記憶が戻る感覚、
幾重にもかさねられたフィルターが
一枚、また一枚と
少しずつ剥がれ落ちる感覚。
明瞭になるソレ。
最初に感じた、
記憶が戻る快楽
平和な、皆が柔和な笑顔を浮かべて
過ごした日々
突如
暴力に走った自分
思い出す度に
吐き気を催す
目をそむけたくなる真実
しかし、記憶は容赦なく
彼の脳を蹂躙する。
彼女達、艦娘に対する
虐待の数々
(嘘…だ)
(違う…私じゃない…)
(あれは…私じゃ…ない…!!)
(誰か…嘘だと、言ってくれよ)
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白
白
白
…目が痛くなるほどに
真っ白
「…」
「…」
戻ってきた…。
しばらくなにも考えられなかった。
拘束された意識の中で
次々と流れ込んできた
視界の数々、
聴覚に残り木霊する
艦娘の嗚咽と悲鳴
恐る恐る
すぐ右横に目をやる
膝立ちで呆然としている
私を見下ろすように彼女は佇んでいる。
悲しそうな
表情で…。
「…ごめん」
私は何を言っている?
ごめん?
こんな一言で許されるとでも
思っているのか…?
「不知火…」
「『僕』は…ぁ…ぁ」
寒さをこらえるように
両肩を抱きしめ、うずくまる。
「あ…ぁぁぁ」
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ご…な…いぃ…
もう、とにかくどうする事も出来ず
ただただ
謝るしかない…
こんな事で
許されるはずもない…
許されて良いわけがない…
私は僕自身を許せない
「…。」
うずくまった視界に
不知火の靴の先が見えた。
震える体から
首を擡(もた)げる
そこには
鋭い眼光の彼女。
彼女が身を屈めると
思わず体を震わせる。
何をされても構わないと覚悟はしていたが
いざ、そのような挙動をとられると
反応せざるを得ない。
右手が顔に近づいてくる。
最初は殴られるのか
安いものだ
目を瞑る
「―」
「―?」
頬に感じる温もり
「な…んで?」
不知火は手袋に包んだ両手を
私の頬に優しく添えていた。
手袋越しに感じる優しい体温
彼女は目を細めて、
口を動かした
『だいじょうぶ』
「?」
たしかに大丈夫と口の動きから
把握できた。しかし、何が大丈夫だと?
そういえば、あの扉は?
ここで再び目を覚ましてからあの
扉は見なくなっていた。
最初から存在していなかったかのような…
「私は…だって…君は…」
言葉を紡ぐ
「死んだ…んだろ?」
首が締め付けられるような
息苦しさを感じた。