※この作品はR-18です。

「もしも苦労人がカルデアのマスターだったら」   作:HK416

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ははぁ、土方さんは宝具とスキル構成的に浪漫砲だなぁ。

まあ、ウチにはきませんでしたがね!
へへーん、良いもーん。ウチにはオルタニキとヘラクレスのバーサーカー二枚看板がいるもーん! 可愛い女の子でもない、むさくるしい野郎が来てくれなくてもいいもーん(涙目
いや、実際、土方さん、全く使いこなせる気がしないんだよなぁ。いくら追い詰められた方が輝くとからと言って、そこまで攻撃全振りの性能はどうなのか。

しっかし、日本人のバーサーカー多いなぁ。
土方さんは近代出身、ステ、逸話的にもバーサーカーはしゃーなしにしても、頼光さんがバーサーカーはどうなのか。

では、エロやでエロやでー。サマーバケ-ション編のメインディッシュはやっぱり、この人! 配布だし、一番エロいしね!




『さあ、(色々な意味で)メインディッシュの時間だ!』

 

 

『前触れ、不穏の足音』

 

 

 

 

 

「今度はこれね!」

 

「静謐ちゃん、アーラシュも食べて食べてー」

 

「う~ん、毒味役はオレ達にぴったりだけどな。やっぱり、あんまり良い気分じゃないぜ。静謐は休んでてもよかったぞ……?」

 

「いえ、アーラシュ様は我々山の翁の恩人。あの特異点で得た最大の盟友です。このような役回りを一人でなど……」

 

「…………そう言ってくれるのは素直に嬉しいが、それを言っちゃぁ」

 

「もう! 酷いわ! これは二人にしかできないことなんだから!」

 

「そうそう。大変重要。違った。大変だけど重要」

 

「……ふぁ?! す、すみません」

 

 

 海の向こうに見える水平線から、ようやく太陽が顔を見せ始めようかという日の出前。

 島の中央部に存在している密林の中で四騎のサーヴァント――ナーサリー、ジャック、アーラシュ、静謐のハサンが散策を行っていた。

 

 本来、サーヴァントは睡眠を必要としないと言えど、折角の休暇の日の出前に何をしているのか。

 答えは簡単。食べられる山菜探しをしているのだ。

 

 カルデアに乾燥させてあった山菜は数多くあった――アイヌ料理に何故か嵌ったジャックとナーサリーが集めたものである――が、休暇が伸びたことで持ってきた分は使い切ってしまった。

 だが、その程度の事で情熱の冷める二人ではない。

 この不可思議な環境が整った島であれば、食べられる山菜の一つや二つあるだろうと意気込んだのであった。

 

 しかし、山菜取りで注意すべき点は多々ある。その中で最も注意すべきなのは、目的の山菜によく似た毒草を間違えないこと。

 流石の二人であっても、一目で見分けがつくレベルにはない。ましてや、人の手の入っていない島の野草である。どんな毒があるのか分かったものではない。

 

 そこで白羽の矢が立ったのが、アーラシュと静謐。

 両者ともに毒に対して凄まじい耐性がある。アーラシュは生まれ持った肉体で、静謐は暗殺の道具として育てられた経緯から。

 特に静謐は毒使いだけあって、体内に蓄積される毒が分かるのか、野草に毒が含まれているかの判別まで出来る。

 

 以上の経緯で、日の出前にナーサリーとジャックによって連れ出された二人であった。

 

 成果は上々。

 美味しい野草というのは、生でも十分に美味しいものだ。

 二人はナーサリーとジャックの発見した野草をモグモグしながら、時折、毒を喰わされたり、口の中が苦味で満たされたり、辛味で涙目になったりしつつも、食用に足りる野草を採取していたのだが――

 

 

「――――これは」

 

「……おいおい」

 

「ひ、酷いのだわ」

 

「うわぁ、グチャグチャ。解体じゃないね、これ」

 

 

 密林の一角に足を踏み入れた時、静謐、アーラシュ、ナーサリーは言葉を失い、ジャックは首を傾げた。

 

 四人が目にしたものは、ある種の屠畜場だった。

 元々、この島に住んでいたであろう動物や獣人、魔獣、幻想種にワイバーンなどの下位の竜種。

 この島のあらゆる生物が、バラバラになって死に絶えていた。

 

 獣がやったにしては無駄が多い。

 元より彼等は腹を満たす分、ある程度の食料を確保すれば、それ以上の捕食は行わない。

 あくまでも己と己の遺伝子を残す範疇、純然たる弱肉強食の掟からはみ出しなどしないものだ。

 

 これは明らかに違っている。

 何せ、捕食の形跡は見受けられるものの、全く歯型のないままで解体(バラ)されたモノもあるのだから。

 

 

「――――殺されたのは、大分前らしい」

 

「だね。でも、これ刃物で解体されたんじゃないよ? 力任せに引き千切られた感じ」

 

「犯人は――――コイツか」

 

 

 周囲を警戒しつつも、転がる死体に近寄っていったのは、アーラシュとジャックだ。

 

 アーラシュは戦士であるが、生まれた時代が時代なだけに狩猟も得意としており、こういった場で役立つ知識もある。

 ジャックはジャックで、あの高名な殺人鬼。ジャック・ザ・リッパーの解体(さつがい)方法から人体構造に精通している者では、という推察から簡易ながらも外科手術のスキル持ちだ。

 

 おおよその犯人像に当たりを付けたアーラシュとジャックは、明確な犯人の足跡を見つけた。 

 

 ――余りにも巨大な蹄の跡。

 

 

「魔猪、ですか」

 

「むー、私キライ! 臭くて汚くて、それに猪突猛進だもの!」

 

 

 特異点の攻略において、何度か相対し、倒したこともある魔獣だ。

 しかし、魔獣と侮るなかれ。神話においても魔猪は多くの勇者を貪り喰らった魔獣の代名詞。

 武器を食み、鎧を食み、ルーンですらも貪り喰らう。その力は、時として竜種すらも凌駕する。英霊であったとしても、決して侮れる相手ではない。

 

 

「しかし、デカいぞ、コイツは――――流石にティアマトレベルじゃないが、大毒蛇(バシュム)の軽く三倍はある」

 

 

 蹄の大きさから犯人のおおよその体躯を測ったのか、アーラシュは呻きを漏らす。

 大きさが、そのまま魔獣としてのランクを語る訳ではないが、巨大であることは、強いということでもある。

 巨大な体躯を支えて立つということは、それはそのまま力の強さを示しており、巨大な体躯は急所を守る毛皮と肉が厚いということは、多くの攻撃を退ける盾を持つことを示していた。

 

 ましてや大毒蛇以上の体躯ともなれば、その身に蓄えた神秘は如何程か。

 ジークフリートが討伐した悪竜。ゲオルギウスが退けた邪竜。ベオウルフが相討った火竜。

 それらにすら劣らない――――いや、下手をすれば、一方的に貪ってしまう可能性すらある。魔獣を超え、神獣の域にまで達している可能性がある。

 

 

「まずは主殿にご報告を……」

 

「「えー! そんなー!」」

 

「まあ、気持ちは分からないでもないけど、これはなぁ……」

 

 

 相手が神獣の可能性がある以上、特異点(オケアノス)の中の島が、更なる特異点となってしまいかねない危険性を危ぶんだ静謐は、主人の指示を仰ごうとしたものの、ナーサリーとジャックが不満の声を上げた。

 アーラシュも二人――――だけではなく、虎太郎までも慮って、頭を掻いた。

 

 もし、この事実を虎太郎が知れば、すぐにでも調査を開始するに決まっている。

 魔猪の能力がどの程度のものかを調べ上げ、脅威が低ければそのまま放置してカルデアに帰還。特異点化の兆しが見られれば、即座に討伐へと乗り出すのは目に見えていた。

 何はどうあれ、休暇は中止となるだろう。ナーサリーとジャックもその辺りを理解しているので、ごねているのだ。

 

 アーラシュは悩みながら、チラリと他のメンバーに目を向ける。

 静謐はオロオロとするばかり。仕方がない、生前は“山の翁”でありながら、教団の道具として扱われた故に、自己の決断というものに慣れていない。

 それでも、虎太郎や周囲の影響もあってか、自身の意見を口にするようになったが、それは日常の範囲でのみだ。

 

 ナーサリーとジャックはヤダヤダというばかりで建設的な意見は口にしない。

 カルデアの空気の所為か、子供化が進んでいる二人である。無理もない。元々、子供であるし、アーラシュもその方がいいと感じていることだ。口出しはしない。

 

 ――なら、ここはオレが決断するしかないか。

 

 一サーヴァントとして、出過ぎた真似という自覚はあったが、二人を納得させ、静謐に非が及ばず、虎太郎にも苦労をかけない為には、そうするしかない。

 事を秘密裏に収める。敵の素性や正体が不明な以上は余りにも危険であるが、その為に何人かを巻き込む必要があるだろう。

 まず、情報収集の為に呪腕と百貌のハサン、あるいはロビンの協力を仰ぐ必要がある。単純な戦力として、カルナを筆頭としたトップサーヴァントの力も必要になるだろう。そして何より――――

 

 

「し、しかし、アーラシュ様、主殿に無断で……」

 

「ま、叱責は覚悟の上だ。虎太郎はそういうのは絶対に許さんからな。ただ、それに見合うだけの成果を用意すれば、必要以上の追求はないさ」

 

「でも大変、大変よ! 暗い森の怪物(シャバウォック)にだって、ヴォーパルの剣がなければ勝てないわ!」

 

「うん、あぶない。ちょっと大きすぎる。解体できないよ?」

 

「そこんとこも考慮済みさ。ウチには神罰の猪を狩った女狩人(アタランテ)数多の怪物を屠った怪力無双(ヘラクレス)がいるじゃないか」

 

 

 成程、相手が魔猪であるのならば、二人以上の適任は居らず、力を借りない理由もない。

 

 カリュドンの王オイネウスが生贄を忘れたために激怒したアルテミスが、地上へと大魔獣を遣わした。

 神罰の獣を討ち果たす為に集った勇士達が協力して討伐に当たったのが、彼の有名なカリュドーンの猪狩りである。

 アタランテも集った勇士の一人であり、真っ先に猪へと血を流させたと言われている。

 この狩りは彼女一人の力で行われた訳ではないが、彼女が狩りにおいて大きな一助となったことは間違いない。

 

 ヘラクレスは、自ら犯した罪を贖う為に、十二の難行を課せられた。

 その大半は人知を超えた獣との戦いであり、恐るべきことにヘラクレスは魔術でも武器でもなく、己が技量と肉体のみで並居る怪物を締め殺している。

 人類の生み出した武器が通用せず、人理を否定する獅子。毒竜の代名詞であり、残された毒で多くの英雄の命を奪ったヒュドラ。アステリオスが怪物として生まれ落ちる原因となった牡牛。これらを彼以外の誰が討てるというのか。

 

 ギリシャ神話においても名立たる獣狩りの名手(スペシャリスト)

 この二人であれば、別系統の神話に登場する獣であっても、何の問題もなく屠ることが出来るだろう。

 残念ながらヘラクレスは理性を失っており、十二の難行の知識と経験を生かせないが、それはアタランテが補佐すればいいだけのこと。

 

 かくして、虎太郎に何一つ伝えられることなく、アーラシュと山の翁、ロビンフット、アタランテとヘラクレスによる獣狩りが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

―――――

――――

―――

――

 

 

 

 

 

『影の国の女王も、偶にはダラダラ過ごすのも嫌いではない』

 

 

 

 

 

「……………………んぁ?」

 

 

 アーラシュ達が密林の中で異常を発見した頃。太陽が昇り始めると、虎太郎は不意に目を覚ました。

 普段からの習慣で自然に目覚めたのではなく、身に付いた悪癖の所為で目が覚めてしまった、といったところか。

 

 アンとしっぽりと楽しんだ後、彼女は軽く睡眠を取ると夜明け前に自分のコテージに戻っていった。

 別段、虎太郎は朝までアンの寝顔を眺めながら抱き合っていても構わなかったが、他ならぬアンの意志であるのならば、止めようもない。

 アンはメアリーと虎太郎の関係を気遣い、男女の仲にあると明かしていない。

 その程度のことで、メアリーと虎太郎の間に罅が奔る筈もないが、不穏は不穏、嫌悪は嫌悪。

 虎太郎が、そういったことを嫌う性質であるのも重々承知していた。彼ならば、口先だけで何とかするのは目に見えていたが、其処で気遣いを見せる辺り、アンは悪女であるが同時に良い女でもあった。

 

 ともあれ、虎太郎は久方ぶりの睡眠を満喫していたのであるが、眠気に呻きながらも枕の下に隠していた瞬神に手を伸ばす。

 何時まで経っても眠気が消え去らない辺り、単なる杞憂とは分かっていたが悪癖は消えてなくならないからこその悪癖だ。

 

 

「………………む、起きてしまったか。済まない、これでも気配遮断を使っていたのだが、お主の気配察知を甘く見ていたか」

 

「んぁぁ……別に、いい……くはぁあっ」

 

 

 ベッドに俯せに眠っていた虎太郎は枕に顔を埋めながら、欠伸と共に返事した。

 普段の彼からは考えられない無防備な姿――実際には、咄嗟に対応できる程度の警戒心を残してはいるが――に、スカサハは目を丸くしながらも、僅かばかりに表情を陰らせる。

 虎太郎がマトモに睡眠を取るなぞ一年ぶりになるだろうに、邪魔をしてしまったのだ。負い目の一つも感じて当然だ。彼女はかつてのように心が凍てついているわけではないのだから。

 

 そんなスカサハの心持ちを察したのか、虎太郎は枕に顔を埋めたまま、片手を上げてチョイチョイと手招きをする。

 だらしなさ全開の姿であったが、スカサハはさして咎める風もなく、ベッドの端まで歩いていくと腰を下ろした。

 

 

「………………うー」

 

「――――お、おい」

 

 

 虎太郎は寝ぼけ眼であることを隠そうともせず、スカサハが近くに来たと分かるや否や、その腰に両腕を回し、羽毛の枕から膝枕に頭を移す。

 

 

「――――はぁあぁっ」

 

「………………ふふ」

 

 

 突然の行為にスカサハは何か一言物申してやろうかと思ったが、虎太郎の漏らした溜め息に笑みを溢してしまう。

 まるで温泉にでも身を浸したかのような、極楽浄土にでも至ったかのような吐息を聞き、咎める気持ちも失せてしまった。

 

 普段は見せぬ姿を見せる、というのは気を許した証のようなものだ。

 見事に女としての自信を心地良く満たしていく結果。

 スカサハは、らしからぬ甘えた態度を見せる虎太郎の頭を、愛おしげに撫でる。

 

 

「柔っこい。オレ、枕よりもコッチの方が好きだわぁ~……」

 

「それはそれは、何よりだ。しかし、首は痛くないか」

 

「全然。あぁ、気持ち良すぎる。スベスベで、モチモチだぁ……」

 

「んっ……こんな年増の脚を撫で回して、そんなに楽しいか?」

 

「あぁ、楽しい。けど、もっと良い事を思いついた」

 

「こ、これっ! 何を……?!」

 

 

 頭を預けた太腿の感触を頭だけではなく掌でも確かめていた虎太郎であったが、スカサハの言葉に突如として腕を引いた。

 完全な不意打ちだったのか。それとも別の事でも考えていたのか。

 スカサハは彼女らしからぬ隙を晒し、ベッドの中へと引きずり込まれた。

 

 

「こっちもいいな。お前の体温を感じていい。抱き心地もいい」

 

「ん、くっ……全く、唐突だな、お主は」

 

「今日はこうやって、だらだら過ごそうか」

 

「い、いや、今日はお主のだな、世話を焼いてやろうかと、思ってだな」

 

 

 虎太郎の両腕にすっぽりと収められたスカサハは、言葉では抵抗らしきものを見せるが、もがきもせずに為されるがままだ。

 

 彼女の口から、世話を焼くと聞くとすぐにでも鍛錬に結びつけたくなるものだが、思惑は全くの別だ。

 今日くらいは遊びもせずに、ただただ身体を休めることに専念すべき、と考えていたのである。

 母として家庭を守ったブーディカ。主婦の守護聖人として祀られているマルタ。ガウェインのために二人の愛の巣を守ったラグネル。三者に比べれば及ぶべくもないが、スカサハも日々成長している。

 元より、向上心の強い女性だ。お陰で、世界の外側に追放された後も鍛錬鍛錬としていて、最早、何だかよく分からないレベルに到達してしまっている。

 

 その向上心は戦闘のみならず、料理などの家事にも向けられる。

 バレンタインデーの折り、俗世に染まるのも悪くないと、手作りのチョコレートを作ったことが切欠になるのか。

 自身の腕に納得していないのか、それとも家事の楽しさを知ったのか。

 何はともあれ、それ以後もスカサハはブーディカやマルタ、ラグネルから指導を受けながら、細々と腕を磨いてきたのであった。

 

 

「相も変わらず、此方の都合などお構いなしだな、お主は」

 

「元々、男なんて勝手な生き物だよ。オレはその中でも、輪にかけて勝手な男だからな」

 

「否定などしてやらんぞ? 全く、お主ときたら毎度毎度――――ひんっ……こ、これぇっ!」

 

「まあまあ、元々、そのつもりもあっただろ」

 

「いや、その、ないわけではなかったぞ? だが、それはだな――――えぇい、私の口から言わせるな! 馬鹿者め!」

 

 

 スカサハの身体を抱きすくめていた両腕は、するすると下に降りてゆき、水着で包まれた尻たぶを鷲掴みにした。

 彼女は女そのものの悲鳴を上げたものの、流されまいと怒声を上げたが、普段に比べれば些か以上に力がない。

 更には、虎太郎に今日の狙いの一つを指摘され、図星を突かれた彼女は、口を尖らせつつも頬を染め、拗ねるしかなかった。

 

 その、サーヴァントとしての在り方を崩し、女としての在り方を晒したスカサハの姿に、絶妙な力加減でたっぷりと脂の乗った尻肉を揉みしだく。

 

 尻を捏ね回される度に、スカサハの口からは艶めかしい吐息が漏れた。

 指がめり込むほどにぎゅっと握り締められたかと思えば、今度は握ったまま左右に割り開かれる。

 尻が形を変える度に、スカサハは駆け上る快楽を逃そうと身を捩るが、全く意味がない。

 虎太郎によって思い出した女の快楽、その上に再び開発され尽くした身体は、あっという間に鼓動が高鳴り、全身から汗が噴き出して、発情した牝の芳香を放ち出す。

 

 普段の性格の強さを物語る切れ長の目は、目尻が垂れ下がって蕩け始めていた。

 

 

「うっ……くぅんっ……ふっ……ふうっぅ…………ど、どうしてくれる。か、身体が、すっかりそのつもりになってしまったではないかぁ♡」

 

「心も、だろ? いいじゃないか、偶には。こうやって、一日中セックスする日ってのも、さ」

 

「うぅん、ふむっ……ちゅちゅ……ちゅりゅ……んれろ……ろるぅっ……はひっ……ふぅぅんっ♡」

 

 

 身も心も、余りにも簡単に火を点けられてしまったスカサハは、肉欲の疼きに逆らうことなく虎太郎の首に両腕を回した。

 ベッドに横になったまま、唇を押し付け合う――だけでは当然収まる筈もなく、互いの唇を食み合って愛撫するだけでは飽き足らずに、舌を絡み合わせる。

 

 口の中から脳髄を犯されていくような感覚。

 口の中から響く粘着質な音は、背骨を伝い全身へと広がっていく。

 本来、何の味もしない筈の唾液は次第に甘味を帯び、文字通りの甘露となっていった。

 

 舌を絡めて唾液を撹拌する度に、スカサハの身体は震えを見せ、口腔性交を愉しんでいることを指し示す。

 相手を求める思いの強さを示すように、互いの身体に巻き付いた両腕は、より強く相手を締め付けていく。

 

 

「れりょ……ふっむぅ……はっ、はぁっ……く、くりゅしいれは、ないひゃぁ……」

 

「くく、そっちこそ」

 

 

 口から伸ばされた舌を虚空で蛇の如く絡め合わせながら、スカサハは滑稽すぎる表情で、滑稽な台詞を吐く。

 言葉では相手を責めていようとも、顔から仕草の何から何まで非難の色など見てとれない。これが滑稽でなくて何と言うのか。

 

 女が男を一心に求める様そのもの。

 

 あの日。あの夜。

 他の誰でもない自らの意思で全てを吐露した上に、虎太郎の女になると宣言した時から、スカサハはずっとこの調子だ。

 快楽に咽び泣かされることを半ば本気で嫌がっていたが、最早、その名残りは言葉以外に見受けられない。

 

 スカサハの姿に、虎太郎の股間は熱く滾る。

 彼女の在り様が変わった訳ではない。彼女の認識が変化した訳でもない。

 ただ、己に抱かれるという一点にのみ、感じ方が変わっただけ。

 

 洗脳でも、調教でもなく。

 文字通りにスカサハを自らの女とした、何よりの証。これに滾らない男はいないだろう。

 

 

「んぇぁ……も、もう、おしまい、か……?」

 

「このままキスしっぱなしってのもそそるんだが、下の方を我慢するのも何だと思ってさ」

 

 

 瞳を潤ませ、もっともっととせがむスカサハを、宥める。

 本音を言えば、虎太郎も、もっと蕩けさせてやりたかった。

 だが、年長者、先達としての矜持を捨てて、女として迫るスカサハの愛らしさに我慢が利かなかったのも事実である。

 

 さて、今日はどうしてやろうかと思案する。

 

 奴隷やペットのように扱って屈辱を与えながらも、快楽に流させるのもいい。

 今のスカサハならば、何をしたところで本気で拒絶などしないどころか、怒りすらもしないに違いない。

 あるとするならば、全てが終わった後に、顔を赤くしながら、お主は酷い男だ、と拗ねる程度だろう。

 

 逆に、恋人や妻のように扱って、心底から蕩けさせ、悦ばせてやるのもいい。

 心からの本心を、思いつく限りの甘い台詞で飾り立て、耳元で囁き続けるのだ。その時のスカサハの反応を見るのも、また楽しみだ。

 此方は此方で、はにかんで微笑みながら、お主は酷い男だ、と照れるに違いない。

 

 結果が似たようなものなら、どちらでも構わないな、と結論した虎太郎はベッドから起き上がった。

 

 

「こ、虎太郎。今日は……その、頼みが、ある」

 

「…………珍しいな。どうかしたか?」

 

 

 本当に珍しいこともあったものだ。

 スカサハから、提案があること自体珍しい。

 

 もっとして欲しい、と強請っても。

 もっと優しくして欲しい、と懇願はしても。

 もっと激しくして欲しい、と哀願はしても。

 

 基本的に、彼女は求められたものに応えるだけで、彼女から求めることはないと言っても過言ではない。

 虎太郎に抱かれる時は、内容に口を挟みはしない。

 強引で、勝手な女だと思われることを怖れているのか。それとも、男の求めるものを与え、自らもまた満たされることこそ、彼女の考える女の在り方故なのか。

 

 ともあれ、虎太郎が興味を惹かれたのは事実。何を求めてくるのか、ニヤついた表情で眺めることに決めた。

 

 スカサハは虎太郎の意図を察したのか、ベッドの上で身体を返し、うつ伏せになる。

 そして、尻だけを高く掲げると、水着のボトムを僅かに下にずらし、尻だけを露わにした。

 

 

「きょ、今日は、此方を、だな……」

 

「ほう、スカサハはアナルの方に興味津々だったのか?」

 

「ん、ふふ……そ、そうだぞ。お前が私を抱く時は、必ず指で尻穴を捏ね回すから、期待していた。もう、疼いて疼いて仕方がない」

 

 

 淫らな笑みを浮かべ、誘うように尻を左右に振る。この誘いに乗らない男はいないだろう。 

 羞恥を感じてこそいるが、それもまた性感を高めるための刺激(スパイス)でしかない、と言わんばかりの態度と仕草。

 

 すっかり男に傅く様が身に付き、己らしからぬ様にすら興奮を覚えているのは間違いない。

 

 

「じゃあ御望み通り。自分で開いてみな」

 

「あ、あぁ――――ん、んふっ♡」

 

 

 瑞々しさで張り詰めた尻を、スカサハは自らの手で左右に割り開く。

 その奥では、茶褐色の窄まりがヒクヒクと期待で蠢いている。

 注がれる視線を受け、ジリジリとした熱のような疼きを覚え、性交に使用しない筈の肛門は更にヒクつく。

 

 まだ何もされていないと言うのに、スカサハは快楽の喘ぎを漏らした。

 とてもではないが堪えきれない。身を焦がす欲情を抑えきれないと言わんばかりに。

 

 

「み、見てばかりいないで、は、早くぅ……♡」

 

「いやいや、こうやって見て楽しむのも乙なもんなんだよ――――しかし、これは……」

 

 

 これ以上ない羞恥と屈辱に、スカサハは身を震わせて懇願していたが、彼女の牝穴はどろどろの本気汁をごぷりと吐き出す。

 一人の男の女になっていく。どうしようもなく女である自分。男に媚びを売って傅く女の本能。

 今まで自分の培ってきた全てが、単なる強がりだったと思えるほどに。誰がどう見ても女として堕ちているだろうに、同時に女として輝いていく感覚。

 全てが、被虐の快楽となってスカサハを犯し、その全てが堪らなく心地が良い。

 

 

「スカサハ、これ、自分でイジってオナニーしてたな……?」

 

「あぁ、そ、そんなことまで、分かってしまうのかぁ……♡」

 

 

 ヒクつく尻穴の解れ加減を見た虎太郎は、本当に嬉しげにニヤついて確信を得た口調で、スカサハを責め苛む。

 

 スカサハは、虎太郎の指摘に恥じらいから全身を真紅に染め上げながらも、口から漏れた言葉は歓喜の響きで満ちていた。

 自身の淫らさも、はしたなさも、女としての全てを知られている、理解されているが故の歓喜。

 

 その事実に、スカサハは軽く絶頂へと至る

 全身をぶるぶると痙攣させ、絶頂を噛み締める姿は、紛う事なき女の“それ”。

 

 

「そ、そうだ。お、お主が、弄ぶばかりで切なかったんだぁ♡ だ、だから、お主が楽しめるように、自分で解して、慰めていたぁ……♡」

 

「ほう、それはそれは。全く――――――余計な真似しやがって」

 

「ひあぁああぁあぁああぁっ♡」

 

 

 スカサハの淫らな告白に対する虎太郎の返礼は、平手による尻への打擲であった。

 

 ピシャンと派手に音を鳴らすほどの威力。悪戯をした子供に対して行う尻叩きよりも遥かに強く、その上怒りの篭った平手打ち。

 予想外の痛みに、スカサハは悲鳴を上げる。如何な英雄と言えども、予想していない痛みには悲鳴の一つも上げてしまうのは無理もない。

 

 

「ひっ! あぐぅっ! な、何を―――んあぁっ! や、やめぇっ!」

 

(い、痛っ! 痛いのに、き、気持ち良く♡ はぁっ、はぁああぁあぁっっ♡)

 

 

 幾度となく振り下ろされる平手は、スカサハの尻に真っ赤な跡を残していく。

 理由も分からない突然の痛み。けれど、今の彼女はそれすらも快楽と受け取ってしまい、尻を打ち据えられる度に、勢いよく潮を噴いて迎えていた。

 

 初めの内は余りにも無体な行為に、背後の虎太郎を睨みつけたが、二度三度と繰り返されると吊り上がった目尻は、逆方向に垂れ下がる。

 平手打ちが五度目を迎えた辺りで、痛みと共に齎される快感にスカサハの表情は蕩け切り、せめて不様な声だけは上げるまいと枕に顔を埋めて喘ぎを押し殺す始末。

 

 スカサハの尻が真っ赤に腫れ上がり、被虐の快楽に飲まれると平手打ちがようやく止まる。

 

 

「お前の尻穴を立派なケツマンコに完成させるのを楽しみにしてたんだが、全く、折角の楽しみを奪われちまった」

 

「はっへぇ……ひぃ……んぐぐっ……おぉ……ほぉ……♡」

 

「――だがまあ、それぐらい期待してたってことでもあるわけだ。これくらいで許してやるよ」

 

 

 普段のスカサハが聴けば……いや、どのような女であれ、屈辱から怒りで我を忘れるであろう男の傲慢に凝り固まった台詞を宣う虎太郎。

 しかし、その手付きは先程とは打って変わって優しげだ。赤く染まった尻を憐れむように、愛おしむように撫で回す。

 

 スカサハは優し過ぎる刺激に、甘い牝声を漏らしてしまう。

 

 

「ふぅ、ふぅぅ、ふぅーっ……す、済まない。私は、お前を楽しませても、んくぅっ、やれない、んふぅっ、不出来な女だぁ……♡」

 

「だ、だからぁ、あ、ぁあ、……お前が、仕込んでくれ♡ お前の望むっ、お前好みの、恥知らずなスケベな女に、躾けてぇ……♡」

 

 

 これが私に出来る精一杯と言うように、ゆらゆらと更に尻を揺すって男を誘う。

 

 

「クク。恥ずかしくないのか?」

 

「は、恥ずかしいに決まっている♡ だ、だが、私を救うと宣った、私の男の前だ♡ 今は、今だけは、全ての矜持を捨てて、お前に尽くすっ♡ お前だけの女になるぅっ♡」

 

「そうか。ほら、尻穴も触ってもいないのに、開いてきたぞ?」

 

「じゅ、準備万端だっ♡ 自分で綺麗にもしてきたのだぞっ♡ だから、早くぅっ♡ お前のカリ高極太長チンポで貫いてっ、本物のケツマンコにしてくれぇっ♡」

 

「次は、綺麗にする姿もちゃんと見せて貰うからな?」

 

「あ、あはぁっ、そ、そんな姿までなぞぉっ…………はっ、わ、分かった♡ ふぅっ、見せるっ、恥ずかしい脱糞姿も見せるぅっ♡ お前の命なら、お前の頼みなら、何でも聞く女だぞ、私はぁ……♡」

 

 

 スカサハの頭と心が興奮と発情で満ちていく毎に、身体も花開いていく。

 緩んでいた尻穴は、今や虎太郎の剛直を飲み込めるようにポッカリと穴が開いている。

 前の牝穴は淫らな言葉を吐き出す度に、ごぷりと粘度の高い本気汁を吐き出していた。

 これでは乳首や陰核も、水着で隠しても意味がないほどに勃起しているに違いない。

 

 スカサハの媚び切った姿に、さしもの虎太郎もゴクリと生唾を飲み込む。

 そして、露わにした自身の分身を、ずり下ろした水着と尻の間に差し込んだ。

 

 

「んあぁっ♡ そ、そこではないぃっ♡ 今日はそこではっ……♡」

 

「こっちの準備だよ。そのまま入れたら痛いだろ。ローション代わりだ。どろっどろの本気汁を塗り付けておかないとな。ほら、頑張れ頑張れ」

 

「わ、分かったぁ♡ ふぅぅんぅううーっ♡ ふ、ふっ、ふぅううぅぅうーっ♡」

 

 

 虎太郎に言われるがまま、スカサハは両脚で怒張を逃がさぬように挟み、腰を前後に振ってスマタを開始する。

 

 ぴったりと花弁に押し付け、女の口から零れる本気汁を塗りたくっていく。

 それだけではない。息み、膣を蠕動させることで溢れる本気汁の量を増やし、男性器がふやけてしまいそうなほどに塗す。

 時折、自らカリ首に勃きり立った淫豆を擦り付けて潮を噴かせ、潮まで塗していた。

 

 まるでスカサハの欲情と発情の強さと深さを見せつけるかのような行為。

 

 虎太郎が満足するまでスマタは続いた。

 スカサハは快楽で顔が緩まるのを必死で堪え、奉仕と準備に専念するように眉根と瞳を寄せて歯を喰いしばる。

 ぐちゅ、と音を立てて股から引き抜かれた肉棒は二人の欲望を示すように粘液で濡れそぼり、むわぁっと湯気が立っていた。

 

 

「もう十分だな。オレも長持ちしないだろうが、其処は勘弁してくれ」

 

「よ、よいぞぉ♡ はっ、はっ、それほど、私に興奮してくれて、あっ、おるのだろう? ふぅ、素直に、嬉しいからな♡」

 

「そ、それに、きっと、私も挿入()れられただけで、達してしまう♡ その後も、ずっとイキっぱなしになる、絶対だ♡」

 

「虎太郎が、射精()くまでに、絶頂し続けて、チンポの形をケツマンコでしっかり覚える、からなぁ……♡」

 

「そこまで言われちゃ、オレも遠慮なく♪」

 

「おっ♡ おっ♡ おっほぉおおぉおぉおおおぉっっ♡」

 

 

 スカサハが自ら左右に割った尻の奥では、開いた菊門までもが左右に伸びていた。

 虎太郎はスカサハに一切触れることなく腰だけで狙いを定め、ゆっくりと突き入れていく。

 

 亀頭の先端が突き刺さり、飲み込まれていく様を楽しみながら、ゆっくりゆっくりと前に進めていった。

 

 

「っ、分かるか、スカサハ……?」

 

「あ、はっ、はっ、はぐぅっ、わ、分かるぅ♡ 今、亀頭の先端が入って。くるくるくるぅぅううぅっ♡」

 

 

 秒間に僅か数ミリの前進。

 しかし、スカサハにはそれで十分過ぎるのか。本気汁も潮も関係なしに吐き続け、水着どころかベッドまで汚していった。

 

 

「は、はぐぅっ! はっ、はひっ、はひぃっ♡ さ、流石に、カリ首まで飲み込むのはぁ、あがっ、く、苦しい、なっ♡」

 

「その苦しさも良くなる。もっとも、それ以上に気持ち良くて気にならなくなるだろうがな」

 

「おほっ、おっ、んぉおっ♡ すっごぉっ、虎太郎が開発した、ケツマンコ、すご、すぎるぅぅうっ♡ はっ、はっ、ぶっとくて、硬いチンポ、全部分かるぅ♡ け、血管の形までへぇっ……♡」

 

 

 奥へ奥へと進む度に、スカサハの全身の毛穴が開き、汗が噴き出す。

 

 痛みなど絶無だ。

 尻から本来は入る筈のない異物を挿入されることに全身が冷たくなったかと思えば、菊門から背骨を駆け上がる快楽の波に爆発的な熱を生む。

 異物からなる圧迫感ばかりはどうしようもなかったが、思考が朦朧とする息苦しさすらも、簡単に快楽に変わってしまう。

 

 犬のように短い呼吸を繰り返し、枕を胸の前で抱き締める。

 今度は顔を埋める真似もしない。肛門処女を奪われた女の喘ぎを聞かせてやるとばかりに、口を開いて舌を突き出し、野太い喘ぎ声を隠そうともしていなかった。

 

 

「いいケツマンコだぞ。締め付けは十分だが、簡単に飲み込んでくれる」

 

「は、はひっ、入ったぁ♡ ね、根元まで、入ったぞぉ♡ ふぐぐっ、こ、虎太郎、気持ちいいかぁ♡ んっ、んっ♡」

 

「くぉっ……おいおい、そんなに必死で喰い締めないでくれよ、すぐに出ちまう。ケツマンコを躾けられないじゃないか」

 

「す、済まない、済まないぃ♡ か、勝手に締めてしまうんだぁっ♡ お、お主のチンポが凄過ぎて、け、ケツマンコが、勝手に、媚びてしまうぅ……♡」

 

 

 スカサハは本気で謝罪していた。

 これからねっとりと躾けられなければならないというのに、男に媚びて締め付ける自身の淫らな尻穴を。

 

 その不様な姿に、虎太郎はかつてない興奮を覚える。

 

 あの気高いスカサハが。

 彼女の在り様は、悲しくも美しくすらあった。

 馬鹿と思えるほどの頑なさは一種の哀れみすら覚えたが、同時に認めてもいた。

 そのブレなさは虎太郎の好みそのものだ。正義であれ、悪であれ、それを貫くのであれば、一切の偽りはないのだから。

 

 それが今や、崩れている。

 これが終われば、普段の彼女に戻る。今この一瞬だけの崩落。己にのみ見せる女の表情。これに興奮しない男など、存在しないだろう。

 

 

「ふぉおっ……♡ おほっ……おっ、おぉおおぉおっ……♡」

 

「ほら、スカサハ。分かるか?」

 

「わ、分かる♡ 分かるぞぉ……♡ 子宮っ、裏から子宮をぐりぐりぃ……♡ そ、そんなところから子宮をぉ……♡」

 

「子宮を開発した甲斐があっただろう? ここにスイッチを作ってやる。ここを捏ね回されただけで、アクメできるように、病みつきになるまでな」

 

「そ、そんなっ……あぁ゛っ♡ おっ、んほっ、ほぉぅっ、ほひっ、あっひぃぃいいぃいぃっ……♡」

 

 

 根元まで埋まったまま、粘膜が馴染むまで子宮を裏から押し潰す。

 腰の動きだけで押し付け、捏ね回らせると、スカサハの菊門は更に剛直をきつく締めて絶頂を示した。

 思いもよらぬ子宮への刺激に、スカサハはされるがままの情けないアクメ声を上げることしかできないようだ。

 

 

「さて、そろそろ動かすからな」

 

「んひっ、んひぃっ♡ ぬ、抜けぇ――――おっ♡ おおっ♡ ほあおぉおおぉっ……♡」

 

「ふふ、ケツマンコが凄ぇ伸びてるぞ。全く、そんなに気持ち良いのか?」

 

「気持ちいいっ♡ 気持ちいいキモチイイ気持ち良いぃ♡ な、なんだこれはぁ……はっ、はおぉっ、大きいのをするようなっ、はっへぇぇええぇぇっ♡」

 

 

 排泄には必ず快楽が伴う。

 涙、汗は言わずもがな。放尿や便通でも変わりはない。

 遺伝子に刻まれた快楽である。人体に元よりインプットされた快楽には何人たりとも逃れられない。スカサハも変わりはしない。

 酷いのは、その快楽が通常の排泄よりも数百、数千倍となって襲い掛かってくることか。

 既に知っていながらも、未だかつて体験したことのないレベルの悦楽に、スカサハの全身は鳥肌を立てせしまう。

 

 びくりびくりと全身を痙攣させながら、何時までも終わらない排泄快楽に咽び鳴く。

 長大な剛直は、それこそ便通などとは比較にならない程に大きく、長い排泄の快楽を与え続けた。

 

 

「はっ、はっ、ふぉおぉっ♡ ぬ、抜ける、抜けてしまうぅっ♡ ま、まだ、抜かないで、くれぇ……♡」

 

「そんな泣きそうな声を出さなくても大丈夫だぞ。此処からが一番凄いからな」

 

「――――んひっ♡」

 

 

 ぐぽんっ、と下品な音を立てて、カリ首が顔を出した。

 スカサハの言葉と同様に必死な懇願そのもののように、皺の伸びきったアナルはカリ首を追い縋るように伸びに伸びたが、虚しい努力でしかない。

 

 その瞬間、スカサハの思考は白痴に染まった。

 剛直で最も太いカリ首が引き抜かれる感覚は、出来上がった彼女の身体と菊門を更なる絶頂に押し上げるには十分過ぎたようだ。

 一際大きく、派手に尿道から潮が吹き出る。スカサハはくるんと瞳を持ち上げ、喘ぎ声すら忘れ、ぱくぱくと金魚のように口を開閉して絶頂を味わった。

 

 

「はっ、はーっ、はひぃっ……ふーっ、ふーっ……ふぁぁっ、はっ……はへぇっ……♡」

 

「まだへばるなよ。本番はここからだぞ?」

 

「お、おほっ♡ ほひっ、ほぉぉっ♡ ほおおぉっ、おぉっ、おっ、おっ、おぉおォぉおオォぉっ♡」

 

 

 再び、スカサハのアナルへと怒張を差し込む。

 但し、今度は根元までではなく、カリ首までだ。

 浅い挿入で済ませ、そのままアナルにカリ首を吸い付かせ、引き延ばすだけ引き延ばして、引き抜く。

 徹底して菊門を躾ける抽送。その度に、スカサハのアナルからは、ぶぴっ、ぶぴっと放屁にも似た音が漏れ出す。

 

 

「いひぃいっ♡ ひゃぐぐっ♡ あぐぅうっ♡ ンひっ♡ んぐぐっ♡ ンほぉおおぉオォっ♡」

 

「こらこら、スカサハ、イク時はちゃんと報告しなきゃ」

 

「イグぅっ、イってるぅ♡ はひぃーっ、け、ケツマンコ、虎太郎のデカチンポでイってるぅ♡ げ、下品な音と声、抑えられないぃっ♡」

 

「抑えなくていいぞ。お前の獣みたいな喘ぎ声。オレは大好きだからな」

 

「ンおっ、おっ、おぉっ♡ イクゥ、また虎太郎のチンポでイクぅっ、ふっ、ふぅぅーっ、ふおっ、ふおおぉぉおおぉおぉっ♡」

 

 

 其処までくれば、最早、後は一直線。

 アナルの入り口ばかりではない。

 いきなり根元まで突き入れられたと思えば、またも子宮裏を捏ね回されての絶頂。

 かと思えば、再び引き抜かれ、排泄快楽による絶頂。

 

 スカサハが堪えようとする度に、快楽の種類を変え、責め方を変え、絶頂へと押し上げて躾け続ける。

 薄ら寒さを、恐ろしさすら覚える快感の波に、スカサハは絶頂を堪えられないまでも、意識だけは失うまいと涎を流しながらも歯を喰いしばり、シーツを握り締める。

 自ら宣言した通り、虎太郎の怒張の形を尻穴で必死で覚えようとしているのだ。

 太さや長さは勿論のこと。亀頭の丸みとカリ首の高さ、浮かび上がった血管の流れまでも。

 

 その過程で虎太郎も限界を迎えた。

 我慢はしようと思えばいくらでも出来るが、スカサハの媚び姿に我慢をしたくなくなった。

 

 宣言などしない。

 最早、彼も満足するほどに尻穴は専用となり、立派なケツマンコと化している。何よりも、スカサハは己の女となっていた。

 牡の欲望を開放するのに、躊躇いなどあろう筈もない。

 

 一際強く、剛直を根元まで突き入れる。

 瞬間、スカサハは何も言われないままに、全てを察したのか、背中を反らして最大の絶頂へと至った。

 

 

「――――っ」

 

「ひいいいいぃぃんっ♡ ンあっ♡ んおっ♡ おぉっ♡ イクぅっ、イクイクイクっ♡ い、イィィイッ、イックゥウウゥゥゥぅぅぅぅっ♡」

 

 

 スカサハの絶叫をすぐ側で聞きながら、その絶叫で更なる射精を促されるように、大量の精液が放たれる。

 

 

「おぉおぉっ♡ け、ケツマンコにこ、子種がぁぁあぁっ♡ はおぉっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁぁあぁああぁぁぁぁああぁぁぁっ♡」

 

「イグゥっ♡ またイグゥウゥっ♡ い、イキッぱなしだぁ♡ アクメ、止まらないぃぃいぃっ♡」

 

「は、はぁぁっ♡ 出てるぅっ、そんなにっ、ケツマンコに射精されたら♡ 失禁っ♡ イキショウベンでるぅううぅうぅっ♡」

 

「と、とめぇっ♡ お、覚えたっ♡ け、ケツマンコで虎太郎のデカチンポ覚えたからぁ♡ だ、射精()しながら、ぐちゅぐちゅするなぁ♡」

 

「はっへぇっ♡ げ、下品な音、止まらんっ♡ びちゃびちゃ、ぐぽぐぽぉぅっ♡ 前も、後ろも、はひぃいいぃぃぃ♡」

 

「ひぃっ、イッグゥっ♡ ひぃっ♡ ひぃっ♡ ひィっ♡ イグイグいぐっ♡ またアクメぇッ♡ おっ♡ おっ♡ おッ♡ おぉっ♡ ンおぉおぉっ♡ ケツマンコっ♡ いっぐぅううぅうううぅうぅううぅッッ♡」

 

 

 尻穴に射精された瞬間、スカサハの尿道は決壊し、黄金水が溢れ出た。

 湯気を立たせながら水着のみならずシーツまでも汚していく。酷い臭気を漂わせるが、それは牝の快楽がそのまま凝縮されたようなものだ。

 

 アナルからは収まりきらなかった精液が溢れ、糸を引いて伝い、振り子のように揺れてシーツに落ちる。

 それでもスカサハの尻穴は少しでも精液を逃すまいと、ひとりでに蠢き、ぶぴっ、ぶぴっ、と間抜けな音を漏らしていた。

 これでもうスカサハの菊座は立派な性器だ。排泄の為の機能だけでなく、男に媚びて喰い締め、精液を絞る機能まで獲得したのだから。

 

 虎太郎とスカサハは荒い呼吸を繰り返しながらも、絶頂の余韻を味わう。

 次第にスカサハの身体からは力が抜け、ずるずると高く掲げていた尻が落ちていく。

 

 

「ンおっ……おっ……おおおぉぉっ……♡ おッほ……おっほぉおぉぉ……♡」

 

 

 動きに合わせ、二人の意思に関係なく、剛直は抜け落ちていく。

 それだけでも絶頂に達しているのか。忘我にある筈のスカサハは、獣の喘ぎを上げていた。

 

 やがて、ずるりと怒張が完全に抜き出された。

 硬さを失わない男性器は、その反動でブルンと反り返って、こびり付いた精液をスカサハの背中に飛ばす。

 ふてぶてしいまでの肉勃起は、スカサハの身体と同様に痙攣を繰り返していたが、同時にまだ足りないと怒り狂っているかのよう。

 

 二人の荒い呼吸と、スカサハの尻から間抜けな空気の破裂音だけが部屋に響いた。

 

 

「ふぅ……んぅっ……んっふっ……ぅぅ……♡」

 

 

 それからどれだけ時間が経ったか。

 虎太郎に女として尽くす。その一心だけで失神を堪えたスカサハが気だるげに身体を起こし、その姿に虎太郎もベッドの上に立ち上がる。

 

 折り曲げた両脚の間に尻を落とす形でベッドに座り込んだスカサハの眼前に、精液と腸液で汚れた剛直が差し出される。

 どちらも言葉を発することなく、始めから決められた事柄だと言わんばかり。

 スカサハの瞳は潤み、視線を外せないのか、愛おし気に萎えない怒張と自身を見下ろす虎太郎の表情を交互に眺める。

 

 しかし、頬にぐちゅりと押し付けられると、ぺろりと唇を舐め上げる。

 

 

「……んんっ、こ、これ、乱暴だぞっ♡」

 

「ハハ、悪い悪い」

 

「まったく。……すん、すんすん……ひ、酷い臭いだ。これが、私のケツマンコの臭いなのだな。それにお主の子種の匂いが混ざって……はぁぁっ♡」

 

 

 言葉はどうあれ、隠しきれない媚びが響きの中に含まれている。

 当然だ。スカサハは待っていたのだから。それが作法だと言わんばかりに。虎太郎が強請るまで。

 

 虎太郎に促されるままに、だけでなく、自らの意思で散々自分を咽び泣かせた肉棒の匂いを嗅ぐ。

 言葉通り、酷い臭いだろう。元より肛門は排泄器官。体内で不要となった老廃物を出す場所なのだ。その臭いが心地良いものである筈もない。

 だが、スカサハの漏らした溜め息は酷く熱い。それは自ら女となると決めた男のモノだったからなのか。

 

 

「………………んえぇぁあぁぁっ♡」

 

 

 ともあれ、スカサハは両膝に手を置いて口を大きく開け、舌を突き出す。

 自ら掃除を開始するのではなく、ここはお前のための穴だと示すように、虎太郎の反応を待つ。

 

 

「んちゅ……んぶぶっ、んぐぅぅうぅっ、ぬぅっ、んんんんんんんっっ……♡」

 

「――――っく」

 

 

 虎太郎が笑みを深めると、腰を前に突き出し、スカサハの口に怒張を収めていく。尻穴を犯した時と同様に、ゆっくりと。

 

 前に進める度に、肉幹と唇の間でスカサハの舌がチロチロと忙しなく動き始める。

 丁寧に丁寧に。亀頭の先端から口に収まっていく肉棒を労うように、精一杯の舌奉仕で腸液と精液を舐め落とす。

 

 男が主体となるお掃除フェラ。

 これほど興奮を煽られるモノもないだろう。

 女の口をただそのためだけの道具として扱うような。ともすれば、布やティッシュと大差のない扱いである。

 ましてや、女の側が心底から喜んで行っているのであれば。

 

 

「……うっ……ぐっ……クク」

 

「ふふっ……ずろぉ、ちゅろろ、んぶぅぅ……じゅるるっ♡ れるぅ……んろんろ……んぅふぅ……♡」

 

 

 虎太郎は肉棒から駆け上る快感に呻き、笑みを深める。

 すると、虎太郎から視線を外さなかったスカサハは瞳にハートを浮かべたまま、嬉し気に目を細め、一層お掃除フェラに熱が籠る。

 

 口の端から零れた涎が顎を伝い、膝を汚すが、そんなことは彼女の頭にはない。

 口の中で弾け、鼻を伝い、脳髄まで届く精液と腸液の匂い、虎太郎の悦びを感じ、女としての尊厳と誇りが刺激されて満たされていく。

 

 ごちゅ、とスカサハの頭に肉を打つ音が響く。亀頭が咽喉を抉った証だ。

 類を見ない男根を見事に根元まで飲み込んだスカサハであったが、その表情に苦しみは見受けられない。寧ろ、うっとりと蕩けたまま。

 

 虎太郎は、スカサハの唇が陰毛に覆われた根元に押し付けられるのを確認すると、舌の動きと咽喉の締め付けを一頻り楽しんだ。

 スカサハの奉仕は、どれもこれもがツボをついている。こんな所まで熱心なんだな、と呆れる反面、教え込んだのは自分かと笑みを漏らす。

 

 そして、今度は腰を後ろに引いていく。

 

 

「じゅぞぞぉ……ずぞぞぞぞぉぉおおぉぉっ……♡」

 

「――――くおぉおっ」

 

 

 腰は前に進めた時と同じ速度でゆっくりと。

 舌の動きは前に進めた時よりもねっとりと。

 

 その上、スカサハは頬を窄めて、剛直に吸い付いていた。

 尿道に残された精液まで逃さず綺麗にしてやろう、と意気込んでいるかのようだ。

 

 精液を放ち、敏感になった怒張には十分過ぎるほどに効く吸引。虎太郎の呻きも仕方がない。

 自分の顔が情けなく崩れていくのも、下品な音を立てているのも気にせず、スカサハは吸い付くことを止めはしない。肉棒がビクビクと震え、精液を押し上げて、新たな我慢汁が吐き出されてもなお。

 

 唇が伸びきり、鼻の下が伸びきった間抜け面に虎太郎は笑ってしまう。

 その滑稽さにではなく、先程犯していた尻穴と似たような形をしていたからだ。

 

 

「ずろろろろろぉぉっ…………ん、ぽんっ♡」

 

「くっはぁっ…………気持ち、よかったぞ」

 

「ほれは、よふぁった……んんぇぁ…………ぐちゅ、んごっ、れるるぅ…………んぐっ、こくっ、んんっ、ごくんっ♡」

 

 

 口から音を立てて、萎えない怒張が引き抜かれる。

 虎太郎は腰砕けになったかのように、ベッドへと座り込んだ。

 

 その様にスカサハは満足げな表情で笑うと、一度舌で舐め落とした精液を見せつけると、涎と撹拌し、飲み下す。

 そして、もう一度、完全にお掃除フェラが終了したと見せつけるように、虎太郎の目の前で大きく口を開く。唇に張り付いた陰毛が酷く滑稽でありながら、同時に淫靡でもあった。

 

 その時、ぶぴぴっ、と一際大きくスカサハの尻穴から破裂音が響いた。

 

 

「うっ、んくっ……す、済まない……あっくっ、出して貰ったのに、も、漏れてしまったぁ……♡」

 

「いいよ、別に。また注ぎ込んでやればいいだけだろ?」

 

「――――――あっ、んん♡」

 

 

 視線を逸らし、女としての粗相を恥じらうスカサハを虎太郎は押し倒す。

 女の都合を考えない、ともすれば強引な男らしい強襲はスカサハのお気に召すものであったのか、漏れた悲鳴に非難は見て取れず、情欲で濡れそぼった甘いものだった。

 

 

「次は子宮(こっち)だな。正直、辛いだろう。ケツマンコからアクメさせられて、精液を欲しがってるはずだからな?」

 

「あ、あぁ……お前のチンポをしゃぶっていたら、子宮が痛いほどに疼く。だ、だが、良いのか? 身体は、大丈夫、か? 疲れては、おらぬか?」

 

「まだまだ、いけるね。これからさ。今度は、どう抱かれたい?」

 

「で、では、だな。その、め、夫婦(めおと)のように、スケベなキスをしながら、子宮にしつこく種付けしてくれ……♡」

 

「了解。今日は一日中だ♪」

 

「――――んっ♡」

 

 

 押し倒したスカサハの表情を間近で眺めながら、僅かながらに恥じらいを含んだスカサハのリクエストに応える。

 スカサハは上に覆い被られ、直ぐにキスで口を塞がれる。朝日が差し込み始めたコテージに、ベッドの軋む音とくぐもった喘ぎ声が響くのに、そう時間は掛からなかった。

 

 

 

 

 

―――――

――――

―――

――

 

 

 

 

 

『苦労到来。現れたるは、最果ての塔』

 

 

 

 

 

「――――くぉっ」

 

「はへぇ……おっ……あひっ……ん……はぁ……ひっ……♡」

 

 

 とっぷりと夜も更け、月が傾き始めた深夜。

 コテージの中は雌雄の臭気で満たされていた。

 

 虎太郎とスカサハは文字通り、一日中交わり続けた。

 食事は果物で済ませ、時折、水を飲む。その間も繋がり続ける。

 怒張をスカサハから引き抜くのは、お掃除フェラか、秘裂から尻穴へと差し替える時か、あるいはその逆だけ。

 

 スカサハが失神しても、失神させた状態で何度となく絶頂を極めさせ、絶頂によって覚醒させる。

 勿論、スカサハのリクエストを聞いた上で、である。

 夫婦のようにも交わった。肉便器のようにも扱った。ペットのようにも愛でてやった。奴隷のようにも虐げた。恋人のようにも甘い言葉を投げかけた。

 

 女としてあらゆる快楽を極めたスカサハは心底、幸せそうな表情で失神している。

 涙と鼻水、涎の跡も拭わずに、だらりと舌を垂れ下げながらも、何も映していない瞳はうっとりと蕩けていた。

 

 股を大きく開いたその奥では、秘裂と尻穴から精液が溢れており、尿道からはちょろちょろと力のない放尿が続いている。

 

 

「はぁ……まだ満足できないな。もう少しだけ、付き合って貰うか」

 

 

 呆れた精力だ。

 しかし、これ以上はスカサハの頭がおかしくなると判断したのか、裸のままベッドの端に腰を下ろし、煙草に火を付けた。

 

 それでいて、スカサハへの心遣いも忘れない。

 愛液、精液、汗、尿、腸液、涎、涙、鼻水。人体から排出されるあらゆる液体で汚れた身体を清めようと手を伸ばし、止めておく。

 スカサハが眠るベッドは、同様の液体でぐちゃぐちゃだ。これでは綺麗にする意味がない。

 

 仕方なしに、備え付けられた毛布を、生まれたままの姿で汚れたスカサハを被せる。

 スカサハが目を覚ましたら風呂に入って、其処でもう一度、と考えながら、湯船に湯を張る為に、煙草を咥えたまま浴室へと向かった虎太郎であったが――――

 

 

 ――――金属バットで後頭部をフルスイングされたような衝撃に、立ち止まった。

 

 

 物理的な意味での話ではない。精神的な意味での話だ。

 

 

「いや、おい――――――冗談じゃねぇぞ、おいっ!!」

 

 

 コテージの壁越しにでも分かる魔力の放流。

 持ち前の感覚器官によって魔力すら肌で感じる虎太郎は、全く予想していなかった危機の到来に、絶叫を上げる。

 

 煙草をモノを叩き過ぎて痛みなど感じなくなった掌で揉み消し、近くにあったズボンを履く。

 慌て過ぎて、ズボンを履く過程で床へと転んでしまったが、今はそれどころではないとばかりに即座に立ち上がる。

 

 コテージの扉を蹴破らんばかりの勢いで外に出た虎太郎は、確かに見た――――

 

 

「――――――マジかよ」

 

 

 ――――島の中央部から天へと伸びる、大地へ突き立てられた光の柱を。

 

 

 虎太郎は茫然と呟く。

 この魔力、この光、この威容を忘れようもない。

 

 第六の特異点。

 エルサレムの地で、人理を滅ぼしてまで人を保存(まも)ろうとした女神が居た。

 

 女神の名はロンゴミニアド。

 アルトリア・ペンドラゴンが運命の果て、聖槍ロンゴミニアドによって変質し、嵐の王となった姿。

 菫色の騎士による大忠義。最後の奉公によって、正しい形へ還り、人類史の細波へと消え去った敵。

 

 見間違うなどある筈がない。あの光は聖槍ロンゴミニアドによるもの。

 

 ――――つまり、超弩級の苦労の到来である。

 

 余りの出来事に虎太郎は頭が真っ白になってしまいそうであったが、何とか堪え、ズボンの中に入っていた通信機を操作する。

 

 

「マシュ、見てるか」

 

『は、はい! 先輩、この光は……!』

 

「急いでアルフレッドに繋いで観測させろ。それから島の中心部には絶対に近づかないように全員へ通達しろ」

 

『で、でも、そんな、こんなこと在り得ません! これでは、ベディヴィエール卿は、一体、何のために……!』

 

「落ち着け! まだ獅子王と決まった訳じゃない! 可能性の話だ!」

 

『はっ、はいっ……申し訳ありません。取り乱して、しまいました』 

 

「落ち着いて対処しろ。まずは全員を集めろ。必ず全員いる事を確認しろ。特に、モーさんとガウェインの暴走には注意を払え。必要なら、ヘラクレスとカルナ、エルキドゥ、コアトルを使ってでも止めろ。いいな?」

 

『了解です』

 

「よし。全員が揃ったら、オレのコテージまで来い。周囲を警戒しながらな」

 

 

 徐々に、徐々に。

 光の柱は輝きを弱め、ついには消え去った。

 

 消えていく柱を眺めながら、虎太郎は憎々しげに表情を歪めた。

 休暇を邪魔されたことに対してではない。ましてや、突如として理由の分からない消えた筈の敵にでもない。

 

 

「――――――間抜けも、ここまでくると笑えてくるぜ」

 

 

 何一つ。島にあったであろう何らかの変異に何一つ気付けなかった自分自身にである。

 

 波の音にすら掻き消す大きな溜め息が、彼の胸中全てを表しているようだった。

 

 





はい、という訳で、師匠アナル処女喪失&トロアヘMAX&聖槍、抜錨の回でした。
師匠はアナル処女なのかなぁ、と思いながらも書きました。そのくらいの経験くらいありそうだけど、まあ、独自設定&ケルト的にセックスは孕むためだからケツ穴の経験はなんじゃね? ということでゴリ押します。

そして、到来する苦労。ははは、御館様め、涙目になるがいい。そして、つられてモーさんも涙目になる。

このために、色々と伏線を張ってきたからね。
予測は出来ないにしても、納得はして貰えるんじゃないかな、というレベルですが。

では、次回もお楽しみにー!
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