※この作品はR-18です。

「もしも苦労人がカルデアのマスターだったら」   作:HK416

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よし! 水着イベクリアー!
おっぱい水着師匠も宝具レベルMAXにしたし、念願の全体アサシンじゃあ! トリッキーな性能だが、使いこなしてみせる!
ガチャの方は、うん、アレだ。水着アンメアが出たから良しとしよう。他のも欲しいが、今年のイベの為に、我慢だ我慢!(血涙

あ、あと、活動報告でアンケートがありますので、気軽に一票をどうぞ!

ではでは、CCCイベの続き続きー! 相変わらずエロはないがな!(ゲス顔




『苦労人がアレなもんだから、周囲は高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変な対処を求められる』

 

 

 

 

 

「いや、あの……その、ホントなんて言うか……調子に乗ってたって言うか…………」

 

「おっ! 終わってんじゃーん! まあ、どっかの聖女様みたいに素手喧嘩(ステゴロ)特化じゃないから当然だわな」

 

 

 虎太郎がその場から逃げてから、或いは鈴鹿御前(センチネル)との戦いという名の袋叩き(リンチ)が始まってから30分。

 逃げた先で攻性プログラムやサーヴァント達と鬼ごっこを繰り広げていた虎太郎は、特に息を切らせることもなく戻ってきていた。

 

 神殿では、両膝を地面に付けた状態で両腕をエルキドゥの鎖によって縛り上げられて拘束され、蒼い表情をしている鈴鹿の姿があった。

 完璧な仕事ぶりに思わず虎太郎もニッコリ。エミヤ以外の全員は鈴鹿に同情の視線を向けている。それはそうだ。

 

 ……30分も、よく持った方だ。

 英雄王と肩を並べるエルキドゥ。単純スペックであれば円卓最強のガウェイン。違法改造によって生み出されたアルターエゴたるメルトとリップ。冷酷無慈悲な戦上手のエミヤ。予測不可能自爆不可避なキャット。

 この錚々たる面子を前にして、KPと神通力だけでよく戦った。エミヤを除いた5名も思わずスタンディングオベーションの心持ちであろう。

 

 

「――――で、どうするよ、鈴鹿ちゃぁ~~~~ん? このまま首を斬り落とされるか。それともKPを排除して手を組むか。選ばせてあげるよぉ?」

 

「猟犬が笑ってるみたいな気味の悪い顔、しないで欲しいんだけど。どっちにしたって、私の聖杯戦争は此処で終わり。アンタなんかと手を組む気なんて、ない」

 

「へぇ~~~? ほほぉ~~?」

 

 

 鈴鹿は深く項垂れ、力のない声で言葉を紡ぐ。

 それは良いようにやられた屈辱によるものではなく、敗北による聖杯戦争からの脱落を何よりも悲しんでいる。

 

 その姿、その様に、虎太郎はにこにこと天使の如く微笑んでいるが、内面は悪魔のそれ。この展開も予想の範疇であった。

 

 そも鈴鹿御前は日本における『尽くす女』の代名詞。

 今は無理をしてJK擬態(モーフ)などしているが、その実、根は真面目で思慮深い。

 

 神通力を用い、鈴鹿山にて狼藉を働いていた鈴鹿御前に対し、帝の勅命で退治に訪れた坂上田村麻呂に敗北し、二人は恋に落ちる。

 以後、二人は互いを助け合いながら、多くの鬼を倒し、英雄としての功績を重ねていった。

 しかし、二人の別れは悲劇的であった。大嶽丸という強大な鬼を倒すため、鈴鹿の取った行動は――大嶽丸の妻となり、内から突き崩すというもの。

 

 坂上田村麻呂はその事態に、裏切られたと嘆きながらも大嶽丸を討ち取り、鈴鹿御前は言い訳の一つもなく、鬼の仲間として処分されることを良しとした。

 

 不満はない。嘆きもない。後悔すらありもしない。

 最後は悲劇ではあったけれど、其処に至るまでの過程は、確かに愛と喜びに満ちていたのだから。

 

 我が身すら投げ出して、愛する男に尽くし続けた女。それが、彼女の在り方だ。

 

 

 ――そんな彼女が、こんな下らない聖杯戦争に加担し続けた理由なぞ、ただ一つ。

 

 

 いや、そもそも、このSE.RA.PHにおける殺し合いは、主催者の悪意に塗れた生存競争であって、聖杯戦争なぞではない。

 

 聖杯戦争を模してはいるが、肝心のものが欠けている。

 冬木式であれば、大聖杯と小聖杯。英雄の魂を収めておく器がない。

 ムーンセル式であれば、異星・異文明の観測機械。太陽系と並行世界を観測し続け、保管してある情報(データ)がない。

 

 それらが、それぞれの聖杯戦争における願望機を成立させている要素。

 

 このSE.RA.PHにおける殺し合いと聖杯戦争における類似は一つ。

 英霊をクラスに押し込めてサーヴァントとして使役し、殺し合わせる点だけだ。

 

 

「その様子じゃ、自分のマスターがどのような状態かは、ある程度察しているようだな」

 

「……っ」

 

「だが、BBから全てを説明されたわけでもない、と言ったところか。大方、聖杯戦争で勝ち上がればマスターを助けられる、とでも思い込んだか?」

 

「――――そうよっ。聞こえたんだから。此処に呼ばれた時に、小さかったけど、確かに声が!」

 

 

 虎太郎はニヤついた表情を消し去り、人形以上の無表情で鈴鹿と視線を合わせる。

 その瞳は何処までも冷徹で、心の奥底まで見透かそうとしているかのよう。

 

 虚の如き黒瞳に、鈴鹿は恐れもせずに睨み返す。

 

 “勝ちたい”、“無意味な死にしたくない”

 彼女が聞いたのはただそれだけ。ただの独り言だ。人間が、今際の際に零す切なる願い。

 

 会話をしたこともない。顔を合わせたこともない。生死すら分からない。

 けれど、その願いは、確かに彼女に向けられた声だった。

 

 名前も知らない誰かが、名前も分からない彼女に託した、最後の、人間らしい願い。

 

 ただ、誰かに尽くすことを良しとした彼女が、その願いを聞いてしまった以上、後に退けない。それが、彼女の英霊としての矜持であり、同時に存在意義でもあるのだ。

 

 

「――――成程、何処かの誰かさんの願いを叶えてやれば、お前は良い訳だ。なら、オレと手を組むことをオススメする」

 

「誰が……っ! アンタみたいな奴は知ってんのよ! 自分の目的さえ果たせば、それ以外はどうでも良いってタイプじゃない!」

 

「まあ、否定はしないが。もっと冷静に考えろ。お前のマスターの願いが、本当に聖杯戦争を勝ち抜くことだと思うか……?」

 

 

 勝ちたい、だけならば、聖杯戦争に勝ち抜くことだとしても頷ける。

 だが、無意味な死にしたくないことが、本当に聖杯戦争に勝ち抜くことかと問われれば、疑問を抱かざるを得まい。

 

 額面通りに受け取るのならば、彼女のマスターは、まるで自分が死ぬと分かっているかのようではないか。

 聖杯戦争に参加する以上は、死の危険性は常に付き纏う。英霊の持つ超常の力を鑑みれば、生き残ることすら難しい。

 

 しかし、それは通常の聖杯戦争の話。

 マスターとサーヴァントが互いの願いを尊重し、互いに協力し、真っ当な欲望と真っ当な信頼関係と真っ当な願望機があって、初めて成立する。

 

 

「お前のマスターは自身が助からんことを分かっている。恐らく、セラフィックスに運び込まれた実験材料だろうからな。お前を召喚する際に、一時的に意識を取り戻しただけなんだろうよ」

 

「分かりきったことを……!」

 

「だから、勝ちたいという願いは、聖杯戦争ではなくこの事態を引き起こした連中に対してであり、無意味な死にしたくないという願いは、この戦いの果てに待っているものを拒絶してのことだ」

 

 

 にんまりと嗤う虎太郎に、ようやく鈴鹿はたじろいだ。

 

 聞けば、尤もらしい言葉だ。

 魔術師の実験材料として運び込まれたのであれば、もう既に死んでいるか、とても生きているとは言えない状態であるのは間違いない。

 聖杯戦争に勝ち抜いたとしても、生かせる保証はない。まして、マスターの願い自体が、マスターの死を補強しているのであれば尚の事。

 なれば、虎太郎の言葉こそが、マスターの心情を代弁しているようにも思える。

 

 虎太郎は自信満々に言い切ってこそいるが、そんな確証は何もない。

 顔も知らない、名前も知らない誰かの思いなぞ、いくら他人への理解が速い彼であっても推し量りきれない。

 

 ただ、その言葉少なさ、接触の少なさを利用するだけのこと。

 

 伝える言葉が少なければ、本当に伝えたい思いは伝わらない。である以上、他者はそれを自分なりに解釈をするしかないのだ。

 詰まる所、鈴鹿の行動もまた、マスターの本当の願いである保証は何処にもない。彼女の不安、確証の無さに付け入って、唆す。

 

 加えて言えば、立場としてならば、鈴鹿よりも虎太郎の方が、立場が近い。

 マスターという立ち位置、一度目の生という条件。心情も、心境も、考えも、執着も、より近しい者に感じられる。

 

 じりじりと鈴鹿の心を焦がすように、虎太郎は言葉を使って、彼女の意志を揺るがしていく。

 

 

「ああ、いや。勿論、お前の不安も尤もだ。こんなものは只の唆し、事態を楽に収めようとする方便だ。だが――――デモンストレーションは終わっていてね」

 

「……あー、その、なんだフォックスよ。コタローが信じられないのは尤もだが、その男、約束は守るつもりらしいな?」

 

「…………どういうこと?」

 

「少なくとも死者は丁重に扱うつもりはあるようだゾ。アタシも見た。デモンストレーションとは、そういうことだ」

 

「オレは死体なんぞどうでもいいが、こちらから持ちかけた正当な取引だ。それを反故にするほど耄碌しちゃいねぇよ」

 

 

 正当かつ己から持ちかけた取引を反故にするつもりはない、と虎太郎は肩を竦める。

 

 裏切り、横紙破りの契約違反なぞ当然のようにする男ではあるが、相手が有用有益な相手であれば、その限りではない。

 そもそも、そんなことを続けていれば、誰も取引に応じなくなるものだ。

 彼が裏切るのは、これから確実に死ぬ相手、これから確殺する相手、これから契約違反をする相手のみ。有り体に言えば、自分が裏切ったという事実が広まらない相手が大半だ。

 

 よって、サーヴァントとして召喚され、いずれは英霊の座に“裏切った”という記録が持ち帰られる相手には行わない。寧ろ、契約の穴を突くのが、彼のやりようである。

 

 

「それに、いいのか? 此処で首を差し出すのは、お前の矜持に反するだろう? 例え、お前自身の評判が地に落ちようとも、死んだとしても、マスターの願いを叶えてやるのがお前の矜持だ。違うか?」

 

「――――っ、ぐっ、ぬっ」

 

「まあ、オレはどちらでもいいが。特異点修復の大勢は凡そ決している。お前がどちらを選ぼうが、さして影響はないからな。負け犬になろうが、勝ち馬に乗ろうが、好きにするといい」

 

 

 どちらでも構わない、と心底から言い切った虎太郎に、鈴鹿は深い懊悩を表情に刻み込む。

 どう考えたところで信じられない悪鬼羅刹の類である上に、SE.RA.PHで出会ってからというもの、散々好き放題やられ続けた。

 

 思い出しただけで悔し涙が溢れてしまいそうだった。

 協力関係になるなど本心から在り得ない。虎太郎への怒りも恨みも、この中で鈴鹿は人一倍多く抱えている。

 

 

「――――上等! やってやろうじゃん!」

 

「それでこそ、なのだな!」

 

「結構。これでまた戦力強化だ」

 

 

 その全てを唾棄すべきものと鈴鹿は斬って捨てた。

 怒りも恨みも忘れたわけではないが、今はその時ではない。

 今、優先すべきはマスターの願いのみ。例え、それがどのような形であれ、どのような最期であれ、勝たせ、無意味な死にはしないことが最優先事項。

 それが己の拡大解釈だったとしても構わない。言葉を交わしたことのない以上、誰であれ自己で判断していくしかないのだから。

 

 

「さて、それじゃあ、コイツの出番か」

 

 

 虎太郎がポケットから取り出したのは『心の鍵』。

 相手の心象空間へと入り込み、心の戦いを挑むことでKPを排除する、BB渾身のコードキャストである。

 

 しかし、その鍵を見た瞬間に、鈴鹿の表情がこれ以上ないほどに歪む。

 親兄弟、一族郎党が死に絶えたという訃報を聞いたかのようだ。

 

 

「ちょっ、待って、タンマ! 私のマスターでもないのに心を覗くとか、ましてやこんなド外道が!?!」

 

「オレだってやだよ。お前みたいな面倒臭い女の内面覗き込むなんて、面白くもねぇ。なので、オレはこれをゲームだと思うことにしました」

 

「ゲ、ゲーム……? いや、人の心に踏み入ってゲームって?!」

 

「まあ、アホなJKは合コンとかに出て、色々やられちゃうのが常だから――――行くぞ、乳首当てゲームだ! えいっ!」

 

「――――あっ、んんっ♡」

 

「これは酷い」

 

「乙女の純情が弄ばれるのを見ると、何とも言えない気持ちになるわね」

 

「あわわ、鈴鹿さんェ……」

 

 

 両手の人差し指をピンと立て、鈴鹿の両胸に向けて突撃させる虎太郎。

 鈴鹿の口から漏れた甘い吐息を見るに、どうやらドンピシャで当てたようだ。流石は性技の味方、この程度の児戯は朝飯前である。

 

 その姿に、キャットとメルトは率直な感想を漏らし、リップは鈴鹿の心境を思い涙目になっていた。

 

 

「む。今回の心の戦い、私が供をするようですね!」

 

「おう、良かったな、鈴鹿。ドスケベコンビがお前の心を蹂躙しちゃるけんのう」

 

「いやぁああぁぁあぁぁああぁぁあぁぁああぁ――――!!!!」

 

 

 

 

 

―――――

――――

―――

――

 

 

 

 

 

 

「――――ぐっ、むぅ……!」

 

「――――オレ、心の戦いで、こんなんばっか」

 

 

 虎太郎の残酷な宣言と乳首当てゲームによって、鈴鹿の悲鳴が響き渡ってから数秒。

 心の戦いが如何なるものであったのか。ガウェインはその場で片膝を尽き、虎太郎は脱力したように首をガックリと項垂れさせた。

 

 

「その様子なら、問題なく勝てたようだけど、また襤褸雑巾になったのかい?」

 

「ああ、酷い目にあった。つーか、アレなんだ。もう一人居たんだけど」

 

「彼の発言を見るに、どうやらレディ・スズカの伴侶――――坂上田村麻呂と思われます。凄まじい使い手でした」

 

「いや、あんだけブチ切れてる人を見るのは久しぶりだったな。会敵即宝具ぶっぱは流石にビビッたわ」

 

 

 乙女の深層に降り立った虎太郎とガウェインを待ち受けていたのは、主である鈴鹿御前と甲冑を纏った偉丈夫であった。

 

 誰だ、隣のアレは、と不思議に思った二人に対し、鈴鹿と田村麻呂は同時に宝具を展開。

 降り注ぐ数千もの光の刀を前に、虎太郎は慌ててガウェインに触れてから霞狭霧を発動させ、何とか初撃はすり抜けたかに思われた――――

 

 

『テッメェェェェェ!!! 人の嫁さんに何してくれとんじゃワリャァアアァアアァァァアァ――――!!!!』

 

『ほぎゃああぁあぁああぁあぁあぁっっっ!!!!!』

 

『こ、虎太郎ぅぅううぅぅうぅう――――!!!!!』

 

『うぅっ! マロくん優しすぎぃ!!』

 

 

 ――――のだが、真っ直ぐ距離を詰めてきた田村麻呂の真っ向唐竹の剣閃を、モロに食らってしまった。

 

 坂上田村麻呂。

 鈴鹿御前と共に多くの鬼を討った、日本でも有数の大英雄である。

 何を隠そう、彼も英霊の中では嫁LOVE勢の一人。その愛情たるや、鈴鹿御前が落命した後、彼女を助けに冥府まで赴いたほどだ。

 

 鈴鹿御前の死後までは縛るつもりはなかったのか、或いは己の愛した鈴鹿は座に至る前までと考えていたのか。

 座へと至った彼女は別人と捉えていたようで、事態を静観するつもりであったようだが――――これまでの嫁の扱いにはマロくん激おこ。

 

 気合と根性と愛情で、鈴鹿の心象空間に割り込み召喚してきたらしい。

 これには自身の触媒では召喚できず、嫁の触媒でしか呼び出せないのに、呼び出したら呼び出したで嫁の墓暴いて何しとんじゃぁ! とブチ切れるオジマンディアスも思わずガッツポ。

 

 ターゲット集中+回避無効+敵バフ特盛り+強制無限コンテニューという拷問を耐え抜き、虎太郎はSE.RA.PHへと帰還した。

 

 決まり手は、鈴鹿と田村麻呂の刺突を敢えてその身に受けて二人の両手を掴み、動きを止めた所で、ガウェインに自分諸共、聖剣で薙ぎ払わせる自爆戦法であった。

 なお、これは逃げられないと敗北を悟った鈴鹿と田村麻呂であったが、なおも虎太郎の顔面に向かって自由になっている手で鉄拳を叩き込み続けたようだ。ざまぁない。

 

 

「もしかしたら、今のがこのSE.RA.PHにおける最大の死闘だったやもしれん」

 

「こんなのに! こんな腐れ外道に、か、身体も、こ、心の中まで、うわぁぁぁぁぁん!! マロくぅぅぅん!! カズくぅぅぅん!!」

 

「だから、カズ君って誰だよ」

 

「おー、よしよし、よく耐えたなフォックスよ。コタローは後でキャットがシバく故、今は好きなだけ泣くのだワン!」

 

「えぇー、マジにござるかー?」

 

「そうされても、仕方ないと思いますぅ……」

 

 

 エルキドゥの鎖による拘束を解かれ、崩れ落ちて泣きじゃくる鈴鹿の身体を抱きしめ、キャットは背中と頭を撫で回す。

 流石は良妻系サーヴァント。女の扱いまで一流である。最早、これは他のタマモナインどころか、オリジナルでさえ、彼女が居ればいらないんじゃないのかな?

 

 無意識の内に他のタマモと名のつく者共の出番を根こそぎ奪うとは、タマモキャット、恐ろしい娘……!

 

 

「――――――虎太郎」

 

「どうした――――いや、やっぱ言わんでいいわ。此処までくればオレでも分かる」

 

「地震……? いえ、この霊基は……!」

 

 

 いち早く気配感知によって事態の急変を察したエルキドゥの声に、虎太郎の表情が嫌そうに歪む。

 続き、ガウェインは地震の如く揺れる床に視線を向け、他の皆も異常を察知した。

 

 

「チッ。囲まれるな、これは。全員、背中合わせになれ!」

 

 

 揺れは激しくなるに連れて、誰もが異常な霊基を察知した。

 鈴鹿の神殿に渦巻いていた霊子は黒い霞に変生し、更なる輪郭を得る。

 

 途方もない力を持ちながら、中身が一切ないハリボテの威容――――魔神ゼパルの残滓が、現れた。

 

 

「……あー、ひー、ふー、みー…………数が多すぎやしないかワン!?」

 

「いきなり6柱?! コイツラ、一体何処にいたし……!」

 

「ほらよ、鈴鹿。刀を返す。始めから居たんだろ。つーか、コイツラの場合、SE.RA.PHの何処に何本現れても不思議じゃねぇよ」

 

「ちょっと待って! それどういう意味なわけぇ――?!」

 

「黙って前を見てろ」

 

 

 彼等の周囲を囲むように、6柱の魔神柱が出現していた。

 しかもご丁寧に、その内の1柱は神殿にある唯一の出入り口を塞いでいる。

 

 虎太郎は鈴鹿に奪っていた三振りの宝剣を投げ渡し、皆は指示通りに背中合わせとなった。

 

 

(このタイミングで来るとなれば――――やはり、行ったのか。エミヤの野郎) 

 

 

 素早く仲間の状況を確認した虎太郎は、エミヤの姿がないことに、一つの確信を得る。

 

 エルキドゥも視線を向け、無言で首を振った。

 彼女ほど優れた気配感知を持っているのならば、エミヤを追うことも止めることも出来た。

 しかし、余りにもタイミングが悪すぎた。エミヤの離脱と魔神柱の出現は、ほぼ同時であったのだ。

 

 であるのならば、これはエミヤが何者かと手を組んだのであり、同時に彼の仕事を終わらせようと動いたことに他ならない。

 

 

(このタイミングの良さは()()/()()の方だな。巧いこと、黒幕を動かしやがったか――――となると、ヤバいのはトリスタンとエミヤがかち合うことか。殺し合いになるのは目に見えてる)

 

 

「此方、救援部隊! 教会側、聞こえているか! 魔神柱が出現! そっちはどうだ、トリスタン!」

 

『君達は、何時まで時間をかけているつもりだ! 全く、グズだな!』

 

「――――間抜けが。オレはお前に話しかけちゃいない」

 

『――――なっ!?』

 

 

 念の為、教会に残しておいた空間ウインドウ型の通信機が繋がったが――――その瞬間、虎太郎の顔からあらゆる表情が消えた。

 

 応答し、顔を見せたのはアーノルドであったが、虎太郎はこれ以上の彼との会話は無意味と斬って捨てる。

 尊大に、不遜に、まるで自分が優れた存在だと語るような表情であったアーノルドは、顔が真っ赤に染まるほどの怒りを見せた。

 

 一体、何があったのか。

 少なくとも、数時間前の彼では考えられない変化ではある。

 確かに、彼は虎太郎を恐れていた。明らかに猫を被ってはいたものの、冷徹な虎太郎の態度に、見捨てられるのでは、という恐れを抱いていた。

 にも拘らず、今や彼は虎太郎を下に見ている。何を根拠に、自身を救えるだけの存在を下に見ていると言うのか。

 

 

『ご、ごめんなさい! アーノルドが落ち込んでいたから励ましてあげたら、こんな風になっちゃって……』

 

「おい。トリスタン、オレは気が変わった。こっちに来い。何時までも下らない連中のお守りはうんざりだろ。人手が足りねぇからな」

 

『しかし、教会の守りがなくなりますが、よろしいのですか?』

 

「知るかよ、そんなこと。まあ、どうしても離れたくないというのなら、お前の判断に任せるよ、オレは」

 

『ふ、巫山戯るな! トリスタンがいなくなれば、誰がボクをまも――――』

 

 

 其処で、虎太郎は一方的に通信を切った。最早、アーノルドと会話をすることすら馬鹿らしい、と。

 

 トリスタンは、迷うことなく此方に向かうだろう。あくまで、彼が共闘を承諾したのは虎太郎。互いの利益を守り、その上で己の目的――BBの打倒――を果たすために。

 その上、教会は安全圏だ。この数日間、教会の守りを担ってきたが、外部からの襲撃はただの一度もなかった。ならば彼が、より危険度の高い側を守るために動くのは当然だ。

 

 これでトリスタンとエミヤがかち合うことはなくなり、エミヤは己の仕事の一部を果たすことだろう。失われるのは、虎太郎にとって、邪魔でしかない命だけ。

 エミヤが何をするつもりなのかを承知の上で、虎太郎はそれを黙認することにしたのである。

 

 彼の仕事はあくまでも無辜の人々を守り、人理を修復すること。

 ()()()()が何体壊れようが、知ったことではない。

 

 

「さて、逃げるか。こんなハリボテ、相手にするだけ馬鹿を見る相手だ」

 

「とは言っても、逃げられないわね。逃げ道はあるけれど、繋がっているのは奈落の底よ」

 

 

 メルトは、チラリと逃げ道であると同時に地獄への道行きへと目を向けた。

 視線に先にあったのは、切り立った崖。

 

 鈴鹿の神殿は通路の最奥に位置しており、入り口から対面側には壁もなく、そして底の見えない崖が存在していた。

 その下はSE.RA.PHの最下層に繋がっており、不要なデータを破棄する廃棄場が遥か下方に広がっている。

 

 

「はぁ? 万が一を考えていないオレだとでも? 備えは万全だ。跳ばすぞ、リップ」

 

「えっ? あの、えっ――――」

 

 

 何の説明もなく、リップの背中に触れた。

 リップほどの質量を持つ存在であっても関係がないのか、瞬身を用いた空間転移はマーキングしてあった地点へと問題なく跳躍せしめた。

 

 それは切り立った崖の反対側。

 鈴鹿から刀を奪ったのち、戦いの推移を見守っていた地点である。

 

 

「あうっ! あっ、あっ、あわわ! あうぅっぅぅぅっ――――――――ふぅ……お、落ちなくて良かったぁ」

 

 

 崖のギリギリに転移させられたリップは、突然の出来事と胸と両腕の重さにバランスを崩し、崖の側へと倒れ込みそうになる。

 意のままにならない自分の身体に涙目になりつつも、両腕を振り回して何とか転落を免れた彼女は、凄まじい音と共に尻もちを付いた。

 

 

「やれ、リップ。お前のスキルの使い所だ!」

 

「えぇ!? だ、ダメですぅ! 私のトラッシュ&トラックじゃ、皆さんごと握り潰しちゃいます!」

 

「こた――――って、そういうことね! 違うわ、リップ! 貴方が狙うのは、()()の方よ!」

 

「えっ? えっ―――――あっ、い、行きまーす!!」

 

 

 虎太郎の言葉にメルトが先に気づき、リップも遅れて狙いを悟った。

 

 リップは視界に標的を収め、化け物足る所以の巨大な爪で包み込んだ。

 彼女の視点上において掌で包め、彼女が捉えれば、あらゆる強度、質量、大きさを無視して極小にまで圧縮する『怪力』の究極、トラッシュ&トラック。

 

 遠近法は無視した物理干渉は、神殿の足場を支えていた土台を大きく抉り抜き、数センチ四方のキューブへと変える。

 突如として土台を失った足場は、当然、崖へと向かって崩れ始めた。

 

 

「走れ――!」

 

 

 虎太郎の号砲に、全員が一斉に傾いた足場を登る。

 

 魔神柱は人類史の強度をゼロにするため、時代へと打ち込まれた錨にして起爆剤。

 その性質上、一度でも“柱”としての形態を取れば、その場から動くことは出来ない。

 ゲーティアは己がデザインした魔術師の子孫の遺伝子に因子を仕込み、或いはサーヴァントに取り憑かせることで、不動の性質を補ったのだ。

 

 ならば、足場をそのまま廃棄場に落としてしまえば、二度とは上がってこれない。

 

 いっそのこと全員で転移し、リップに握り潰させる手もあったが、それでは危険が伴う。一箇所に留まれば、魔神柱の“凝視”の餌食になりかねなかった。

 故に、魔神柱の視線を揺るがし、凝視を避けるこの方法がベストだろう。

 

 

「Giiiiiiiiiii――ッ!!」

 

「貴方がたと戦う猶予はありませんので、失礼――!!」

 

 

 先頭に立っていたガウェインは、魔神柱に脇目も振らず聖剣を一閃する。

 内蔵された疑似太陽が灼熱の劫火となって刀身を伸ばし、進行方向にあった壁を粉砕するどころか溶解させてのけた。

 

 これにて退路は確保された。

 彼等であれば、魔神柱の視線を避けて、足場が全て崩れ落ちるよりも速く、逃げ延びるだろう。

 

 だから、振り向かなかった。

 

 ガウェインとエルキドゥは信じていたが故に。

 キャットと鈴鹿は、そこまでの義理はなかった故に。

 

 ――だから、メルトだけが、殿を走る虎太郎を振り返ってしまった。

 

 

「――――っ!」

 

 

 今まさに廃棄場へと落ちる寸前の魔神柱が形を変え、槍の穂先の如く、虎太郎の背中へと伸びていた。

 

 

「マス――――」

 

「止まるな! 狙いはお前の方だ!!」

 

 

 本当に、ほんの一瞬。

 メルトが何としてでも助けねばならない人間の危機に生まれた僅かな意識の空白。

 

 それを見た魔神柱(くろまく)は、まるでメルトの行動を嗤うかのように、一斉に無数の瞳孔をすっと細める。

 

 やられた、と気付いた時にはもう遅い。

 メルトの背後――――入り口を塞いでいた魔神柱が形を変える。

 

 

「いやっ、メルト、ダメェっ……!」

 

 

 全体を俯瞰できるリップは悲鳴を上げた。

 

 魔神柱は頂きから半ばまで縦に裂け、花が開くような形状を取った。

 その内にも、外と同様に無数の眼球で埋め尽くされている。違いは、女陰を思わせる鮮やかな肉色と粘液の滴り、小さな牙か。

 

 ――魔神柱がうねり、メルトの頭から飲み込んだ。

 

 悲鳴もない。抵抗もない。

 完全に停止していた思考は、捕食をより速やかに終わらせた。

 

 

「…………――――」

 

「ki、キキ、キキキキキキキキキキキキキキキ――――!」

 

 

 蟲が顎を噛み合わせるような甲高い嗤い声。

 獲物を捉えた喜びによるものではない。無力で哀れな虫を潰した無邪気で残酷な子供が浮かべる嘲弄によるもの。

 

 明らかに自身へと向けられた嘲笑に、虎太郎は脚を止めた。

 既に足場は30度は傾いている。この場に留まれば、間違いなく廃棄場へと真っ逆さま。

 

 メルトを助けるために脚を止めながらも、無力な虎太郎に魔神柱の嘲笑いはより一層、増してゆき――――

 

 

「いや、この場にいるのはオレだけじゃないんですけど?」

 

「――――――!」

 

 

 ――――コイツ、どんだけ目先のことしか考えてないんだ、という虎太郎の呆れ顔に瞳孔が限界まで開かれる。

 

 

 メルトの行動は予想の範疇であったが、止められなかった以上は頭である虎太郎の不手際であろう。

 だが、わざわざ取り乱す必要性も、指示を出す必要性すらないからこその呆れ顔。

 魔神柱(くろまく)に嗤われる筋合いも理由もない。事の全てが終わっていないにも拘らず、白い歯を見せるのは三流以下の行為だ。

 

 そもそも、指示があろうがなかろうが、頭の意図を察することが出来るからこそチームと呼ばれるのだ。

 

 

「いけないなぁ、そういうことは――――――さぁ、良い声を聞かせておくれ……!」

 

 

 虎太郎とは逆方向。

 通路側へ既に立っていたエルキドゥは笑みを浮かべながら、魔神柱に手を触れた。

 

 無論、彼女の浮かべた笑みは喜びや愉悦とは異なるものである。

 

 エルキドゥは、メルトの心情をよくよく理解できる。

 壊れかけた神の兵器は自らを人と共に歩み、人に使われるものとして再定義した。

 そして、カルデアに至ってからは、呪い染みたものを残してしまった友から頂いた無二の価値を守るため、自らを女と再び定義までした。

 

 同じく、創造主にとって都合の道具として生み出されながら、自らの意志で創造主に反旗を翻し、現在は一個人への情を取った者同士。

 エルキドゥからの一方的なものであったものの、メルトの在り方、その献身は共感を覚えるものだ。

 

 虎太郎ならばまだいい。

 彼は利用こそするが、それはより良い道を歩むためであり、互いにとってより良い結末を引き寄せるからだ。

 

 魔神柱のように、虎太郎をただ嘲笑いたいがために――――その(こころ)を弄ぶ者は許せない。

 

 有り体に言えば、エルキドゥはプッツンきていた。

 どの程度にプッツンしているかと言えば、獅子王の余りの暴虐に単身聖都へと向かおうとした時並みにプッツンきている。

 

 

 ――エルキドゥの掌から、黄金の光が放たれる。

 

 

 それはエルキドゥの身に溜め込まれた魔力であり、抑止力であり、神気であり、怒りそのものであった。

 眩い黄金は魔神柱を貫き、飲み込まれたメルトの身体を無傷のまま体外へと弾き出し、巨大な風穴を開ける。

 

 虎太郎は弾き出されたメルトの身体を受け止め、そのまま魔神柱に背中を預けた。

 

 

「なぁ~る。あの娘がどうしてあんなのに献身的になるのかと思ってたけど、ああいうのされたんじゃ、仕方ないか」

 

「レディ・スズカ! 魔神柱の攻撃は全て視線によるもの! 眼球自体が弱点です!」

 

 

 傾いた足場を離れ、宙に浮かぶ宝剣を次なる足場とした鈴鹿は一連の出来事を見下ろしながら、優しげな笑みを浮かべていた。

 生前は、恋と愛に生きた身。怪物であったはずのメルトリリスを変えたものを十分に味わった先達としての笑みだ。

 

 既に安全圏へと退避していたガウェインは自らの手段では事態を好転できないと悟り、この中で最適の攻撃手段を有する鈴鹿へと、これまでの戦闘経験を伝える。

 

 

「かっしこまりぃ! 人の恋路を邪魔する奴は――」

 

「――フォックスに刺されて廃棄場(じごく)に落ちろ、なのだな!」

 

 

 もう一本の宝剣にしがみついた状態ながらもキャットは笑いながら声を張り上げる。

 まだ見ぬ主人を探す身であれ、キャットもまた乙女。鈴鹿に同調して檄を飛ばし、魔神柱を罵らずにはいられない。

 

 

文殊智剣大神通(もんじゅちけんだいしんとう)! 恋愛発破(れんあいはっぱ)――――」

 

 

 ――鈴鹿の右手が天へと掲げられ、黄金の宝剣が展開される。

 

 目で見えるだけ、ざっと数百。黄金の輝きを放つ刀の数はまだまだ増える。

 十重二十重の円形に展開された大通連。担い手の心意気を組むかの如く、その鋒が魔神柱へと向けられた。さながら、担い手の命を待つ、猟犬のように。

 

 

「――――『天鬼雨(てんきあめ)』!!」

 

 

 乙女の怒りの下に、号砲が下される。

 

 英雄王の宝物庫から射出される砲撃を連想させる刀剣の豪雨。

 いや、今この瞬間だけを見るのならば、英雄王の砲撃すらも凌駕しているだろう。

 宝具とて、担い手の心情が反映されるものだ。利便性と拡張性ならば、どう足掻いたところで英雄王の宝物庫が上ではあるが、鈴鹿の猛攻はこの時この瞬間において勢いだけは上回る。

 

 文字通りの滅多刺しの雀刺し。

 凝視を放つ暇すらない、目も眩む黄金の雨。

 

 その天気雨を、魔神柱の影に隠れてやり過ごした虎太郎は、最早、視線を向けるまでもない、と串刺しになった魔神柱を尻目に走り出す。

 

 既に地面の傾きは大抵の坂道を大きく上回っている。

 轟音と共に足場は滑り、徐々にではあるが、確実に奈落の底へと向かっていた。

 

 虎太郎はその窮地をメルトを肩に抱えたまま余裕綽々で走り抜け、足場の端から跳躍する。

 だが、悲しいかな、既に足場は傾きすぎて安全な通路側からは離れすぎていた。

 

 尤も、この程度のことを想定していない男である筈もなく。

 

 

「あらよ、っとぉ」

 

 

 手にしていた拳銃をガウェインへと向け、迷わずに引き金を引く。

 

 銃口から放たれたのは弾丸ではなく、アンカーと伸びるワイヤー。

 潜入工作の際、身体能力のみでは越えられない高い壁を乗り越える為にアルフレッドが設計を行い、虎太郎自らが作成したフックショットであった。

 

 ガス圧の圧力でアンカーを射出し、もう一度引き金を引くと超高性能モーターがワイヤーを巻き上げる仕組み。

 問題点は、モーターが高性能過ぎて、使用者の肩関節が外れてしまう恐れがあったことだが、これは身体を鍛え上げることでクリアした。

 

 

「――――むぅん!」

 

「おいお――――うわぁっ!」

 

 

 アンカーを難なく手で掴みとったガウェインは、虎太郎がワイヤーの巻き上げを行うより早く、その豪腕を振るう。

 ガウェインのバスターゴリラっぷりを甘く見ていた虎太郎は、急激に引き寄らせ、驚きの声を上げた。

 

 想定よりも遥かに速い勢いで地面へと着地した虎太郎であったが、脚の指先から股間に掛けての全ての関節を動員して衝撃を吸収させて事無きを得た。

 

 あとに残るのは、足場が崩れ落ちる轟音と、奈落へと落ちていく甲高い魔神柱の悲鳴。そして――――

 

 

「今度の演目は眠れる森の美女か……プリマに付き合うのも、楽じゃないな、全く」

 

 

 ――――意識を失ったまま目覚めない、眠る乙女(メルトリリス)だけだった。

 

 





はい、というわけで、御館様相変わらず登場人物を唆す&黒幕は碌なことをしないが御館様は余裕のスルー&乙女三人組ガン切れの回でした。

これくらいのコンビネーションは、御館様のカルデアでは打ち合わせ無しで出来るのでした。
鈴鹿とキャットがいても、仲間が勝手にフォローに回るので、問題なしというレベル。

それくらいにね、御館様と一緒に苦労してきたからね。御館様に振り回されてきたからね。当然だね。
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