※この作品はR-18です。

錆びた涙   作:卵白

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疑惑と浸食

 

 

いったい何が起きたんだ?

 

 

最初は地震かと思ってたけどどうやら違ったようだ

 

テレビをつけても震度の表示もないし

 

横揺れとか縦揺れとかそういう類のものでもなかった

 

 

まるで地下が爆発したような…

 

 

 

 

 

揺れが収まって研究所の廊下にでたら

 

悲惨な状況だった

 

 

 

 

女研究員「…なんだよ…こりゃあ…!?」

 

 

 

 

数々の研究員の遺体

 

 

 

それらが天井、壁、床と遺体をハケのようにして

擦りつけられたような跡が所々につけられている

 

 

 

手術や兵器のメンテナンスで慣れているとはいっても

 

この死臭には耐えられない

 

 

 

さっきまで何事もなく日常生活を送っていた彼らの身に

何が起きたと言うんだ?

 

 

 

思わず、口を抑えて顔をしかめる。

 

 

 

そして事の真相を確かめるために

 

廊下に歩を進める

 

 

 

 

 

…ズルッ

 

 

…ズル

 

 

 

ちょうど突き当たりの曲がり角から点滅した光が漏れている、きっと照明が壊れているのだろう。

 

 

この湿った何かを引きずるような音はそこから聞こえている

 

 

 

!?

 

 

 

耳を澄ますとこちらに近づいているようだ

 

 

 

 

何故かわからないが隠れなければいけないような気がした

 

 

イヤな予感か女の勘か…

 

 

自分の部屋に再び戻り、ドアを廊下が確認できるていどの

隙間をあける

 

 

 

 

 

 

……ズル

 

 

 

…ズル

 

 

 

なんだ…ありゃ…

 

 

身長2m近くの巨体、四肢の代わりの太い義肢

体中に巻き付けられた黒いベルトのようなもの

 

黒い仮面、むき出しの歯や筋肉組織

 

 

確かな足取りで、こちらに近づいてくる。

 

 

 

 

その足首に絡みついているソレが

引きずられている事で湿った音を発していたようだ。

 

長い腸、その先に続く、人だった上半身という肉塊

 

 

 

ズル…ズル…ズル…

 

 

 

 

 

口を抑えて、今にも叫び出しそうな声を

体の内に押し込める

 

 

ソレが部屋の前を通りすぎる

 

 

 

そのころには

 

背中はびっしょりとイヤな汗をかいて

不愉快だった

 

 

 

 

あの化け物は…?

 

いつからこの研究所にいたんだ?

 

 

 

 

 

アタシは知らない…

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

 

孫提督「そろそろ、かなぁ…」

 

 

蒼龍「なにがそろそろ何ですかぁ?」

 

 

孫提督「ぅお!?な、なんでもない!

さて、撮り溜めしてたアニメを消化しないとなぁ

いそがしいなぁ(棒)」

 

 

蒼龍「…」

 

 

蒼龍「孫提督…何か隠してませんか?」

 

 

孫提督「…なんも」プイ

 

 

蒼龍「」ジィッ

 

 

孫提督「」ダラダラダラ

 

 

蒼龍「孫提督?私の目を見てください」

 

 

孫提督「ななななんで!?」

 

 

蒼龍「いいから!!!!」

 

 

孫提督「ぴぃ!!??」

 

 

 

…

 

 

 

 

 

-数年前 本営-

 

 

 

 

テクテクテク…

 

 

 

孫提督(むっふっふっふ…おじーちゃんのコネで

提督になれたぞ~)

 

 

孫提督(いやぁ人望も階級もお金で買える時代に

なったんだもんね~、良い時代ぃ♪)ゲヘヘ

 

 

 

テクテクテク…

 

 

 

孫提督(さぁて…今頃、待合室では

僕の最初の艦娘が待ってるんだよねぃ

誰かな~)フンフフン♪

 

 

 

孫提督(あそこの曲がり角を

曲がって)

 

 

 

 

テクテク

 

…ドンッ!

 

 

 

???「きゃっ!」ドサッ

 

 

孫提督「あいたぁ!!」ズデン

 

 

 

孫提督「どこに目ぇつけてんだゴラァ!!

この僕にぶつかるなんて、どういう了見だぁ!?

謝れ!土下座しろ!

心より深くお詫び申し上げ…」

 

 

 

 

孫提督「!?」

 

 

 

 

 

榛名「あ、す、すいません」アセアセ

 

 

 

 

孫提督「…」ポー

 

 

 

 

 

榛名「…お怪我はありませんか?立てますか?」スッ

 

 

 

 

孫提督「…」ガシィ

 

 

 

榛名「!?」ビク

 

 

榛名(手をつかまれた!?)

 

 

孫提督「君だ…」

 

 

 

榛名「…え?」

 

 

 

孫提督「君こそ僕の鎮守府にふさわしい艦娘だ!!

うん、そうだ!!間違いない!!ああ神様!!

あなたはなぁんてすばらしいんでしょう!

このような女神を僕の元に届けてくださるなんて!」

 

 

 

榛名「あ、あの…」

 

 

 

孫提督「おっとすまなかったね!!さぁ早く

僕の艦隊への登録申請をしにいこうか!」グイッ

 

 

 

榛名「で、ですから一緒にはいけません!

は、榛名はもう所属してる鎮守府があるんです!」

 

 

 

孫提督「ははは!………は?」

 

 

 

榛名「すいません…実はですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

提督「ゴラァァァァ!!榛名から手を離しやがれ!!

この豚ぁぁぁ!!!」ゲシィ

 

 

 

 

 

 

豚提督「ンブヒィィィ!!!」ゴロゴロゴロ…ビタン

 

 

 

 

 

提督「はぁはぁ…だ、大丈夫か榛名!?」

 

 

 

 

榛名「あ、はい、榛名は大丈夫です…けど」チラ

 

 

 

提督「逃げるぞ榛名!そんな変質者ほうっておけ!

ったく!部外者の侵入を見逃すなんて本営が聞いて

呆れるぜ」

 

 

 

榛名「て、提督、そんなに強く引っ張らないでぇ!」

 

 

 

 

パタパタパタパタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

孫提督「ふ、ふふふ…に、逃がさないよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

それから僕は

 

榛名ちゃんのことを調べて調べて調べあげたよ

 

あの忌々しい筋肉バカ提督のこともね、

 

元々はあいつも本営側の人間だったけど

 

僕を足蹴りにしたことを餌にしたら

 

簡単にクビにする準備が出来たよ~

 

 

そしたら榛名ちゃんどうしたと思う?

 

僕のところにさぁ『提督をクビにしないでください!!』

 

だってさぁ!!もうさ!健気だよね女神だよね!!

 

 

 

 

だから、僕もねぇ海よりも器が大きい人間だからさぁ

 

考えてあげたよぉ、

 

 

やめさせない代わりに榛名ちゃんが僕に出来る

 

精一杯の愛の証が欲しいなぁってね。

 

 

そしたらどうしたと思う!?

 

熱ぅいキッスだよ!?

 

 

ま~、あんときは唇に軽くふれるぐらいだったけどぉ?

 

きっと恥ずかしかったんだよね!?

 

あ~、あと少し涙目だったねぇ。

 

 

嬉し涙だよねぇ、ほら僕ら愛し合ってるじゃん?

 

 

 

 

 

 

 

でさ、この間久々に会いにいったじゃん?

 

 

 

 

愛しあうためにねぇ?

 

そのために

 

邪魔が入らないよう

あそこの鎮守府のやつらに

わざわざ『遠征任務』だしてやったんだよな~

 

 

 

あと、少しでも僕と榛名ちゃんが

一緒にいられる時間を稼いで欲しかったからね~

 

 

 

 

特別なルートで手に入れた

 

ステルス改造済みの対深海棲艦兵器を遠征先に

 

放ったけど…ん~まぁ結果として

 

それなりに、愛し合えたけどさ

 

 

 

どうせならアイツ等、沈んでくれた方が良かったけど…

 

そしたらほら、一艦隊沈めたとなればさ?

 

 

 

あの脳筋提督なんか無能ってことで切られるじゃん?

 

 

そしたら榛名たんは僕が引き取れば良いし!?

 

アイツは居なくなるしで良いこと付くしじゃん!!

 

 

 

 

 

 

 

 

そう…

 

 

 

あの、バカさえいなきゃなぁ~!!

 

 

 

イーゴだよイーゴ!!

 

 

 

ああ!思い出しただけでイライラする!

あんのポンコツめぇ!!

 

 

ん~…

 

…まぁ、僕をバカにした罰にお灸を据える目的でね

 

今回、僕の所に配属されたル級ベースの対深海棲艦兵器を改造してさ

 

アイツ等には怖い目あってもらおうかなぁってね~

 

 

 

だいじょーぶだいじょーぶ♪

 

ただちょ~っと僕をバカにした奴らに

 

怖い目にあってもらうだけだからさ♪

 

 

 

今頃、ル級モデルが

 

あの鎮守府に向かってる途中じゃないかな~?

 

 

 

…

 

 

 

孫提督「…ってな」キリ

 

 

 

 

 

蒼龍「」

 

 

 

 

 

孫提督「お、おい」

 

 

 

 

 

蒼龍「」

 

 

 

 

 

孫提督「な、なぁ、そーりゅー?」

 

 

 

 

蒼龍「孫提督…一つ良いですか?」

 

 

 

 

 

孫提督「は、はい?」

 

 

 

 

 

蒼龍「…」

 

 

 

 

 

蒼龍「最低…」ボソ

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

いつもと変わらない朝

 

今日はどこへ遠征に向かうのだろう

 

 

 

 

予備の少なくなった義肢の整備をしながら

 

同時に身体情報を確認する、

 

相変わらず体調はヒドいようだ。

 

 

 

 

 

 

最近の朝の日課は目が覚めてから

 

トイレに駆け込み

 

吐く事だった

 

吐くこと事態に抵抗は無い

 

苦痛も無いのだから

 

ただ嘔吐したあとは口臭に

 

気を遣わなければ、女性の多い場所では

 

清潔感を保たなくてはいけない

 

 

 

 

 

 

 

…明らかに悪化しつつある

 

 

 

私の体の3割は既に浸食が、深海棲艦そのものの

 

細胞に変異しつつあるようだ

 

 

 

 

服を着替える際に

 

時折己の半裸を鏡に映すことがあるが

 

 

 

最近人間でない部分が

 

義肢以外にも増えた

 

 

 

 

それを指で表面をなでるように触れていく

 

 

 

左脇腹から右胸にかけて生えてきている

『黒い鱗』のような堅い物質

 

 

それを女研究員に検査してもらった結果

『駆逐艦イ級』の装甲と成分が一致してしまった。

 

 

 

 

 

 

他にも、左の肩胛骨から腰にかけて

同じような黒い鱗が生えている

 

 

幸い、衣服で隠せる範囲に

その物質は集中していたため

 

気付かれることはなかったが

 

 

戦闘には支障が出始めていた

 

体への負担を抑えるため出力を

 

グッと下げて戦いに臨んでいたためだ。

 

 

 

そろそろ皆さんも疑問に思い始めてくる頃

だろう。

 

 

この頃の私の役目は攻撃に参加するよりも

 

皆さんの壁や、盾になることが多かったのだから

 

仕方が無い疑問に思われるのも無理はない

 

 

 

 

白血病の症状も表れ始めていたが

 

そこは薬で抑制することが出来るから

 

まだマシだった

 

 

 

 

…

 

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