私の家は、俗に言う“ヤ”の付く稼業。
由緒正しい地廻りの末裔で、超常黎明期には法が意味をなさぬ混沌と荒廃の中、力を集めてこの街の平穏を守った実績があります。
ヒーローが社会的に認められる前に戦った
今も異形型の構成員のみで成立するグレーゾーンの非武装武闘集団。
竜爪会。またの名を
私は“組長さん”の一人娘、
『個性』“竜”を父から受け継いだ、ヤの付く家のお嬢様です。
朝、両親と父の愛人さん1号、愛人さん2号とご飯を一緒に食べます。
皆仲良しです。
(1号・2号呼ばわりは私が呼んでいるわけではなく、ご自身の“持ちネタ”です。父は2号からじゃないのか?とか言ってますが。)
父は人に似たプロポーションの竜って感じの異形型で、食欲も性欲も凄いのです。
私は父から受け継いだのは角と爪。鱗や尾は普段は隠しているので、母譲りの金髪に青い瞳の方が目立っているかもしれません。
身支度を整え、両親と1号・2号さんに挨拶をして、玄関から表門までゆっくりと歩きます。
若い衆の皆さんがお見送りをしてくれます。
車での送り迎えは悪天候の時のみ。
登下校でのお友だちとの交流も大切にするようにとの教えです。
…今日も
女王さんはとても可愛らしい方です。
華奢で、顔立ちは大きな目が愛らしく、さらさらの長い黒髪は、とても良い香りがします。
声はちょっと幼い感じで、手…指先にはちょっと特徴的な丸い、小さい爪が生えています。
いつも笑っている印象が強いのですが、ちょっぴり不機嫌な時の表情も私は好きです。
それから、それから…。
気がつくと女王さんの最寄り駅です。
いつもの時間、いつもの車両。
女王さんが乗り込んで来ました。
『おはよぉ!いつもの時間だね。瑠蒼さん!』
明るい笑顔です。
『おはようございます。』
少しだけ顔を向けて、そっけなく挨拶。
ダメです…。素直になれません。
いえ、女王さんへの思いが大きすぎて、きちんと出せる自信がありません。
『ふわ~。…ってゴメン、ちょっち寝不足で』
可愛いです。あくび姿、すぐ近くで、レアです。
私の『個性』は、広い視界を与えてくれます。
目線を向けないガン見など容易いことなのです。
『お勉強で夜更かしですの?』
あぁ、声音が固いです。何か、実は遊んでいたんじゃないの?みたいなイントネーションになってしまいました。
『ちょっと進路の相談を知り合いのヒーローの人にしてて…。』
進路の相談。女王さんの希望は雄英の普通科。模試の判定は私と同じA判定。
ひょっとすると、入学後の事を見据えた相談でしょうか?
立派です。
『そう…。』
あぁ、話が広がりません。
でも、そんな私に対しても、女王さんは学校のこと、流行りのスイーツのこと、いろいろ話してくださいます。
嬉しい。
至福の時間は過ぎ去って、電車を降りないといけません。
改札に向かう女王さんに私は
『先に向かってください。…ちょっとお手洗いに。』
ちょっと心配そうな顔をして下さいました。
『だいじょうぶ?じゃあ、また学校で。』
女王さんと別れて、女子トイレに向かいます。
できればいっしょに登校したかったのですが、今日は無理でした。
女王さんがいつもにもまして可愛い過ぎました。
このままではちょっとガマンできそうにありません。
個室に入って、私は鞄の中の替えの下着を確認します。
大丈夫。
これなら、もっと濡れても問題ありませんね。
さっき、女王さんに『お手洗いに行く』って言いました。…疑われていたらどうしましょう?
バレていたらどうしましょう?
どんな顔をされるのでしょう?
女王さんに、見られて、いたら。
女王さんがいっしょに、ここに、いたら。
下着を脱いで、丸めて口の中に押し込みます。
これで喋れなくなってしまいました。
匂いと、味。女王さんの事、考えるだけで、こんな。
女王さん、に、襲われた、ら。
《瑠蒼さんて、こんなにいやらしかったんだぁ》
《襲う?私がぁ?…自分でやってればぁ》
『う、うぅっ、うぅぅんッ!』
違う、でも、喋れない、否定、できない。
ダメ、こんな妄想。女王さんはそんな事、言わない。
でも、ひょっとして、女王さん…妃美呼様に、いわれて、命令されたら。
助け、呼べない。頭ボーッとして、抵抗できない。
指、止まらない、気持ちいいのッ!
襲われて、犯されたら、わたし…。
わたし、わたし、…っ!!!
『~ッ!!!』
…竜の個性持ちは性欲も強いのです。
10分かけずに終わらせて、新しい下着を身に付けて登校します。
…自分の罪深さ、愚かしさがイヤになりそうですが、女王さんの笑顔を見れば気分も良くなるはずなので、足早に学校に向かいます。
愛しい片想いの相手の待つ、教室へ。
モテモテだね!女王様!