※この作品はR-18です。

錆びた涙   作:卵白

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生きて

…

 

 

 

 

 

 

 

女研究員「浸食率が30%超…残った生体臓器も

ボロボロ…」

 

 

 

 

 

女研究員「そこまで痩せたのも…うまく

栄養を吸収できてないせいだろ」

 

 

 

 

 

女研究員「最近…血は吐いたり…戦闘以外での出血は?」

 

 

 

 

 

イーゴ「最近、鼻血が…頻繁に」

 

 

 

 

 

女研究員「…」

 

 

 

 

 

女研究員「白血病の兆候も出てるんだよ…」

 

 

 

 

 

イーゴ「つまり?」

 

 

 

 

 

 

女研究員「…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「前に検査したときよりも

凄い勢いで細胞全体が衰弱してるんだよ…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「まるで、10本分の薬を一気に体ん中に入れたみたいにさ」

 

 

 

 

 

 

女研究員「通常、一本打っただけでここまでの衰弱はあり得ないんだ」

 

 

 

 

イーゴ「ですが」

 

 

 

 

 

 

女研究員「ですがも何も…アンタの中に仕込んだ臓器も摩耗が激しい、

どんだけ酷使したらどうなるんだってレベルさね…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「結局、濾過が追いつかずに体ん中に蓄積し続けて

今もアンタの体も蝕んでるんだよ」

 

 

 

 

 

 

女研究員「アタシは医者じゃない…

ただの研究員だけど、出来れば『今すぐ』入院してほしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

イーゴ「…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「あそこの鎮守府だったら酷い戦闘も無いし、

いわゆるブラック鎮守府でも無い、提督はまともな人さ…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「でもね…」

 

 

 

 

 

 

女研究員「『薬』を使わなきゃ対応できない戦闘が起きたんだろ」

 

 

 

 

女研究員「こんな事なら…配属を許可するんじゃ無かったよ…」

 

 

 

 

 

女研究員「たしかにアンタ等、対深海棲艦兵器の役割は艦娘を守る盾だよ」

 

 

 

 

女研究員「これはアタシ個人のお願いだけどねぇ」

 

 

 

 

 

女研究員「もう…戦わないで」

 

 

 

 

イーゴ「…」

 

 

 

 

 

女研究員「また、いつ薬を使う機会がくるかもわかんないのよ…

このまま戦闘を続けても…命の保証は出来ないさ」

 

 

 

 

 

イーゴ「女研究員…」

 

 

 

 

 

イーゴ「私の体は後、どれ程薬に耐えられますか?」

 

 

 

 

 

 

女研究員「…」

 

 

 

 

 

 

イーゴ「私は消耗品ですので」

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

 

正直、夏は苦手

 

だって汗はかくし

 

紙はよれるし

 

虫は出るし

 

カビは生えるし…

 

 

でも、大好きな弟が実家に帰省する季節だから

 

好きか嫌いかだったら…割かし好きかも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

弟「じゃあ姉さん、行ってくるね」

 

 

 

 

姉「んー、行ってらっさい」カリカリカリ

 

 

 

 

 

弟「本当なら姉さんと一緒にあの豪華客船に乗って

今回の優雅な海の旅を楽しみたかったんだけど…」

 

 

 

 

 

姉「仕方ないだろー、アタシは学会に提出する報告書作成で

忙しいんだからさぁ」カリカリカリ

 

 

 

 

 

姉「それに一緒に行くっていったって

アタシは客だとしても、あんたは向こうのスタッフでしょうに…」カリカリカリ

 

 

 

 

 

弟「あはは!そうだね!でも、ほら仕事終わった後に

夜の海、一緒に眺められたら良かったなってさ…」

 

 

 

 

 

 

姉「そりゃ残念、またの機会だねぃ」カリカリカリ

 

 

 

 

 

 

弟「うん、その時までにはもっと

立派な紳士スタッフとして

姉さんをエスコート出来るようにしておくよ」

 

 

 

 

 

 

姉「んー、楽しみにしてるよ~ん…」カリカリカリ

 

 

 

 

 

 

 

弟「あ、ウチの会社の送迎用の車だ…

じゃあ、行ってきます…」

 

 

 

 

 

…弟は

深海棲艦の出ない海域のルートを航行する

豪華客船のスタッフであちこちの海を回っていた

 

 

 

 

 

弟「ばいばい」

 

 

 

 

 

 

弟はこの航海から帰ってくる事はなかった

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

イーゴ「では…後はよろしくお願いします。」

 

 

 

 

女研究員「ん、お疲れさん、アンタ…」

 

 

 

 

 

イーゴ「なんですか?」

 

 

 

 

女研究員「よかったね」

 

 

 

イーゴ「?」

 

 

 

女研究員「ちゃんと受けいられてるようじゃないか

安心したよ」

 

 

 

 

イーゴ「はい」

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

満潮「結構、日が傾いてきたわね…

検査終わったんなら、さっさと帰るわよイーゴ」

 

 

 

 

イーゴ「はい満潮お嬢様」

 

 

 

 

 

榛名(そういえば満潮ちゃん、

『イーゴ』ってちゃんと呼ぶようになったんですよね、良かった♪)

 

 

 

 

榛名「あ、そうだ。

帰りに、夕飯の食材買って行っても良いですか?」

 

 

 

 

満潮「急いでよね」

 

 

 

イーゴ「荷物お持ちしますよ」

 

 

 

榛名「ありがとうございます♪そういえば検査結果って

どうだったんですか?」

 

 

 

 

 

イーゴ「…」

 

 

 

 

 

―良いかい?命令だよ。今後しばらくはこの事は

他言無用だよ。

 

 

 

―具体的には?

 

 

 

 

―しばらくは、しばらくだよ。

あんたの体のためさ。

それと…

 

 

 

 

―今後、出力は50%を超えちゃ駄目、

深海棲艦化も、もちろんね

 

 

 

 

―それでは戦力に

 

 

 

 

―命令!

 

 

 

 

―…申し訳ありません、承諾できません

 

 

 

 

―じゃあ…『お願い』

 

 

 

 

―生きて

 

 

 

 

 

 

 

―善処します

 

 

 

 

 

 

 

イーゴ「…」

 

 

 

 

イーゴ「戦闘、日常活動に支障はありません」

 

 

 

 

…

 

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