※この作品はR-18です。

ゲームオーバーから始めようか   作:モモンガ

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I-12 ナーベラルいじり

 怒涛のモンスター軍団を倒し続けて一日を終える。

「妻とともに並べておこう」

「……恐ろしい人間だ……」

「よく言われるよ。三人とも地上の宿舎に運んでおくから眠っているといい」

 疲労により三人は呆気なく眠りについた。

 次の日の朝に目覚めるザリュース。

 一応。身体は確認するが尻尾も全て揃っていた。

 見知らぬ部屋ではあるのだが、毛布などがかけられていた。

「……人間は皆、恐ろしい事をする生き物なのか?」

 唸りつつも外へ出るザリュース。

 建設作業の為に表で作業する人間が居たので少しの間、観察する。

 最後の屋根の製作に従事しているのだが、みんな真面目に働いている。とても恐ろしい事をする人間とは思えない。

 一部の人間は蜥蜴人(リザードマン)を見ても驚かず、軽く会釈するほどだった。

 前回、蜥蜴人(リザードマン)達を目撃したから仲間だと思ったのかもしれない。

 地下のおぞましさと地上の平和。

 気になったことがあったので作業員の一人に話しかけた。

 普通なら蜥蜴人(リザードマン)の姿を見て驚かれるのが普通なのだが、愛想よく挨拶を受けた。

「はい、なんでしょうか」

「皆さんは地下にモンスターが居るのはご存知なのですか?」

「そのようですね。だから屠殺場なのでしょう。今まで工事していてモンスターが溢れ出た事はありませんよ」

「で、では、皆さんは普段はどんなものを食べているのですか?」

「近くの都市から弁当持参なのと仕出し業者が来るんですよ。そこで買うこともあります」

「倒したモンスターは食べないものですか?」

「ああ……、ここの雇い主はそんなひどい事はしませんよ。身体を壊しては仕事になりませんから」

 そう言われてザリュースは納得する。

 得体の知れないモンスターを食べて具合が悪くなれば施設が完成しない。

「そこで何をしている」

 冷徹な言葉がザリュースに投げかけられた。

 振り返るとふっくらした金属製のスカートが目立つ戦闘メイドが立っていた。それはナザリック地下大墳墓でも見かけた人物でもある。

 すぐさまザリュースはひざまずく。

「な、ナーベラル・ガンマ様」

「ここで何をしていると聞いている」

「はっ、作業員たちに色々と質問していたところです」

「特訓に来たのではないのか?」

「それはそうなのですが……。どうしても気になることがありましたので」

 笏(しゃく)を地面に当てつつ歩み寄るナーベラル。

「不用意に騒ぎは起こすなよ」

「はい」

 ナーベラルは工事風景を眺めたり、行きかう作業員に軽く会釈しながら立ち去った。

 ザリュースはなぜ彼女がここに居るのか、分からなかったが詮索しても仕方が無いのだろう。

 顔を上げてシャースーリュー達の下に戻る。

 朝の食事は既に用意されていたのだが、野菜が多かった。

 肉もあるにはあるのだが、蜥蜴人(リザードマン)達が欲する食材は体格の大きさから用意するのが少しだけ大変だった。

 基本的に蜥蜴人(リザードマン)は雑食。だいたいの物は食べられる。

「これは何の肉でしょうか?」

 料理を持って来た人間に尋ねた。

 仕出しを担当する女性ではあるが蜥蜴人(リザードマン)の姿に驚かず質問に答える。

「好みが分かりませんので、牛肉を用意いたしました。ちゃんと火を通しておりますので。それとちゃんと付け合せも食べてくださいね。栄養は大事ですよ」

「ありがとうございます」

 家畜類の肉も流通しているので魚も鮮度の問題が解決できれば市場に流れる。

 氷の魔法は漁村で重宝されるという。

「なぜ、生肉ではないのだ?」

「腹を壊すからだと。寄生虫とか病気とか。火を通す事で殺菌し、肉の脂(あぶら)を楽しむのだとか。健康を考えて様々な料理法が作り出されているらしい」

「ほう。確かに美味いな」

「無闇に食い荒さず。食材を育てて確保するすべは人間の方が勝(まさ)っているのだろう。色々と勉強になる」

 広大な土地で穀物を育てる農村があるとも聞いた。

 森で生活する蜥蜴人(リザードマン)の知らない技術はまだまだあるようだ。

 水浴びの方法を尋ねると親切な人間が色々と教えてくれた。

 正直、本当に特訓場なのか疑わしくなるほどの親切設計に驚かされる。

 地上と地下の落差が激しい。

 地下も風呂があって快適だと話しは聞いていたのだが、不思議なところだ。

 何処からともなくヤントラが現われて地下に連れて行かれる。

 一般人は気軽に降ろさないのだとか。

 屠殺場には昨日の残りのモンスターが待機していた。

「ナーベラル様が居るとは思わなかったが……。我々の監視に出向いてこられたのか?」

「今のナーベラルは私の部下、ということになっている。あれは本物だから攻撃すると殺されるかもね」

「あなたの部下!?」

「敵地に潜入捜査していると思って、そっとしておくように。あと、たまにナザリックから誰か来るかもしれないが、偽者と思って攻撃したら駄目だよ」

 そんなことをすれば殺されるだろう。

 ザリュース達はそれぞれ頷いて了承していく。

「特訓は単純作業の連続だが、少しずつ強いのを混ぜていく。ひたすら多くのモンスターを倒してくれ。技は個人的に開発するなりしてくれ。施設内は壊さないように」

 そう言った後で合図を送ると一斉にモンスター達は動き始める。

「明日は抵抗するモンスターと戦ってもらう。多少のケガは覚悟するように」

「おう!」

 そして、二日目は最後まで平坦な討伐作業が続いた。

 精神的にも疲弊する。

 中盤から凶悪な面構えのモンスターが増えてきて、苦戦した。

 無抵抗なのに苦戦するのが不思議で仕方が無い。

 何度目かの休憩を挟みつつ、数千体というか一万体以上は倒したのではないかというくらい倒し続けた。

 仲間たちが少ないとはいえ、頑張れば倒せるものだ。ただし、相手は無抵抗だった事は忘れていない。

 武装を整えた相手なら、逆にとっくに殺されていてもおかしくないだろう。

 

 三日目は疲労は残っているのだが、まだまだ戦える。

「なんか知らねーが、力がついている気がするぜ」

「うむ。最初は苦戦していたモンスターも余裕で倒せるようになってきた」

「効率的に倒しているからでしょう。あれだけの数だ。動きに無駄が無くなってきたのかも」

 今回の相手は赤帽子の小鬼(レッドキャップ)が十体ほど。ただし、無抵抗の時とは違い、殺気を振りまいているし、武器を持っている。

「適度に攻撃してきます。君たちは本気で倒して構いません。ケガはメイド達が癒しますので手加減はしなくていいですよ」

「はい!」

 と、元気く返事をして数分もたたずに三人は傷だらけになった。しかも相手は一体も倒せない。

「なんだ、こいつら」

「本来はこんなに強いモンスターなんですか?」

「そうですよ。ナザリックでは弱い部類ですが、彼らは君たちを殺しません。本場のモンスターの実力を知ることも大事でしょう。君達の仲間は一体を倒すのが精一杯だったようです」

 三日目のモンスターに気をつけろ、とは言われていたが、この事だったのだろう。

 早いし、攻撃が的確だ。

 しかも複数で連携までしてくる。

 頭の良いモンスターだった。

「一気に強くなる方法はありません。時間をかけて少しずつ。経験を積むだけなら簡単ですが、実戦は簡単ではありません」

 一時間ごとに休憩し、様々なモンスターが現われる。

 剣に長けた昆虫。拳や短剣、様々な武器を操るものなど。

 魔法詠唱者(マジック・キャスター)は施設を破壊しそうだから出さないらしい。

 良い武器を持っていても当てなければ意味は無い。

 一日いっぱい傷だらけになりつつ特訓は続けられた。

 日が暮れる頃、ザリュース達の特訓は終了する。

 癒され、身体を洗われた後はアンケートの続きが始まる。

 懇切丁寧な解説付きで。必要とあれば上級職用のアイテムも使われる。

 総じて六十に届くほどになった彼らに赤帽子の小鬼(レッドキャップ)三体と少しだけ戦ってもらう事にした。

「動きが見えるようになっていると思いますよ。手加減はしないので、遠慮無くどうぞ」

 戦闘が始まって少し経ってからそれぞれ異変に気付く。

 全く歯が立たなかった相手に攻撃が届きやすくなったのと動きが読めるようになった。

 まだ慣れてはいないが格段に相手の動きを捉えられるようになった。

 倒しきるには時間が必要だが、今の段階では互角かもしれない。

「この先の精進は君達次第です。今日は休んで明日、カルネ村まで案内しよう」

「一つ聞きたい。コキュートス様とどれだけ戦えるだろうか」

「スキルを駆使したりすれば数撃は与えられるかも。硬い身体だから普通の武器ではたいしたダメージは与えられないぞ」

「では、死の騎士(デス・ナイト)とはどれほど戦えるだろうか」

「単純な強さでは死の騎士(デス・ナイト)より強くなっているはずです。あれに迂闊に殺されないで下さいね。従者の動死体(スクワイア・ゾンビ)になりますから」

「はい。気をつけます」

 特訓が終わったので卒業の儀式を行(おこな)う。もっといい言葉があればいいのだが、思いつかなかった。

 

 四日目の朝、彼らに色々と武器を進呈した。

 特訓に使ったものは良すぎるので、仲間を殺しかねるおそれがあるから回収した。

 鈍(なまく)らを渡しても仕方が無いが、ミスリルとオリハルコン製を混ぜておいた。

 身奇麗にすると特訓したとは思えない状態になる。

 空を飛ぶように蜥蜴人(リザードマン)達をカルネ村に届ければクエストは完了する。

 この調子だとバハルス帝国の兵士や騎士達も連れてきそうだ。ここは王国領だぞ、と。

 拮抗(きっこう)する武力の方がいいのだが、圧倒的な力を見せるのは支配者の楽しみかもしれない。

 平和的な統治を目指すなら戦争以外は紳士的に振舞うべきだろう。

 特訓を終えた後でンフィーレアと相談し、商売しやすい位置に建物を移動する事にした。

 それと看板製作はンフィーレアが依頼。

「外観の方も僕らがやりますので移動だけお願いします」

「自分の工房は欲しくないかい?」

 地下室なども本来は欲しい所だが高望みはしない方がいいだろうと思った。

 一番の理由は賃貸料を払っていないところだろう。

 貰うだけもらって何も貢献していないという。

 ンフィーレアはそこが罪悪感となって残っていた。

 ヤントラは後世に何かを残したいから色々と与えてくれるのだろう。居なくなれば自分たちが税金を払うことになるのでは、と少しだけ気になるのだが。

 これだけの施設だから売り上げだけでは足りないだろう。

 総資金は豊富で数年程度では枯渇しないという。

 空中に宝物庫を作って逃げる頃には更地になっているという予定だとか。

 発想が自由でンフィーレアは笑ってしまった。

 大半の土地を売却すると工房だけぽつんと残ってしまうのだが、充分な道具と資材があるから顧客が増えれば問題は無いだろうとリイジーは思っている。

 カルネ村に移転してもいいわけだし。

 ラキュースが六大貴族入りし、大都市を一つ手に入れたので資金力的には問題は無いのだろう。

 残る二つの大貴族もそれぞれ後継者が収まる予定になっている。

 対立構造がものを考える上では必要だ。

 王都での様々な動きは地下にこもっているヤントラには知る由(よし)も無いようで、意外と疎(うと)いのでンフィーレアが連絡係となってしまっている。

 ナーベラルは噂話は収集するのだが、ヤントラにほぼ報告しない。

 報告する前にモモンに渡して満足してしまっているようだ。

 部下としては役立たずだろう。

 それはそれで可愛いのでヤントラは許している。

 ンフィーレアがそれとなく指摘するとたいそう驚いたようだ。

「意外とヤントラさんって人望ないのかな……」

 少なくとも自分は味方でいようと思った。

 工房の移転先に柵を設置し、基礎工事を始めるヤントラ。

 物造りが好きなのか、よく一人で作業しているところを見かける。

 部下を使わず一人で行(おこな)うから部下の使い方が下手なのかもしれない。

 下水道工事すらやってのける。工事の勉強もしっかりしてきたのだろう。。

 工房の基礎を外し、夜中のうちに移転が完了しているという。その手際のすばらしさは職人並みだ。

 転移前の後始末も綺麗なものだった。

 確認の為に工事関係者に確認させて問題が無いか尋ねてみた。

「すげーお人だ。いい職人になれるよ」

「ありがとう」

 下水道の調整も問題なし。

 普通なら汚い仕事のはずなのに文句一つ言わない。

 それに引き換え、リイジーは移動した事に興味が無いのか、仕事に戻っていった。

「おばあちゃん。一言くらいお礼を言ったらどうお?」

「勝手にやったことになんで礼を言う必要があるんじゃ」

「礼儀として。売上金は僕が管理するよ」

「……ンフィーレアは厳しいの~」

 バレアレの錬金術工房は街道沿いに店を開ける。

 カルネ村のように柵で封鎖されていない分、利用しやすくなっている。

 度重なる襲撃で要塞化はしているがカルネ村は安全度の高い村として少しずつ移住者を増やしていた。

 国からの調査も受け入れているがモンスター達は未だに隠れてしまう。

 イビルアイとルプスレギナが情報のやりとりをしているお陰で麻薬類の栽培疑惑は薄まっている。

 もちろん、検査の為の抜き打ちも受けるようになった。

 モンスターの襲撃が無い時は宝物庫の時間の流れはとても速い。

 小さな立方体をいくつも浮かせて魔法を打ち込んでいく。

 それぞれ防御魔法を展開し、魔法的にも物理的にもどれだけ丈夫か確かめる。

 解呪による落下も。

 

●↓●

 浮遊実験と同時進行に進めている悪用実験がある。

 オリジナル体であるナーベラルを使った陵辱からの抵抗だ。

 エロいゲームの知識を総動員しないと思いつかないのでは、とヤントラ自身も驚く数々の手法。

 ペロロンチーノというよりは人間の煩悩の恐ろしさを改めて痛感させられる。

 悪という分野ではウルベルトが詳しいのだが、まさしくギルドメンバーの欲望の合作と言ってもいいのではないだろうか。

 通常なら運営に消されるハイレベルな実験だろう。

 無数の鏡に取り囲まれた寝室に男性化したヤントラが寝ている。

 裸の彼に近づくのは同じく一糸まとわぬ裸体のナーベラル。

「君の忠誠心を見せてみろ」

「はい。我が主……」

 何のためらいも無くヤントラの身体を嘗めたり、接吻や舌の絡めあいも鏡越しで映し出される。

 尚且つ、無数の『水晶の画面(クリスタル・モニター)』も使われている。

 程よく身体が温まったところでヤントラにまたがるナーベラル。

「我が忠誠をお受け取りください」

 自らの女性器を広げ、男性器を迎え入れる。

 そして、そのまま激しく腰を動かしていく。

 程なく射精が始まり、膣内を鏡に見せる。

 恍惚(こうこつ)とした表情を浮かべるナーベラル。

 ただ、それは複製の話しだ。

 一連の交尾の実況を本物のナーベラルは十回近く見せられていた。

 顔が苦悶の為に歪み、全身を奮わせるナーベラル。現在は彼女も裸なのだが、命令により拘束されている。

 一回ずつ行為が終わるごとに同じ事を本物も体験させられるという。

 複製と違うのは膣に入れさせずに抗(あらが)う事。

 羞恥や陵辱の方が抵抗実験にはうってつけなのだが、種族が違うと意味の無い行為に終わる可能性が高い。

 ナーベラルは人間と性行為することは屈辱には思うのだがアインズの命令があれば他種族でも性行為は喜んで受けると言い切る。

 異種交配でも孕む事もいとわないとか。

 処女性など不用。という男らしい決意を見せる。

「な、なぜ……、途中で止める……。命令遵守は従者としては当たり前だ。こんなことをすれば……、アインズ様の命令にも抗ってしまう……」

 膣に触れらると命令が解除されるという厄介な状態にさせられている。

 身体が自由になった瞬間にえもいわれぬ感覚に襲われてしまう。

 いっそ本当に入れてしまえばいい、と頭では思うのだが拒否反応が働くのか、逃げに転じてしまう。だから処女性は保たれているのだが。

 さすがに最初の嘗め回したり接吻の下りは省略されているけれど。

 相手がアインズならば抵抗はしないだろうが、アルベドの怒る姿が浮かんでしまう。

 少なくともアルベドを差し置いて女を捧げる気は無い。それがたとえ命令であったとしても。

「では、始め」

 その言葉の後には逆らえない。

 全身を精液まみれにされて、髪の毛に塗り込められても。

 口が開いたまま閉じなくなり、尿や精液を飲まされ続けられたりする。

 怒りは沸くし、抵抗しようとしてはいる。身体は命令を拒否するようにヤントラの命令を遵守する。

 数々のエロゲー知識を動員しているせいでヤントラも少し楽しくて仕方が無い。

 男性体の本能なのか、性別による願望もアバターに多少は影響を及ぼしているのかもしれない。

 射精するのは構わないのだが、子供を育てようとする気持ちが湧かないのか、妊娠はさせないように気をつけてしまう。

 胎児生産の悪影響かもしれない。育てるメリットを感じないなど。

 様々な事を諦めてしまっている弊害かもしれない。

 子育てしながらモンスターを殺戮する冒険者では教育に悪影響だろうと思うからかも。

 色々な恥辱の数々を明け方まで続けられる事になるが一度も抵抗できなかった。

 メイドとしてのクラスが邪魔しているのかもしれない。

「命令を受けている時、抗うように努力したか?」

「やった。全身全霊をかけて。……だが、意識が分断されたように身体は別物として動いてしまうようだ……」

 屈辱的な行為なら良い研究結果が得られるだろうと考えた結果が鏡の交尾だが、よく思いついたなとヤントラは苦笑してしまう。

 自分でもさすがに恥ずかしいとは思っていた。

 複製に膣内射精した後、ナーベラルに口だけで吸い取らせて嘗め取らせる。

 本物のナーベラルは舌を使って複製の膣内に入り込んだ精液を掻き出し、吐き出させずに飲み込む。それらに抗えない自分が情けない、と本物は嘆(なげ)く。

 同時にもう一体の複製はオリジナルのナーベラルの股間に顔をうずめ性器を吸ったりなめたりを繰り返している。

 別の一体はオリジナルの胸をひたすら揉み続ける。

 舌使いが激しく絶頂には抗えない。

 意識以外が別物のようだった。

 複製の性器を噛み千切りたいと思っても出来なかった。

 本物(オリジナル)をあざ笑うかのように嘗めて綺麗になった性器が本物の顔に放尿という返礼をしてきた。

 怒りによって破壊を振り撒きそうな感じなのだが、それすらも押さえ込んでしまうのは物凄い強制力と言えるだろう。

 粘体(スライム)種であらかた身奇麗にして別の方法も試す。

 体内も綺麗にしておく。口から入り肛門から出るのだが苦しくないように、と命令しておく。

 その後、目隠しさせる。

 身体が自分の意思で動かせない。命令を受けてしまうと脱力してしまう。

「汚いまま放り出したりはしない」

 一日だけで覆るほど脆弱ではないだろうけれど、覆ったら命令の出し方を変える事になるだろう。

 無抵抗の人形とは違い、素直な感想が聞けるので色々と実験したくて仕方が無い。

 オリジナルならではの楽しみ方、というか酷い実験なので罪悪感はある。

 男性化させて射精させてみる。

 柔らかい肉質の男根。他人の身体はどうにも興味が湧いてしまう。

 抵抗しているとは思えないくらいあっさりと精液を出す。

 痛みは感じにくいので去勢されても動じない。ただ、足元に十個も散らばる様子は可笑しかった。本来は笑うところではないのだが。

 二重の影(ドッペルゲンガー)の部位がたくさんあっても仕方が無い。

 切り落とされた男根をくわえさせ、メイド達によって射精させる光景は素直にエロいなと思う。

 嫌なら抵抗すればいい。そうでなければ己の精液を飲まされ続けるだけだ。

 男性化させてしまうとエロさというより可哀想な事をしている気持ちになる。

 これが自分のギルドだったなら掛け値なしにエロいことをやり放題にやっている可能性がある。

 アインズの顔色を見る必要がないので。

 かといって自分の部下だと人形のように従順すぎて飽きるかもしれない。

 一瞬だけの楽園に終わってしまったようだ。

 散らばる男根は処分し、顔を綺麗にしておく。

 次はエクスチェンジ・ボックスを運び込んでの実験だ。

 掃除役とアイテムを支える役、ナーベラルをしっかり押さえつける役と揃えていく。

 段階的に快感をあげていく。

 十倍から。

「!?」

 触らずとも勝手に屹立(きつりつ)する男根。

 倍率を上げていくと身悶えするナーベラル。

 三百倍から口が開いたままになって涎が出てくる。

 射精させるとしばらく出続けるほどだった。

 立ったままだらしなく精液を垂らし続ける姿は他の者には見せられない。

 千倍。一万倍。五十万倍と上げていく。

 普通なら意味の無い事なのだが肉体は時として効果を見せて行くものらしい。

 ごく普通の人間なら人格が崩壊するのではないかという状態にナーベラルは耐え続けていた。ただ、絶叫が止まらない。

 与えられた設定を忠実に再現しようとするNPC。

 もちろん、限界があるかの調査だが天井知らずでは不安になってくる。

 かなりの倍率になるとせき止める事が出来ないのか、射精が止まらなくなる。

 普通の人間なら精液は一瞬で尽きて血が出るだろう。

 NPCは無限に生成されるのか、白濁の色合いは変化しない。

 もちろん『維持する指輪(リング・オブ・サステナンス)』の効果もあるかもしれない。とはいえ、効果がありすぎるのも疑問ではある。

 これが『両性具有』であれば両方の絶頂が拝めただろう。

 相当な桁数になった時、ナーベラルは精液を吹き出すだけの石像と化し、一切の反応が取れない状態になってしまった。

 普通なら脱水などで即死しているだろう。

 状態が止まった様な感じになったので、これ以上は危険と判断する。

 危険というか無駄というか。

 倍率を三倍程度に戻し、別のナーベラル型をあてがう。

 女性型が男根を差し入れ、ゆっくりと腰を動かす。

 三回ほどの射精を促した後、ナーベラル本体が女性体を押し倒し、激しく腰を降り始める。

 子孫を残そうとする本能のように。

 絶頂と呼べる事をある程度、超えた辺りでやめさせる。後は性別を元に戻して治癒魔法をかけていく。

 目隠ししていても、していなくとも結果は変わらないのかもしれない。

 生物としての本能を刺激すればナーベラルも行為を受け入れるのかもしれない。

 資源としての価値が無いのか、金貨は数枚程度だった。それはそれで辺りを精液まみれにするわけにはいかないので仕方が無い。

 頑張れば海の水を丸ごと精液に替えることも出来るかもしれない。

 えもいわれぬ匂いが充満する世界。それはかなり困る。

 飲食不要には関係が無いかもしれないけれど、農作物には多大な影響があるだろう。

 ヤントラはさすがに食糞はさせなかったが、目的を見失いかけたのは事実だ。

 自分は良くナーベラルにこんなことが出来るなと。真面目な性格の女性を陵辱するのが好きなのかな、と疑問を抱き、だから変態でも良いや、と思うのかもしれない。

 こりゃ、殺されても文句は言えんわな、と苦笑しそうになった。

 命令とはいえ勝手に動く自分の身体に驚くナーベラル。

 意識があるのも命令のうちだが一度たりとも抵抗できないのが悔しかった。

「……抵抗する意識はあったと……」

「あ、当たり前だ」

 えもいわれぬ妙な体験に嫌悪感が広がる。だが、抵抗は虚しく身体は勝手に動き続けた。

 我慢強いせいで性行為程度では動じないこともあったかもしれない。

 今の主(下等生物)の命令なのだから仕方がないと理解するしかない。

「記憶を消したいところだが……、後々混乱しそうだな」

 他のメイドや粘体(スライム)に身体を洗われ、身奇麗なナーベラルはいつもの戦闘メイドの服装に着替えていく。

 発狂以上の目に遭ったにもかかわらず数十分後には復活するナーベラル。

 その肉体的な回復力、精神力は脱帽ものだ。

「意思があっても無駄な事はあるのか……。高レベルの君でもか……」

「やはり……、ナザリックへは戻れない。敵の手に落ちては主に迷惑を……」

「抵抗する意思があると分かっただけでも良い情報だ。少なくともアインズは君が思っているほど部下を簡単に切り捨てるような奴じゃないさ。少しは上司を信用したらどうだ?」

 変な命令を受けているせいで自害は当然、という風潮でもあるのだろうか。

 支配者と部下という関係の悪影響かもしれない。

 

●↑●

 アウラの状況を聞く限り、軽い気持ちが仇(あだ)となるケースもあるんだろうな。

 世界征服もそんな感じだったんだろう。

「個人的にはナーベラルと好き放題交尾三昧(ざんまい)もいいのだが……。妻が居るからな」

 複製とは好き放題やってしまったが。

 煩悩に支配されていると自分の意思なのか後で分からなくなる。

 アバター独自の性格設定が別に存在している、という可能性もある。

「複製は抵抗しないものか?」

「抵抗する理由が無い。そこがオリジナルと違うところだ。君たちは既に様々な事を経験している。身体でもだ。オリジナルの情報は持っているのだが……、後から与えた命令はそれらを使いこなせない。おそらくは時間をかければ自分のものにする可能性は高いだろう」

「自我か……」

 ナーベラルの言葉にヤントラは頷く。

「意識があるならいずれ抵抗も可能かもしれないな」

 どれほどの期間を続ければ抵抗が可能になるのか、それも確認したいところだ。

 複製が知恵を使う事もありえるし、それが杞憂(きゆう)に終わる事もあるだろう。

 人格を乗っ取るのか、無垢な一人の生命体として確立するのか。

 短期間では解き明かせない事もあるだろう。

 タレントに支配されている自分にも言えることだが。

 ナーベラルは普通の存在ではない。人間的な羞恥心は無いのかもしれないが、屈辱は感じているだろう。

 命令次第では異種交配も喜んで従う従順さは仕方が無いのかもしれない。

 従僕(じゅうぼく)と矜持(きょうじ)。

 至高の存在を神と崇(あが)める者達なのだから。

 与えた命令は取り消せる。それだけでも安心する事だ。

 取り消せない部分もあるようだが、それは主に肉体変化が多い。

 ナーベラルには無縁だろうが寿命や老化。成長度合いなどだ。

 顔をめちゃくちゃにすることもさすがに出来ないが体色などの色の変化は自由自在のようだ。

 真っ黒な身体に緑色の髪の毛で赤い瞳のナーベラル。

 血の色も変わるかと思ったが、それは無理だった。

 色は上書きすればいいのだが、あまりの変化にオリジナルは呻いた。

 普段、見慣れている自分の顔の変貌振りは不快感を覚えさせるものだったようだ。

 アインズの命令があれば耐えるかもしれないが。

「知識もまた経験だ。いっそ本当にナーベラルを手に入れたいところだが、私には従順な人形の方がいいようだ。自由意志を持つ彼女たちも私の手には乗らない存在らしい」

 仮面を被る女性の姿を幻視する。

「……人形だろうとヤントラ様につき従うシモベ……、それでいいのではないか?」

「ナザリックのような間借(まが)りが良かったのかもしれないが……。不器用なのかもしれないな。たっちお兄ちゃんに頼りっぱなしで、自立が出来ていそうで出来ていない。他のギルドに加入できるほどの実力はないし、今になって充分な能力を得ても誰も居ないのでは意味が無い」

 真蒼の薔薇と共に戦うとしても実力に開きがある。

 すぐそばにあるのに一緒に並べないもどかしさ。

「割りと孤独だ。ナザリックでも人間世界でも……。つまらないな……。月へ行く計画を立てて研究するくらいしか無いのかも知れない……」

「ンフィーレアや真蒼の薔薇が居るのにか?」

「住む世界がそもそも違う。ましてナザリックからも疎(うと)まれているんだ。それに私はただでは死なない。与えるものは与えて空でも漂うよ。それからだな、月は」

 落ちると危険な空中宝物庫。

 水源の問題さえ解決出来れば、後は上下運動くらいだろう。

 防衛と言う線も残っているけど。

「月にもモンスターが居て、これがとても厄介な生物なら……、逃げるしかないな」

 竜(ドラゴン)はまだ可愛げがあるだろうが悪魔と邪神系は厄介この上ない。

「孤独な人間がナザリックを攻めても誰もつき従わないのなら無意味な行為だ。世界が埋まる未来はたくさん見てきたが……、孤独は変わらないようだ。ナザリック側は賑やかなようだが、時間の感覚は分かるものなのか?」

「ああ、時刻はどの階層でも分かるようになっている」

 天窓があるわけではないから外の光りは入ってこないし、通風孔のようなものも見当たらない。

 人間には暮らしにくいかもしれないところだ。

 第六階層が人間的種族にとって住みやすくは出来ている、という程度だ。

 天井は時刻によって刻々と変化する仕様だから。

 

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