ゲームオーバーから始めようか 作:モモンガ
K-1 評議国近辺の攻防
新年を向かえて『マグヌム・オプス』は様変わりする。
いくつかの空中宝物庫の試作型が作られ、不思議な施設となっていた。
小さい建物なので数日で出来上がるようだ。
立方体に限りなく球形など。六種類ほどを用意した。
それぞれを結ぶ浮遊する通路など。
見た目は奇異だが建物の構造は至って普通。
空に浮かぶか浮かばないかの違いだけだろう。
物理的、魔法的な防御も試されていく。
急激な重力的負荷をかけて中身がどうなるかの実験も
海上に建設予定の方は呼吸を必要としないメイド数人で監視を
全体的にシーツで覆っているので、それらが無事であるかぎり中への被害は最小限で済まされる。
落下防止の網も無数に設置しておいた。
空気圧や風の観測の為に置いているコップ類も異常があればすぐにかけつける。
観察は定期的に入れ替えが
ンフィーレアが用意した設計士達により安全面や強度、部屋の配置などが議論される。
羊皮紙の在庫も充分に揃っているので様々な資料の整理に重宝している。
『
正八面体の各頂点部分に空白地帯の部屋が設けられ、何かが入れられる予定だ。
上層は四分割。ただし、机上の空論ではある。
下層は金貨貯蔵施設などの関係で分散はされない。
最終的に完全密封することになるので外が終われば転移による侵入以外は出入りできなくなる。
月での活動の為に分厚いガラスが必要なのだが割れやすいと困る。
これは特殊な樹脂を用意することで解決させる。樹木系モンスターの協力が必要なのでトブの大森林や聖王国側の森を探し回った。
ナザリックにも
時間が空いた時に第九階層に行き、メイド達の様子を見て、男女の風呂の湯を汲んでいく。
調査のためなので小さな容器程度に収められるがメイドは苦笑していた。
残り湯がほしいわけではない事は伝えた。
「バスパ様のお風呂は一種類なのですか?」
「果物を入れる程度だからね。洗い場兼風呂という役目だからよく汚れる。もう少し楽しみが欲しいから」
「研究というのは大変なのですね」
「長期に渡るから、飽きやすくならなくて助かる」
都合の良い魔法にばかり頼ることは出来ない。
何事も研究しない事には始まらない。
エ・アセナルというアーグランド評議国に近い都市に訪れた。既に素材は充分に手に入れているので普通に街の様子を眺めていた。
つい先日に大量のメイド達に襲撃されたとは思えない。
ここに来たのは妻の願いだった。少しは冒険者としての仕事もして下さい、という。
それでこの都市で依頼を受けるように言われた次第だ。
献体を六の宝物庫に並べ終えたあとに久しぶりに冒険者の仕事をしようか、このままやめようか依頼書を眺めつつ考える。
平和になってからモンスター達が活気付いて平原や都市近くに現れ始めているようだ。
リ・エスティーゼ王国は草原の多い国なので山奥深く行くような案件は少ない。
木々が生い茂る丘陵地帯は存在する。
仲間が居ないので出来る仕事も限られてくるだろう。
受付嬢に名指しの依頼があるのかどうか確認してみた。
「ございますよ。つい先日に王国側からですが……。こちらが依頼内容でございます」
銀プレートに出来ることは限られている。
ましてしばらく冒険者の仕事をしていなかったので少し不安もあった。
依頼内容は評議国の国境付近の警備。それと
聖王国に行け、かと思っていたが
評議国は亜人の住人が多く、冒険者も亜人だという。
まだ行ったことの無い国は多いが、評議国からの攻撃は噂でも聞いた事が無い。
ここでやめます、と言ったら勇者になれそうだ。
「……一人でか……」
他の冒険者と抱き合わせになる事が多いのに今回は一人。
犠牲が少ない方がいいと考えたのかな。
数日は休日感覚で過ごす予定なので仕事を受けることにした。
他にも街の掃除というものもあるようだ。
罰則なのではないかと思ったほどだが、黙っている事にした。
国境は山岳地帯なので珍しいモンスターが居るかもしれない。
街以外の狩りが出来るかもしれないのでメイド達に道具類を持ってこさせ、国境付近を散策する。
土や石、初めて見るような植物や動物は次々と採集。
溶ける雪や氷は持ち帰れないが水は手に入れておきたい。
数十分でざっと作業を終わらせたらメイド達の半数は撤収させた。
星全体からすれば旅した地域はまだ僅かな気がする。南方にあるという砂漠地帯。帝国側の先の地域も未知の領域。
六大国と呼ばれる他の国にも行っていない。
恐竜とか居るのだろうか。
大型猛獣はさすがに持ち帰るのは難しい。
ナザリックを再現する場合は数十キロメートルの高さは必要だろう。下手すれば成層圏は突破してしまいそうだ。
千メートル規模の
アーグランド評議国とは戦争しているわけではないが亜人の国だから警戒態勢は必要なのだろう。
あと、スレイン法国と仲が悪いようだし。
そういえば、
亜人達にとって人間は奴隷であり、食糧にする傾向があるようだが知性あるものは情報交換として受け入れることも無いわけではないようだ。
イビルアイのかつての仲間も様々な種族の混成部隊だったようだし。
運が良ければ『ばばぁ』に会えるとも言っていた。
神出鬼没の人物で魔力系
十三英雄の仲間の一人。
二百年前の出来事なので生き残っているのは長寿の種族くらいだろう。
ソロプレイヤーであるヤントラは他の冒険者の事はあまり知らない。
あたり一面敵だらけだった。
陰湿なPKもあってムカつくことも多々あるが、それらも強さへの原動力。
復活拠点を押さえられた後でPKされて、後に復活したら即PKする『リスポーンキル』の経験もある。
一時期、スパイ容疑でろくに事情を知らなかったアインズ・ウール・ゴウンのメンバーに食らった覚えがあるが、気がついたたっち・みーとウルベルトに止められた。
それ以前から同様のPKは食らったことがある。回数的にはギルドの方が少なかったから今は良い想い出だ。
本当に良い想い出、なのかは怪しいけれど。
それにしてもアインズ以外の顔見知りが居ないのは寂しいな。
自分で作り出しても虚しいだけだ。
ゲーム時代の記憶しか持っていないのなら大した思い出話しは期待できないかもしれない。
冒険者として国境を越えてケンカを売りに行く事は出来ない。
今回の仕事は警備であるのだが、名指しの依頼。しかも王国から。
仕事をしない人間への罰かもしれない。
報酬はもはや不要。あるとしても土地くらいだが。
土地の依存も減らしていく予定だ。
王都の『蒼薔薇の園』だけあればいいだろう。
それはそれとして亜人の侵攻は無し。普通に手続きを済ませれば入国しても構わない気もするのだが、入国禁止の法律はあっただろうか。
亜人の国とはいえ冒険者ギルドがあり、冒険者を抱えている話しは聞いた事がある。
異形種としては亜人の国の方が仲良くなれそうだが、理性的ではないかも知れない。
トブの大森林に居た
山岳地帯特有のモンスターが居るはずだが、気配がない。
精霊の
冬の精霊とか。
地水火風の精霊のような有名どころが多いが森や谷、川に雨の精霊種は居ないのだろうか。
ユグドラシルには『
山に匹敵する巨人はさすがに居ないだろう。あと、アンデッド系以外に異形は見当たらない。
ナザリック以外の異形は本当に居るんだろうか。規模の小さい異形は居るだろう。
色々と考えつつ警備の詰め所に向かう。
亜人対策としての装備は充実していた。
数十人規模の部隊と言えなくもない。それほど驚異的な敵が居るのだろう。
目の前にも世界の敵が居るのだが。
「
兵士達にモンスターの情報を聞いていく。それを羊皮紙に書き留める。
覚えるより記録として残した方が楽だ。
「
「五メートル? それくらいのが出たらしいですね、昔。アダマンタイト級の『朱の雫』が討伐したようですが」
ラキュースの憧れの冒険者チームで今も現役だとか。
一人は『ルイセンベルグ・アルベリオン』で、もう一人はヤントラの親戚となる『アズス・アインドラ』という。
洗礼名というかミドルネームが無いようだが、通称ではこの二人の名前が聞かれている。
あと二人ほど居たそうだが、引退したとかしないとか。
女体モンスターが殆ど出て来ないので帰ろうかなと思った。
邪神系はさすがに出て来ないだろうが、強そうなモンスターは今のところ居ないようだ。
野良
荷物運びに数体を残し、残りは『マグヌム・オプス』に戻した。
日が昇っている間は静かだが、夜間には夜行性のモンスターが出没しやすい。
普通の
山間部で暮らす人間の衣服なったりしている。
数百年前は八欲王と呼ばれる者達と
八欲王一体の実力は
今の
数が少ないので殺すのはやめた方が良いだろう、とヤントラは思った。
貴重なモンスターがあちこちに居て困る。倒すに倒せない、と言う意味で。
夕暮れになると武器を携えて警戒任務に当たる兵士の往来が激しくなる。
出没するモンスターは関所以外から来ることが多く、評議国から来ることはあまり無い。というか遠回りして来ているのかもしれないが、暗い中の山岳地帯には調査に向かえない。
今の季節だと食料を求めて襲ってくる
「敵勢力は二十!
偵察していた兵士が詰め所で報告する。
兵士達の戦力は高めで、国の要に貧相な武具は用意しない。
「では、先行して冒険者に駆逐してもらおうか。
銀プレートだという事は分かるのだが、ヤントラがどんな人間か知らない兵士が多いようだ。
変態として広まっているが名前はまだ浸透していない、ということもあるだろう。
「全部倒して良いんですね?」
「評議国側ではないから構わんだろう。挨拶して襲ってくるようだったら敵でいい」
分かり易い説明に感謝しつつヤントラは兵士数人と共に
挟み撃ちを警戒したが、力押しのようで伏兵は見当たらない。
手持ちの武器を選定しておく。
迷彩柄の外套で身を隠し、日暮れにちなみガルヴォルンのショートソード一本を携帯する。
「では、行ってきます」
「お、おう」
兵士達に挨拶した後、風に紛れるように姿が消えた。
無音の沈黙の中からモンスターの呻きだけが漏れ聞こえる。
再生力の高い
それから身体を適度に刻んでいく。これはよく燃えるようにするためだ。そして、次へ行く。
火に焼かれる
『
ポツリポツリと兵士達には山間部で焚き火が
数十分後には焚き火が
作業を終えたヤントラが帰還し、報告する。
「目に付くモンスターは駆逐しましたが、
「も、もう倒してきたのか!?」
「
暗い山間部で戦闘するのも大変だろう。
夜目の利く偵察からの報告では
新たな敵影は無く、警戒を解いて兵士達は一息つく。
数分後には新たな敵の報告が上がる。
「別方向から巨大モンスター、接近っ!
石化の視線。体液は猛毒。皮膚はミスリル並みに硬いと言われる強敵だ。
それが確認できるだけで十体ほど現れたらしい。
「初めての強敵かな。詳細を教えてくれませんか? 出会った事が無いので。簡単で良いです」
「分かった」
兵士は時間が無いので簡潔な特徴の身を伝える。
聞き終えたヤントラは体液が猛毒、というところが不満だったようだ。
「じゃあ要らないな……」
「なんだと?」
「では、さっさと片付けてきます」
と、言った後でヤントラの姿が掻き消える。
不可視化したかのように素早く移動するので一般の兵士の動体視力では捉えきれない。
十メートルとはいえ地を
それも静かに。闇夜の戦闘では強敵だろう。
硬い身体なので並みの武器では倒せず、猛毒や石化対策していなければ逃げるしかない。
そんな強敵を雑魚モンスターのように頭を叩き潰して駆逐するヤントラ。
ミスリル程度の柔らかい金属では『天召バルディッシュ』の敵ではない。
猛毒の体液なので柄の長い武器に切り替えて討伐していく。
肉弾戦でも負けはしないが猛毒は食らいたくない。
数は少ないが体液を気にして戦うので少し面倒くさい。
最小の攻撃で敵を沈黙させていけば十分足らずで作業は終わる。
武器に水をかけてタオルで拭いても毒が気になる。帰ったら徹底的に洗浄するしかないだろう。
帰ろうとしたら
今のところ評議国側からの襲撃は無い。
戻った後で武器の先端を何枚かのタオルで包んで仕舞った。
「夜間はこんなにモンスターが出るんですか?」
「
呆気に取られる兵士達だが、帰ってきたヤントラを労う。
「大抵は小競り合いはありますが、大半は逃げてしまいます。来たモンスターを逃がさず倒しきるのは初めてですね」
ある意味では容赦の無い冒険者だ。
「
「今日は忙しいな」
暗がりなのでどんな
三メートルを超える巨体が様々な武器を持って攻撃してくる。
今回も評議国からではなかった。
この国境は意外とモンスターの宝庫のようだ。
「夜間に来る
ヤントラは既に移動して声をかけてみた。
唸り声しか上げないので敵と判断。
落ちている
一気に身長が縮んだ。
「もう一度、尋ねようか。人間を攻撃しに来たのか?」
唸るばかりだ。手に持つ棍棒などはどこで手に入れたのか、金属製の殴打武器を奮ってきた。
交渉が決裂したようなので喉を切り裂き、腕を落として、去勢する。
これが女性でも急所は狙う。
モンスターの襲撃は
翌朝、倒したモンスターの処理を始める。
死体を一箇所に集めて油を掛けた後は燃やす。
毒については信仰系の
「……餌を求めて人を襲いに来たのか……。何か目的があったのか……」
「それは分かりません」
「モンスターが来た方向は雪深い山が連なるアゼルリシア山脈……。
兵士達が様々な憶測を飛ばす。
トブの大森林のモンスター達にも異変が起きている、と言われている。
「わ、
「賑やかですな」
体長五メートルほどの翼竜で攻撃的なモンスター。レベルは三十台後半。
兵士達にとっては強敵だ。
空が
「数は一!」
「折角ですから捕まえてみますか?」
「はっ!?」
ヤントラの暢気な言葉に兵士は驚く。
「いや、竜騎士の使役しているモンスターかもしれん。様子を見て判断する」
評議国には竜騎士が居る事が判明している。彼らは
自然のモンスターであれば戦うしかない。
今のところ騎乗用の装備が見当たらない。
「偵察と言う事もありえるな」
モンスターを燃やした時に出た煙が気になったのか、上空をしばらく
詰め所の裏手に回り、ヤントラは手を叩く。すると近くにメイドが二人姿を見せる。
毒に汚染された武器の洗浄を頼み、別の武器を持ってくるように頼む。
無言のままメイドは掻き消えていく。
それから数分後には小さな皮袋を持ってきた。
中身に満足し、メイド達に待機を命じる。
しばらく旋回していた
「……仲間を呼んでいるのか……、それとも敵対行動なのか……」
ドゴン。
という音ともに
「お~、硬い硬い。
ガントレットを装備したヤントラが軽く手を振る。
首を持ち上げて相手を見ようとする
音も無く切り裂かれていく。強固な鱗と皮膚を持つ
更に肩口からも袈裟懸けに切り裂かれた。
離れた身体にヤントラは魔法をかけた。まだ息がある頭部にも魔法をかけて引き上げる。
周りに居た兵士達も言葉が無い。
地面に引きずられる
ヤントラが運ぶ肉体は不気味な動きを見せていたが詰め所の裏手に投げ捨てられる。
引き返したヤントラは復活しようとする
もう一度、治癒の魔法をかけておく。
「少しの間は動かない方が良いぞ。身体が治ったら帰るんだな」
兵士は建物の裏手に捨てられたであろう
誰が持ち去ったのだろうか、と疑問に思った。
みるみる内に小さく切り裂かれた
飛び方を忘れた生物のようにバタバタと大きな翼を動かすが、すぐには飛び立てないようだった。
信じられない出来事に
復活した両足で地面を踏みしめて立ち上がる。それから何度か翼をはためかす。
全てが幻影だったのかと思いたいほど。
一秒たりとも居たくないと思ったことだろう。
ヤントラとしては次はどんなモンスターが来るのか楽しみだった。
その後は散発的に
全てを冒険者に任せるのは気が引けると思ったのだろう。
ヤントラに朝食を取らせている間は雑魚モンスターの討伐に勤しむ。
次々と強敵をいとも簡単に撃退する銀プレート。
実力的にはアダマンタイト級ではないかと思えるほどだ。
伝令役の人間が王都に向けて情報を伝えていく。
「今のところ評議国からはモンスターは出てきていないようですが……。今日は雑魚は少ないけれど強敵が立て続けに来るとは……」
「いつもは撤退するんですか?」
「
あと頻繁に現れるのが
エ・アセナルに買い出しに行っていた兵士達が戻ってきて、調理が始められる。
食料を生み出す魔法があるらしいが味は最悪なので誰も食べたがらない。
休憩を終えて警戒任務の為に兵士達はそれぞれの持ち場に向かう。
危険なモンスターとは無理に戦わない。撤退も戦略のうちだ。
本来はこれくらい散発的な数のモンスターしか現れない。
大部隊で襲うことは殆どなかったが、警戒はしている。
「遠方より巨大モンスター出現! 数は二!」
評議国側ではなく山岳方面から飛来する物体を確認する。
警戒任務は見張り台から複数人で偵察する。
「アゼルリシア山脈方面! 色は白!
一口に
高齢の
数十メートルを超える巨体にも関わらず知性が溢れ、数々の魔法や特殊能力を有する。
当然、鱗や皮膚は硬い。
体格は爬虫類と肉食獣を合わせた感じだ。
口から様々な効果のブレス攻撃もしてくる。
「……いざとなれば撤退して下さいね。守りきれない可能性もあるので」
「言われなくても……」
銀プレートに言われたくない。けれども、実力はアダマンタイト級、または英雄の粋にあるヤントラの言葉だ。
素直に従いたいところなのだが、信じきれないところがある。
兵士達は撤退の準備を伝達していく。
発見した二体の他にも後方には数匹ほどが旋回運動をしているのが確認された。
四つ足で大地を踏みしめ、長い尻尾があり、大きな翼を持つ肉食獣じみた爬虫類、のような生き物。
世代別だとどの辺りなのかは分からない。
人の言葉が通じない場合は若い世代だろう。通じないと言うよりは聞く気が無い血気盛んな世代とも言うかもしれない。
二体の内の一体がゆっくりと降り立つ。
「我らの縄張りで暴れる人間は貴様らか」
亜人というか
人ではないから異形で良いだろう、と思うことにした。
人の言葉を話しているものすべて亜人というのもおかしいかもしれない。
「向こうから襲ってくるんだから抵抗するのは当たり前だ。何か文句でもあるのか?」
「ははっ! なんだ貴様っ!」
笑っているのか、怒っているのか分からない。
「ところで……、敵なら後ろに飛んでいる奴も含めて……六匹か……。戦うのか?」
恐れを知らない人間に対し、二体は軽く相手の頭から足元まで観察する。
「人間が我ら
「そちらの兵力全てとなると少し分が悪いかもしれんな」
と、言いつつ笑う白い竜。
「戦うのは私一人だ。安心しろ。見たところ噂の
「アゼルリシア山脈をすべる
後方にいた竜達は様子を見る為に離れた位置に着地して待機する。
「
軽く首を動かすヤントラ。
「たった一人でか!」
「十体程度の若い
相当の自信があるのか、伏兵がいるのか、とんでもない隠し玉があるのか。
少し後ろに控えた
見た目では図れない実力があれば撤退することもある。
勝てない戦いはしない。