20人目,二十人目
「・・・・・・」
「・・・・あ・・・
ああああ・・・
ああああ!!!」
冷めた目で見つめる少年と
血の付いた鉄の棒を思わず話しておびえだす少年
白咲高校 元3年3組 出席番号22番
破軍 芳人
同じく元3組 出席番号29番
吉永 翔太
二人の眼前には
血を吹き出して動かなくなった
一人の少年の遺体があったのであった
「は、破軍君・・・
ど、どうしよう・・・
僕・・・
僕・・・」
「大丈夫!
大丈夫だから!!」
おびえる翔太を
なだめる芳人
「とにかく何とかしよう・・・
証拠隠滅は僕がやっておくから
君は妹さんを迎えに行ってあげて
僕の予想ならきっとここにいるはずだから・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
その後できる限りの証拠隠滅をし
翔太の妹が監禁されているであろう
倉庫に行った
「どうだった
翔太く・・・ん・・・」
そこにあったのは
眠ったように冷たくなった翔太の妹、舞子と
その彼女の体を優しく抱きしめている翔太の姿であった・・・・・・・・
「そんな・・・」
それを見て
手遅れだということを
理解した破軍
「翔太君・・・
ごめん!
妹さんが・・・」
と必死で頭を下げる破軍
すると・・・・・・・・
「何ヲ誤ッテルノ?
舞子ハ無事ダヨ・・・
疲レテ寝テルダケダヨ?」
「っ!?」
「大丈夫ダヨ舞子・・・
オ兄チャンガソバデ見テイテアゲルカラネ
オ兄チャンガソバデ見テイテアゲルカラネ・・・」
そう言って翔太は
冷たくなった舞子の体を
持ち上げて
倉庫の奥へと消えていくのであった
「・・・翔太君・・・」
その光景に
彼はただ見ているだけしかなく・・・・・・・・
やがて一人
倉庫を出て
鍵を閉めた・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
「はあ・・・
はあ・・・
はあ・・・」
激しく息を切らす芳人
そこに一人の人物が現れる
その人物は
「芳人・・・」
元3年3組 出席番号16番
滝嶋 結子
彼女であった
「翔太はどうしたの?」
「・・・・・・」
結子の問いに破軍は
首を横に振った
「・・・・そっか・・・
残念だったわね・・・」
「すべてが終われば
きっと警察が自然に見つかるだろう
どうでもいいことだけには
鼻が利くからねあの犬どもは・・・
そっちの方は?」
「彩奈と藍と一緒に
後始末も終わった
できる限りの証拠も隠滅したわ・・・」
「そうか・・・
でもこれで今度の計画が
大いに狂い始める
この時期に二人も行方不明者が
出るなんて・・・
警察も黙って・・・
僕のほうは・・・
あと一人なのに・・・」
と結子の横を通り過ぎて
歩いていこうとした
その時・・・・・・・・
「お願いよ芳人・・・
もう何でも一人で
抱え込まないで・・・
私・・・
あなたの支えになるには
弱いかもしれないけど・・・
でも弱くてもあなたの力になることはできる
だから・・・
だからお願い・・・
一人で自分の苦しみを背負い込むのはやめて・・・」
「・・・・・・」
結子は破軍を後ろから抱きしめ
破軍はそれを見つめる
そして・・・・・・・・
「結子ちゃん・・・
こんな時に何だけど・・・
お腹空いた・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
山瀬家
そこでは
三人の男子生徒が
話をしていた
「文曲ってやつが
死んだ日に電話・・・・・」
「亮から・・・?」
聞いてきたのは
元3年3組 出席番号18番
辻村 健太郎
同じく3組 出席番号1番
阿部 祐樹
この二人だ
「・・・・亮はなんて・・・・・?」
二人の問いに答えるのは
同じ3組 出席番号27番
山瀬 裕也
「亮は
あの日・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
文曲事件が起こる
前の日
そこを歩いている
一人の男子学生
「レンの奴 学校
さぼってる間
どこへ・・?
森谷と彩奈のことを
問いただしたいのに
・・・・くそっ」
3年3組 出席番号8番
北浦 亮
彼が歩いていると
そこに一人の人物
それは
「ぐう・・・・」
文曲 虎太郎だった
「(あいつ確か・・
中二の時にレンたちと
喧嘩騒ぎを起こした・・)」
すると
「くそ・・・・・
何であいつ・・・・・」
「(え?)」
彼は亮に気が付いていないようで
つぶやいている
「こうなったら・・・・・
あの藤沢って女を
もう一度拷問して
聞き出してやる
女は体をもてあそんでやれば
一発で落ちるさ・・・・・
破軍の奴
どうやってあの女を
たらしこんだのかは知らないが
あいつのことだ
大方あの女のことも
調教したんだろうが・・・・・
まずはこのことを
ほかの奴らに伝えて・・・・・」
藤沢・・・・・・・・
そのことを聞いて
亮の中に何かが芽生える
そして
「おい」
「っ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
現在
「嘘や・・・・・」
「僕だってそう
思いたかった
悪い冗談だって
けど・・・
亮は
本当に・・・」
「うそや!
亮は違う・・・
あいつは・・・!」
「ケン・・・」
激しく言い返す健太郎
「いい加減なこと言うな!
あいつは人殺せるような
奴やな・・・・・」
「そんなことはわかってる!!」
すると裕也は激しく言う
「君たちに
言われなくても
わかってるよ・・・!!
昔から正義感が強くて
虫一匹殺さないような
奴だった!!
そんな亮から
殺人の告白をされた
僕の気持ちがわかるか!?
それだけじゃない
亮は、破軍を・・・っ!」
すると
山瀬は腕を抑える
「裕也!!
大丈夫か!?
ケンもいい加減にしろ!!」
祐樹が二人を仲介する
「おい どうした!?
痛むのか!?」
息を荒げる裕也
すると
「さっき話した
僕たち三人と
仲の良かった彼の話
実は文曲と破軍と彼は
顔見知りなんだ
ただの顔見知りじゃない・・・
文曲と破軍は他の男子生徒と
手を組んで彼に彼の彼女を犯させ
それをまるで目撃者のように
平然と告発し、犯罪者に仕立てたんだって・・・」
「「え・・!?」」
「文曲がつぶやいていたらしい・・・
つまり破軍は
文曲と同じ中学校で
彼はそのことを隠していた
だから自分は破軍を探して
真相を聞き出す
もしレンも
そのことを聞いていたのなら
きっとあいつを探しているはずだ
レンにも聞きたいことは山ほどある・・
それ次第では
もう俺は俺を抑えられなくなってしまうかも
しれない・・・
だから今のうちに謝っておく
「ごめんな」ってね
そんなの
そんなの言われて・・・
僕はどうすれば・・・
僕は・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
芳人と結子は
歩いていると
そこに二人の人物が現れる
「彩奈ちゃん・・・
藍ちゃん・・・」
「・・・・翔太のほうは
どうだった?」
「大丈夫だった!?」
聞いてくる二人
「いいたいことはそれだけ?」
「え・・・?」
「だったらもう・・・
放っておいてくれ・・・」
と二人の間を通って
一人戻っていくのであった
「結子・・・?」
「今は・・・
そっとしておいてあげて・・・」
残った三人は立ち去っていく彼を
ただ見守っていくのであった
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
「・・じゃあ
行くな
俺たちも・・・亮から
直に聞きたいしな」
「大丈夫・・・・・
亮もレンも無事に
連れ戻したる!
裕也はけがを治すことに
専念しとれ な!」
「・・・亮を
頼んだよ」
と戻っていく二人
「よし・・もう一度
家行ってみるか?」
「いや・・・・戻って
ないやろ
破軍を探してるなら
まずは・・・・・」
声が遠くなっていく
「まったく・・
思いがけないことってのは
本当に突然起こるもんだな・・」
とそこに声が聞こえ
そこに現れたのは
「やっと吸える・・」
元3年3組 出席番号19番
常盤 蓮
彼はたばこを吸いながら
ぬっと出てきた
「レン・・・
ひょっとして君が
文曲と喧嘩をしたのは・・・
そのことで?」
「勘ぐるな
俺にはまだ・・
やるべきことがある」
すると
「どけ、裕也」
「レン・・・
君もあの時
彼を助けられなかったこと・・・
後悔していたんだろ?
でもそれは君だけじゃない・・・
僕も亮もおんなじだ・・・
だから君は彼、破軍と決着をつけに
いくんだろ?
でも・・・
そんなことをしても彼は・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
「・・・・・・」
破軍は一人
空を見る
そこには満点の星空が
浮かんでいた
「・・・きれいだな・・・
冬の空は星座が映える・・・」
とつぶやくとそこに
「「・・・・善悪の概念は
人間が作ったものだ」
「人間が
勝手に作った
道徳の言葉だ」
「・・・・神」
「・・・・救い」
「・・・・愛」
「・・・・光」
「罪の対語は
なんだ」
「果たして
無垢の信頼心は
罪の源泉なりや」
・・・・「神に問う。
無抵抗とは罪なりや?」」
そんな文が聞こえてきた
「「 「人間、
失格」 」」
そこに現れたのは
一人の少女
その正体は
「なんの用かな・・・
悪いけど僕は今日疲れてるから・・・」
「別に大したことはないわよ・・
ただ興味があるだけ・・
あなたの被ったその偽りの仮面の、ね・・」
「君・・・
どこまで知ってる?」
「さあ・・
まあでも安心して・・
あなたを追い詰めに来たんじゃないわ・・
むしろ逆よ・・
手を組まない?」
元3年3組 出席番号16番
塚本 美穂
かつて彩奈と親しかった彼女が
彼にそうつぶやいた真意・・・・・・・・
同時に真実も少しずつ
浮き彫りになりつつあるのだった・・・・・・・・
残り、16人と八人
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・