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*報告書 件の鎮守府調査について*
以前より、不審な行動をしていた鎮守府を
調査予定であったが、
対象への移動中に、同伴の
加賀が深海棲艦の影を件の鎮守府方面より確認。
優先事項を変更後、
これらを殲滅。
加賀一隻のみで対処できたものの
こちらも小破の被害を受けた。
鎮守府に関しては
我々が駆け付けた際には、半壊状態であった。
不可解な点として
挙げるならば、『誰も』いなかったという点だ。
通常、鎮守府には大勢の『艦娘』が配備されて然るべきだが
当の施設には、誰ひとりとして確認出来ず。
残骸から、衣服等が確認できたが
それも僅か。
艦娘に話を戻すが、半壊状態のアレならば、
少なくとも小破等、
ダメージを受けた艦娘がいても
おかしくは無いはずだが、確認されず。
また、該当鎮守府の責任者である
○○提督の姿も確認出来ず。
その行方は不明のままである。
加賀の修復が終わり次第
再調査を行う予定である。
―了
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煙草に火をつけて
瓦礫を踏みしめながら
彼に近づく。
「よう」
生きてるのか死んでるかも
わからんなこれ。
「あの、時雨ちゃんだっけ?あの子
ちゃんと施設に届けたぞ。」
「それにしても、あの
正規空母の加賀だっけ?ありゃすげぇな
深海棲艦、跡形も無く沈めたじゃないか。」
さっきの圧倒的な戦闘を
影で見ていたが正直
戦慄した。
血まみれの彼を
見下ろす。
あんなに白い士官服が
赤黒く染まっている。
「グロいな。」
頭を掻く。
「病院にぐらい連れてってやるよ。
感謝しろよ。」
右腕の付け根を
包帯できつく縛って止血した後
彼を背負って
再び、歩き始めた。
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風が冷たいです。
そよそよと
鼻をくすぐられるような
感覚で目を覚ました。
気がついたときは
ベッドの上
見慣れない天井
鎮守府の医務室とは違って
清潔な匂いです。
それに混じって
花の香りも漂ってきました。
こんなに瞼を開けるのも
辛いなんて
新鮮な感覚でした。
顔を動かす、ぼやける視界を左に向けます。
ベッドの横にある、小さなテーブル。
そこには花束、フラワーアレンジが飾られていました。
―ガーベラ
「彼女」が好きだった花。
「彼」はこの花を思いだすように
執務室に飾っていましたが…。
「不知火ちゃん!
良かった…意識が…。」
病室のドアを開けて
こちらに小走りで近づく
青い、綺麗なドレス。
愛宕さん?
その緩いウェーブのついた長い金髪には
本来の艶が戻っていました。
目にも光を
取り戻したように潤んでいます。
―おはようございます
口をあけて
声を出しました。
?
おかしいです。
声が出ません。
もう一度…
喉が震えてくれません。
空気が漏れるような音が出るだけです。
「不知火ちゃん…やっぱり。」
落胆したように、彼女は肩を落とします。
「大丈夫、きっと声は出るようになるわ。」
不知火は自分の喉に手を当てました。
包帯がグルグルと巻きつけられています。
思い出しました、不知火は
あの時、司令に…
「あんな、男の事は…
もう思い出さない方が良いわ。」
「?」
「あなたが眠ってる間に、『アイツ』は
次々に艦娘を、私達の仲間を解体したの。
もう、今の鎮守府には時雨ちゃんしかいないの…
なんで、あんなとこに居続けるのか。私には
わからないわ。」
「人の皮を被った化け物って
あいつみたいな事を言うのね。」
「―」
愛宕さん。
違います。
不知火は知っています。
司令が、艦娘を傷つけた日の夜は
独りで、ずっと泣いていたのを
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