-執務室-
提督「風呂に入ってさっぱりしたようだな」
能代「ご心配をおかけしました。」
阿賀野「のしろぉ~のしろぉぉ~心配だったよ~」スリスリ
能代「近い近い」
提督「さて…まずは皆、ソファに座って楽にしてくれ」
榛名「は、はい」
春雨「失礼します」
初雪「ん」
満潮「…」
ギシッ…
ギシギシッ…
提督「皆に聞きたいことがあるんだ」
提督「遠征先で何があった?
どうしてあんな傷だらけで?」
春雨「私と満潮ちゃん、そしてイーゴくんは」
春雨「おそらく…ロ級とハ級に襲われたと思います」
提督「おそらくって…どういうことだ?」
春雨「その…上手く伝えられないんですが…
普通の深海棲艦とはどこか違うというか…
妙な感じだったんです」
提督「妙な感じ?」
春雨「はい…深海棲艦が近づいてきたときは何かしらの
予兆が有るはずなんですが、私たちが対峙した
それは『いきなり現れた』んです」
提督「音も姿も検知できなかったっていうのか?」
春雨「…はい」
提督「ふむ…」
イーゴ「…」
能代「実は…私たちも同じでした提督」
初雪「おっかないのが…サルベージ中に」
阿賀野「あれは確か『軽巡ト級』みたいだったわね~」
能代「いきなり2隻、現れたと思ったら攻撃を受けて
私は大破してしまって」
初雪「逃げるだけでせいいっぱい」
提督「…そうか…
皆、まずよく無事で帰ってきてくれた」
提督「今日のところは皆、各自部屋に戻って休んでくれ
いろいろあって疲れただろう。俺も
頭を整理しなくちゃいかんからな」
ゾロゾロ…
タイヘンダッタネー
提督「ああ、イーゴ…」
イーゴ「?」
提督「おまえはもう少し俺につきあってくれ…」
イーゴ「はい…」
…
…
提督「…どう思う?」
イーゴ「何故私なのでしょう」
提督「『深海棲艦』を体内に飼っている奴の意見が
聞きたくてな…」
イーゴ「…」
イーゴ「あれは…私たちの成れの果てです」
提督「…あ?」
イーゴ「提督…私達兵器が薬品によって
深海棲艦化することはご存じですよね」
提督「ああ。適量摂取なら身体能力の向上に役立つが…
使いすぎると、制御しきれなくなって
自分が深海棲艦になって暴走したり…あまり良い報告は
きかんな」
イーゴ「その通りです。おそらく私達が出会ったあれらは
体のほとんどがベースとなった深海棲艦に
支配されていました。ああなっては頭のCPUが製品番号を
発信するだけの我々の敵でしかありません。」
イーゴ「受信したんです、あれらの生体信号を」
イーゴ「わずかに意識がありながら
体を乗っ取られるとは…どういう
気持ちなんでしょう」
提督「…さぁな、体
乗っ取られたことなんざ無いからわからんな」
イーゴ「…」
イーゴ「私も本日、『一本』使用しました」
提督「…」
イーゴ「仕方ありませんでした」
提督「…」
イーゴ「あのときは装備もままなら無かったので」
提督「過剰摂取で化け物になるんなら…その途中経過は
どうなる?」
イーゴ「不可逆的なものなんです」
イーゴ「あの薬品は私達の中に残った生体細胞を
媒介して―」
提督「あぁもう!むずかしい話しはすんな!
簡単に言うとどうなる!?」
イーゴ「深海棲艦化して強化し能力を得る代わりに
生体細胞が徐々に蝕まれ『死滅』します」
提督「…!」
イーゴ「そして、過剰摂取で
最終的に脳が死滅し深海棲艦の意識を抑圧するものが
何もなくなり、乗っ取られると
完全に私達は『人類の敵』となります」
イーゴ「そうならないように私達には『保険』が
かけられています」
提督「…保険?」
イーゴ「私達は頭部と脊椎の間に
爆薬を仕込まれています」
イーゴ「脳からの生体信号で制御されていますが
活動を停止したときに、これが作動し
自壊するように作られています。」
提督「…なんつー話しだよ」
イーゴ「わたしたちは『消耗品』なので」
提督「…ッ!」
イーゴ「それを前提におくと
一つ、不可解なことがあります」
提督「なんだ?」
イーゴ「今日、襲ってきたあれらは意識を飲まれ
人の生体部分は観測されませんでした」
イーゴ「なのに、爆弾が作動せずに
活動していました。」
イーゴ「誰かの手によって意図的に外されたとしか
思えません」
イーゴ「誰が、何のためにそのような事をしたかは
わかりません」
イーゴ「今日、軍のデータベースにアクセスして
他鎮守府の報告書を確認しましたが」
イーゴ「今日の私達のように
襲われた報告はありませんでした。」
イーゴ「誰かが狙ったようにあそこにアレらを
放ったものと見受けられます」
イーゴ「まるで海に出た私達を殺そうといわんばかりに」
提督「…わからんなぁ」
イーゴ「…」
…
提督「まぁ…なんだ…お前さんも今日は休め」
イーゴ「はい、失礼します」
提督「イーゴ!」
イーゴ「?」
提督「ありがとう」ペコリ
イーゴ「…何の事でしょう?」
提督「春雨と満潮を…娘達を…俺の『家族』を…助けてくれて…」
イーゴ「…」
イーゴ「当然の事です」
キィ…パタン
イーゴ「…」
-侵蝕率チェック中-
-しばらくお待ちください-
-…-
-…-
-侵蝕率 現段階で『21%』-
イーゴ「…」
-汚染臓器は以下のように…-
イーゴ(薬品一本の使用でここまで…)
…