カインがバカっぽいですがご了承ください。
カインが試練の山で暮らしている。
試練の山は土地が痩せており、食べられる物は殆どない。
なので、カインは山を降りて獣を狩ったり、果物を採集したりして食料を確保している。
ただ、それだけでは、飽きが来ることもあり、狩った獣を近隣のミシディアで売り払いお金を得ていた。
その金を使ってミシディアで生活の必需品を買う事もあれば、お菓子なども買っている。
今日は何気なくお土産を扱う店を物色していた。
「む!? これは?」
カインの目にある物が止まる。
中々の高額という事もあり、カインはかなり長い事思い悩んだが、バロンの時代の貯金があるため思い切って購入した。
「お帰り、今日は随分と遅かったわね」
試練の山に建てた山小屋の様な家へと帰ってくるカイン。
家では、バルバリシアが食事の仕度をしていた。
「すまない、ちょっと買い物が長引いた」
「そう、食事にする? それとも入浴? それとも私?」
バルバリシアが妖しく笑う。
「フッ……是非、お前と行きたいがその前に……」
カインはテーブルの上に本日ミシディアで買ってきた物を置いた。
「これは!?」
驚愕するバルバリシア。カインが買って来たもの、それは服だったのだ。
ただし、普通の服ではない。
今でもミシディアの魔道士が親しんで着る、黒魔道衣と白魔道衣は勿論、今では廃れてしまった赤魔道衣、青魔道衣、時魔道衣まである。
いきなり、民族衣装の様なものを見せられ少しひいてしまうバルバリシアだった。
「それで?」
「お前に着てほしい」
「何で?」
カインの要望に少し戸惑うバルバリシア、彼女からしてみれば、カインが急に変態になったようにしか見えない。
「お前のその格好は最高だ」
そう言って腰に手を伸ばしバルバリシアを抱きよせる。
「だが、オシャレをしたお前も見たいんだ」
カインはいつも、同じ格好しているバルバリシアに飽きを感じていた。
絶世の美女なのだから、もっと色々な格好をして欲しいのである。
「オシャレねえ……」
バルバリシアはこの言葉に不満を覚える。
時々、つけている髪飾りや首飾りといったアクセサリーを代える事もあるがカインは全くといっていいほど気付かない。
それに、オシャレというより、どちらかというとこれはコスプレであり、何か違う気もする。
「……嫌か?」
捨てられた子犬の様な顔をするカイン。
バルバリシアは少し悪い気がしてしまい承諾する事にした。
「わかったわよ。着ればいいんでしょ?」
「それでこそお前だ」
カインは心底嬉しそうにした。
「はいはい、じゃあ赤魔道士から……」
バルバリシアは服を持って鏡のある部屋へ向かい、しばらくしてから赤魔道衣を着て戻ってきた。
赤魔道士特有の赤い羽付き帽子も被っている。
「どう?」
「うむ、綺麗だ」
バルバリシアは服を着る事に慣れていないのか少しぎこちないし何処か恥ずかしそうにしている。
その恥ずかしがっている姿がカインの目には可愛く映った。
「何を恥ずかしがっている?」
「服なんて普段着ないし、上手く着れているかどうかが気になって」
「お前のいつもの格好の方がよっぽど恥ずかしいと思うが? いや俺は全然構わんが」
「慣れって奴かしら……
まあいいわ、次は青魔道士を着てくるわね」
「うむ」
青い服を着て戻ってくるバルバリシア。
「おい、アイマスクをつけ忘れているぞ?」
「流石にそれは恥ずかしいわよ!」
「それをつけないと青魔道士じゃないだろ!」
「この変態がっ……」
バルバリシアは渋々、仮面舞踏会で使われる様な青いアイマスクをつける。
「うむっ!」
カインは満足そうにバルバリシアを見据えた。
「ねえ、このアイマスク、本当に青魔道士のアイマスクなの?」
「何を疑っている?」
「いやだって、このバタフライを象ったアイマスクを魔道士がつけるかどうか疑問だったから」
「青魔道士のつけるアイマスクで間違いない、色も青いだろう? それより次だ次!」
それから、バルバリシアは三角帽子を被る時魔道士や、定番の黒魔道士の格好をしてカインの前に立った。
「じゃ、これで終わりね」
「おい! 白魔道士がまだだろ!」
少し怒ったように言うカイン。
カインは最も白魔道士を楽しみにしていた。
「嫌よ!」
一方バルバリシアは白魔道衣を着るのだけは嫌がった。
白魔道士といえば、カインのかつて想い人、ローザのジョブであり、そのような格好をすれば比較されるのではないかと思ったからだ。
「誤解するな! ローザとお前を比較したりはせん。
それにこれは、ただの白魔道衣じゃない!」
カインの言葉に力が入る。
ただの白魔道衣じゃないと言われ、バルバリシアも衣装に興味を持った。
「普通の白いフードとマントに見えるけど?」
「よく見ろこのフードを、今では廃れたらしいが、これは高位の白魔道士である導師がつける白魔道衣だ」
カインがフードを手にとって見せると、フードにはネコミミのようなものがついている。
「えーと……」
「着てくれ」
カインは真顔で頼み、バルバリシアは渋々承諾した。
ネコミミがついた白魔道士の格好をしたバルバリシアを見て、カインが竜騎士から獣騎士にジョブチェンジするのには左程時間がかからなかった。
理性はとっくにリミットブレイクしバルバリシアに襲いかかる。
「ちょ……ちょっと、まだ着ているんだけど」
マントの上からバルバリシアの体をまさぐっていくカイン。
「いや、着たままがいいのだ」
ネコミミフードをつけたバルバリシアの顔を見つめ、真顔で言いきるカイン。
バルバリシアはその顔に圧倒される。
「……わかったわ、着衣したままがいいのね?」
「ああ、これから時々は今日買った衣装を着てくれ。
その方が燃えるからな!」
「でも、そんなに似合っているとも思えないけど?」
「何を言うか、美人は何を着ても似合う、だからこそ美人たる所以なのだ」
「ふうっ……もう好きにしたら?」
「それでこそ、風の……いや俺のバルバリシアだ」
カインは手を膝まで持っていきバルバリシアをお姫様だっこすると。
ベッドまで運び行為に及ぶ、さっさと中で出すと、疲れているのかそのまま寝てしまった。
「全く……
こんなアンデッドモンスターばかりいる山に篭っていればこうなるものなのかしらね」
バルバリシアは出すだけ出して寝てしまったカインを不満そうに眺める。
「こんな煩悩全開じゃ、聖竜騎士とやらになるには何年かかるのやら……
私は別にそれでもいいけどね」
バルバリシアは寝ているカインにキスをした。
これで本当に最後としたいところですが
意欲が沸けばまたなにか書くかもしれません。