのコスチュームに関して法すら動かした過激な戦闘服ではなかった。
ただ、後ろ手に手錠を掛け、口に大きな黒いテープを貼りつけ、うっとりとした眼差しで私を見つめているだけだった。
『むぅぅん?うぅぅん♪』
…どうしてこうなったの?!
私は目をそらしながら、ここにいたるまでの悪夢のような流れを思い返していた。
女王様なキャラに『調教して欲しい』と迫られる女子中学生。
…我ながら何かトンデモナイこと始めたかな。