※この作品はR-18です。

ゲームオーバーから始めようか   作:モモンガ

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O-15 『モモン』対『影の国の女王』

 影の国の女王(スカアハ)達がたくさん現れて、それぞれ黒化していくようなモンスターならば悪夢だ。

「ふふふ、我等はまだまだ現れるぞ、戦士よ」

 と、終わり無きレイドボス戦が始まる。

 それは正しく世界が崩壊するフラグみたいじゃねーか。

 モモンは叫びだしそうになった。

 詰め所から離れているとはいえ、大声で叫べば目立つだろう。

 幸いすぐに沈静化が起きてくれた。

 確かに無限に増殖するようなモンスターは勘弁してほしい。

 少し影の国の女王(スカアハ)アレルギーになりそうだ。

 次に奴がまた出てくるようだったら逃げる自信があるぞ。

「と、殿。妖巨人(トロール)が一体、来たようでござる」

「おっと、今は仕事を……」

 と、現実に戻るモモンが顔を敵性体に向けると見慣れないモンスターの姿が見えた。

「あれが妖巨人(トロール)だと? ハムスケにはそう見えるのか?」

「森の中で少しばかり見かけた事があるでござるからな。他の妖巨人(トロール)達と一緒だったでござるから、仲間かと……。もしかして違った種族とかだったら、申し訳ないでござる」

 ハムスケが言う妖巨人(トロール)は一般的な再生力のある醜悪な姿のものとは違っていた。

 一言で言えば綺麗な姿だ。

 水晶で出来ているような鉱石系のようにも見える。

 種族は確かに妖巨人(トロール)だ。

 妖巨人(トロール)にも住んでいる場所によって様々な近親種が居る。

 武王のような戦闘妖巨人(ウォートロール)も居るくらいだ。

「あれは結晶妖巨人(クリスタルトロール)だ。完全な水晶という訳ではない。光線系の魔法に強い、という以外は特筆すべき事はないな」

 光線系と言えばナーベの天敵のような妖巨人(トロール)だ。

 だが、物理攻撃は通じるので倒す事は容易い。

 部位は取りにくそうだが。

「珍しい妖巨人(トロール)だが……。コレクションに加えるか……」

 自分で判断が付かない時は部下の意見を聞いた方がいいだろう。

 早速、アウラに意見を求めてみる。

『結晶妖巨人(クリスタルトロール)ですか。確かに珍しいですね』

「コレクションに加えるか、部下にやるか迷っている。要らなければ倒すだけだが」

『第六階層も賑やかになってきましたし……。ああ、第四階層が空いてましたね』

「そうだったな。すっかり忘れていた」

 湖が広がる第四階層。

 とても静かな場所だが生物が暮らすのは大変かもしれない。

 水生生物を多く住まわせていたのだが、死んでいないか心配になってきた。

 管理は一部のメイドにさせていたはずなので大丈夫だとは思う。

 階層守護者は巨大動像(ゴーレム)だから面倒を見る、ということ自体は無理だろう。

「下手をすると湖のモンスターを食べてしまうかもしれないな」

『あはは~、そうですね。じゃあ、要らないです』

「そうか。武王という妖巨人(トロール)が居たな。あいつの部下にさせるか。すぐに殺すのは勿体ない」

 その武王が要らないと言えば処分すればいいか、と思う事にした。

 手数だがアウラに来てもらい、持ち帰ってもらう事にした。

『あたしは構いませんよ』

「では、私の位置は分かるな」

 伝言(メッセージ)を解除してすぐにモモンの側に『転移門(ゲート)』が現れる。

 逃げてはいけないので『絶望のオーラ』の後でハムスケに掴まえていてもらう。

「あ~、本当に水晶っぽい~」

「一応、身体を洗った後で武王に任せよう。その後は好きにすればいい」

「畏まりました~」

「ところで、身体はもう大丈夫か?」

「はい。ご飯をたくさん食べて次の戦闘にいつでも行ける準備は整えました」

 ズタボロになった装備品はまだ修繕中だが、似たような服装で変わり映えがしなかった。

 確か同じような服がたくさんあると聞いた覚えがある。

 山間部で綺麗な服を着ても仕方がないので服装については言及しなかった。

 妖巨人(トロール)はアウラに任せて仕事を再開する。

 小さな身体で片手で妖巨人(トロール)を連れて行く姿は間違いなくレベル100のNPCだ。

 急な弱体化で敗北した、というわけではないようだ。

「いかんな、弱気になっているようだ」

「殿も調子が悪い時があるのでござるな」

 調子の良い日は意外と少ない。

 それを部下に中々見せないだけだ。

 

◆ ☯ ☯ ☯ ◆

 少し経ってから新たな敵影が報告される。

 白い竜(ドラゴン)。

 アゼルリシア山脈を統べる者達。

 霜の竜(フロスト・ドラゴン)の姿が捉えられた。

 冒険者の話しでは出現頻度はたまにあるけれど、襲撃にまでは及ばないらしい。

 人間が国境で仕事をしている姿を眺めて、そのまま帰っていく。

 戦闘になれば撤退を余儀なくされるが、無闇に襲っては来ない。

「……ヤントラが倒せたものは大した実力は無いんだろう」

 部位の搾取くらいだろうか。

 色々と素材を手に入れられるので、ユグドラシル時代は色々な竜(ドラゴン)を狩ったものだ。

「上ばかり気にしては足元がスキだらけになる」

 ここには黒き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)が出没する。

 知性が乏しいなら仲間にするメリットはあまり感じられない。

 珍しいの一言で手に入れて後々、大問題に発展するのは嫌だ。

 既に色々と問題が起きてしまったから、及び腰になる。

 ナザリックの支配者として臆病風に吹かれては沽券に関わる。

「いきなりブレスを吐いてくるようだったら、倒すぞ」

「了解しました」

「ど、竜(ドラゴン)と戦うのでござるか?」

「敵なら戦う。それだけだ。無理そうなら避難していろ」

 レイドボスに苦手意識を持っていては将来に不安を覚える。

 自分も精神的に強くならなければならないだろう。

 仲間達に笑われない存在となるためにも。

 圧倒的な力を持っていても慢心するな、という教訓かもしれない。

 まだ日が浅いが、冒険者の仕事は精神的な鍛錬には打ってつけだろう。

 しばらくは色々と頑張ろうと思った。

 問題の霜の竜(フロスト・ドラゴン)は数回の旋回の後に去って行った。

 敵対しなければ攻撃しない。というナザリック式ともいう概念で言えば問題は無い。ただ、アインズ個人としては竜(ドラゴン)を狩って色々な部位を採取したかったな、と少しだけ残念に思った。

 ユグドラシル時代の竜(ドラゴン)は最強種であると同時に色々なアイテムの素材を得るのに最適な存在でもある。

 アインズ・ウール・ゴウンのメンバーと共にかなり狩り尽くした覚えがある。

 当然、狩れば居なくなる。

 ゲーム時代はそれでも時間経過と共に再生成されるものだが、こちらの世界では取れば無くなり、再生成はおそらくはしない。

 貴重な生き物であり、無闇に襲うことはできない。

 ラキュースを殺した後、時間経過と共にラキュースが再出現したりはしない。

「殿?」

「モモンさんの思考の邪魔をするな」

 ハムスケを窘(たしな)めるナーベ。

 二人共、それなりに付き合いが長くなり、仲良くしているように見える。

 それでも命令一つ与えればナーベはハムスケを殺すのだろう。

 少し抵抗するNPC達。それはそれでもう一度『はい』を選びますか、という再確認が出来るので安心できることだ。

 うっかり発言で簡単に死なれては困るから。

 間違った選択肢に対してやり直しが出来るのは精神的には安心できる。

 時にはそれが面倒くさい、と思えてしまうけれど。

「それにしても折角増強してもらったはずなのに、大して役に立たなかったな」

「も、申し訳ありません」

「すまぬでござる」

 数値的に強くなっても身体が着いて行かなければ意味が無い。それが分かっただけでも良しとするか、とモモンは思った。

 そして、仕事の最後に出現したのは影の国の女王(スカアハ)だった。

 

 いつもなら上から跳び降りて来るらしいが、今回は普通に歩いて来た。

 ついに来た、とモモンは思う。

 遅かれ早かれ再確認したいとは思っていた相手だ。

 色々と調べたい。

「待たせたな、影の国の女王(スカアハ)姉さんの登場だ」

「いや、戦う前に聞きたい事がある」

 槍を構えようとした影の国の女王(スカアハ)が嫌そうな顔をした。

 敵性クリーチャーなのに表情が豊かなのは疑問だが。

「なんだよ、影の国の女王(スカアハ)姉さんはとても短気なんだが……」

「前に戦った影の国の女王(スカアハ)……姉さんはモンスターの質が変わったと言った。それは具体的にはどういうことなんだ?」

「はっ? そんなこと知るかバカっ!」

 思いっきり否定してきた。だが、戦意を喪失しているモモンにはそよ風の如く。

「はっはっは……。は~あ。あー、んー」

 槍を色々と構えて色々な表情に変わる影の国の女王(スカアハ)。

 ナーベは今にも切りかかろうとしていたがモモンが押し留めた。

「口からでまかせだろう。本気にしたのか? 世界は何も変わっちゃいないぜ」

「お前が知らないだけかもしれない」

「影の国の女王(スカアハ)姉さんが知らない、だと……。ふーん。そう……。うーん。あー、えー」

 言葉の通じる敵。

 イベントボスとでも言うのだろうか。

 ここまで会話が続く者は珍しくないだろうか。

 というより蜥蜴人(リザードマン)達もテンプレート的な敵なら会話に限りがあるはずだ。少なくとも普(・)通(・)の(・)敵(・)なら意思疎通など出来る訳がない。

 よくよく考えれば色々と疑問点がある。そこに今まで目を向けなかったのは誰だろうか。

 自分(モモンガ)だ。

「……戦士のお前が真実を言っているのならば……。それはそうなんだろう、とかは言えない。この影の国の女王(スカアハ)姉さんにも答えられないことや分からない事があるとはな」

 槍を器用に放り上げる影の国の女王(スカアハ)。

「世界の真実を知ると全てを失うとしたら……、戦士のお前は知ろうとするのか?」

「知りたくない事はある。結果が最悪なのが分かれば聞きたくないだろうさ」

 結果が分かっていたら誰も苦労はしない。

 当たり前の事をモモンは言ったが影の国の女王(スカアハ)は軽く笑うだけだ。

「悩める戦士の為に一肌脱ごうか」

 槍をしっかりと掴み、体勢を低くする。

 そして、褐色の肌が一瞬で色白の白人系に変わる。

 髪の毛は炎を模した橙色。赤と言うよりは揺らめく炎そのもののようだ。

 レベル138のイベントボス。

 

 赤化・影の国の女王(ルベド・スカアハ)。

 

 モモンは怯んだ。またもイベントボス化したか、と。

 もう一段階に進めばレイドボス。違いがあるとすればステータスや特殊スキルくらいだろうか。

「この姿に覚えがあるか、戦士よ」

「つい、数日前に会った」

「そうかい。……不浄の女王を撃破したのか。そんな存在は数百年ぶりだ。だが、数日前なら……、少し大変か……」

 槍を放り投げて器用に受け取る赤化・影の国の女王(ルベド・スカアハ)。

 少し困ったような顔になる。

「正直、私もこの姿にどうして変わったのか、よく分からない。何かの条件を満たしたのは確かだろう。あるのは目の前の戦士を倒せ、という染み付いた命令だ」

 データ上のクリーチャーは冒険者を襲うのに単純な命令しか与えられていない事もあるだろう。

 つまり、この赤化・影の国の女王(ルベド・スカアハ)は自我を持っている、可能性がある。

 会話にちゃんと参加しているのが証拠だ。

「戦士よ。お前の選択次第ではお互い傷つかなくて済むかもしれないぞ」

「選択か……」

 それは誰かがよく言っていた言葉のようだ。

 これがその無数の選択肢というものだろうか。

 なるほど。

 選びたくないな、と。

「だが、撃破したのだろう。私は普通に戦えば……。ほうほう、そんなことが……」

 と、独り言のように赤化・影の国の女王(ルベド・スカアハ)は言った。

「世界はお前に褒美を与えたそうだな」

「あ、ああ。七色鉱の塊をな」

 天然の『星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)』だと思えば楽なのだが、強すぎる。

 きっとこの敵も強いだろう。

「ならばもうしばらく褒美は延期でいいな。連続戦闘は酷だろう。戦士に簡単に死なれたり絶望しては『つまらない』……」

 赤化・影の国の女王(ルベド・スカアハ)は一瞬で影の国の女王(スカアハ)に戻った。

「我等と戦いたいなら……、もっと強者を連れてこい。……それから……、これはただの独り言だが……」

「………」

 影の国の女王(スカアハ)はいたずらっ子のように苦笑する。とても人間的な笑顔だった。

「……不用意に話しかけるな。……普通の殺し合いが世界をかけたものに変化するぞ」

「む……」

「……影の国の女王(スカアハ)姉さんは気まぐれだ。次も可能性があると思うなよ、戦士よ」

 モモンは黙って頭を下げた。

「素直な戦士は影の国の女王(スカアハ)姉さんの大好物だ。じゃあ、殺し合いを始めようか。影の国の女王(スカアハ)姉さんは戦士を逃がす気は無いんで」

 変化せずに槍を構える影の国の女王(スカアハ)。

 つまりイベントボス化せずに戦うという事だ。

「勉強させていただく」

「よろしい」

 モモンは背中からグレートソードを引き抜く。

 戦士としてはどこまで通じるか分からない。

 相手は歴戦の槍兵(ランサー)。生粋の戦士だ。

「話しを聞いてくれた戦士に一つ、いい事を教えよう」

「何でしょうか、影の国の女王(スカアハ)姉さん」

 と、モモンが言うと満足したように微笑む。

「剣の英雄はバハルス帝国のどこかに居る。弓の英雄はスレイン法国の……っと一つだけだったな。もし、会えたら戦って奪え」

「ありがとうございます」

 何を奪うのか。

 もちろん、英雄の武具だ。

「あー、もう一つ。こちらは残念な方だ。変身する敵の武器は消えるから……」

「それは……、勿体ないですね」

「強制力の仕業だろう。さあ、戦士よ。かかってこい」

 親切な影の国の女王(スカアハ)。それは誰の意思によるものなのだろうか。

 特定の場所に行かなければ会えないレアモンスター。その情報はとても貴重だ。それらをモンスターは本能で持っているのかもしれない。

 話しかけたら危険な相手も居る事が分かった。

 話しかけずに倒してしまえばいい、ということもあるだろう。

 交渉の苦手なモモン、いや、アインズとしては世界征服並みに頭の痛い問題になりそうだ。

 

◆ ☯ ☯ ☯ ◆

 戦闘は優位に立てる。それは刺突に耐性を持つアンデッドだから。

 普(・)通(・)の(・)影の国の女王(スカアハ)は手ごわい事には変わらないが、倒せない敵ではない。

 ナーベとハムスケには荷が重い相手かもしれないけれど。

 そして、自分は正(・)し(・)い(・)選(・)択(・)を選んだから生き残れた。

 本当に正しかったかは後々になって分かるだろう。

 実はとてつもなく最悪なフラグが立ってしまった、とか。無いわけではない。

 自分たちが強いと信じて疑わなかった希望が打ち砕かれたような気分だが、起きてしまったことはやり直せないし、やり直してはいけない。

 それもまた試練だ。

 身軽な影の国の女王(スカアハ)相手に大振りの攻撃は通用しないようだ。

 掴まえて殴る、という事が出来れば楽かもしれないけれど。

 高速治癒を持つ相手に小技は有効的とは思えない。

 魔法で倒せるか、と言えば狙うのに手間取る。

 高レベルモンスターは魔法詠唱者(マジック・キャスター)にとっては戦いにくい相手かもしれない。

 のこのこやって来る人間相手ならまだしも。

 確か超位魔法を使うと聞いた覚えがある。モンスターなのに、と疑問に思うがモンスターとして優遇されたステータスを持つから可能だといわれると閉口してしまう。

「動きが鈍いな」

 という指摘にモモンは苦笑する。

 大きな武器を二本も持って立ち回る全身鎧(フルプレート)の戦士だ。

 身軽な攻撃が出来る訳が無い。

 対する影の国の女王(スカアハ)は軽装鎧の身軽な格好。

 体術も絡めてくるモンスター。

 筋力の差が分かればまた違った攻撃に出られるのだが、少なくとも武技は使えないようだ。

 使う価値がない、と思われているのかもしれない。

 正直に言えば魔法詠唱者(マジック・キャスター)が戦士の真似事をしているだけだから、勝てるわけが無い。

 相手の持つゲイ・ボルグはレベル100の魔法詠唱者(マジック・キャスター)が作り出した鎧ですら貫通してくる。

 今はまだ大したダメージは受けていないが、確実に攻撃は通っている。

 おそらく槍のデータ量は破格なのだろう。

 この世界特有の伝説級武器。

 分析しながら戦っているので攻撃を良く食らってしまう。

「殿が押されている!?」

 と、少し離れた位置で観戦していたハムスケ達は心配していた。

 いつもは無敵のモモンが一方的にやられているのだから。

 生粋の戦士にして高位モンスターだ。

 アダマンタイト級の人間にも負けはしないモモンとて苦戦は必至。

 得意の死霊系の魔法も通じにくいだろう。

 あっさり死ぬイベントボスは居ない。

「大きな剣では分が悪いか……」

 当たり前だよな、とモモンは自分で納得し、剣を消す。

 代わりに出したのは小ぶりのブロードソード。

 全身鎧(フルプレート)の戦士に似合わないから、という理由で装備しなかったものだ。

 だが、これはヤントラの創作レシピに基づいて作られた人型モンスター相手には有効的な武器だ。

 剣の名は『処女の業(ヴァージンカルマ)』という。

 どうしてこんな名前なのか知りたくなかったので聞いていない。

 どうせロクな事ではないのだろう。

 身体が大きいせいで小ぶりに見えるが一般人が持てば普通の剣なのは間違いない。

 元々戦士ではないけれど武器の扱いはそれなりに慣れている。

「いくぞ」

「かかってこい、戦士よ」

 打ち合うと刃こぼれしそうなほど、この武器はとにかく良(・)く(・)切(・)れ(・)る(・)と評判だ。

 実際にコキュートスも驚いていたくらいだ。

 設計思想と適切なデータクリスタルを投入しないと作れないものだ。

 ただ、外装はデフォルト。というか、余計なデータクリスタルは入れられていない。

 多少の攻撃を無視してモモンは切りかかる。

 普通の大上段では簡単に避けられるので、自分なりの小技をからめる。

 というか、どうして自分は戦士の真似事をしているのだろうか、と今さらながら疑問に思う。

 レベル100だから戦士っぽいことをしても現地の人にとっては凄いすごいと言われてしまう。だから調子に乗った所はあるかもしれない。

 本物の戦士から見れば『なにやってんの、お前』と言われるだろう。

 少なくとも武人建御雷が見たら情けないと言われてしまうかも知れない。

 色々と中途半端な自分に自己嫌悪する。

 コキュートスに剣で勝てるかと聞かれれば無理と答える。

 それほど自分は戦士としてのレベルは高くない。

 片手剣として装備しているので、もう片方は相手を掴んだりする。

 この際、捨て身の戦法も使う。

 問題は身体を貫通するような攻撃を食らった後の言い訳だが、どうしよう、と困惑する。

 前と後ろの攻撃を受けた、と言い張るしかないだろう。

 時には無理を押し通す。

 中身は骸骨なんですよ、とは言えない。

 実際、ヤントラですら苦戦したという影の国の女王(スカアハ)にそもそも戦士で勝てるのか、という疑問が浮かぶ。

 到底無理じゃね、と。

 ヘルムの中で苦笑を浮かべるモモン。ただし、幻術で作った顔だが。

 けっこうシュールな冒険を自分もしているな、と思った。

「しぶといね~」

「どうも」

「不得意な分野で挑んでくる勇気に免じて、手加減してやろう。影の国の女王(スカアハ)姉さんは優しいのだ」

 後方に宙返りする影の国の女王(スカアハ)。

「蹴り穿て!」

 おもむろに槍を手放し、地面に着く前に蹴り飛ばしてきた。

 槍は真っ直ぐモモンの肩を貫いていく。

 手加減しているようには見えなかった。いや、武器を手放した今こそ攻撃のチャンスでは、と。

 駆け出そうとしたモモンが見たのは虚空から数十本のゲイ・ボルグを出す影の国の女王(スカアハ)の姿だった。

「なに!?」

 あの物騒な槍をどれだけ持っているんだと驚いた。

「ほらほら、まだまだ行くぞ」

 と、言いながらゲイ・ボルグを蹴り飛ばしてくる。

 普通の人間なら身体中穴だらけになっているところだ。

 ある意味、危険な攻撃だ。

 飛んで行ったゲイ・ボルグは途中で消滅する。つまり一定時間のみ存在する武器のようだ。

 それは影の国の女王(スカアハ)の裁量で際限なく出せる武器なのかもしれない。

 いや、これがスキルというのならば納得する。

「よく立っていられるな。まだ生きているとは……。アンデッドの戦士かい?」

「しぶといのが取り柄なんですよ」

「私はてっきり掴んで投げ返してくると思ってたんだが……」

 と、言われてなるほどと思った。

 剣を使う戦士なので槍攻撃は失念していた。

 戦士職は槍も一応装備できる。というかだいたいの武器は装備できる。

 全部ではないけれど。

 専用のスキルは覚えないけれど。

 ならば期待に応えなければならないだろう。

 とはいえ、掴んで投げる。と簡単に言うが、問題としては持続時間だ。

 影の国の女王(スカアハ)に届く前に消えるのではないか。

 そもそもゲイ・ボルグでダメージを受けるのか、と。

 ゲイ・ボルグを自在に操る槍の英雄だ。

 だが、考えていても仕方が無い。

 戦士は脳筋気味が戦いやすい。

 無数に飛んでくる槍を掴んでは投げ返す。

 普通ならば避けられるだろう。だが、レベル100の戦士の投擲力は並みではない。

 得意という訳ではないが、都合が良い事に槍(・)は(・)た(・)く(・)さ(・)ん(・)ある。

 影の国の女王(スカアハ)の蹴り上げた脚に二本ほど刺さる。

 ドスドス、と重い音が聞こえる。

 反撃は出来たのだが、自分も結構穴だらけにされている。

 既に飛んできた槍は消えて、影の国の女王(スカアハ)も再始動しようとしていた。

 肉体があれば消耗戦となり、最終的には共倒れだ。

 モンスターであるならばHPという概念がある。

 それが尽きれば影の国の女王(スカアハ)とて滅びる。

 女神系は心臓を潰しても死にそうに無い気がする。

「うーん、及第点は上げられないな」

「それは残念だ」

 地面に倒れた影の国の女王(スカアハ)は軽い動作で飛び起きる。

 既に高速治癒で空いた穴は塞がっていた。

「弟子にする価値も無いな。見込みが甘かったかな」

 弟子になる気は無いけれど。

 こっそりと『絶望のオーラ、レベル5』を叩きつけてみた。

 即死効果のあるスキルなのだが通用しているようには見えない。

「敵一人にここまで苦戦するとは……」

 戦士のモンスター一体にかなり苦戦している。

 相性の問題だろうか。

 今まで楽をしてきた罰かもしれない。

 多少の苦難は甘んじて受けるのも将来の投資と思えば安いかもしれない。

「影の国の女王(スカアハ)姉さんが手加減しないと勝てないんじゃあ……、次も同じか、それ以上に苦労するよ」

「そうですね」

「苦学生の君に朗報だ。ここで死になさい。楽になった方がいいだろう」

「生憎と待っている人がたくさん居るので」

 影の国の女王(スカアハ)の手に複数のゲイ・ボルグが集まり、太くなっていく。

 ゲイ・ボルグの持ち主と言われるだけあり、様々な形態変化を起こせるようだ。

 後方に二回ほど宙返りして戦闘態勢を取る。

 そして、発動されるのは超位魔法。

 

 〈必中死槍(アブソリュート)・絶死絶命(ゲイ・ボルグ)〉

 

 『必中死槍(ゲイ・ボルグ)』の上位にしてモンスター専用の超位魔法。

 通常プレイヤーや課金では習得できない。

 そういう専用魔法もユグドラシルには存在する。

 破壊力に特化した魔法ではあるけれど、超位魔法としての性能は他のものと変わらない。だから、モモンが投げた『処女の業(ヴァージンカルマ)』が顔面に刺さり、解除されてしまう。

 よく切れる武器はよく刺さりもする。

 魔法の発動を想定した動きを見せるが何も出来ない影の国の女王(スカアハ)。

 そういう虚しい動きはプログラミングされたモンスターのようだとモモンは思う。

 落胆している場合ではない。

 高速治癒で復活する前に畳み掛ける必要がある。

 武器はま(・)だ(・)ある。

 一気に駆け出して両肩を落す。

 力技なら多少は得意だし、技術は大して必要ない。

 ただ、力いっぱい振り下ろすだけだ。

 顔に刺さった剣を引き抜かず真下に動かす。

「私の勝ちですね、先(・)生(・)」

 スキの大きい超位魔法を使ってくれなければ勝てなかっただろうし、敗走も視野に入れていた。

 戦士職のモンスターはやはり苦手かもしれない。

 トドメとして左右からナナメに切り裂く。

 バラバラになって地面に崩れ落ちる影の国の女王(スカアハ)。

 高速治癒が止まったのを確認する。

「……本当によく切れるな、この武器……」

 聞きたいことはあるけれど、復活してまた戦闘になっては困るので、首は切断しておいた。

 黒い仔山羊のように靄(もや)となって消えたのは槍だけだ。肉体は残った。

「勝ったのか……」

 ゲーム時代と違い、モンスターを倒した、という実感が分からない。

 一部のモンスターは死んだのか、どうか判らない者が居る。

 ここから復活するのかもしれないし、どうしようかと頭を悩ませる。

「その前に鎧を修繕しなければな」

 派手に穴だらけになっていて詰め所に戻るに戻れない。

 予備の鎧を送ってもらう事にする。

 影の国の女王(スカアハ)がまた復活しても困るので、鎧を運んできたシモベに第七階層の溶岩に放り込んで処分するように命令した。

 武具は得られなかったが情報は貰った。

 また機会があれば色々と聞けることもあるだろう。

 

 レベル差が近いと意外とてこずる事がわかっただけでも良しする事にした。

 歯ごたえのある敵は倒しにくい。

 もう少しバランスの取れた仲間として活動した方がいいのかもしれない。

 少なくともアルベドやコキュートスが居れば苦戦はそんなにしない相手だ。

 変身しなければ。

「……疲れた……」

 精神的に。

 沈静化されないレベルではあるけれど、援護の方が自分にはあっているのかもしれない。

 前面に立つ魔法詠唱者(マジック・キャスター)というのは無茶なのかもしれない。

 ヤントラの場合は高レベルのメイドを控えさせている。それはそれで戦略的に色々と有利かもしれない。

 色々と考えなければならない点はあるが、仕事はまだ続いている。

 共はアルベドの方が良かったのかもしれない。

 ナーベでは心許がない。

「妖巨人(トロール)の一団が現れました!」

 遠くから報告の声が響いてきた。

「お仕事を頑張りましょう」

 冒険者モモンとして。

 夕方になり新たな兵士の補充の後、モモン達の仕事は終了を迎えた。

 その場で解散ではなく、ゴミや荷物などをエ・アセナルに持って行き、報告してから仕事は終わる。

 集めた部位も提出しなければならない。

 凶悪なアンデッドは現れなかったが、聞いた話しでは『具現した死の神(グリムリーパー・タナトス)』が現れた事があるとか。

 影の国の女王(スカアハ)と同じくらいのレベルなので嫌な予感がする。

 黙って討伐した方が無難かもしれない。

 宿屋で四日目の朝を迎えたはずが一年くらい経過したような気分だった。

 ほんの数日で世界が変わった。そんな怒涛の日々だった。

 これが毎日のように起きるのは勘弁願いたい。

 疲労しないアンデッドにも休暇が欲しい。

 

◆ ☯ ☯ ☯ ◆

 モモン達が激闘を繰り広げている間、ヤントラは日がな一日、ぼ~っとしていた。

 痴呆の様に。何をするでもなく。

 『マグヌム・オプス』の荒れ始めた畑を眺める。

 空中に作った庭園はンフィーレアが様子を見ているので特に問題は無い。

 受け答えも今は不自由している状態だ。

 それでも一部のメイドは命令を実行し続けている。

 主が不在でも永遠に稼動する施設。

 不測の事態を避けるため、事前に用意してもらったマニュアルを最大限に活用しているので大きな障害は発生していない。

 見回りの一般メイド達も無事であった。

 そんな状態を長く放置する事はできないのだが、どうすることも出来ない。

 ンフィーレアは粘体(スライム)を使い、ヤントラの全身を調べさせたり、解剖まがいの行為にも挑戦した。これはアインズに相談し、デミウルゴスという部下と共に行(おこな)った事だった。

 治癒担当を置き、色々と調べてみたのだが結果はさ(・)っ(・)ぱ(・)り(・)分(・)か(・)ら(・)な(・)い(・)だった。

 どんなことをされても悲鳴一つ上げないのは凄いのだが、原因を特定できないと不安が募る。

「人間でありながら至高の存在……。とても興味深いのですが……、色々と試してみて何も分からない、というのは……」

 デミウルゴスは報告すべきことが耐久力ばかりで少し困ってしまった。

 脳みその状態も問題が無い。

 痴呆特有の収縮や気泡は発見できなかった。

 魂そのものが相手となるとお手上げなのだが。

「……やはり魂……ということでしょうか」

「そこまでになると手が出せませんね」

 検査を終えて元の身体に復活しても様子に変化は見られない。

 女体モンスターの大きな胸にも反応を示さない。

 気の済むまで放置。それも少し脳裏を過ぎる。

 発想が出尽くした抜け殻、と言う事も考えられるかもしれない。

 ンフィーレア達が不在の時にイビルアイが添い寝したり、ラキュースや子供達をつれてきたりしてかいがいしく世話をしてみた。

 日がな一日、無心で。

 生きている今の姿は脳内が真っ白のアバターかもしれない。

 つい先日にヤントラという戦士は死んでしまった。

 そう判断するのは早いかもしれないけれど、いずれは覚悟を決める日が来るだろう。

 未完成の『万魔殿(パンデモニウム)』を自分たちで完成させる事は不可能。それはンフィーレアが書き留めたメモを見て判断している。巨大施設はまだ足りない部分が多くあり、ヤントラは全貌を書き留めていない。側(がわ)だけが決まっている状態だ。床板と外壁を埋めて完成と言うには何かが足りない気がする。頂点部分に何かを入れるはずだ。

 『マグヌム・オプス』には封印されたままの部屋がある。

「復活してください。せめて完成に繋げる事柄を書き留めるだけでいいんです」

 その願いも虚しく消えていく。

 長期戦になるだろうから、無理しても仕方が無い。少なくとも外に出て畑を見たり、回りの景色を見る行動は続いている。身体に残っている本能がさせるのかは分からないけれど。

 時々、アインズが来て様子を見る事がある。三割分が仮に死んだとしてもアバターが大人しいのが気になるからだ。適当ゆえに最適化されているのが事実ならより元気に女体を求めそうなものだ。本(・)当(・)の(・)ヤントラはとても大(・)人(・)し(・)い(・)女(・)性(・)だ。

 真逆の性格設定のアバターが大人しいのは有り得ない。

 さすがに本名はモモンガの本体である『鈴木(すずき)悟(さとる)』も知らないけれど。

 気弱な性格の人間が強気のキャラ設定するのは少し理解出来る。

 ゲームの世界ではそれなりに自由になれるから。

 支配者をしている自分も偉そうに振舞っているのだから、大層な事は言えない。

「世界がマジで危機らしいんだが、助けてくれないか?」

「………」

 素のモモンガとしてヤントラに話しかける。

 周りには影の悪魔(シャドウ・デーモン)達を配置している。

「モンスターがボス化したんだけど、強かったぞ。ああいうのには出会わなかったんだよな、お前は」

 何気ない会話。内容は物騒だが。

 性別の問題は除外してモモンガとして改めてヤントラと向き合う。

 最後までゲームを楽しもうとしたプレイヤー。

 シュールなことが大好きと言うから、話しかけているのが偽物で本物が物陰に潜んでいる事も無くはない。

「それと語学の勉強が途中だぞ。中途半端は困る」

 いつもはムカつく奴だが何も返ってこないと虚しくなる。

 脳神経外科でもあれば入院させるところだが、アイテムも魔法も通用しないなら手術くらいしか浮かばない。

 特効薬は専門外だ。

 頭を攻撃しすぎたせいだろうか。

 治癒魔法で治ったはずだが、魂までダメージを受けたのだろうか。

 便利な魔法の落とし穴、ということも考えられるだろう。

 相手が女性だからキスすれば元に戻るとかだったら嫌だな。というか好きでもない相手だし。

 ラキュースのキスは通用しなかった。それは確認した。

 女性なら誰でもいい。男性なら誰でも、ということもないだろう。

 ふと思い出した事があったのでヤントラをイビルアイに預けて一の宝物庫の地上二階に向かった。

 専用の名前が無いので名称に少し不満を感じる。

 誰にも監視されていないことを確認してから玉座の間に置いてある、玉座とは思えない粗末な椅子に座る。

 椅子ならなんでもいいんだろう。

「マスターソース・オープン」

 施設の主やギルドマスターの権(・)限(・)を(・)持(・)つ(・)者(・)なら出せるコンソールが現れる。

 権限を与えていない、持っていないものには出せない仕様だ。

 アインズの目の前には赤い警告文が表示されていた。

 それらは封印された部屋がほとんどで操作に関しては制限されていないようだった。

 施設内部の様子は分かるけれど、中に何が置いてあるのかは非公開となっていた。

 NPCは一人も居ない。

 主の名前だけが登録されている。

 施設の中に居るメイドはNPCのようでNPCではない。

 名前を消しても存在が消滅する事はない。

 では、何者かと聞かれると分からないと答えるしかない。

 ヤントラのステータス項目を開くと驚愕の事実が、とかいう驚きの表示は出てこなかった。とても普通でがっかりする。

 何か仕掛けてきそうなものだが、何もないと期待はずれ感がある。

 なぜ、期待しなければならないのか。わくわく感が欲しいから、かもしれない。

 他人の施設で他人の情報だから。

「……うわぁ、なんだよ、これ……」

 自分が覚えているヤントラの性格設定は適当ではあったが、定型分的なもので面白みに欠ける。

 ランダムのデフォルトキャラとも言える。

 初心者にありがちな『面倒くさいから、これでいいや』的なものだ。

 職業(クラス)さえ取ればいいので。外面はあまり重要ではない、という者も居る。

 かく言うモモンガも外装はこだわっていない。

 本来は適当な文章が並んでいるのだが、今は大部分が空白だった。消されているとも言える。

 警告文で非公開、ということも覚悟していたけれど。

「あれ? じゃあ、書き直せばいいんじゃ……」

 書き直すツール(課金アイテム)はヤントラが持っているんだろう。

「何者かの仕業だろうか。それとも自分でやったのか」

 前者は悪用に長(た)けた悪質なプレイヤー。

 後者は自分を実験台にした結果、とも言える。

 それはモモンガとてやりたくないことだ。

 取り返しがつかないことを恐れるものなら手は出さない手法だろう。

 それが出せるのは勇気ある愚か者だけだ。

 そう考えればヤントラらしいとも言える。

 もし、そうならば肉体のある『鈴木悟』であれば号泣ものだ。

 骸骨の身ではあるが目頭が熱くなってくる。

 以前ならば、このまま放置しようと思うだろう。だが、今は様子が変わっている。

 この施設を永遠に稼動させていると将来的によくないことが起きそうだし、空の『万魔殿(パンデモニウム)』を落すわけにはいかない。

 ある程度の完成の目処は立ててもらわないと。

 あと切り札としてメイド達を使わせてもらいたいし。

 正直、変なやりとりを経て助力を願うのは勘弁してほしいところだ。

 モモンガとしてはヤントラのシュールな感性は合わない。それは理解した。

 それにしても、とモモンガは疑問に思う。

 七割がアバターとして三割分はどうしたのだろうか。

 ステータスに三割の本体(ヤントラ自身)の情報は書かれることは無い。

 考えられる事は三割の方は死んで七割が空白になっているということだ。

 たとえ十割がアバターとしても、いや、十割アバターだからあんな状態なのかもしれない。

 ついに寿命を迎えたのだろうか。

 キャラ設定ではまだもう少し長生きするはずだし。現に今も動いていた。

 この部屋に侵入することとコンソール操作による妨害は無い。それは安心した。

「地道な勉強は大事だな、ヤントラ」

 今回は確認作業だけにして次はメモ用紙やアルベド、ギルド武器の『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』の持参も健闘しよう。

 何事も一つ一つの確認作業だ。

 

『第十六章 世界を穢す超越者たち』へ続く

 

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