-数時間前 鎮守府にて-
執務室の窓から
正門を見下ろすと
それが目に付いた
鎮守府の前に止まった
ネイビーのジムニー。
地球温暖化の原因は
車の排気ガスが原因だと最初に
説いたのは誰なんだろうなぁと無駄な事に思考を働かせる。
これから自分よりも階級が上の者と
打ち合わせをするのに
緊張などしていなかった、
むしろウンザリしていた
自分が左遷させられた原因の張本人と
会わなくてはならんのだから当然だ。
早く打ち合わせ終わんねぇかなぁ。
車両の助手席側から
とある男が降りてきた。
…相変わらずタルんだ腹してんなぁ
あいつは自分が、軍内部で
『狸』と呼ばれているのに気が
ついているんだろうか。
同僚の飲みでも良く話にでて
話題になる『狸提督』
最初は
数々の武勲を挙げた元帥殿のお孫さん
という事で周りの期待も大きかったが、
蓋を開けてみれば、その実
指揮能力も戦術に長けている訳でもなく
頭が切れる訳でもない、
ハッキリ言ってしまえば
平々凡々のセンスだった。
立派なのは
人一倍、その腹と横柄な態度
何かミスをし周囲の人達がやんわりと
注意する度に
『この僕を誰だと思っている!元帥の孫なんだぞ!』
の一点張りで数々の問題を軍内部で
引き起こしていた。
そもそも、海軍の提督になったのも
『艦娘の子達とニャンニャン出来るから』
というものだった。
テレビの取材の時は
その秘書の艦娘に書かせた
『人類平和のため』の原稿を
拳をふり挙げながら棒読みで
語っていた。
そんな元帥殿のお孫さんの『狸』が
助手席より降りた。
大きなせり出した腹と脂ぎった長めの髪を
揺らしながら、その姿を確認する。
来やがったか…ぼんぼんのガキめ。
気が滅入るのを無視して
携帯で榛名に電話をかける
提督「榛名、すまん。茶を準備してくれんか?」
提督「ああ、そうだ。
角砂糖10個入りの
甘いコーヒーでも…あ~イヤすまんな…気が利かんかった」
提督「…お前さんが嫌なら
部屋にいても良いんだぞ?」
提督「正直、
あいつに会うと思い出すだろ?」
提督「―ああ。まぁ、気にするな。
部屋でゆっくりしてな。」
…ッピ
提督「ふぅ…
どれ、『大きな子供』の
お守りでもしてくるかね。」
…
-鎮守府正門前-
ミィ~ン ミィ~ン
ミンミンミンミィン…
ジジジ…ジ
孫提督「あ゛ぁ゛!
もぉう!アッツイなぁ!
なんでこの僕がこんなクッソ暑い中
立ってなきゃイケナイんだよぉ!」
そんなこと言われましてもぉ
???「提督ぅ、あの、
天気に文句言っても仕方ありませんよ?」
太陽から逃げるように
私が作った日陰に入る彼。
私よりも大分背の小さいおかげで
彼一人分くらいなら余裕でカバーできる。
孫提督が帽子を脱いでパタパタを
自分の顔を扇ぐ。
ここからなら孫提督の頭見えるな~。
ってあれ?
孫提督…少し
頭が薄くなったような…?
あ、だから髪伸ばしてるんですか?
でも孫提督、それじゃちょっと不衛生ですよ
???「あの孫提督?髪伸びましたよね。
そろそろ切りませんか?」
孫提督「う、うううっさい!髪の事は
触れるなぁ!」
ん~…あれ?
それに
なんだか、前よりもおなか
大きくなったんじゃないですかぁ?
ベルトおなかに
見事に食い込んでるじゃないですか~
???「ん~、孫提督やっぱりちょっと
太られました?おやつしばらく
やめません?」
孫提督「うるせぇ!
お前だって人の事言えないだろうが!
お前が痩せろよ!
そうすりゃ涼しくなんだろ!
ああもう、『誰かさん』がいるせいで、
あっついあっつい!!」
うぅ、気にしてるのにぃ
確かに最近ちょっと(?)おなかにお肉
ついてきたけど…
脇腹掴めるけどぉ~
なにもそこまで言わなくてもぉ
…
孫提督「…っふん!」
孫提督「ったく…提督の奴は何してんだ!
この僕が待っているっていうのに!
相変わらず気が利かないデクノボウだよ!」
あの提督は決してデクノボウでは
無いと思うんだけどな~
あ、噂をすれば提督さん
提督「これは孫提督殿!
暑い中お疲れさまです。」
踵同士をつけ、敬礼をする提督さん、
盛り上がった肩が逞しいです。
孫提督「ふん!本当に疲れたよ、
早く屋内に案内してくれ。
暑くてかなわん!」
孫提督、いつの間にかスゴい汗です。
やっぱり痩せましょうよ~。
提督「それと、『蒼龍』ちゃんもな!
車の運転お疲れさま!」
ニカっと子供みたいな愛嬌のある笑顔
私…『蒼龍』に向けてくれる。
孫提督もムスッとしてないで
笑顔でいてくれたら良いのに。
孫提督「こいつの事は良い。
早く冷房のある部屋まで連れてけ」
不機嫌そうな顔で
袖で汗を拭う孫提督。
こういう扱いは
毎度の事だから今は慣れたけど
最初は傷ついたな~。
提督「はい、では、こちらに」
ニコニコと笑みを崩さない提督さんだけど
内心あんまり良くは思ってないんだろうな~
…
…
榛名「はい…申し訳ありません、失礼します提督」
…ッピ
榛名「…」
携帯電話の通話終了ボタンを押して
通信を切りました。
窓から、紺色のお車が見えました。
…あの方が来られたのだと理解しました。
以前から連絡はあったのでお越しになることは
わかっていましたが
やはりあのお方は榛名は苦手です。
早く打ち合わせが終わりますように
早くあのお方が帰られますように。
部屋のベッドの上で
榛名は膝を抱えて震えることしか
できません。
提督ごめんなさい
時計に目をやります
阿賀野さん達は無事に燃料のサルベージは
終わったんでしょうか。
…
-鎮守府廊下-
コツコツコツ…
孫提督「いいか?手筈通りだぞ?」ボソボソ
蒼龍「う~ん、打ち合わせに
孫提督が立ち会わないって
なんだか不安なんですけど…」ボソボソ
孫提督「うっさい!僕は忙しいんだ!
合同演習の打ち合わせ
くらいおまえ一人で十分だろ!」ボソボソ
蒼龍「はいはい」ハァ
蒼龍(でも…ここにきてまで
お一人で行動されるなんて…
一体どういう用事なんだろう)
コツコツコツ…
孫提督(そろそろ頃合いか…?)
孫提督「おぉーっと!僕としたことがぁ!」オデコ ペシーン
提督「?」
蒼龍(あ、このタイミングなんだ)
孫提督「ちょーっと車の中に
忘れ物をしてしまったぞぉぅ!」チラ
孫提督「これはイカンな!
まっことにイカンなぁ!
あれは大事なモノだからなぁ!取りにいかんとなぁ」チラリ
提督「あ~…少し打ち合わせの時間遅らせますかぃ?」
孫提督「イヤ!お互い忙しい身だ提督くん!」
孫提督「ここは妥協案として、蒼龍と
話しを進めててくれ!僕のことは構わず!」キリッ
提督「はぁ」
蒼龍(孫提督、演技へったくそですね~)
孫提督(っへ!脳筋め!
僕の抜群の演技力に
まんまとひっかかったな!)グヘヘ
孫提督「それでは、アデュー!」
ドスッドスッドスッ…
提督「…」
蒼龍「…」
提督「なぁ、蒼龍ちゃん?」
蒼龍「はい、何でしょ?」
提督「あいつ逃げた?」
蒼龍「はい」
ドスッドスッドスッ…
孫提督「ふぅ…ふぅ…ふぅ」
孫提督「確かここらへんの部屋だったよなぁ」ハァハァ
孫提督「待っててね~♪榛名ちゃぁ~ん♪♪」
…
-榛名自室-
榛名(なんだか今部屋の前で足音が…?)
ガチャ
ギィ…
榛名「!?」
孫提督「はぁ♪」
ギィィ…
孫提督「るぅ♪」
ィィィ…
孫提督「なぁ♪」
ィィ…
孫提督「ちゅぁ~~ん♪♪」ニタァァ
榛名「!?!?」ビクゥ!
孫提督「遊びにきたよぉ~、久しぶりだねぇ」
孫提督「僕に会えなくて寂しかったよねぇ~?」
榛名「ど、どうして…!?」
孫提督「んん??あんまり
嬉しすぎて声も出ない感じかなぁ~?」ハァハァ
榛名「い…嫌…」
孫提督「恥ずかしがっちゃってぇ♪
そんな君も可愛いゾ♪」
孫提督「今日は『とことん』
可愛がってあげるねえぇぇ!」ガバッ
榛名「ひっ…!」
孫提督「ああぁ~…
榛名ちゃんのふとももぉ~」スリスリ
榛名「…っ!!」ゾクゾクゥ!
孫提督「」クンクンクンクン
孫提督「」スゥハァスゥハァ
孫提督「ああ!榛名ちゃんの太股ぉ…良い匂いぃ~」
榛名「や、やめてください…!」グイィ
孫提督「んん、ホラァ、
『本部にいたとき』みたいにさぁ
熱ぅ~いキッスをしておくれよぅ」ンン~
榛名「あ、あのときは…孫提督様が…
無理矢理…」
孫提督「ん~?む・り・や・りぃ?」ピタッ
孫提督「ねぇ~ぇ榛名ちゃぁ~ん?
君さぁ…」
孫提督「自分の立場わかってるぅ~?
逆らえない立場だよね~?」スリスリ
榛名(太股に頬を…!?)
榛名「は…い」
孫提督「あの脳筋提督がぁ、クビにならずぅ?
こんなとことは言え…留まっていられるのはぁ?
だ・れ・の・おかげかなぁ~?んんん~~??」
榛名「孫提督のおかげ…です…」
孫提督「榛名ちゃんは賢いねぇ♪
バカじゃない女は大好きだよぉ僕♪
そう、ぜぇんぶ僕のおかげだよねぇ!」
孫提督「だからぁ、
『ここ』まで進撃しちゃってもいいよね?」
スリスリスリ…
サワサワ…スルン
榛名(す、スカートを抜けて…下着のなかに!?)
サワサワ…
榛名(局部に孫提督の指が、当たって…)
榛名「…っやぁ!孫提督!
お、お願いします!
それだけは…やめ…
榛名は大丈夫じゃありません!」グイグイ
孫提督「や~だネ♪」
孫提督「あれれぇ?
榛名ちゃん少し毛深くなった?」ショリショリ
榛名「ぅぅ///」
榛名「こ、これは…
訪問の連絡があって
孫提督がここに来るまでの期間
『処理』をするなって…だから榛名は」
孫提督「人のせいにするなんて
榛名ちゃんは悪い子だなぁ」
孫提督「悪い子にはオシオキしなきゃ」ニタニタ
榛名(助けて…誰か…提督…!)
…