…
-1900
鎮守府食堂にて…
提督「よし!グラスは持ったかお前らぁ!」
少し大きなテーブルを私を含む数人が囲んでいる。
皆、艦娘のお嬢様達なんだろうか。
艦娘s「「「は~い!」」」
???1「…フン」
元気な彼女達の声が食堂に木霊する。
だが、一名、セミショートの髪を
お団子付きのツインテール、吊りスカートの女の子が
テーブルから少し離れた所にいます。
お腹が痛いんだろうか。
少し不機嫌な顔をしている。
提督「ではこれからイーゴくん着任おめでとうの会を始める!かんぱーい!」
艦娘s「「「かんぱーい!」」」
???1「……かんぱい」
…
イーゴ「」シャキシャキ
野菜の盛り合わせ
提督「がっはっは!飲め飲めお前らぁ!
今夜の酒は俺が用意してやったんだぞ!
上官のポケットマネーで飲む酒はうまいだろぉ!」
イーゴ「」パクパク
ポテトサラダ
???2「うふふ♪お酒なんて久しぶり~♪ん~美味しい」ゴクゴク
やや肉つきの良い女性が、頬を緩ませ
『アルコール』に下鼓を打つ。
イーゴ「」モシャモシャ
サーモンのカルパッチョ
???3「ちょ、ちょっと『???2』姉ェ!
飲むペース抑えてよ!前に部屋で飲んだとき思いっきり吐いたじゃない!」
少し慌てた様子で先程の女性に制止の言葉を掛ける。
同じ様な装いの、女性(こちらは少し細い体つきだ。)
???2「もぉ!それは忘れてって言ったじゃない!それに
今日くらい飲ませてよ~!
ね、提督~、無礼講でしょぉ?いぇ~い、ぶれーこー!!」
提督「はぁーはっはっは!そうだなぁ!無礼講だ!飲め飲めぇい!!」
イーゴ「」モヒモヒ
生姜焼き
イーゴ(この豚肉の食感良い。)
ガヤガヤ
ワッチャワッチャ
???4「…こんな隅~っこで…一人で飲んで…」
???4「…な~んか…不機嫌?」
???1「…別に…」クピ
???4「やっぱり…『アレ』?」
???1「…」
???4「ま~…いきなり仲間になる相手がね~…『深海棲艦』じゃあねぇ」
???1「…!」ピク
???4「あ、そうだ。ヤキトリ…貰って来たけど食べる?」
???1「…」ヒョイ…パク
???4「あ~…それアタシのモモ肉~…ま~いっか」
…
???5「は、榛名さ~ん。お手伝いします~!少し休んでて下さぁい!」
榛名「いいえ♪榛名は大丈夫です♪ありがとう???5ちゃん」ナデナデ
???5「///」
食堂の奥を確認すると、
榛名お嬢様と…桃色の髪に白い帽子を被った
小さなレディの姿が見えた。
料理や飲み物を準備しているんだろうか。
私も手伝うべきか…
立ち上がろうとしたら、提督に止められた。
…
提督「そろそろ、良いだろ…よーし!
さぁ自己紹介の時間だオラァ!」
提督「まず!『???2』!お前からだぁ!」ビシィ
???2「は~い♪」
阿賀野「阿賀野型 1番艦の『阿賀野』で~す♪よろしくね!いーごくん!」オテテ フリフリ
提督「次ぃ!『???3』!」ビシィ
能代「阿賀野型 2番艦『能代』です!よろしくお願いします!」ケイレイ
提督「ほれ次ぃ…ッてあれ?」
提督「あ、おめぇら!
何をそんなすみっこでモノ喰ってんだ!
ほれ、こっち来て新しい『家族』に自己紹介せんか!」
???4「へ~い」テテテ
???4「オッス」
イーゴ「?」
伏し目がちの髪の長いレディ
初雪「…初雪です…よろしく」
イーゴ「初雪…お嬢様ですか」
阿賀野「ぷっ…」
能代「ちょっ…阿賀野姉ェ…笑っちゃ…失礼…ぷふっ」
提督「はーっはっは!傑作だなぁ!『初雪』が『お嬢様』ったぁ!」
初雪「むぅ…そこまで笑われると…心外」
イーゴ「??」
提督「はぁ…愉快、愉快!さ…てと、
おい『???1』!お前もコッチ来いよ!」
???1「嫌よ…」ボソッ
提督「おいおい…俺と二人きりの時ならいざ知らず、
なにもこんな時までそんな、不機嫌にならんでも…」
???1「司令官うっさい!!」ダッ
提督「おいぃ…ああ、行っちまった。
嫌なら…なんでアイツ来たんだよ…」
初雪「ん~…あたしが誘った感じ…」
提督「あ~…なるほど…」
イーゴ「私は…何か…間違ったでしょうか…」
提督「いや、なぁに…。
ちょっと虫の居所が悪かっただけさね。
気を悪くしないでくれ。」
イーゴ「…私は気にしません…。」
…
???1「…うざいのよ…」
???1「私は…あんな奴…認めないから…!」
…
イーゴ「皆さま初めまして。
○○社『対深海棲艦兵器』イ級モデル『イ-505』です。
皆様の援助が優先事項です。」
イーゴ「追加補足ですが、
これは規定にはありませんが、
他に何か困りごとが有りましたら、なんなりとお申し付けください。」ペコリ
白雪「ん…そういえば…
女子トイレの電球が何個か切れかけてるのがあった。
新入り…頼んだ…!」
イーゴ「畏まりました。初雪お嬢様。」
能代「あ、そうだ私達の下着なんだけど…
ちょっとデリケートな物もあるのよね。
手洗いが一番なんだけ…ど
イーゴくん、お願いしても?」
イーゴ「畏まりました。能代お嬢様。」
ア、ワタシモ~
ジャア、アレモ オネガイシヨウカシラ…
アレト ソレト…
アレモコレモ…
提督「はーはっはっは!早速パシリだなぁ!イーゴ!」
…
阿賀野「zzz」スゥスゥ
能代「阿賀野姉ェったら…も~。」アタマカカエ
提督「なぁんだ!阿賀野はやっぱり酔い潰れちまったか!
能代そろそろお開きにするから阿賀野運んでやれ。」
能代「あ~んもう!だから飲ませたくなかったのに~!」
提督「はーっはっは!これで『また太った』なぁ阿賀野!ほれほれ」プニプニ
阿賀野「むぅ~…zzz」
能代「提督!お姉ぇのお腹突っつかないで下さい!」
提督「触り心地が良くてな~」
能代「だからって触んないで下さい!」
イーゴ「提督」
提督「あ?なんだ?イーゴ」
イーゴ「紳士は…あまり『婦女子』の肌に触れるべきではありません。」
提督「頭を撫でるのは良いのかよ?」
―頭を撫でるのは良いのですか?
―頭は別よ、『べ・つ』!
撫でられると安心するもんなのよ!
―ほれ!さっさと分かったら頭を撫でる撫でる
―はい…
―物分かりが良くてよろしい♪
イーゴ「頭をなでると…安心すると教わったので」
提督「研究所でか?」
イーゴ「ハイ」
イーゴ「紳士たるものを…教えて頂きました、
まだ勉強中でしたが…突然ここへの配属が決まったもので…」
提督「悪いことしたなぁ」
イーゴ「いえ…。あの…お聞きしても?」
提督「質問一つにつき500円な」
イーゴ「…では1000円ですね」
提督「冗談だよ…ほれ、どうぞぉ」
イーゴ「ありがとうございます。
私は…ここの事は、多少の情報は得ていましたが。
本当に艦娘のお嬢様方はあの方々だけなのですか?」
提督「ああ。まぁ…聞いただろ?外れの方の鎮守府だってよ。」
イーゴ「はい」
提督「ここ期待はされてないんだよな~…残念ながらよ…」
提督「おっと、こういうとアイツラまで外れ扱いだな…」
提督「あいつらは良くやってんだよ…ただ、活躍の場が無いだけなんだ」
提督「ここはな…
大体が遠征任務で他の大規模作戦をしている他鎮守府のために
資材のお使いしてんだよ。」
イーゴ「戦艦の…榛名お嬢様もですか?」
提督「あいつはまぁ…あの…あれだ、その内…な。」
イーゴ「はぁ…では次に…」
イーゴ「提督…提督は、最初からこの鎮守府で…?」
提督「いんや…」
イーゴ「…」
提督「元々はな~…俺も、それ~なりの所にいたんだよ…ホントだぞ?」
イーゴ「疑いません、大丈夫です。」
提督「そうかい」
イーゴ「それでは、なぜこの鎮守府に?」
提督「ちょいと昔に…ヤンチャしてな。」
提督「これも、そのうち話してやるよ…」
???5「て、提督!こちらのお皿、下げちゃっても良いですか?」
提督「ああ、ありがとよ…ん!?」
???5「ひゃあ!なんですか!?びっくりしましたよ」
提督「そういやぁお前まだ紹介してなかったよな!
榛名の手伝いしてたから気付かなかった。提督うっかり。」
???5「そういえば…。うん。初めましてイーゴさん!」
春雨「白露型 5番艦の『春雨』です!」
イーゴ「…よろしくお願いします。春雨お嬢様。」
春雨「はい♪」
イーゴ「…この手は…?」
春雨「握手です!さ、手を出して下さい!」
イーゴ「…ですが…」
春雨「ほらはやく♪」ギュム
春雨「え?カタい…?」
イーゴ「義手ですから」
春雨「…ッ…!?」
提督「…」
提督「そういや…昼の質問の続きぃ」
イーゴ「はい?」
提督「おめえさん…」
提督「『人』の部分て…どんぐらい残ってるよ?」
…
イーゴ「…」
イーゴ「まずは、見ての通り
四肢と左目については『この通り』ですので、人ではありません。」
イーゴ「また、外部の方々や、
民間人にも威圧感をなるべく与えぬよう、仰せつかってるので
この『手袋』や『カラーコンタクト』で隠すようにしています。」
イーゴ「次に、この体の内側についてですが、
『肝臓』『すい臓』『腎臓』も機能強化された人工臓器にすり替わっています」
提督「血液を綺麗にしたり、
薬物への濾過機能を強化してるってことかい?」
イーゴ「端的に言えばそうなります。
循環器系が『人のまま』では負担が大きすぎて途端に使いものにならなくなるので」
イーゴ「あとはそうですね、背筋、腹筋など大きな『筋肉』にしても、
有機物で生成された人工の物を移植してあります
自分の細胞を『基礎』にしてるので拒絶反応もありません。」
イーゴ「高密度の造りなので生体筋肉と比較しても面積当たりの出力は何十倍と違います。」
提督「なんか…とんでもない話しだな。」
提督「臓器に関しては、その…なんだ?循環器系以外は人間のままか?」
イーゴ「はい。後は、脳内にCPUが埋め込まれていて、
ここでマルチに状況把握、身体情報の確認などができます。
ちなみに消化器官及び、生殖器は人由来です。」
提督「だから、食えたり飲んだりできんのか…。」
イーゴ「はい、人の体の部分を維持するためには欠かせないので。」
提督「…さっきから、お前さん『かなりの量の日本酒』飲んでるけどよ」
提督「酔わないのも、その人工の肝臓のおかげかい?」
―あんたは酔わないから良いわよね~、うぅ、頭痛いぃ…
―そういう、体ですから。
イーゴ「…正解です。」
提督「ちょっと…寂しいよな、それ」
―それはそれで、ちょっと寂しいわね。
イーゴ「『二日酔い』という症状に悩まされるよりか、良いとは思いますが?」
提督「そういう、問題じゃあないんだよな~…。」
春雨「あ、あの提督。そろそろ…」
提督「ああ、そうだな。
どれ、んじゃあ明日は『演習』でもしてみるかね、テストがてら」
イーゴ「かしこまりました。」
提督「ゆっくり休めよ…ってお前、『寝る』のか?」
イーゴ「生体部を休ませる必要はあるので」
提督「そっか…んじゃお先に失礼するな。」ヨッコイセ
提督「おーい!お前らも、とっとと風呂入って
もう寝ろよぉ!明日に響くぞぉ!!」
提督「さっさと寝ない悪い子はぁ…
提督の『髭ジョリジョリの刑』だぞぉ!!」ウガァー
イヤァ!コッチコナイデ!
アレ、イタインダカラァ!
キャー!カレイシュウ!カレイシュウ!!
ダレガ カレイシュウ カァ!!
イーゴ「…部屋に戻りましょう…」
…