地底に行くすべを得たセシルはゴルベーザと熾烈なクリスタル争奪戦を繰り広げる。
時には敵の本拠地であるバブイルの塔に潜入し、最強の四天王といわれたルビカンテを討ちとるという功績も上げたが、相手が一枚上手である事が多く、全てのクリスタルを揃えられてしまう。
一方、セシルは月に招かれ、月の民フースーヤと出会う。
そこで、全ての黒幕ゼムスの存在とその目的を知り、フースーヤはゼムスに操られたゴルベーザの洗脳を解くためセシル達に同行した。
バブイルの巨人内部。
セシル達は、フースーヤのアドバイスに従い、内部へ入り、内側から巨人を破壊する作戦に出る。
この事は、敵も読んでいるだろうから、最大戦力で迎えうってくることが予測され、実際、ゴルベーザは、配下の四天王を従え、セシル達を待っていた。
「待ちかねたぞ。」
対峙するなり四天王の一人である火のルビカンテが口火を切った。
四天王は横一列に並んでおり、ゴルベーザは後ろに控えている。
カインは、バルバリシアが生きている事実をどう説明するか悩んでいたが、過去に倒した四天王が揃って復活しているので、釈明する必要はなくホッとしていた。
「先の戦いでお前たちに教えられた。
力を併せるということをな!」
四天王のリーダー格であり、紳士であり武人肌であるルビカンテが何処か嬉しそうに口上を述べ始める。
過去の戦いで四天王はそれぞれが単独で戦っていたため負けを喫したと反省し、今回は総力戦で挑んでくるのが窺えた。
「さあ、回復してやろう」
互いにベストコンディションで戦おうという、ルビカンテの心意気。
ルビカンテは、早く戦いたくて待ちきれないのが誰からも見てわかったが、一人の忍者が空気を読まずに口を挟んだ。
「セシル! 悪いが、俺はルビカンテとさしでやらせてもらう!」
「え?」
セシルは戸惑い、カインも、お前は先の口上を聞いてなかったのか!? 思わず叱責したくなる。
しかし、紳士であるルビカンテは、エッジの自分勝手な振る舞いに大人の対応をした。
「エッジよ、皆を困らせてはならん。
我々は互いに力を合わせ、共に死力を尽くして戦うのだ。
わかるな?」
「ルビカンテ! この前の俺と同じだなんて思うなよ?」
エッジは話を聞いてない。
「お前の、さしで私と戦いたいという覚悟は買おう。
だが、我々もここは力を一つにして戦わねばならんのだ」
ルビカンテがエッジの意向を尊重しつつ、なんとか諭そうと努力する。
しかし、ルビカンテも腕を上げたエッジとさしで戦いたいのか何処かそわそわしていた。
「俺の必殺技を真っ先に見たくねーのか、この日のために編み出したとっておきだぜ?」
「……総力戦!」
ルビカンテは自分の気持ちを押し殺して、総力戦を再度要求するが、エッジは一対一じゃないと嫌だといわんばかりに駄々をこねはじめた。
セシルは苦笑いをしながら、ルビカンテを見る。
その視線は『相手をしてあげてくれないかな?』と懇願しているようでもあった。
「受けてあげたら?」
見かねたバルバリシアが、口添えをした。
「受けよう!」
「そうこなくっちゃな、俺達の戦いに巻き込まれちゃ周りがかわいそうだ。
場所を変えさせてもらうぜ?」
「承知!」
エッジは後方に大きく飛び退き、ルビカンテがその後を追う。
総力戦の話はこの時、なかった事になった。
「相手の弱みに付け込めないのがルビカンテ最大の弱点だ。
だが、その心を失っては最強にはなれん」
相手側の総大将であるゴルベーザもルビカンテの離脱を認める発言をする。
場が白けかけたが、カインにとっては好都合であり、すかさずセシルに話しかけた。
「セシル。
あの女と空中戦でやりあえるのは俺だけだ。
俺が奴を引き受けよう
お前は残る二体と戦ってくれ、ゴルベーザは……」
カインはスカルミリョーネとカイナッツォの二人とセシルが戦う様に促し、フースーヤの方を見た。
フースーヤは黙って頷く。
「わかった。
ローザ、リディア、君達は僕のサポートに回ってくれ」
「ええ。」
「任せて」
セシルはスカルミリョーネとカイナッツォの二人と対峙する。
カインは槍の切っ先をバルバリシアに向け、エッジ同様、後方に飛びのきエッジとは逆の方向へと後退する。
バルバリシアはその後を追った。
「ふむっ……」
派手な総力戦が行われると思っていたゴルベーザは主力が分散してしまうという展開にとまどったが、それを考える間もなく自分を老人が見据えている事に気がついた。
「何だ貴様は?」
フースーヤは問いには答えず、最強の白魔法と呼ばれるホーリーをゴルベーザに放った。
ゴルベーザはホーリーを弾き飛ばしたが、相手が只者ではない事を実感する。
「貴様が私の相手というわけか」
ゴルベーザはフースーヤの魔力を感じとり、戦闘態勢に入った。