ゲームオーバーから始めようか 作:モモンガ
隠さずに話してくれたのは素直に嬉しいのだが、他言できない内容ばかりで困った。
理由を知りたいから尋ねたくはなるのだが、知らなければ良かったと思うことは確かにあるようだとメンバーはそれぞれ思った。
お披露目が終わり王都に戻り、クレマンティーヌは実際に目の当たりにするヤントラの技法に改めて驚かされた。
それからラキュースも餌食になったことは言うまでも無いだろう。
実験を積み重ねるごとに変態スキルに磨きがかかっていく夫に驚きつつも呆れ、そして、苦笑する。
これで拷問好きならもう少し憎めるのだが、変なところで人間を大事にするから腹立たしい。
最初の眼球は無駄ではないかと思ったが、それは実験が足りなかったからだろう。
今はそれを
数日後にレエブン侯に招待の手紙を出した。
出し方はラキュース達に教わった。
迷彩柄の装備にお抱えの元冒険者の一団に囲まれたレエブン侯達はマグヌム・オプスにやってきた。そして、施設内を一通り案内された。
「じゃあ、口封じに皆さんを殺せば良いんですね」
「ヤントラ殿……、それは以前にも誰かに言われた事なのか?」
「大体の人はそう思っているらしくて……。この国だけなのか、世界的な事なのか……。思い込みの激しい人達が多くて大変です」
ヤントラが苦笑するとレエブン侯も苦笑した。
お忍びの視察なので迷彩柄の装備だが、元冒険者達はしっかりとレエブン侯を警護していた。
「拷問室。宝物庫。屠殺場。もう一つはエロい宝物庫としておきましょう」
第二の宝物庫は二階層になっていてエロいのは地下二階部分。
「相変わらず素直な御仁ですな」
「隠していても面白くないので。身近に隠そう、隠そうとする人が居たのでね。嫌気が差したんでしょう」
その『人』はアインズ・ウール・ゴウンなのだろうなとレエブン侯は思った。
「宝は全ての工事が終わってから少しずつ並べていくので殺風景ですが。早い話しが金貨の山でこの施設を満たす予定です。出来るかはまだ分からないんですが」
「金貨?」
「流通できない金貨です。その箱に入っていますが見るだけにしてください」
「うむ」
レエブン侯は示された箱を開けると黄金の輝きが照らし出された。
「おおっ!」
「持って来たのはその程度ですが……。ここ最近、その金貨の資産も結構減ってきましたので」
「たくさんのスクロールを使っていたが、あれの代金だろうか?」
「元々持っていたものですが、かなり消費してしまいましたね。黒い仔山羊討伐用と真蒼の薔薇の装備類にかなり投入しました」
それだけ聞くと色々と納得できた。
「ざっと……、数えてはいませんが金貨一億枚……近くは消費したのかもしれません」
「……はっ? 一億?」
万の次の単位であることは知っていた。
金貨の枚数では国の国家予算に使われるほどだ。
「色々と他の物も買いましたので、この国に来てからそれくらいは使ったと思います」
「や、ヤントラ殿っ!? それはとても物凄い事ではないのか!」
「はっはっは……。ちょっと無駄使いしてしまいました」
それだけかけて真蒼の薔薇の装備を整えたり、スクロールをかなり使わせたり、それでもなお権力に固執する事無く、己の楽しみのために行動している。
土地を手に入れて大きな城でも作るかと思っていたが。物騒なものが作られていることは何となく分かった。
ますます良く分からない人だとレエブン侯は呆れつつも苦笑する。
「ま、まさか、この金貨が最後の残りだとか?」
「実験的に持って来ただけで、まだありますよ。個人資産ですから大した額はありませんが」
ユグドラシルの普通のプレイヤーならば数十億程度は持っているだろう。ましてヤントラは必要なアイテムにしか使っていない。
ギルドを立ち上げると運営費として金貨が消費されていく。
エリアエフェクトやトラップを起動するにも金貨が消費されていく。
ヤントラはアイテム作成の為に必要だから大量に保有しているだけだ。
「それを持ち出すと経済が破綻するかもしれないので、いくらレエブン侯とて差し上げられません。あと、色々と面倒な事態にもなりそうなので」
「そ、そうか。うむ。……だが、実際に目にして驚いたが綺麗な貨幣だ」
「ありがとうございます。金貨以外で差し上げられそうなのは……」
「ヤントラ殿の財産を貰おうなどとは思っていない。そなたは散財すぎると聞いているからな」
少しは欲しいと思うのだが、見たことの無い金貨は流通させると危険かもしれないとレエブン侯も肌身で感じてきた。
見たところ数十万枚はあるかもしれない。
「出来る事ならナザリックの者達にも対抗できるような武器があればいいのですが……。向こうの方が総じて良い武器を持っていますからね」
そう言った後でヤントラは手のひらをパンと叩くと周りに反響するくらいの音が出た。
「んっ!?」
「リ・エスティーゼは速やかに帝国の属国になったらどうでしょうか?」
「はっ?」
いきなり突飛な事を言い出したのでレエブン侯のみならず同行していたお抱え騎士達も互いに顔を見合わせる。
「
「あ、ああ、目的さえ達成すれば後は知らない、ということか」
「建国にこれだけ時間がかかっているんですよ。国の統治なんて尚更難しいと思いますよ。私でもやりたくない」
暴論だが、良い手かもしれない。もちろん、素直に受け入れられないけれど。
脅威を少しでも無くすには色々な方法は必要だ。その点で言えばヤントラの意見は大事なことの一つだと思える。
「圧制を強いたりはしないのか?」
「自前の労働力がありますから、逆らわなければ普通に暮らせると思います。バカみたいに税金を高くしても収入が無ければ意味がありませんからね」
「なるほど」
「今のところモンスターをけしかけて都市をよこせ、とか頭の悪い方法は取っていないですし」
「そうだな。都市の被害は報告されていない。が、各地で色々と噂程度には襲撃報告はあるようだ。王国領内かどうかは分からないが……」
他の国かもしれないし、森の異変というのもある。
「属国になる選択は取れないだろうな。血を流さない良い案ではあるが……」
「ランポッサ国王は良い王で居てほしいです」
「君の気遣いは伝えておこう」
その後、問題の拷問室に向かう。
各部屋は今のところ空室になっており、扉の中の様子や拷問予定の部屋も見学した。
「実際に罪人を入れるわけではありませんよ。拷問室以外に例え様がなかっただけですが。屠殺場も何も無いですけど、モンスターの実験施設と思えばどこを見ても物騒です」
「……怪しい雰囲気しか感じないな」
「職人達には自分達の名簿を作ってもらって行方不明者が出ないように言っています」
「気配りの仕方が時々、おかしいなヤントラ殿は」
「よく言われます」
ヤントラは苦笑した。
「モンスターは今は居ないのか?」
「これから捕まえてくるって感じです。内装とか色々あるし、まずは職人達の仕事を終わらせるまでは何も無いですよ。仕事が終わったのに帰ってこない、とか言われるかもしれないので」
「……レエブン侯の知り合いは変わった者が多いようですな」
騎士の一人の言葉にレエブン侯は苦笑する。
「……
屠殺場も一応は見学した。
名前は物騒だが宝物庫と似た雰囲気があった。今は何も無いようだが、これから血生臭い事が始まるのだろう。
地上に戻ってきて他の部屋などを拝見していく。
トイレ、寝室、風呂がしっかりと備わっていた。
「留守中に管理する人が居なくて盗賊とか来ないかが心配です。職人達が使っている施設はまだ専門職の人が居るので安心なのですが」
「健康的に仕事をさせているそうだな。みな明るい顔をしていたので驚いた」
しっかりと食事も出るし、寝室も完備されている。
娯楽施設が無いけれど身奇麗な職人が多かった。
「地下は一般には開放できませんが、地上部分は出来る限り色々と利用できるようにはしたいですね。好き好んで来る人が居れば、ですが……」
「休憩所としてなら利用価値はあるかもしれないな」
「……願わくば……、ここは戦場にしてほしくないですね」
「……そうだな。それは……、色々と不味いだろう」
「物騒な施設に見学に来てくださりありがとうございます。次は人には見せられない様相になっていると思います。……地上部分は来客用に色々と考えておきますね」
人には見せられない。というよりは名称の時点で嫌な予感が一杯だった。
地下は危険だが地上部分は特に異常は見られない。
快適な空間に仕上がっているし、風呂にこだわりがあるのか大浴場のような大きな風呂場があり、脱衣所も清潔感のある造りになっていた。
地下にもそれぞれ風呂場があり、血や汚れを洗い流すのに必要だと正直に教えてくれた。
下水道の完備が必要な理由もよく理解できた。
「快適な拷問室のようだな」
「興味本位で覗いて酸とかで目が潰れても困るので。あと、ここまで造ってくれた職人達には深く感謝しています」
「モンスターが溢れないようなところにしてくれ」
「もちろんです。機会があれば宝物庫だけは見せてみたい気もします」
黄金に輝く金貨の山。それは確かに見てみたいものだとレエブン侯はつい喉を鳴らしてしまった。どの道、使えない金貨ではあるのだろうが、あの輝きは魔性のものだ。
「仮にあの金貨を流通させるとどうなる?」
「圧倒的な量をアインズは保有していますので、すぐに金貨の価値が下がるのではと……」
「……金貨の価値が下がるほどか……」
「このところアインズ関連の不吉な
「うむ。一応、胸に置いておくよ」
ヤントラはついてきてくれた騎士達を見据える。
「よく無事でいてくれましたね」
元オリハルコン級の騎士達は首を傾げた。
レエブン侯は彼らは戦争中に死ぬ運命にあったのではないかと気付く。
撤退を選んだが天使達に連れ去られていなければ今頃は死んでいただろう。それくらい敵の追撃は早かった。盾になどなれるわけもなく、無残に散っていたのかもしれない。
「まだまだ彼らには活躍してもらわなければならないからな」
「それと……、妻をよろしくお願いします」
ヤントラが深く頭を下げてきたのでレエブン侯は戸惑った。
「ラキュース殿はこのところ城で大人しく調べ物をしている。ラナー王女とも少しずつではあるがお話しもされているようだった」
「せっかく生き延びた彼女には幸せになってもらいたいものです」
その後、レエブン侯は職人達が利用する施設を視察して帰っていった。
室内の内装で床は
耐水性に優れているので血が飛び散っても大丈夫。
街で女性用の服と下着を購入し、ナザリックで長持ちする安価な魔法の服は作れないか頼み、軽く二千着を要望。
街で買った服を参考にするように渡しておいた。
十日ほどで五百個用意できるという飲食不要の指輪も追加注文。
改めて『マグヌム・オプス』の全体像を復習してみる。
一の宝物庫は四階層。
地下二階は数百の小さな個室と拷問室がいくつかあり、各部屋にはベッドが置かれる予定になっている。
地下一階は部位の展示と実験室と予備室。
地上一階は来客用の部屋と予備室。
地上二階は玉座の部屋と執務室がある。
夫婦で寝泊り出来る寝室も一応はある。
空いている部屋は予備として残しているが使用目的が決まらないので仮設の倉庫にでもしようかと考えている。
地下施設の床は全てタイル張り。
二の宝物庫は金貨貯蔵施設で吹き抜けになっている。
高い位置に『エクスチェンジ・ボックス』が設置されていて別の部屋からゴミ捨て場のように物資を放り込めるようになっていた。
金貨で入り口が塞がっても良いように緊急時の出口用の扉が地下一階相当の高さにいくつか作られている。
三の宝物庫はエロい宝物庫という地下二階構造。
地下二階が大浴場と洗い場が一緒になった広い空間がある。
地下一階は秘密の空間となる。
四の宝物庫は屠殺場。
それぞれの宝物庫は扉で行き来が出来るようになっている。
トイレと風呂はしっかり完備されている。
床は踏ん張りの利くタイル張りだが裸足でも歩けるようにしている。
この施設から離れた場所に職人達の
タオルとバスタオルは大量に購入している。お風呂用の小物もたくさん購入し、出来た浴室に置いていく。
これらの宝物庫には小さな隠し部屋が無数に点在している。
広い宝物庫の地上施設は保管庫として地下を隠蔽する。
地下に行けるのは第一の宝物庫から。
ヤントラがこつこつとタイル張りしながら数日後に冒険者としての仕事もこなし、王都の我が家へと戻る。
ナーベ達は冒険者の仕事に出かけて留守にしていた。他のメンバーも各都市に向かって留守らしい。
ラキュースは数日振りに帰ってきた夫に食事を振舞う。
「巨大な施設はいつごろ完成しそう?」
「あと少しかな」
「私はここで頑張るから、向うへは隠居する時に行くわ」
そう言いながらラキュースはヤントラに向かい合う位置に座る。
「ラキュース」
「んっ?」
「私の子供を産んでくれるか? 男になる魔法があればだが」
ラキュースは少しの間、黙っていた。
おかしな事を言っている。いつもおかしいけれど、それが本当ならどう答えるべきだろうか。
男になるということは『付いている人』になるということだろう。
それが本当ならすごい事だろうが、思考が何故かまとまらない。
「妊娠したとして子育ては……、私がやるのよね……」
「男の子が生まれるまで産み続けるか、子供は一人でいいのか」
「たくさんは要らないわよ」
せいぜい二人よね、とラキュースは未来の家庭を思い浮かべる。
「夫婦なんだし、子供は産んでも良いわよ。……その覚悟はしていたし」
「私の子供だからどんな化け物になるか分からないが……。あまりにも酷い姿なら殺せば良い。世界の
「……うわぁ、想像したくない事を……。その時はその時に考えるわよ。……男性になったらちゃんと抱かれてあげるわ。絶対に産んで育ててやるわよ」
席を立ったヤントラはラキュースをしっかりと抱きしめた。
「今まで生き残っていてくれてありがとう」
「どういたしまして」
しばらくヤントラはラキュースを抱きしめた。
今のヤントラは本心からそう言っているのかは分からないが、嫌な気配は感じない。
子供を残せたら育てても良いのだが、色々と問題が山積みのような気もするし不安もある。
カルネ村に居る両親に相談する事も考えておこう。
中土月の上旬に宝物庫『マグヌム・オプス』は完成する。
ヤントラが大急ぎで作業したため予定の後期の三分の一くらいで終わってしまった。
総工費は土地を除けば金貨十五万枚強はかかっただろうか。
拡張に一段落つけて給金を払い、お礼を述べた。
地上に残した施設は閉鎖だけして残しておく事にした。利用法があればまた使うかもしれないので。
誰も居なくなった後で施設内を点検する。不審な者の存在は無く、保管していた箱を開いていく。
指輪の数は既に二千個に達しただろうか。未使用分は全てまとめておく。
ここから地上とは隔絶された世界が始まる。
小さなナザリック『マグヌム・オプス』の第一歩だ。
買い集めた衣服、風呂用具。物凄い数だ。それらが全て無駄になったら、とんだ散財だろう。
地下空間を全て明るく照らすと異様な空間が姿を見せる。
誰も居ない地下空間。いや、誰かは確かに居る。それもかなりの数が。
ヤントラが今は宝物庫の主となっていた。
屠殺場の為のモンスター候補として第七階層に居る悪魔を数体持って来た。
『
『
共にレベル80台のモンスターだ。
もう一体の『
強欲は背中に大きな蝙蝠の翼があり、こめかみから二本の角を生やした美男子。
嫉妬は女の身体と黒い烏の頭を持つモンスター。
『
それほど稀少ではないが
身長は二メートルほど。腕が長く身体は乳白色。血管がはっきりと全身を張り巡らせるように浮かび上がっている。
黒い皮で頭部を覆っているが仕様なのか一緒に再生された。
顔が塞がっているが目が見えているのか、呼吸が出来ているのかは不明だが、ちゃんと喋る。
多少の回復魔法をかけることが出来る。
第五階層に居る青白い肌に黒くて長い髪を持つ『
アンデッドが多いので出来れば生物が良いのだが丁度良いのが居ない。
一の宝物庫の地下一階はナザリックでいうとこの第八階層のように様々なモンスターを貯蔵するところにしておく。一気に全滅してもらっては集めた意味がなくなるので。
地下二階に女性型モンスターなどをベッドに配置。
同じ並べ方をもう一つさせておく。
異形種から人間種まで。
設定した命令を各部屋に伝達する。
後は一部屋ずつ確かめれば完了だ。誰一人として呻きや嬌声はあげなかった。
指輪のお陰か飢えの心配がない分、放置しても良さそうだ。
ちゃんと動いてくれると苦労が報われたと思い、感慨深げだ。
次は三の宝物庫へ向かう。
そこは圧巻の風景だろう。
昨日の内に増やした結果が数百体の同じ顔。風呂も稼動させて周りを掃除する半裸のメイド達。
予行練習は既に終わっているので後は実践だけだ。
ここは休憩を挟んで箱に排泄物を溜めるだけの作業をする。
すぐに手洗い出来るようになっているのでとても衛生的だ。空気の逃げ道も作ってある。
二の宝物庫である場所に向かうとメイドの一人が指定されたところに立っていた。
ヤントラはもう一人のメイドを連れて風呂場に向かう。そこにはもう一人メイドが居てアイテムを持っていた。
服を脱いだ後に持って来た『エクスチェンジ・ボックス』を持つ。
これはあらゆるものを査定し、金貨に換えるアイテムだ。既に水を入れる実験は済んだ。
「命令を遂行しろ」
「畏まりました」
メイドが風呂場を後にした後、数分間の沈黙が続いた。
その間、ヤントラはエクスチェンジ・ボックスに性器の無い股間を向けたまま立ち尽くす、という人には見せられない変な格好になっていた。
もう一人のメイドが同じエクスチェンジ・ボックスをヤントラの尻に向けている。
直に触れないように命令しているので微動だにしない完璧さがあった。
更に数分後、異変が起きる。
ヤントラの身体の中が異様な動きを見せていく。
内臓が直にかき回されていくような不快感を伴って。
それから股間から肉の塊が盛り上がる。それと同時に体内で爆発しそうな感覚が襲ってくる。
それは端的にいえば尿意なのだが、この世界に来て初めて感じるものだった。
続いて肛門がむずがゆくなる。便意だろう。
男性器と肛門が形作られようとしているのだろう。
それらが完成した途端に今までせき止められていた我慢の全てが放出される。
男性器が破裂するくらい勢いよく尿が吹き出る。それは例えようも無い気持ちよさだった。続いて便も豪快に吹き出てきた。
半年近くのたまりに溜まった排泄は簡単には終わらない。ゲーム時代も入れれば数年越しともいえるだろう。
尿と便はエクスチェンジ・ボックスに吸い込まれて決して漏れ出さない。
どれだけ出し続けただろうか。合間に回復魔法を唱えるが、治まる気配が無い。
含有物質にも寄るが数十分間隔で金貨が落ちる。
出しに出して三十分以上はかかっただろう。
指輪のお陰もあり、脱水症状にならなくて済んだ。
背後のメイドは飛び散った便で顔が汚れていた。
アイテムの扱いに気をつけさせ、顔などを洗った後に所定の位置に戻すように言いつけた。
ヤントラは久方ぶりの尿意と便意に疲れを感じていた。
今まで無かった男性器は年相応に立派な形をしていた。
よっ、息子と挨拶でもしようかと思ったがやめた。身体を洗ってアイテムを戻さなければ危ない。
金貨はユグドラシル金貨だった。それらは二の宝物庫に投げ入れて一息つく。
感慨深げに佇んでいるわけにはいかないので、メイドに命令を下した後は我が家へと帰ることにした。
ヤントラ以外の出入りを禁じる事は忘れずに。
開放感溢れるわけではないが性別が変わったことは予想していた。
性別変換の方法自体はありふれているので珍しくは無い。
それでも最適化された世界で急に男性化すると気持ち悪いものだ。
さすがに顔かたちまで変化はしなかったので安心した。
大急ぎとはいえ距離的には近いので王都には数分で着いてしまった。
我が家に向かうとハムスケの姿があった。モモンが居るようだ。
軽く挨拶して中に入るとモモン達の姿は無いが自分達の部屋に居るのだろう。
ラキュースは今日は非番なのは聞いていた。都合が良いことに風呂掃除をしているらしい。
風呂場を覗くと床を泡だらけにして掃除に励むラキュースの姿があった。
「ご苦労様」
「お帰りなさい」
「入って良いかな?」
そう言うとラキュースは頷いた。
裸になる予感がしたのか、軽く湯で足元を洗いつつ脱衣所に戻るラキュース。
「風呂場で愛し合うの?」
「そうだよ。モモンが来てるようだから部屋は不味いだろう」
ラキュースは苦笑する。
二人はさっと服を脱ぐ。するとラキュースは見慣れないものに気付く。
だが、ヤントラは彼女の口を塞いで風呂場の中に押し込んだ。
「!?」
「数年分の放尿は凄かったよ」
「……本当に付いてるの!?」
まじまじとヤントラの男性器を見たり触ったりした。
どうやら感触的には本物らしい。
始めて見るわけではないのだが、構造的にはやはり興味があった。手触りとか。
「あ、ああ……。これで本当に私は……」
やっと夫に処女を捧げられる。
ただ、魔法で治るのでありがたみは感じないが、正式な処女喪失ならば歓迎するしかないだろう。
思いっきり突いて射精して妊娠させてみてほしい。
そうラキュースは思い、頬を紅潮させていく。
「子供が出来たら大事に育てるわよ」
夫が途中で死んでもしぶとく生き残ってみせる、とラキュースは誓う。
「男の子ならバスディオ。女の子ならトゥーレアかしら」
様々な妄想をするのが趣味なのでもう十個ほど名前は考えてある。
「お任せするよ」
抱き合って二人でダンスをするように回る。
ラキュースが片足を上げる。
「さあ、どうぞ」
「愛しているよ、ラキュース」
熱い口付けの後、ヤントラはラキュースの上がった足を持って
差し込まれる痛みは一瞬。その後は激しく腰を動かす。
男性器を突きいれられるたびに潮吹きしているのではないかというほどの衝撃があった。
どれだけ続けたのか、ラキュースは確かにお腹の子宮部分に何かが吹き付けられる感触を感じた。
子宮に射精されたのだと思った後は涙が出てきた。
それは嬉し涙なのだろうか。一人の
屈辱などは無い。戦士として死んだわけでもない。
ヤントラの妻に正式になれたのだ。
大きな胸がヤントラの胸板にこすられる。
射精が終わったのにまだ腰を動かし男性器が抜き差しされる。
気の済むまで続けてほしくなった。
二回目の射精の後で床に寝そべる。
もう言葉は要らない。
ヤントラにしっかりと腰を掴まれ、自分はただ両足を広げているだけだ。
その後は腰の動きが更に激しくなり、射精しながら性行為を続ける。
それからどれだけの時間がたっただろうか。
ヤントラにとっては初めてちゃんとした性行為だったようで気の済むまで続けてしまったようだ。
出しすぎたためにラキュースの
「つい調子に乗ってしまった」
急いでラキュースの身体を洗う。
女性器周りも綺麗に洗っておいた。
これで妊娠してくれれば思い残す事は無いかもしれないな。
数分後に気がついたラキュースは腰の痛みに
「……やりすぎよ。もう、すごく気持ちよくて眠ってしまったじゃない」
最後まで起きていれば楽しめたのに、と口を尖らせるラキュース。
それでも自分の膣の状況を見るとちゃんと性行為をしたんだなと感慨深げに思った。
「あとはどんどんやってもいいわよ。私は……風呂掃除が終わったら一旦眠るわ」
「身体に変化があれば無理はしないで休むんだよ」
「数ヶ月は先のことだろうけれどね」
そう言って夫婦は
次の日からヤントラはマグヌム・オプスに行き、金貨の状況を確認した。
宝物庫に見慣れない宝石や素材が転がっている。
金貨とは違うものは箱に入れておく。
用が済んだらエクスチェンジ・ボックスに身投げするように命令しておく。
一の宝物庫に行き各部屋にいる者たちと順番に性行為していくのだが、反応が無いのは男性器を萎えさせる気がするので色々と設定を変えてみる。
最初から乱暴に突き入れていくと様々な反応が返ってくる。
一人終わるたびにメイドに口で男性器を綺麗に嘗め取らせる。
念のために三の宝物庫に一体、警備として置いておく。
最後までやり終えてメイドに後処理を命令する。
仕事を終えたメイドに男性器をくわえさせて口内射精を繰り返す。
その後はメイドの膣にも突き入れて射精した。
こうなるとただのエロい人だ。手当たり次第なところは自分でも
後は大人しく待つだけだ。
他の部屋に居る者は一日に一回の性行為を命じ、身体に異変を感じたら身投げするように命じた。
本来は身投げできるようなアイテムではなかったような気がする。人的資源という解釈かもしれない。
異種間交配の実験はデミウルゴスの得意分野かもしれないが、こちらは別に成否は問わない。ただやってみたいだけの問題だ。
次は三の宝物庫の様子を見てみる。
休憩を挟んで箱に入れられる棒状の排泄物。
美少女の排泄物の生産工場と化している。互いに引き抜きあう姿は笑ってしまいそうになる。
折角の大浴場なので色々と実験すべきだろう。
先ほどのメイドともう一人のメイドを連れてくる。
今のところ動いている全てのメイドは無口で無表情。上半身だけ上着を着ていて下半身を露出している。そして、淡々と命令を遂行する。
まずは二つのエクスチェンジ・ボックスを用意し、その上に台を置く。
穴が空いていて下のアイテムに落とす特製の変態仕様だ。
その上に男女一体ずつうつ伏せに置く。
メイド達にそれぞれ方法を実演させて覚えさせる。
汚れても良いので好き放題に続けさせる。