「もしも苦労人がカルデアのマスターだったら」 作:HK416
今回のネロ祭り、オルタニキが大活躍。
やっぱ相性関係なくゴリ押しできるバサカは最高だぜ!
ドレイク船長、ジャック、嫁王様、エミヤ、皆もよく頑張ってくれた……!
まあ、エキシビジョンはメイブしかクリアできなかったけどな!
何とか最終日までにすまないさんと英雄王は倒したいが、礼装とレベル的に苦しいかなぁ。
それよりも、スカサハ師匠のピックアップはよ。フレさんの神性特攻でのアホ火力に惚れました!
ではでは、どぞー!
『これがッ! これがッ! これがカルデアの最後の三馬鹿だっ!』
カルデア食堂。
普段はブーディカやマルタ、ガウェインの嫁であるラグネル、その他料理を得意とする英霊達がその腕を振るい、皆が舌鼓を打つ共同スペース。
料理の種類は様々。
調理担当は現代の料理を覚え、レパートリーも増えているのである。
しかも、情報を集めるのはアルフレッド。塩少々、などという曖昧な表現は使わない。
イギリス料理はまずい? 馬鹿言わないで、美味しいものだって、ちゃんとあるんだから、ブーディカ。
大人数が一斉に食べられる一品モノ、定食なら任せなさい、マルタ。
菜食主義だったガウェイン様のために色々工夫してまいりましたが、お肉やお魚料理だって作れます、ラグネル。
この三人が作る料理が不味いわけないじゃない!
赤い弓兵が居たのなら、奉仕体質とブラウニー根性が相俟って、えらいことになっていただろう。
美味い料理というものは、心を豊かにさせるものだ。英霊であっても変わらない。
合縁奇縁が飛び交いながらも和気藹々、
食堂は一部を除いて、何とも言えない空気に包まれていた。
まず誰もが何一つ食べていないのである。誰もが食事を終えた訳ではない。その証明に誰一人として空になった皿や器、盆を持っていない。
皆の手元にあるのはただ一つ。ブラックコーヒーである。
「あぁ、シータ。やはり君は、誰よりも美しい……」
「やだ、ラーマったら! でも、ラーマも、とっても素敵。なんて、幸せなのかしら……」
椅子に座ったラーマとシータの睦み合いに、食堂に居たほぼ全ての者がペッ、と唾を吐いた。
ラーマとシータ。
アルジュナ、カルナの登場する「マハーバーラタ」と並ぶインドの叙事詩「ラーマーヤナ」のヒーローとヒロイン。
様々な冒険と苦悩、凶悪な魔王を超えて、遂に二人は結ばれた――――かに思われた。
しかし、ラーマの不徳と不審によって、二人の仲は引き裂かれ、悲劇的な末路を迎える。
その最後は、ラーマに掛けられた「同じ幸福を共有できない」という呪いのせいか。はたまた、二人はそういった運命であったのか。
ともあれ、この呪いは既にスキルと化しているほど。余りにも強力であった。
例え、死後であろうとも。例え、聖杯戦争であろうとも。決して出会うことのない別離の呪い――
――であったのだが、アルフレッドが一晩で解呪してくれました。
カルナにかけられた呪いですら解呪した機械神である。決して不可能ではないだろう。
そんなわけで二人はもう、生前から今まで溜まりに溜ったお互いに対する愛情をぶつけまくっているのである。
そして、もう一組。
「む、これは! また腕を上げましたね、ラグネル!」
「ふふ、喜んで下さって嬉しいです。それにお肉も入っているんですよ? 菜食主義なのは結構ですけど、時々で構いませんから、バランス良く栄養を取って下さい」
「何と出来た嫁でしょう。良妻賢母とは正にこの事! これは私も主義を曲げざるを得ませんね! もう一度ご飯頂こう。おかわり頂けるだろうか?」
「はい、勿論! ふふ、良妻だなんて、ガウェイン様も口がお上手」
「いえいえ、本心ですとも。何処かの下半身が怪物の友人とは違って、ラグネル一筋ですからね、私は……!(イケメンスマイル」
「が、ガウェイン様ったら、いけない人……!」
キャメロット一の鴛鴦夫婦(ガウェイン自称)が
その余りのラブラブっぷりに一部のサーヴァントはチッ、と苛立ちの舌打ちをする。舌打ちしたのは主に黒髭とモーツァルト、メディアである。
特に黒髭とメディアが酷い。最早、羨ましさと妬ましさでどうにかなってしまいそうだ。
黒髭は生前に無数の女は居たものの、その全てが自身の奪い取った財産にしか興味がなかったからこそ来る羨ましさに。
メディアは生前に神と
このままでは黒化も在り得るのだろうが、誰も止めない。止められない。
初めの内は微笑ましく、祝福と共に二組の馬鹿ップルを見守っていたのだが、こうも連日見せつけられては胸焼けを起こそうと言うものだ。
「いやー、今日もブラックの苦味が丁度いい加減だぜ(白目」
「本当にですねー。沖田さんなんて、砂糖を一切摂取していないのに病弱スキルに糖尿が追加されてしまいそうですよ(震え声」
「あの人ら、自室でやってくれませんかねぇ……(絞り出した声」
「コーサラの王子にせよ、太陽の騎士にせよ、生前は得られなかった、与えられなかったものが目の前にある。ああ、なるのも仕方あるまい(施しの英雄並感」
食堂の片隅で、駄弁っていたのはモードレッドと沖田、ロビンとカルナであった。
モードレッドと沖田の仲は良い。
同じセイバー同士というのもあるが、剣に対する思いが似ているからだろう。
騎士道における形式を排除し、ひたすらに効率と殺戮を追求したモードレッドの剣技。
剣術は理合ではなく気合と言い切り、剣が折れれば鞘で、鞘が折れれば拳で、拳が砕ければ噛みついていく沖田の剣技。
生まれも育ちも共通点などない二人だが、その天才性と至った結論は極めて近しいものではある。
故に、両者の関係は良好だ。
モードレッドはカルデアの先達として先輩風を吹かしながらも面倒見が良く、沖田も慣れない生活の中で良くしてくれるモードレッドを後輩として慕っていた。
お陰様で沖田は僅か三日で最終再臨、スキルも全強化済みに至った。モーさん頑張り過ぎである。
ロビンであるが、彼もモードレッドと仲が良い。
根底にあったものは違うものの、共に王位、王権、権力者へと反旗を翻した叛逆者である。
何より民草に対する思いも近しいものがある。ロビンは決して認めないが、心の在り様は騎士のそれに近い。
互いに、今のコイツの方が立派な騎士だよなぁ、と何とも言えない微妙な心情を抱きつつも、互いに認め合っていた。
そして、カルナは基本的に誰とでも仲が良い。
以前の彼であれば孤立してしまっていたのだろうが、ジナコというマスターからのアドバイス、今はアルフレッドと虎太郎との会話でコミュニケーション能力は磨かれ、一言足りない性質は鳴りを潜めている。
「あ、マスター。おはようございます」
「はいはい、おはようさん。珍しい組み合わせ――――でもないな。どうだ、沖田、此処での生活は?」
「大分、慣れてきた所ですよぉ。流石の沖田さんも、時代を越えると驚きを隠せませんね。知識はあれど、実感が伴わないというのは妙な気分です」
「そりゃそうだわな。モーさんも苛めてないだろうな?」
「イジメなんてするかよ。大体、そんなことしたらマスターが令呪で自害命令するだろうが」
「する。するよ。そんな下らない理由で内部分裂なんて許さないからね。不穏分子は即粛清が基本だからね」
「本当に容赦ないよな、お前!」
「あ、あははー、土方さんよりも酷い人とか初めて見るなー……」
「アレだけ仲良いモードレッドにすらこれだもんな。アンタの頭の中、どうなってんですかねぇ……」
「聞くだけ無駄だ。虎太郎当人がそれでいいと認め、元より他者の理解も共感も求めていないからな」
本日の朝のAランチを手にした虎太郎は朝の挨拶もそこそこに、4人の座っていたテーブルに腰を下ろした。
Aランチはブーディカお手製、エッグマフィンとローストビーフ。
どちらも朝食としては重めだが、食べやすいように味付けはさっぱりとしており、人気のメニューである。
「しっかし、大将、アレ、どうにかならねーんですか?」
「アレ? ああ、あの馬鹿ップルのことか?」
「二組とも夫婦だ。オレは何の問題もないと思うが……」
「問題はない……はないだろうけど、周りがなぁ」
「メディアさんなんて、この間、物凄い表情で睨んでましたよ。まあ、二組とも二人だけの世界に入ってしまって何の意味もなかったですが」
「オレとしては黒髭とかモーツァルトが何かやらかさないか心配ですわ。ラグネルは兎も角、王子に姫様は怒らせちゃいかんでしょ。曲がりなりにもインドだし」
「放っておいてやれよ。4人とも精神的に若いんだ。そりゃイチャイチャしたいだろ。ラーマは念願叶って、ガウェインは生前は騎士として生きたから妻との蜜月も少なかったろうしな」
「まあ、オレとしては意外だけどな。ラグネルと結婚させられた時のガウェインの表情ったらなかった。当時のオレですら見られなかったからな。父上も凄い申し訳なさそうな表情してたし」
ラグネルはガウェインと出会う以前に、魔女によって呪いを掛けられ、醜い老婆に姿を変えられてしまった。
紆余曲折を経て、二人は結婚し、ラグネルの願いとガウェインの誠実さによって呪いは解かれたのだが、どうやらガウェインには当時のラグネルの容姿は相当なトラウマとなっているらしい。
よって、ガウェインの好みのタイプは年下のボンキュッボン。いわゆるロリ巨乳というタイプだ。呪いの解けたラグネルの容姿と一致する。
虎太郎は二組の放つ桃色固有結界に何の興味も関心も示さない。
流石の黒髭もモーツァルトもメディアも羨ましいからと言って、手を出すほど馬鹿ではないと知っているからだ。
虎太郎の態度に、これは暖簾に腕押しと悟った4人はブラックコーヒーを啜った。砂糖塗れの口内には程よい苦味であったそうな。
「ふーっ、ご馳走さん。さーて、今日も過労死しないように頑張るぞぃやぁっ」
「大将、アンタがそれ言うと洒落にならないから止めて」
「気持ちは分からないでもないけどよぉ。何だったら、オレも書類仕事くらいは手伝うぜ?」
「え? モードレッドさん、書類仕事とか出来たんですか?!」
「よーし、分かった。お前がオレのことをどういう風に見てたのか、よく分かったよ、許さねぇからな沖田コノヤロー。こっちは政務もやってたっつの。まあ、そのお陰でキャメロット崩壊できちゃったんだけど……」
「そ、それは褒めればいいんですか? それとも罵れば……?」
「…………………………………………どっちも止めてくれ。ちょっと、その事に関して触れられたくないから(メソラシ」
「沖田さんや、モードレッドをイジめるのは良くないでしょーよ?」
「うえぇええぇぇええ!? これ、触れちゃダメな話題でした?! モードレッドさん、すみません!」
「いや、ホントそういうのいいから。ホント触れな――――」
「…………マスター」
「虎太郎…………」
「――――うわぁっ!? びっくりしたぁ!! 何だよ、お前等! あれぇっ!? シータとラグネルは!?」
「――――――ぐふっ」
「げはっ――――――」
自分の所業に対する罪悪感と、もし父上が来た時、どんな顔して会えばいいのか分からねぇ、と悲嘆に暮れていたモードレッドであったが、そんなものは一瞬で吹き飛んだ。
ゆらりと近づいてきていたラーマとガウェインに悲鳴を上げた。他の三人も、驚きすぎて声も出ないようだ。
それも当然である。何せ、二人の表情は完全に亡者のそれだったからである。いや、サーヴァントは皆、亡者なのだが。
ともあれ、幸せの絶頂から、この転落振り。一体、何があったと言うのか。
「シータが、シータがぁぁああぁああああ…………」
「ラグネルが、ラグネルがぁぁぁあぁぁぁ…………」
ドシャァ、と膝から崩れ落ちる☆4セイバー二人。もしくは馬鹿ップルの片割れ二人。
呆れた表情のモードレッドとロビン。
オロオロとし出す沖田。
完全な無表情で様子を眺めるだけの虎太郎とカルナ。
理由など考えるまでもない。シータやラグネルと何かがあったのだ。
「ま、まあ、そんなに泣かないで下さい。何があったんです……?」
(((あ~ぁ、やっちゃった……)))
泣き崩れた二人を見かねて声を掛けた沖田であったが、モードレッド、ロビン、虎太郎の反応は冷ややかだ。
実は、と語り出すガウェインとラーマ。どうやら、泣き崩れた理由は両者ともに同じらしい。
何でも、今日も今日とてイチャコラしていた流れで、
しかし――――
『『…………そ、それは、その、今日はちょっと』』
――――照れているのでもなく、本当に、本当に嫌そうな顔をして断られてしまったらしい。
「そんな理由で!? こんなに落ち込みます!?」
「止めとけ、沖田。新入りだから知らないのも無理ないけど、コイツラに付き合うだけ馬鹿見るぞ」
「そーそー。この前なんて、オレは惚気に3時間も付き合わされましたよ。大半は聞いちゃいねーでしたけど」
「お前、ほんとに付き合い良いよな。オレなら3秒で居なくなるぞ。コイツ等の場合、それでも一人で語り続けるだろうから問題ないだろ」
「虎太郎よ。いくらなんでもそれはドライ過ぎないか?」
「知るか。オレは忙しいんだよ。1秒だって無駄に出来るか」
「…………え? ま、マスター、もしかして、オレがゲーム誘ったりするの、迷惑、だったか?」
「バカヤロー! モーさんはいいんだよ! モーさんと遊ぶ時間は無駄じゃありませーん!(本心)」
「そ、そっか…………よかったー(ボソッ」
(モードレッドの奴、絆されてんなー。これ、いつ大将に喰われちまうのかな……)
(沖田さん、分かりました! 分かっちゃいましたよー! モードレッドさんも中々な乙女心の持ち主だと!)
(信頼と忍耐。やはり、どちらも素晴らしいな。…………女性関係に関しては、当人達が満足しているのならオレが口出しすべきことではない)
「ああ、何故なのです、ラグネル! 最近はとても悦んでいてくれたのに!!」
「シータ、……君に捨てられたら、余は、僕はぁぁああぁぁあああぁ…………」
ガンと拳で床を叩くガウェイン。
涙を流しながら、床に寝そべるラーマ。
この二人は本当に英雄なのだろうか? と眺める4人。
このカルデアは、皆、親しみ易い英霊達で構成されています。(そうしないと強制自害命令が炸裂するので)
「あー、もう五月蝿ぇな。お前等、下手くそなんだよ。下手くそ。セックスのド素人ですわ」
「な、何を仰る! 虎太郎の教授もあり、我々は並みの女性であれば自由自在にあひんあひんさせることが出来るのですよ!? まあ、ラグネル以外に使う気は毛頭ありませんがね!」
「そ、そうだ! シータも随分と悦んでいてくれたのだぞ。ふ、ふふ。むふふ、可愛かった。まあ、シータ以外に興味も関心もないがな!」
「あーあー、はいはい、ごちそーさん。二人にだってその日の気分だってあるでしょーよ。ほら、女は何かとあるだろ?」
「ふむ。しかしだ、ロビン。英霊たる彼女達に月経も何もあるものか?」
「あっ! 人がボカして言ったのに! ほらぁ、モードレッドと沖田の視線が……!」
「…………(ゴミを見る目)」
「…………(冷ややかな目)」
「………………………………………………済まない、失言だった」
女性陣の視線に顔を引き攣らせるロビンにションボリと肩を落とすカルナ。
誰よりも率直で、言葉を飾る必要性というものを理解していない。
歯に衣着せぬ言動は、ある種のデリカシーのなさとして映るだろう。
それでも、“まあカルナだからしゃーなし、ノーカン!”と冷たい視線だけで済んでいる辺り、彼が生前からどれだけ成長したか分かろうと言うものだ。喜べ、ジナコ。君との出会いと別れはカルナを一段成長させた。
徐々にコミュ力が上がってきて、コミュ力という言葉が嫌いではなくなってきたカルナはさておき――――
「バカヤロー。お前等な、其処に至る過程と事後もセックスの内なんだよ。そこら辺が分かってないね」
「…………なん、…………ですと……?」
「お前等ね、基本が戦士だの剣士だのだから気持ちは分からないでもないけどねぇ。戦いだって、その前の準備が全てを決めるじゃないか」
「戦の後だって、相手をすぐに支配できるわけじゃねぇーしなぁ。処理だの統治だの、すげー大変だよ」
「うーん、沖田さんはそこらへんは近藤さんや土方さんに任せきりだったからなぁ。よく分かりません」
「オレもドゥリーヨダナや他の者に任せきりだった」
「オレの場合は、書類関係じゃなくて、新しい矢とか毒の用意とか、情報収集とかだったかね。ぶっちゃけ、戦ってる時は必死で考えてる余裕とかなかったから、前と後の方が苦労してた気がする」
「それと同じだ。セックスは相手の好きな迫り方で迫って、相手の好みの抱き方をして、そして最後に相手の望んだ言葉を掛けてやるのが一番良いんだよ。そうやってドツボに嵌めて逃げられないようにするんだよ」
((((…………最後の一言で全部台無しになった))))
完全にヒモ男か竿師かヤクザの理論である。
もうコイツは、戦うよりも女のヒモとして生きていくのが最適解ではないのかな?
ともあれ、間違ってはいまい。いや、倫理的な意味ではなく、感情的かつ論理的な意味で、である。
かつて性交は次世代の命を生む神聖な行いであったが、時代が進むにつれて快楽を追求する側面が強くなり、性行為そのものに対して忌避感や嫌悪感が抱かれるようになった。
男であれ、女であれ、自身の乱れる姿など、相手に見られたくないと考えるのは当然のこと。人類は本能のまま生きるのではなく、理性と共に文明を発達させたのだから。
相手の好みに合わせてやれば、忌避も嫌悪も消え去らずとも、薄くなる。そして、性交もやがては相手の望んだものへと変わるだろう。
「まずは相手を入念に観察だ。何事も其処から始まる。お前等に足りないものは相手に対する思いやりだぁ!」
「くっ! 他人の事に全く興味のないような男が、いけしゃあしゃあと……!」
「――――待ちなさい、ラーマ。確かに、どの口でほざくのだ、と思うでしょう。しかし、しかし……!」
「……少なくとも虎太郎が抱いた女は、確かに幸せそうな顔をしているがな。この間、オルレアンの乙女は照れた表情で歩いていると思ったら、柱に激突していたが、まだ笑っていたぞ」
「あー、スカサハの姐さんも似たようなもんだな。メディアと酒を飲んでる時に、何か惚気てた。あの裏切りの魔女が呆れてたなぁ」
「メディアさん的には羨ましくない関係なんですかね。そういえば、ドレイクさんが珍しくスキップしてたのは、もしかして……」
「オレが見たのはマリーとブーディカが、両手で顔を挟んで首振ってるところだなぁ。マシュはマシュで、マスターと所構わず腕組んだりしてるしよぉ…………チッ(イライラ」
何故だかイライラしだしたモードレッドに、あっ(察し)となる三人であった。
だが、ラーマとガウェインはお構いなしであった。今の彼らは、愛しい妻のことで頭が一杯である。
妻の墓を暴いて手に入れた触媒を使用されると英霊の座からすっ飛んでくるほどの愛妻家であるオジマンディアスとは、さぞや気が合う事だろう。
「この通りです……! 我々は恋人として、夫として勝っていようとも、雄として、男として劣っているのでしょう! くっ……!」
「いや、ガウェイン、そんなに悔しがることじゃねぇからな? 円卓の騎士としての矜持はどうした?」
「何を言うのです! 円卓の騎士としての矜持? ハっ! ランスロット卿やトリスタン卿は矜持よりも愛を取りましたよ愛を! 所詮、その程度のものなのでしょう!? 今の私も愛を取りますよ!」
「…………お前、父上が来た時、それ言うなよ。泣くぞ、絶対泣くぞ」
矜持を鼻で笑い、愛を謳うガウェインに、モードレッドは頭を抱えそうな思いであった。
忠誠の騎士が、この有り様である。頭痛が痛い(間違いに非ず)のも頷ける。
アーサー王は王となった当初は理想の王として、騎士にも、民にも慕われていた。
しかし、当時のブリテンは様々な問題を抱えていたのも事実。先代が残した諸国との軋轢、終わりの見えない戦、広がる疫病、度重なる不作。
限られた手の中で最善手を、最適解を選んできたアーサー王であったが、機械の如き有り様は、人々には得体の知れないものと映り、やがては求心力を失っていた。
そんな中、ランスロットとの確執を抱え、王の最期に立ち会えずとも、彼の王の騎士であり続けたガウェインが、これだ。
アルトリアの号泣は必死だ。これでは、ごめんなさいを連呼しながら、またしても“やり直し”を願って聖杯を求めかねない……!
「くっ……! 何と言う事だ! 余は、シータのことだけを考えると嘯きながら、自分の事しか考えていなかったのか……!」
「コサラの王にしてアルタの治者よ。愛とはそもそも、そういったものだろう。相手の都合を考えられなくなるのも道理。何より、今の貴方は精神的に若い。仕方のないことだ」
「何を言うか、施しの! 独り善がりの愛など、評価にすら値せん! 生前と同じ過ちなど繰り返さないぞ、余は!」
「そうだよ。そんなことじゃ、シータに嫌われちゃうよ。オレに寝取られちゃうよ。多分、オレが本気を出せば、出来んことはない」
「やーめーろー! ブーディカを堕とした貴様が言うと洒落にならんわ!! 施しの、弓を持ていぃっっ!!」
「生憎と、今のオレはランサーだ。他を当たって貰いたい。虎太郎も、やる気もないのに不安を煽るような真似をするな」
「いや、コイツと殺し合いをしなければならない状況を想定してだな。オレなら、まずはシータから攻めるということを知って貰いたくてだな」
「そうやって、余を追い込み、精神的に襤褸雑巾にするつもりかぁ!! このド外道がぁぁああぁぁああぁぁあああっっ!!」
「どうどう、落ち着けって。大将が、そんな面倒な真似するわけないでしょうよ。もし、オタクが反旗を翻したら、令呪で即自害だよ。それが一番、楽で速いから」
涙目になりながら、地団駄を踏むラーマ。
インドの大英雄も、この有り様である。これにはラーマの大元であるヴィシュヌも涙目だ。
だが、インドの神々も大概クズなのだ。ギリシャ、オリンポスの神々に勝るとも劣らないレベルである。
カルナは必死で庇うであろうが、庇いきれないレベルだ。つまり、罵られても、涙目にさせられても当然の存在ということだよ!
「オレなら一度抱いた女は、“なあ、スケベしようやぁ”と言ってもベッドインできるからな」
「そんな最低の誘い文句で!? ある意味、凄い!!」
「それほど相手の好みのシチュエーションを把握しているってことだ。もう、セックスは誘う所から、いや以前から始まっているからなぁ」
「ぬ、ぬぅぅぅ! 流石の私も、ラグネル相手に其処までは……! これは――――――負けていられませんね!」
「然り! このような一夫多妻を地で行く男に負けていられるか! 一夫一妻こそ世の心理! 真実の愛だ!」
「どうしてこうなった! 沖田さん、困惑ですよ! マスター、止めて下さい!」
「無理言うな。馬鹿は止められないから馬鹿なんだよ」
「ラァグネェェェェルゥゥゥゥゥゥゥっっ!!」
「シィィィイイィィイィィタァァアアっっ!!」
そして、最愛の人の名を絶叫しながら、駆けていく馬鹿二人。
呆れかえることしか出来ない四人の溜め息が静かに響くのだった。
人類史焼却の阻止を目的としたカルデアメンバー。
崇高で正しい目的の元に集ったメンバーと言えど、馬鹿というものは何処にでも存在する!
そんな中でもとびきりイカれた三馬鹿を紹介するぜ!
まずは金時!
やること為すこと思考力に至るまで、小学生低学年並の馬鹿だ!
でも、三馬鹿の中では一番マシ! 他の馬鹿二人に惚気られて、照れ臭すぎて無口になるくらい初心なのは内緒だぜ!
次にガウェイン!
理想の騎士、忠誠の騎士としてのお前は何処に行ってしまったんだ! このカルデアではキングオブ馬鹿だ!
昼間は野郎どもと一緒に馬鹿をやり、夜はラグネル一筋の馬鹿! Fooo! 今夜も夫婦揃ってベッドの上でハッスルだ!
最後にラーマ!
基本的に礼儀正しく、頼りになる最優のサーヴァント《セイバー》なんだが、人目を気にせずシータとイチャコラしまくりさ!
寝ても覚めてもシータ、シータ、シータ! シータを連れていかずに戦地に行こうものなら大号泣しながらも大戦果を挙げるぜ! でも、白猿の呪いだけは勘弁な!
以上だ!
ラーマ
☆4セイバー。馬鹿(色ボケ)枠。準戦闘担当。シィィィイイィィイイイイィタァァァァアアァァァアっっっ!!!
モードレッド、ガウェインに次ぐ、セイバー。第五特異点修復後にメンバー入り。
モードレッドとガウェインはどのような戦闘であれ一定の成果を上げられる性能だが、ラーマの場合は対魔性に特化した性能を誇る。
彼の羅刹、魔王ラーヴァナを首狩りレースの末に勝利した強者。ラーマーヤナにおける妖怪“首置いてけ”である。
対魔性戦闘では、その経験を如何なく発揮。モードレッド&ガウェインからドン引き。沖田からは尊敬の目で見られている。
そんな彼であるが、カルデア内では馬鹿ップルの片割れと化す。その様は、三馬鹿の一人に相応しい。
生前の不幸、シータとの別離の呪いもないので、暇さえあればイチャコラしている。
周囲から不興を買っているが、全然気にしない。そんなものを気にしていてイチャコラなどできるものかよ!
性格的な相性は悪い。
それに傾倒し過ぎれば危険と分かっていてなお、正義足らんとするラーマ。
正義と悪に対して、所詮は他人の尺度と一切の興味を持たず、効率を求める虎太郎。
相性が良い筈もなく、ラーマには虎太郎の存在そのものが危険で邪悪なものに映る事もしばしば。
彼が協力しているのは“シータがいるから”であり“人類を救うため”。
初めは人類を救う為に渋々ながら虎太郎に従っていたものの、アルフレッドとキャスター組によって離別の呪いを解かれ、シータと再会。
FGOユーザーの皆さんは、彼とシータの再会を願い、シータの実装を待ち望んでいる方々も少なくないだろうが、ここでは一足先に召喚された。
それからはもう、世界の救済を目的にしながらも、シータに良い所を見せるぞ、とはりきっちゃってはりきっちゃって。虎太郎の事とかどうでもよくなりました。
それでも、虎太郎の行動に目を光らせている辺り、アルフレッドとジャンヌからは頼りにされている。
最近、一番ショックだったのは、今回の件。
いかん。いかんよ。いくら性技の腕前が上がったからって、相手が受け入れてくれるとは限らないからね。ドツボに嵌めてからハメハメしようね、と虎太郎の弁である。最低だ。
「マスター、汝のような男に頭を下げるのは甚だ不本意だが、一つ頼みがある……!」
「頭下げてねぇじゃねぇか。気持ちは分かるのでスルーしてやるが。で、なんじゃらほい?」
「う、うぅ、貴様の性技を余に教えてくれ……!」
「…………なんでやねん(精一杯のツッコミ」
「シータに、シータに、夜の戦いで勝てない……!(涙」
「女に主導権を握らせるのもいいと思うが…………それはそれとして女をあひんあひん言わせるのは男の義務だからね。しょうがないね。よかよか、ここは一つ協力しよう。しっかし、無敵のインドに性技教えるって、オレは何をやっているんだ(遠い目」
シータ&ラグネル
☆4アーチャー(妄想)&☆0キャスター(妄想)。イチャコラ枠。
ラーマの嫁とガウェインの嫁。
実際にゲーム本編で登場しているのはシータだけ。ラグネルは名前すら出てきません。
シータは本編同様に芯の強い薄幸の美少女。ラグネルはほんわかロリ巨乳をイメージ。
妄想だが、シータは戦闘ではスター生産能力が高く、ラーマのサポートとなるスキルで固まっているイメージ。
ラグネルの方は戦闘に関する逸話もなく、本来は英霊と呼べる存在ではないので、戦闘は出来ないし、ガウェインがマジギレするのでカルデアで待機。
あくまでもガウェインへの労いという意味で召喚された。その際は、メディアを筆頭としたキャスター勢とアルフレッドが死ぬほど頑張った。
最近、一番の悩みは、夫のアレさ加減。
確かにカッコイイ時はカッコイイのだが、普段が馬鹿すぎて、ちょっと引いている。
でも、イチャコラするのは二人とも大好きなので、何も言わない。言えない。二人で夫への細やかな不満を漏らしたりするくらいに仲が良い。
沖田 総司
☆5セイバー。ツッコミ&苦労枠。ええ、ビームは出ません。
彼の人斬り集団、壬生浪の一番隊組長。
モードレッド、ガウェインの宝具が広範囲を薙ぎ払い、大量の敵を一気に殲滅できる性能を誇る為に、敵を一点に押し留める追い込み役として召喚された。
ビームを撃てないセイバーだが、その分だけ純粋な剣技という点においては凄まじい腕前。モードレッド、ガウェインも一歩どころか二歩劣るレベルである。
英霊中最高クラスの技量であろうカルナ、スカサハにすら迫るほど。天才という自覚のない天才。
戦闘時は冷徹で無慈悲であるが、日常の中ではおっとりとした年相応の少女。
誰とでも仲が良く、誰とでも仲良くなれる。アステリオスとは別の意味で天使&癒しでもある。
性格的な相性は良好。
生前、土方という拷問でも何でもやった人物が近くにいたので、御館様にも好意的。
なのだが、土方ですら躊躇しそうなことを平然と仕出かす御館様に戦慄している。あと女好き加減も勝っていることが戦慄に拍車をかけている。
戦場では何でもあり、が信条のようなものなので、どのような手段でも肯定している。肯定しているのだが、もうちょっと手心というものを、というのも本心ではある。
彼女が協力しているのは“今度こそは最後まで戦い抜く”という未練故。
生前、病弱故に最後まで仲間と戦えなかったことこそが英霊としての彼女が剣を執る理由。
例え、道半ば、志半ばであったとしても、彼女は決して引かないだろう。況してや、人類の救済という理由であるのなら尚の事。
御館様には喰われていない。まだそういう雰囲気になっていません。
そもそも沖田さんは、色恋とかそういうものはよく分からないです、というのが本人談。う~ん、これは鴨じゃないですかねぇ……?
最近、一番聞き入ったのは、虎太郎に喰われてしまった女性陣の愚痴大会。
ジャンヌやマルタの聖女組は、どうしようもない奴と呆れながらも、まんざらでもないご様子。
マリーやブーディカの王女、王妃組は流されている自分に照れながらも、まんざらでもないご様子。
ドレイクやスカサハの大人組は、虎太郎の女好きっぷりに苦言を呈しながらも、最終的には良い男に落ち着いて、まんざらでもないご様子。
ほう、ほほぉう、とドキドキしながら聞いていた沖田さん。これはモードレッドさんには聞かせられませんねぇ、と思っていた沖田さん。
まあ、自分は関係ないですけどねー、などと思っていたようだが、ああ、これは鴨ですわ。
「マスターは優しいですね。人斬りの私に優しくしてくれたのは、近所の子供くらいのものでしたから……」
「…………オレよりも色々な意味で人斬りの方がマシだから、当たり前じゃねぇ?(真顔」
「……………………………………………………そうですね!(白目」
という訳で、カルデアイチャコラ組&三馬鹿最後の一人が登場。
おい、聞いてくれよ。三馬鹿なんだけど、全員、属性が秩序・善なんだぜ? 信じられるか? 秩序・善とは一体……!
ともあれ、ちょっとインパクトが薄かったかなぁと思いました、まる
その他の思い付いた馬鹿候補。
サンソン→何故だかアサシンじゃなくてバーサーカーとして召喚されるマリー馬鹿。女が全員マリーに見える的な意味でのバーサーカー。見境なしか。
佐々木 小次郎→各人の地雷を踏み抜いていく系の馬鹿。えぇー、本当にござるかー? が口癖。その後、各人に制裁されるのがデフォ。
と大体、こんな感じ。