※この作品はR-18です。

錆びた涙   作:卵白

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こちらでは
初の台本形式の作品となります。

よろしくお願いします。


供物

 

 

 

 

 

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  僕たちもわたしたちも外へ出て遊ぼう

  月の光が昼間のように明るいよ

  大きな輪っかや小さな輪っかを

  元気いっぱい転がして遊ぼう

  食べたり寝てたりしてるより

  友達と遊ぶほうが楽しいよ

  はしごを上ったり塀から飛んだり

  おなかがすいたらパンを食べよう

  でもパンがなくなったらどうしよう?

  そのときにはまた働いて稼ぐんだ

 

 

 

 

出典:マザーグース「Boys and girls」より

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―さぁさぁ、お集まりの皆さん!

新製品紹介のお時間です!

お手元の資料をご覧ください!

 

 

 

 

 

 

 

うるさい…

 

 

 

 

 

少し、ハウリングした後に

『我々』を作った会社のスタッフが喉を振動させ

マイクを通して声を発する。

 

 

 

 

 

 

 

我々にスポットライトの光が当たる。

人工の光であるそれはあまり優しい明かりではなく

無機質な冷たい光。

 

 

 

その光で

目の前の鉄格子に自分の姿が映る

半袖の白いシャツ、半端丈の白いボトムス…

そこから覗く

この両手、両足の特殊な塗装を施された黒光りする

義手や義足はその光を

薄暗く鈍い光として照り返す。

 

 

 

 

左目の義眼がその光の『光度』を数値化し、視界の端に

表示する、念のために脈拍を確認する、

明らかに人では成しえないその機能。

 

 

 

 

 

任意に

『光度』『脈拍』『体温』

その他己の身体情報を次々に視界に表示させ

確認した後に表示ウィンドゥを閉じる。

 

 

 

 

 

 

―今回、ご紹介する製品は『こちら』!

 

 

 

 

 

 

 

パーティー会場。

敢えて言葉を選ぶなら、そう形容できるが

そこに立ち込める空気はドッシリと重い。

 

 

 

 

 

幾つも不規則に並べられた清潔なクロスを被せられたテーブル

その上に、用意された様々なご馳走、

 

 

 

 

 

魚料理

 

肉料理

 

中華

 

和食

 

洋食

 

ワイン

 

日本酒

 

ウィスキー…

 

 

 

 

 

重いどんよりとした空気のせいか

それらは全て、まるで恐れを成す邪神に捧げる

供物(くもつ)のように見える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『兵器』を紹介する空気とはこんなものか…。

 

ライトに照らされるステージ、

その上に立つ、私を含む3つの陰。

 

そのなかでも私は中心にいた。

 

右隣に視線を移すと禿頭、顔面蒼白の少年。

 

血が通っているようには見えない。

 

酷く、顔色が悪い。

 

蝋人形のように無表情。

 

 

そして、同じ様な義肢。

 

 

 

 

 

両手に視線を落とす。

 

鉄の手首に、異なる素材の金属で作られた

特殊な合金製の手枷。

 

 

 

視線を正面に戻す。

目の前には天井から床にかけて伸びる鉄格子。

 

 

 

 

 

 

その向こうには、

 

前述したテーブルの上に奉られた料理、酒に手を伸ばしつつ

こちらに視線を向ける

立派な髭を蓄えた老人。

高そうな、ドレスに身を包んだ貴婦人、

髪をツーブロックに分けた、資産家の息子。

でっぷりとせりだした腹を持つ貫禄のある男。

 

 

 

 

 

どれも軍に介入する資金力を持った投資家達と

事前の説明で受けた。

その薄暗いパーティー会場にいる、

 

 

 

無駄に高価な衣服に身を包んだ人、肉、人、肉…。

欲という膿にまみれたその表情。

戦地に赴く兵士を『商品』とし

『命』をビジネスの道具として捉える

人でありながら人ならざる心を持った*********達。

 

 

 

 

 

 

 

彼らの姿を見て

自分の体を確認する、神経の通ってない人工の鋼の手足。

かつての人だった四肢の感覚は忘れつつある。

 

 

 

 

 

 

 

 

―皆さんはこう、お考えした事はありませんか?

 

 

 

 

 

 

 

―深海悽艦が我々人類を脅かし狩るのであれば

 

 

 

 

 

 

 

 

―我々がその深海悽艦を狩る、『捕食者』を作ってしまえば良い!

 

 

 

 

 

 

 

 

―わが社は業界でいち早くそれを実現しました!

 

 

 

 

 

 

 

―これ等はまだ、試験段階ですが

深海悽艦の臓器を一部流用しています。

ああ、ご安心下さい。

ちゃんとメーカー保証も完備しております。

 

 

 

 

 

 

 

 

―ご覧ください。見た目は『ごく普通』の

少年達です…が

 

 

 

 

 

 

 

―四肢の義肢化、ソレに加えて脳にCPUを組み込み

搭載されたOSがあらゆる環境をスキャンし

 

 

 

 

 

 

 

―適した戦術をアップロードし、戦闘をサポートしてくれます

 

 

 

 

 

 

 

 

ざわつく会場。

 

当たり前だ、深海悽艦を

 

人類の敵を取り入れた生体兵器なんて

 

聞いたことないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

―ですが、ソレだけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

スーツの懐からコルクで栓をされた

 

ポケットサイズの瓶を取りだし、軽く掲げた。

 

 

 

 

 

どよめく会場の『ご来賓』の方々。

 

 

 

 

 

 

 

 

―この『薬品』…深海悽艦の体液ベースを

体内に取り入れることで

 

 

 

 

 

 

―その真価を発揮します。

 

 

 

 

 

 

―これは彼らの中の移植された深海悽艦の

意識を一部、覚醒させ闘争本能を呼び覚まし

 

 

 

 

 

 

―さらに、体を変異させます。

 

 

 

 

 

―また、『捕食者』という名にふさわしいように

彼らは獲物の体液を啜る事でそれを

『燃料』に変える臓器も持ち合わせております。

 

 

 

 

 

 

―人間由来の消化器官も残してはいるのですが…いやはや

 

 

 

 

 

 

 

―皆様のテーブルに用意されているような

『食べ物』ではこの膨大な動力を動かすに不足するので…ハイ。

 

 

 

 

 

 

 

―これの大きなメリットとして戦いつつ、燃料が補給できる点ですね。

 

 

 

 

 

 

 

―ええ、これも深海棲艦の解剖で得られた技術です。

 

 

 

 

 

 

 

―あ、ハイハイ。

そうです。さすが○○会社の御子息様ですね!

 

 

 

 

 

 

―深海悽艦化です。

 

 

 

 

 

 

―この技術が発達すれば、もう人類が

脅かされる事も無いでしょう!

 

 

 

 

 

―そう!そうですとも!狂っています!

 

 

 

 

 

 

―ですが襲い来るは、向こうも『狂気』です!

 

 

 

 

 

 

 

―狂気をもって狂気を征するだけです!

 

 

 

 

 

 

―ああ、申し訳ありません。

つい熱くなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

―私が言いたいのはただ1つです。

我々に資金提供をしてくだされば、

あなた方は『救世主の担い手』となり得るのです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―通常戦闘時の兵装についてはお手元の資料をご参照くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ご静聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

沸き上がる拍手と歓声。

 

 

 

 

 

 

―さて、このあとは○○社の製品紹介ですね。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

―デモンストレーションはまた後程。

 

 

 

 

 

―あ、そうそう。

それとあくまで『これら』は

『艦娘の補助役』でしかありませんので悪しからず。

 

 

 

―所詮は『人間ベース』なので…ね

 

 

 

 

 

―それでは、失礼致します。

 

 

 

…




如何でしたでしょうか?

対深海棲艦兵器の案は

アーマード○アの要素を用いて考案しました。

ではでは。
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