ゲームオーバーから始めようか 作:モモンガ
仲間が欲しいな。
助けてくれる仲間が。
今更だが、無いものねだりは虚しいな。
「……リ・エスティーゼ王国のためにこの身を捧げると誓った。わが身は
破れかぶれの宣言をするラキュース。意外と時間がかかったなとヤントラは苦笑する。
貴族令嬢とて国のためなら命くらい捧げると思っていたが、やはり一人の女性。
土壇場ではか弱い女になるのだな、とヤントラはしみじみと思った。
「それで……。我が家で裸を観賞するんだったな。では、行こうか」
目がグルグルと回ったような正気を失った女性がヤントラを見据える。
足元がおぼつかない。
相当、頭に熱が溜まっているのか、鼻血が垂れている。
「この人の家は知らないのですけどね。どこに運べばいいですか?」
「案内するよ~」
「おめでとう、ボス」
ノイズの入った声でイビルアイは言った。
立てかけている大剣と床に散らばる『
するすると消えていく魔剣キリネイラム。
「すごいすごい」
「それマジックアイテム?」
「内緒です。そうそう、この人を運んでおいてください。後、家の場所を教えてください」
「オッケー」
イビルアイが喋ると身体に振動が伝わるような気がした。
ラキュースは仲間達に任せて、ヤントラはもう少しだけ会議室に残った。
「何か忘れ物か?」
「まあそんなとこです。そこの少年、ちょっとここに」
クライムを手招きするヤントラ。
「別に殴ったりしないよ。あと、変な怖い話しも無しだ」
「は、はい」
クライムは一応、ラナーに許可を求めてからヤントラの側に向かった。
ヤントラはクライムの純白の鎧を上から下まで眺めた。そして、軽く叩く。
「良い鎧だね。素材は分かる?」
「み、ミスリルです」
その鎧をよこせと言われるかと思って緊張してきた。
「全部ではありませんが……。ミスリル合金というものです」
一応、後ろも確認した。
「良い武具とはどんなものだと思う?」
ヤントラからの突然の質問。
「えっ?」
クライムはきょとんとしてしまった。
「え……、えーと、なんでしょう。すみません」
良い武器や防具とはなにか、と聞かれたことが無かったし、考えたことは無かった。
今まとっている純白のフルプレートメイルはラキュースからミスリルを頂き、作り上げられたものだった。しかも無償で頂いた。
「あと、君は……」
「クライムです」
名前を聞いてヤントラはにこりと微笑む。不思議と怖いとは思わなかった。
「良い武具は自分の手や身体になじむものだ。どうも、検問のせいか、剣が金貨何枚とかしつこくて困る」
クライムも武器をお金に換算する場面を何度か見ているので、すぐに理解出来た。
「高ければ良い武器かな。宝石で作った奴のほうが高いだろうにね」
「そ、そうですね」
「君は普段は……、ブロードソードかな?」
「その時々で変えます」
ヤントラは無音の如き速さでクライムの顔面を鷲づかみにする。
「!?」
「素手でも人は殺せる。まあ、そういう敵も居るってことだ」
ヤントラはすぐに解放する。
力は込められていなかったが、ちょっと怖かった。
「本当は君達の味方でいればいいんだろうけど……、のちのち……いやいいか。本当の絶望というのは死ぬよりも尚つらいものだ。色々と怖い思いをさせてすまない。それしか出来ないんだ」
異形の者達にも守りたいものが居る。
人間の中にも居る。
ともに歩む方法は無いのかもしれない。けれども色々とやってみたい。
「では、お近づきに武器をやろう。ただの消耗品だ。魔剣とか伝説の武器とかは……、未熟者なので手に入れられない。……多少はあるけど、大事にしまってる」
そう言いながら、一本の剣を取り出す。
懐から鞘入りの剣がするすると目の前で出る様子は不思議としか言いようが無かった。
「まずはこれ」
「抜いても?」
クライムの言葉にヤントラは頷く。
装飾が質素な鞘から抜き出されたのは黒い刀身の剣。重さはわりと軽かった。
ただ、クライムの記憶にあるのはほぼ普通のブロードソードやバスタードソードだったので分からなかった。
抜き放つと輝きが少ないのでくすんでいるだけの剣にしか見えない。
叩くと硬そうな印象だった。
「硬い敵に使うと壊れるかもね。人に使う分には充分殺せるから。では、次」
物騒なことを言いつつ、次の剣を渡す。
今度のはどこかで見たような白く輝く剣でさっきのより軽く感じた。
「おなじみのミスリルだよ」
「これがですか!?」
知っているミスリルより軽い気がした。
「全部、軽くなるようにしてあるんで。強度は変わらないから。あと、特徴も無いよ」
「は、はあ」
ラナーは黙ってクライムを見つめていた。既に他の貴族達はラキュースの婚姻のパーティなどの準備の為に居なくなってしまった。
感動する間もなく次の剣を渡された。
一体、何本出てくるんだろうとクライムは少しだけ不安なる。
今度の剣は輝きが更に強くなった。そして、少し重く感じる。
「そうそう、さっきの黒いのは
『
次の剣は透き通る光沢のある剣ではあるが一段と重く感じた。
「な、なんですか、これは?」
「特別に持ってきていたもの。予想はつくと思うけど……」
「じゃあまさか……。これがアダマンタイトですか?」
「本物に触れることも大事だよ。いい武器はこの中にあるかな? どれも強いモンスターの前ではガラクタ同然に砕け散る程度の粗悪品だ」
「そんなバカな」
「超硬度の身体を持つ相手にはかえって刃物は無力だ。特別な特殊能力でも付与されていない限りはね。気に入ったものはあげるよ。ちなみに私用に今回持って来た武器はこれだ」
今までと同じ鞘の剣が出て来た。
クライムに渡して抜かせた。
「……さっきと同じく……、いや、より黒いですね」
「冒険がダメそうになるから、特別に見せてあげるよ。どういうものか予想だけしてみて」
叩くと硬い。重さはミスリルよりは重いかもしれない。
全く予想できない。
というより、これだけの種類の武器を保有するヤントラは凄い人だと思った。
軽く振ってみると手になじむような使いやすい印象を受ける。
ヤントラが使おうとするものだから当たり前かもしれない。
「なんかいいですね。重さも丁度いいし」
「価格的にはアダマンタイトよりかは落ちるが、性能はそれなりにある。わりと優秀な素材で出来ている。消耗品の中でも中級以上の部類だ。アダマンタイトより使いやすかったと思うけど、どうだった?」
「確かにそうですね。重さが丁度良かった」
「一番高い武器は使い勝手が悪かったってことだな」
「そ、そうなりますね」
「値段に惑わされるなよ。武器は使ってこそだ。ちなみに、これはミスリルに匹敵する鉱物で『ガルヴォルン』という。全部、特殊な力は無いけどね。せいぜい軽くなってるだけ」
クライムはどの武器を選ぼうかと色々と振ったりして確かめた。
ミスリルに愛着があるせいか、これが使いやすいと感じた。
「これにします。でも、消耗品ですか」
「盗まれることが多かったから。たくさん持つようになってしまった。残りは人にあげるなり、何かの資金源にするといい。せっかくだし、アダマンタイトもやろう」
「ありがとうございます」
「これだけあっても守れないものがある。君は頑張ってくれよ。そうそう、後ろの残骸も資源として売っていいから。血が付いてるけど……。潰すと……重さが戻るかもしれない」
ガルヴォルンだけは持ち帰り、ヤントラは部屋から出て行った。
「ラナー様。頂いてしまいました。残りはどうしましょうか」
「折角の頂き物です。存分に使い潰してあげなさい」
「はい!」
クライムが喜んでいるならラナーは特に何も文句は無い。
ラキュースも片付いたし、戦争とその後の事を考えなければならないとラナーの頭は既に切り替わっていた。
バハルス帝国の皇帝ジルクニフはどういう手を打ってくるのか、情報を集めなければならなかった。
ヴァランシア宮殿を後にしたヤントラは一人の男性のところに向かっていた。
始終、叫んでいた印象が強い金髪のオールバック。レエブン侯だった。
帝国の戦争を控えている為に様々な仕事をこなす予定だったがヤントラの姿を見て、少しだけ驚いていた。
ラキュースの自宅は教えてもらったのでいつでも行けるが今は目の前に集中しなければならない。
「忙しいのだが、重要な話だろうか」
「あなたは……、信頼に値する人だ」
真面目な顔でヤントラは言う。
レエブン侯は少し経ってから苦笑する。
「君は不思議な人だな」
「そうですか? それはさておき」
「よし、聞こうじゃないか。まだ何か恐ろしい事態でもあるのかな」
近くにある腰掛けられる石に腰を下ろす。
「無力な私をお許し下さい」
ヤントラは頭を深く下げた。
それはどういう意味なのか。すぐには分からないが、きっと彼には重要なことなのだろう。
「それよりもこんなところで話していていいのかね? 探知魔法とかあるのだろう?」
「はい。おそらく私は殺されるかもしれません。その前に出来る限りの抵抗をします」
「君ほどの男がそう簡単に死ぬとは思えないが……」
それはきっと事実なのだろう。
即死系魔法も使うと言っていたからな。
「王国の貴重な人材であるラキュースさんを説得して頂き深く感謝いたします。ですが、彼女はこのまま活動を続けさせたいと思います」
「蒼の薔薇は解散しない、させないと?」
「この後の展開は……、ほぼ未知数です。下手をすると彼女を死なせるかもしれません。解散の方が良かったと思うかもしれない」
聞きたいようで聞きたくない事を考えてみる。
「本当はガゼフさんに頼めばいいのかもしれませんが、色々と気まずくて……」
「……そうだろうね」
真っ二つには驚いた。
「王国と帝国と法国の法律関係の書物。土地取得に必要な書類。礼儀作法などの解説図書などをご用意していただきたいのです。代金はおそらく私の資金では足りなくなると思うので、更なる武具の買い取りをしなければならないでしょう」
「おいおい、いきなりそれだけのものを……。出来る限りはそろえるが……、文字はどうするんだ?」
「解読魔法くらい奴はもってるでしょう。まだ色々とやらなければならないことがある気がしますが……。異邦人たる我々が混乱を招いたことを深くお詫びします。あいつの代わりですけど」
深くヤントラは謝罪する。
意外と真面目だと思いはすれどすぐには納得できない。
これから何が起きるのか分からないからだ。
そもそもアインズ・ウール・ゴウンと名乗る
人智を超えた魔法使い。
「分かった。君の言う書物はできるだけ集めよう。アインドラ家に届けるよ」
「ありがとうございます」
「それにしてもアインドラ殿をね……。本当に彼女がお好みなのか?」
「それはもちろん。頭から足元まで決まってました」
相当気に入ったもよう。
その後の展開が気になるところだが、まずは法律関係の書籍を当たってみようと思った。
「願わくば皆様が長生き……、出来れば皆様の思う幸せな日々が一日でも長く続くことを祈っております」
「……随分と不吉に聞こえるのは……気のせいだといいな」
ヤントラが向ける表情は王国に住む人間すべてを哀れんでいるような悲しそうな印象を受けた。
それはこれから起きる悲劇を知っている顔にも見える。
彼は『未来視』の
もしそうなら彼は既に結果が分かっていることになる。我々がどのように死んでいくのかを。
そして、おぞましいモンスターの蹂躙劇を彼は必至に避けたいと願っているのかもしれない。
とはいえ、それは推測の域を出ない。
折角の好意を無駄にしない為に足掻こうとするものを我々は応援すべきだろう。
十万人の犠牲。いやに現実味がある数字だと思っていた。
その未来を見て来たかのように。
「……君は見たのか?」
「?」
「黒い仔山羊に蹂躙される我々を」
「……いえ、アインズが弱者を殲滅する方法としてよく使っていただけです。あれは敵に対してかなり嫌がらせな魔法です。なので割りとよく使われます。まだ弱かった私は力試しとして挑戦しようとしましたが硬すぎて踏み潰されました。しかも徹底的に陰湿に。それが今、一般の弱い兵に向けられると思うと同じような光景が重なってしまって……。あ~、本当に面白く踏み潰されますよね。耳元で延々と潰れる音が思い出されます」
それは独白にしては生々しい彼の心の嗚咽のように感じた。
誰が彼を笑えるのだろうか。
最悪の結果が実際に起きたということはまた起きると危惧してもおかしくはない。
戦争という絶好の機会が転がっている。
アインズ・ウール・ゴウンが参加する事態になれば、それは必然の結果にならないだろうか。
「戦争参加人数をせめて一万人にまで減らせたら……」
「減らせばいいのか?」
「
「君の本質は人間愛に満ちているんだな。これだけ心配されて何も出来ないとは我々も情けない事だ」
「あえて言えば敵蔑視ですかね。まだ
自らの種族特性に引かれアインズはヤントラにも止められない。
「ただ疑問がある。君の話だとアインズ殿は帝国に就くことになる、と聞こえるぞ」
「なるでしょう。普通に考えれば。弱い国に出来るのは相手より多くの犠牲者を送り込むことです。それくらいあいつも承知するでしょう」
バハルス帝国は選りすぐりの騎士を送り込むため、人数は王国より少なくても問題ないということか。
「どちらがアインズのもてなし方が上手なのか、会議室を見てすぐ分かりました。こいつらはダメだと」
「……手厳しいな」
願わくは帝国側が更にダメなことを祈る。
「……仮に双方がアインズ殿を得なかった場合はどうなる?」
こちらの方が脅威は少なくて済みそうだ。しかし、貴族の話しでは遠くないうちに接触はするだろう。結局は犠牲が出る事態になるのかもしれない。
「戦争を控えているのです。有益かどうかの確認はするでしょう。だが、既に足がかりは始められました。この先はよくないことしか浮かばないけれど……、確実にあいつも接触してくれるでしょう。戦争という都合のいい舞台を見逃すとは思えない」
もちろん自作自演に走ることもやってのけるだろう。多少、強引な方法も取ってくるかもしれない。
「既に避けられない事態ということか……」
レエブン侯の言葉にヤントラは頷く。
「レエブンさんは兵士の為に泣ける人だと分かりました。狂人の相手は何かとご迷惑だとは思いますが、よろしくお願いします」
「出来るだけ努力しよう」
「……仲間たちの事をいくつか伝えておきます」
ナザリックに控える戦闘メイド達の対処の仕方などを簡単にだがレイブン侯に伝えた。
王国の未来はとても暗いのだろう。
異邦人が頑張っているのだから我々も出来ることは何でもやらなければならない。
レエブン侯はまずは書物の手配から始める事にした。戦争開始までに出来る限り犠牲の減る方法を見つければならない。
アインドラ家は王都の中では比較的、大きな建物だった。庭はあるが鍛錬所になっている。
二階建てで一階に食卓と使用人室。二階にはパーティが出来る広間と執務室。両親の部屋も二階にある。
部屋数は多いが使用人は現在は五人ほど。空室は物置になっていた。いくつかの部屋は仲間達の私室になっている。
アダマンタイト級の冒険者の待遇としては最大級だろう。しかしそれは元々は、彼女が貴族出身だからに由来する。
蒼の薔薇メンバーによってラキュースは自室のベッドに乗せられた。
目はまだ回った状態で鼻血も少しだが垂れている。
「処女よ、さらば」
「より女らしくなったリーダーが見たいのでメチャクチャにしてください」
「……音声は遮断……いや、なんでもない。死なない程度にな」
「二日くらいかけて調教したらいいんじゃないか。腹をパンパンにするくらいやってみろ」
メンバーがそれぞれ温かい言葉を投げかけて家を後にした。
これは友情なのか絆なのか判断が付かなかった。
よくこんなメンバーを率いていたなと色々な意味でラキュースに感心した。
ちなみに両親の方はヤントラを大歓迎し、数日は家を空けるから二人で思う存分楽しんでくれと言い残された。
料理と飲み物はたくさん用意しておいたとも言っていた。
「期待に答えないと殺すぞ、という意味だろうか」
静かになった家の中はびっくりするくらい静まり返っていた。
一応、家の中を探索する。メイドや使用人も居ない。
来客対策も既になされていて数日間は留守にしている旨の看板がかかっているという。
外からの探知、感知魔法は阻害されているらしい。
「さすがはアダマンタイト級。……というわけでもないか」
ヤントラの能力で更なる感知や探知を試みたがラキュース以外は何も反応は無く、異常も無かった。
性別の無いヤントラにも性欲は存在する。というよりも女の身体には誰よりも飢えているほどだ。
このアバターの特性かは分からないが性別が無いからこそ性欲に対する興味はかなり強いのかもしれない。ペロロンチーノほどの変態的知識は豊富では無いが知らない訳ではない。
彼の姉のぶくぶく茶釜からもそれなりに知識として聞いていたからだ。
とはいえ身体の構造がアバターなので子供を成したり、孕ませたりは出来ない。
養子縁組に頼らざるをえないが、それは彼女が望めばの話しだ。
二重三重の防御魔法を展開。蒼の薔薇のメンバーの覗き見くらいは防げるだろう。
「さて、女の子を観賞しますか」
正直に言えば他人の女性の裸体には興味がある。
ヤントラとて成人は過ぎている。エロ関係は多少なりとも知っている。
ベッドで目を回している間に装備品を一つずつ丁寧に外す。おそらくは装備している間は魔法を阻害しているだろう。
貴族令嬢とはいえ引き締まった肉体をしている。
外した装備は別の部屋に置いておく。
上半身を終えてもまだラキュースは起きない。胸を揉んでも少し動く程度だ。
立派な装備品はどうやって手に入れたのか気になりつつ下半身の装備を外していく。
白い肌の面積が増えていく。
右足、左足。そして、腰部分。
全ての装備品を移動し終わった。
見事な肉体美が披露されている。
頭から足の裏まで丁寧に眺めた。ひっくり返してお尻の割れ目。その奥まで。そして、もう一度、戻す。
丁寧に優しく。
ラキュースの全てを愛おしく。
〈
全ての装備品を外しているので魔法の阻害は一切無い。やりたい放題になったわけだ。
〈
『
〈
まともな思考は捨ててもらう。精神的に徹底的に狂ってもいいくらいに。
まずは一旦、ラキュースを家具の無い広い部屋に移し、邪魔なものは片付ける。
身体を軽く水拭きする。
白い裸体が輝いて見える。
これから始まるのはただの女と正体不明の狂乱劇場。
二時間ごとに先ほどの魔法が繰り返されるこの世のあらゆる快楽地獄。
精神が壊れる方が幸せだと身体が命乞いをしても終わらない。
拒否する為に閉じようとする穴という穴は自ら開くことしか選べなくなるほど。
女という一個の生物が嬌声しか発することの出来ない生き物へと変貌する。
どれほどの声を上げても誰も止めない。
全身から女の快楽が永遠に噴出し続けるかのごとく。
それはそれは長い阿鼻叫喚の快楽地獄。
ラキュースは女から軟体生物。
全身性感体で出来た
気が付けばどれほどの狂乱が続いたのだろうか。
床は糞尿まみれ。ラキュースは生きているのか死んでいるのか分からない状態。尻の穴は塞がることを忘れたように大きく開いていた。
性器も同じく開いたまま閉じることを忘れた状態だった。
胸はどれだけ揉んだのか分からないほど。
涙も鼻水も出尽くした。
動いているのは心臓の鼓動で揺れる胸くらいだ。
精神は崩壊しきっているかもしれない。このまま死んでいた方が幸せだろうに。
屈強な女戦士ゆえの頑強な肉体のなせる業だろうか。
性器に関しては処女性を保つのに気をつけたが、まだまだ出したり無いのか。下半身だけは微妙に動いていた。
そうすることしか出来ない生物に成り果てたかのように。
あと数時間、気の済むまで出せるものは出し尽くしてもらおう。
肥大化した陰核は限界知らずに蠢いている。気の済むまで幸せなときを楽しめばいい。
全てが終わった後、掃除をしてぬめったラキュースの身体を丁寧に頭から足の裏まで汚れを拭いとった。
改めてベッドに乗せた裸体は女神を思わせる輝きを内面から発しているようだった。
再度、性器の奥まで処女性が保たれていることを確認し、身体にマイナー・ヒーリング・ポーションを垂らす。
回復薬は飲まずとも身体に塗りこむことでも効果を発揮する。
それを三度ほど繰り返すと身体に生気が戻り始める。効果的には一回の使用で済んだかもしれないが、相手の状態は肉眼では把握できない。
精神の限界を超えた狂乱から蘇るラキュース。
生まれたての赤ん坊とさして変わらない姿。
意識が少しずつ戻ると蘇りたくない記憶も戻ってくる。しかし、涙も声も出ない。
数十分ほどかけて意識が回復すると全裸の自分の格好を見える範囲で見下ろす。
表情は無い。
開いた尻の穴に自ら指を入れて確認するくらい気にならないほどに精神は壊れた、と思った。
ヤントラが側に居る前で性器を広げて数分間眺める。少し尿が出たが何も恥ずかしくなかった。
陰核が凄く大きくなっていて触ると気持ち良いどころか痛みが先に感じた。
快楽が出尽くして痛いだけになった女性の大事な部分、という意識が浮かぶ。
そして、とにかく空腹のためにお腹が鳴り止まない。
ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ。
高貴な蒼の薔薇の戦士は死んだのだな。残ったのは残りかすの女。
思考はかなり鮮明で様々な音が聞こえる。そういえば口が開きっぱなしだった、と、ぼんやり思った。
閉じ方を忘れてしまった。というか色んな物を忘れてしまった。
人という生き物さえも忘れてしまった。
生きてる事がとても辛い。
女としても人としても何もかも失った。
何も残っていない。あるのはカスみたいな身体と僅かな思考だけ。
これは自分の選択なのだ。
貴い犠牲なのだ。
戦場で死ぬ兵士より恵まれているのだ。
「君にはまず教えておこう。死にゆく人間の物語を」
ラキュースを徹底的に破壊した生き物の言葉。
そこには希望という概念は無い。ラキュースよりも尚、絶望に落ちている存在が居る。
人間という生き物はとても恐ろしい。二時間も経てば食事の取り方を覚えるのだ。
ただ、まだ服は身につけられない。
陰核の肥大化が収まるまで着られないのだから。
食べながら放尿しても気にならない。
というよりは尿道が閉じてくれないのだから垂れ流しになっている。
料理は全て両親が用意してくれた。
「明日までには服を着たいわね。湯浴みも出来やしない」
「なかなか絵になる格好だよ、ラキュースさん」
「さんはいらない。夫婦なんだから呼び捨てにしなさい。というか性別がないってなんなのよ」
食べながら喋るラキュース。
おっぱいを揺らして食事をする裸の女性を鑑賞中。
「ラキュースの吊るし斬りか迷ったけど。人間的に愛してあげたよ」
「そうよね。そういう生き物なのよね。人間が嫌いになってきた。それで、
それは事実だった。ラキュースは冗談を言う気が湧いてこない。
既に椅子の下に自分のひりだした汚物を
なぜ、そういうことしているのか。
身体が制御出来ないからだ。
大事な部分の筋肉が収縮しないものだから止めようが無い。
「ラキュースの強靭な精神と肉体には敬意を表する。睡眠不要、食欲不要、酸素不要ならもう少し続けられたのに」
「続けてほしかったわね」
生きることこそが最大の苦痛。
ラキュースは人生でこれほど生を呪ったことは無い。
普通の食事が終わった後は足元の汚物も食べてみた。
臭くてマズイ。そういう判断が出来ることがとても辛かった。
部屋の掃除。次の食事の用意。それらはヤントラが行った。
ラキュースは空いた時間、自慰行為に放尿と脱糞くらいしかすることがなかった。
いつまで開きっぱなしなのか分からない。
分からないが二度と服は着られないかもしれない。裸で生活することを余儀なくされた女。
定期的にヤントラに身体を洗われる。
懇切丁寧に汚れの権化たる女の身体を文句一つ言わずに。
「いっそ
どうして棒でも差し込んで拡張しなかったのか。
投げやりになるが身体に力は入らない。まだ少し筋肉が
充分な食事をしたためか、睡眠も呆気なく取れるようになった。
次に目覚める間には服は着たいな、と淡い思いが浮かんだ。
眠っている間もヤントラはラキュースをかいがいしく世話した。
だいぶ陰核も小さくなり、尿漏れも脱糞も起きなくなった。
全体的にラキュースの身体をさすりつつよく眠れるように手足をほぐしていった。
それからどれくらいの時間が経っただろうか。
次にラキュースが目覚めると身体の殆どが元の状態に近くなっていた。
至る所の筋肉を締め付けるように出来るようになった。さすがに少しの尿漏れと汚物が出ていたが。
「地獄から生還した蒼の薔薇のリーダーって所だね」
「人様には見せられない気がするけど。アダマンタイト級の冒険者が日がな一日自慰行為して脱糞と放尿しながら食事したのよ。恥ずかしいを通り越してるわ」
すっかり自慰行為が習慣になってしまった気がして冒険者を続ける自信が無い。
「あ~、こ、の、穴が、憎たら、しい~」
お尻の穴に中指を入れ激しく出し入れしながら、共に激しく自慰に
血が出るんじゃないかと思うほど。
潮が出なくなって体力が一気に落ちる。
手にべったりと粘液が付いていた。それを舌でなめ取る。
そんな痴態も今日で最後。だから徹底的に自慰はやりつくした。
所構わず、食事中も通路を往復しながらも。
あちこちに粘液を落としまくった。気の済むまで。出なくなるまで。
ついでに脱糞も放尿も家の中のあちこちに。
他人が見たらラキュースが狂人になったと思うだろう。
人という種族を捨てた
開放感はうなぎのぼり。
両親が見たら死ぬんじゃないかと。
仲間達が見たら去っていくかもしれない。
見られてもいいや、と思ったほど
「あ~あ、やったやった。出しまくった。もう死んでもいい」
自慰をしていても意識ははっきりしていた。
狂えるだけ狂いたかった。
それでも自分は生きている。何の為に性器があるんだろうと疑問に思う。
処女なんか要らない。精神を壊して欲しい。
人間でいたくない。
いっそ汚物に生まれたかった。
「大丈夫……。ただ、まだ受け入れられてなかっただけ……。ちょっと自慰のしすぎで頭の中が整理できてなかっただけ」
ヤントラはラキュースを優しく抱きしめ、両方の胸を揉む。
柔らかいおっぱい。
強く握っても母乳は出ない。
むさぼるようにかじりつき、引きちぎりそうなくらい吸い込む。
ラキュースの意識がはっきりしているまま胸がメチャクチャにされる。
自然とラキュースも胸を揉まれながら自慰に励む。自分でやるよりヤントラに
彼が胸から性器に移ったので両足を広げて受け入れ体勢に入り、同じようにむさぼり尽くしていく。それはもう自然の行為になっていた。
そうして一日が終わった。
次の日はヤントラが全ての掃除を終えて食事の用意も済ませる。
昨日までの痴態が嘘のように服装を整えたラキュースが食卓に現れる。
まだ少し自慰のクセが出そうだけど、気を引き締めなくては。
「じゃあ魔法で色々と……」
どんな魔法を使われたのかラキュースの意識は消えた。
次に気がつくと食卓に座ったままの自分に気がつく。
「今、何したの?」
「夜以外は自慰行為はする気が起きないように、という暗示」
「……それは助かるわね」
「排泄行為は自然と出来るように、も付け加えたから大丈夫でしょう」
「魔法は便利ね。いっそ自害も付け加えてほしかったけど」
と言いながら二人は静かに食事を取る。
「夫となるあなたの名前はどうすればいいかしら? アインドラ家は断絶。没落でもいいけど」
養子を取って跡継ぎにする事も考えられる。
「ヤントラ・サルヴァスパ・デイル・アインドラ。でもいいよ。デイルって何か意味あるの?」
「洗礼名のようなものかしらね。ラキュース・アルベイン・デイル・サルヴァスパ婦人と名乗るのも悪くはないのだけれど……」
アインドラ家の名を残したい気持ちはある。
確かに養子を取って名を受け継いでもらうのも考慮しておこうと思った。
快楽の狂乱からすぐに復帰できるほど女の身体は強くないらしい。
数日間とはいえ筋力がかなり衰えてしまった。
さすがに日がな一日自慰行為することは減ったとはいえ、世間に顔向けできるほどには精神は強くなっていない。
両親の帰宅に際してもまともに顔を合わせられない。
一応は家の中は新しく模様替えも、まだ終わっていないが、やっている。
家中に散らばっていた数々の汚点は残ってはいないが晩御飯時に
排泄行為も気のゆるみで歩きながらやっていないか、心配すれば数知れず。
料理と汚物の区別も出来ているのか、自信はまだ無い。
「そろそろ婚姻パーティが始まるそうだけれど……、中止にした方がいいかしら?」
「結婚式場の手配も遅らせてはいるが……」
「……いえ、お気持ちはありがたいのですが……。まだ少し気持ちが定まらないというか……、皆様に顔向けする自信が無いというか……」
両親は娘の
数日間に数々の暴力でも働いて
それが実際に見てみれば見違えるほどの美人になっていた。
以前からも美しい娘だと自慢したいほど奇麗だったが、更に一段と女らしくなっていた。