魔導船で月に渡ったセシル一行は、ゼムスを倒し無事帰還した。
まず、先行して最深部へ到達したゴルベーザとフースーヤがゼムスを倒し、ゼムスの怨念がゼロムスとなりゴルベーザとフースーヤを倒した。
そのゼロムスとセシル達の最終決戦となる。
既にゼムスの洗脳を受けていたカインはここで敵に寝返り、セシルは窮地に立たされた。
瀕死の重傷を負ったゴルベーザであったが、何とか力を振り絞りカインの洗脳を解く事に成功。
セシルは、激闘の末ゼロムスを討ち果たした。
カインは土壇場で味方に牙を向き、全滅の危機に陥れた事実に自害を決意するが、それもセシルの手によって阻まれる。
罪悪感に耐えられなくなったカインは、今まで犯してきた罪を全て告白した。
ゴルベーザに洗脳され、ファブールでセシルを一騎打ちで倒した事を始め、クリスタルの強奪に様々な献策を行った事など。
セシルはそれらも全て許したが、帰還と同時にバロンを去った。
そして現在、カインは人目を避ける様にして試練の山に移り住み、心身を鍛えるため修行に励んでいる。
新しいバロンの王セシルとローザの結婚は、世界中に知れ渡る。
世界中に発信された御触れの中に、さりげなくカインに結婚式の出席を求める一文が隠され、カインもそれに気付いたがカインが式に向う事はなかった。
「セシル、ローザ……
今の俺には、お前たちを祝福することは出来ん。
この試練の山で技を磨き、父を超える竜騎士となった時には、バロンに戻れそうな気がする。
それまでは……」
試練の山の崖からバロンがある方角を見て呟くカイン。
「行かなくていいの?」
バルバリシアもカインと共に試練の山に移り住んでいた。
「ああ」
「向こうはお前に来てほしいと思っているわよ?」
「だが、会わす顔がない」
「無理してない?」
「まあ、多少はな……
だが、俺自身の心の弱さが招いた結果だ」
「そう、まあこれ以上は何も言わないけど」
しかし、カインは思う。
もし、自分の心が強く、ゴルベーザの洗脳をはねのけるくらい力があったらどうなっていただろうか?
過ちは犯さなかったかもしれないが、セシルの仲間としてバルバリシアと戦い、そして殺めていたかもしれない。
「この地にこうして二人で立っているという事が奇跡かもしれんな……」
「お前はいきなりどうしたの?
結婚式に行けなくて、傷心しているそんなお前に本当の奇跡を教えてあげようかしら?」
「本当の奇跡?」
「ほほほ……」
バルバリシアはお腹をさすって見せた。
――
12年後、銀髪の少年が赤い翼の新米兵士として飛空艇に乗っていた。
アダマン島で試練を済ませ、バロンへ帰還中、大量の魔物に襲撃を受け、飛空艇は墜落。
一人生き残った少年はそれでも徒歩でバロンへと向かおうとするが、帰還は絶望的だった。
そんな少年を、金髪碧眼で槍を携え風を操る長い髪をした竜騎士の少女が助けた。
この話で完結です。
妄想全開の話ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。