※この作品はR-18です。

復讐の唄ーリアルエンドー   作:lOOSPH

38 / 40
残り、5人と一人

奥井 詩織
      神藤 栞(脱)
北浦 亮
      破軍 芳人(北斗 誠二)
渋谷 真央
      ・
滝嶋 結子

塚本 美穂(死)

野村 藍(死)

藤沢 彩菜

結城 真莉(死)

・・・・・


✖人目・・・・・,✖人目・

三年前

 

少年は意識を取り戻し

気が付くとそこは

 

病院のベッドの上だった

 

彼は起き上がると同時に

そこに一人の男性が入ってきた

 

それは

 

「お・・・父・・・さん・・・・・・」

 

少年の父だった

 

だが男性は

そう呼ばれると

 

少年をにらみつけ

張り手を食らわせ

 

更につかみかかってきた

 

「お父さん・・?

 

 貴様のような人間のクズに

 そんな風に呼ばれる筋合いはない!」

 

さらにそこに入ってきたのは

 

「ちょっと!

 

 何をやっているの!?」

 

一人の女性であった

 

女性は男性から

少年をかばう

 

「実の息子に手を上げるなんて

 

 いくらなんでもひどいでしょ!?」

 

「ひどい?

 

 こいつのやってきたことに

 比べれば大したことなどない!

 

 こいつは同じ学校の女子生徒を

 何人も手にかけたうえ

 

 さらにはそれを告発しようとした

 勇気ある少年たちに大けがを負わせたそうじゃないか!」

 

「勇気ある・・・少年たち・・・?」

 

少年はわけのわからない発言に

疑問符を浮かべる

 

「警察の捜査でも

 こいつがやったことは

 間違いないことは調査の結果で分かってるんだ

 

 裁判でも正式な処分が決定した

 

 けがを負わせた少年一人につき賠償金七千万

 それが七人分で合計四憶九千万

 

 さらに強姦された女子生徒のほうにも賠償金三千万

 それが三人分で合計九千万

 

 合計五億八千万

 

 とても払えるものではない!」

 

「どうしてそんなことが言えるんですか!?

 

 息子だったら息子を信じてやるのが父親でしょう!?」

 

「ふん

 

 警察と犯罪者・・

 

 どっちの言うことを

 信じるというのなら

 

 それは警察に決まっているだろう

 

 お前は犯罪者の味方をするのか!?」

 

「信じます・・

 

 だって彼は・・

 

 私の大切な息子です!」

 

「母さん・・」

 

母の真剣な瞳に

少年は思わず見とれていた

 

すると

 

「ふん

 

 だったら好きにするがいい!

 

 どのみちお前たちとの縁も

 これまでだ!!」

 

「え・・・?」

 

「先ほど役所に

 提出してきた・・

 

 これでおまえたちとは・・

 

 赤の他人だ!」

 

その言葉に少年も母も

驚きを隠せない

 

「どういうことです!?

 

 私はそんなの知りませんよ!?

 

 許可だって出してもいないのに」

 

「許可?

 

 クズの許可など

 必要もない!

 

 犯罪者共などと一緒に

 いられるものか!!」

 

「待てよ!

 

 母さんは関係ないだろ!?」

 

「大ありだ!

 

 こいつはあろうことか

 犯罪者の味方をした

 

 共犯も同然!!

 

 同じ人間のクズだ!!!

 

 覚えておけ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 犯罪者の味方をするやつも犯罪者だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「入院費だけは工面してやる・・

 

 それでお前たちとは終わりだ・・」

 

そう言って少年の父は

病室を後にするのであった・・・・・ ・

 

・・・・・ ・

 

現在

 

燃え盛る建物は

黒枯中学校

 

その屋上で

二人の人物が対峙している

 

「どうしても・・・

 

 どうしても私と一緒には

 ならないつもり!?」

 

「もちろん・・・

 

 お前はいくつも許されないことをした・・・

 

 奴らを使って

 俺を犯罪者にし・・・

 

 俺の人生を狂わせ・・・

 

 さらには・・・

 

 俺の大切な彼女の命までも奪った!

 

 絶対に許さない!!」

 

その二人の人物は

 

白咲高校 元3年3組 出席番号5番

 

奥井 詩織

 

旧名 老島 詩織

 

同じく元3組 出席番号22番

 

破軍 芳人

 

本名、北斗 誠二

 

二人はともにこの中学校の出身である

 

「ふん!

 

 屋上から投げ飛ばされて死んだ奴の

 ことをいつまでも覚えてるなんてね・・・

 

 だったら忘れさせてあげる・・・

 

 あの女のことも

 あなたの気持ちも

 

 この私が全部!」

 

と刀を抜く

 

「・・・・・・」

 

「その体に

 教えてあげる・・・

 

 この世界で誠二のことを

 愛しているのは

 

 このわたしだっていうことをね!」

 

と刀を抜く詩織

 

とそこに

 

「待ちなさい!」

 

二人の少女が駆けつける

 

「やっと着いたわよ・・・

 

 あっちこっちに火の手が回って

 ここに来るのに手間取ったわ・・・」

 

「まったく・・・

 

 学校燃やすなら

 もっと考えてしなさいよね!」

 

元3年3組 出席番号16番

 

滝嶋 結子

 

同じく3組 出席番号23番

 

藤沢 彩菜

 

この二人であった

 

「結子・・・

 

 彩奈・・・」

 

「ちぃ!

 

 邪魔しないでくれる?

 

 せっかく今私と

 誠二が二人っきりに

 なってたんだから・・・」

 

詩織は機嫌が悪そうに

駆けつけた二人に舌打ちをする

 

「詩織・・・

 

 あなたが彼のことが

 好きでも・・・

 

 無理やり自分のものにして

 拘束しようとするなんて

 

 間違ってる!

 

 ましてやあなたは

 一人の命を奪った!!」

 

「え・・・?」

 

彩奈は結子のほうを向く

 

「ふうん・・・

 

 それって絵理奈が

 この屋上から飛び降りたこと?

 

 あれはあの女が勝手に飛び降りたこと・・・

 

 私が直接手を下したわけじゃないわ!」

 

「いいえ!

 

 あなたは彼女を呼び出し

 

 自殺に見せかけて殺したのよ!!

 

 この屋上でね!!!」

 

結子は言う

 

「証拠でもあるの?

 

 私がやったっていう

 証拠は・・・?」

 

「証拠はないけど

 確証はあるわ!

 

 彼女は自分から

 飛び降りたんじゃないっていう

 

 確証がね!」

 

「え!?」

 

彩奈は結子のほうを見る

 

「当時の学校で

 ある生徒の撮った写真が保管されていたわ

 

 それは彼女が転落していた

 現場の写真よ・・・

 

 あの写真では彼女はあおむけで

 校舎の方に向いて落ちていた

 

 これが証拠よ」

 

「・・・それが何だってのよ

 

 後ろ向きに飛んだっていえば

 誰でも納得するでしょ?」

 

「いいえそれでもありえないわ!

 

 後ろ向きに飛んだなら

 確かにあおむけになるけど

 

 校舎の方に頭が向くなんて

 まずありえないわ!!

 

 少なくとも自分から飛び降りる限りではね・・・」

 

結子の発言に

詩織はやや引き気味になっていく

 

「ふ、ふん・・・

 

 だからって何?

 

 仮にあの女が

 誰かに屋上から

 落とされたとしても・・・

 

 私がやったなんて証拠は・・・」

 

「投げ飛ばされた・・・」

 

「・・・え?」

 

芳人、否誠二がつぶやく

 

「お前あの時言ったよな・・・

 

 屋上から

 投げ飛ばされた女って・・・」

 

「え!?

 

 あ、いや・・・」

 

「そういえばあんた確か

 

 空手を習ってたわよね・・・

 

 空手であの体制になりうる

 投げ技と言えば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 背負い投げよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐう・・・」

 

・・・・・ ・

 

三年前 夜の屋上

 

そこで一人の少女が

屋上のふち越しにいた

 

「詩織ちゃん

 

 来たけど・・・

 

 どうしたの?

 

 こんな夜中に屋上で話って・・・」

 

すると

 

少女

 

当時、老島 詩織は

早乙女 絵理奈をつかみ

 

「きゃ!?」

 

背負い投げを決める

 

さらに

 

「きゃああああ!!!」

 

そのまま屋上から落ちていくのであった

 

「彼は・・・

 

 私のものよ!」

 

・・・・・ ・

 

「・・・・あの女がいけないのよ!

 

 あんなことがあったのに

 まだ彼と一緒にいるなんて・・・

 

 だから私が終わらせてやったのよ!!

 

 この私の手でね!!!」

 

「ふざけないで!

 

 あなたのくだらない嫉妬が

 結果的に彼を追い詰めたのよ!?

 

 それがまだわからないの!?」

 

「・・・・・・」

 

詩織の自白に

結子は怒りを見せ

 

誠二は呆然とする

 

・・・・・ ・

 

父親が誠二と母のもとを去ったその後

 

彼を待っていたのは

地獄のような日々だった

 

あの事件のせいで

学校に通えなくなった彼は

家に引きこもるようになる

 

だが

 

更に無自覚な悪意が

彼を追い詰めていく

 

事件は公表はされなかったものの

 

事件の詳細は

インターネットで瞬く間に

広がった

 

それだけでなく

彼の名前と住所、電話番号が

瞬く間に広がった

 

毎日のように送られてくる

賠償金の支払いのために使った

 

借金の借用書

 

それに加えて

いやがらせの手紙や

無言電話

 

昼夜問わずに働き続けて

心も体もボロボロだった

 

母親の心をさらに壊していく

 

やがて電話線を切った・・・・・ ・

 

もういやの周りの周りには

真実を知らない者達のいわれもない

誹謗中傷の数々が書かれた張り紙が

 

張られていた

 

そこに

 

一人の男性が訪ねてくる

 

「・・・・・・」

 

だが出ることはなかった

 

外の世界に

出ることを拒む彼に

 

そんなことはできない

 

「頼む!

 

 開けてほしい!!

 

 私の話を聞いてほしい!!!」

 

誠二は何やら

雰囲気の違う様子に

 

恐る恐る扉を開ける

 

そこには

 

一人の男性がいた

 

「私は・・

 

 早乙女 幸三・・

 

 自殺した早乙女 絵理奈の

 父親だ・・」

 

「え・・・」

 

それを聞くと彼は思わず

扉を閉めそうになってしまう

 

だが

 

「待ってくれ!

 

 私は・・・

 

 私はただ・・・

 

 君に協力をしてほしいんだ!!」

 

「え・・・?」

 

彼は言う

 

「娘の無念を・・・

 

 晴らすためには・・・

 

 君の協力がどうしても

 必要なんだ!」

 

「娘の・・・無念・・・?」

 

「私は・・・

 

 いつも娘から

 君のことを聞かされていた

 

 娘と同じ乙女座で

 同じように星座が好きで

 

 娘はいつも君の話を

 しているときはとても楽しそうだった

 

 そんな君が・・・

 

 世間が言っているような

 人間だとはとても思えないんだ」

 

「・・・・・・」

 

「私は娘の無念を晴らしたい!

 

 そのためには君の協力が

 どうしても必要なんだ

 

 頼む!!」

 

頭を下げて頼み込む

 

「・・・でも・・・

 

 僕一人の力じゃ

 きっと世間を味方に

 つけているあいつらには・・・」

 

「大丈夫!

 

 私とともに

 戦ってくれる仲間は

 君一人じゃないさ・・・」

 

すると・・・・・ ・

 

「せいちゃん!」

 

男性の後ろから

一人の少女が現れる

 

「栞ちゃん・・・」

 

「私聞いたよ・・・

 

 あの七人と

 破軍君が協力して

 

 せいちゃんを陥れたって・・・」

 

「破軍が!?」

 

「あの時せいちゃんを気絶させたのも

 破軍君だったんだよ

 

 破軍君言ってた・・・

 

 金もないくせに

 自分と勉強、スポーツも

 並んでいるせいちゃんのことが

 気に入らないって・・・

 

 それであの七人に

 協力したって!」

 

「そんな・・・」

 

「あの七人の中には

 警察の役人を父親に

 持っている奴がいるらしいんだ

 

 そいつが父親に頼んで

 この事件の首謀者は君であると

 仕向けたということだ」

 

「・・・・・・」

 

「そいつらのせいで・・・

 

 娘は殺されたようなものだ・・・

 

 そう思うと私は許せない

 

 捜査をずさんに終わらせた警察も

 

 その七人に味方する世間の風評も・・・

 

 頼む・・・

 

 協力してくれ!」

 

するとさらに

 

「誠二・・・

 

 彼女だけじゃない・・・

 

 僕たちも協力する」

 

そこに現れたのは

三人の男子中学生であった

 

「亮、蓮、裕也・・・」

 

「お前らしくないぞ

 

 こんなとこに引きこもってるなんて」

 

「俺の知ってるおめえは

 こんなもんであきらめるような奴じゃねえぞ」

 

「僕たちも協力する

 

 だから・・・

 

 一緒に戦おう!

 

 君も僕たちも

 彼女を大切に思っている気持ちは一緒だ!!」

 

「みんな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ありがとう・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして彼は

ともに戦う決意をするのであった

 

それから彼と四人

彼女の父親は立ち向かう決意をした

 

だが・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実は残酷だった・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世間はもはや

彼を犯罪者として

 

扱うようになってしまう

 

裁判を起こそうにも

世間の噂を真に受けるもの達は

 

積極的に協力しようとする者はいない

 

結局

 

裁判を起こすこともできず

 

八人は問答無用で無罪

 

彼に協力したもの達は

いわれのない批評を受ける

 

亮、レン、裕也の三人は

親の取り決めによって町を引っ越していき

 

父親のほうも

実の娘を虐待していたなどと言う

デマが流れたせいで

 

社会的に抹殺され

 

栞ももう

 

彼のもとを訪ねることはなくなった

 

さらに彼は

精神障害者として

 

施設に送られた

 

その施設では

彼と同じように

犯罪を犯した少年たちが

多数おり

 

そこでは毎朝

自分の犯した罪を

 

神に向かって懺悔するという習わしがあった

 

だがそこで彼は

凶行に出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神の姿をかたどった銅像を壊したのだ・・・・・ ・

 

「俺はもう二度と・・・

 

 神様なんか信じねえ!」

 

その一言とともに・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ ・

 

「・・・・・・」

 

彼はやがて

我に返る

 

「あなたのくだらない行いのせいで・・・

 

 彼やどれだけの人々の人生を

 狂わせてきたと思ってるの!?

 

 それを正当化しようなんて・・・

 

 甘ったれるのもいい加減にしなさい!」

 

「黙れえええ!!!

 

 ほんの少し

 彼と過ごしてたからって

 

 いい気になるなあああ!!!」

 

と刀をもって

襲い掛かっていく詩織

 

「結子!」

 

彩奈は杖で

詩織の刀から

結子をかばう

 

「彩奈ぁ・・・

 

 元をたどれば

 あなたの父親のせいよ・・・」

 

「え・・・?」

 

「あなたの父親が

 真莉のお父さんを裏切らなければ

 

 お父さんは酒におぼれることも

 

 その噂で彼と引き離されることもなかった・・・

 

 そうよ・・・

 

 そうよ・・・

 

 そうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全部お前のせいだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・?」

 

「お前さえいなければ

 きっと私と彼は一緒になって

 

 幸せになれたっていうのにいいい!!!」

 

と詩織は杖をつかみ

そこから刀を思いっきり振り上げる

 

「死ねええええええええええ!!!」

 

「ひぃ・・・!」

 

彩奈に切りかかる詩織

 

すると・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめろおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・?」

 

「え・・・」

 

よく見ると炎に包まれた

屋上の入り口から

 

一人の人物が飛び出していく

 

「彩奈を・・

 

 傷つけるなああああ!!」

 

「ぐう!」

 

その人物は詩織を殴り飛ばして

彩奈から引き離した

 

その人物は

 

「大丈夫か彩奈!?」

 

元3年3組 出席番号8番

 

北浦 亮

 

彼であった

 

「亮・・・?」

 

「悪い・・

 

 お前のこと・・

 

 守ってやれなくって・・

 

 迷惑だよな・・

 

 お前のために

 何もしてやれなかった

 こんな情けないやつが

 

 今更来てなんだって・・

 

 でも俺は決めた・・

 

 俺はお前にどう思われようと

 もう絶対に逃げない・・

 

 たとえどうなろうと・・

 

 俺はお前を守って見せる!」

 

「亮・・・」

 

亮の言葉に彩奈は思わず亮のほうに向く

 

「ふふん・・・

 

 まさか自分を

 振った女のために

 

 こんな燃え盛る建物まで来たっていうの?

 

 ご苦労様ね・・・

 

 でもどんな事情であろうと

 あんたは彩奈を見捨てた・・・

 

 そんなあんたにできることなんて

 あるのかしら?」

 

「ないだろうな・・

 

 でももう俺は・・

 

 逃げないことにした!

 

 彩奈に振られたことからも

 彩奈を助けてやれなかったことからも

 

 自分の犯した罪からもな!!」

 

すると

 

「フフフ・・・

 

 ハハハ・・・

 

 あーっはっはっはっ!!!

 

 そうだそれでいい!

 

 それでこそ俺が知っている

 北浦 亮だ!!」

 

破軍が笑う

 

「破軍・・?」

 

「彼は北斗 誠二よ

 

 あの火事の時

 その破軍の顔と名前を借りたの!」

 

「え・・!?」

 

結子の説明に

亮は驚く

 

「私もレンから聞いたわ・・・

 

 あなた達と彼・・・

 

 友達だったんでしょ?」

 

彩奈は言う

 

「お前・・

 

 本当に誠二なのか!?」

 

「俺だよ・・・

 

 まあわからねえだろうな

 

 今の俺はお前の知ってる

 北斗 誠二じゃないんだしな・・・」

 

亮はその言葉に確信する

 

こいつは俺の知っている誠二だと

 

「感動の再会なんて・・・

 

 意味のないことはそこまでよ!」

 

詩織は刀を今度は亮に向かって振るっていく

 

「ぐう・・」

 

「彼と私を

 引き離す奴は・・・

 

 許さない!」

 

と刀を再び構える

 

「亮・・・

 

 あなたと彼は

 親友だったらしいわね・・・

 

 別にあなたに怨みはないけど・・・

 

 私の邪魔をするのなら

 絶対に許さないからね!」

 

「ふざけるな!

 

 お前のやったことが

 いったいどれだけの人間を

 巻き込んだと思ってるんだ!!」

 

「知らないわよ・・・

 

 私と彼以外の人間が

 どうなろうがね・・・

 

 亮・・・?

 

 あんただって大輔を殺して

 レンのことも殺すために

 

 探していたんでしょ?

 

 だったらあなたも同じよ!

 

 私もあなたも

 想いを遂げるためだったら

 

 なんでもやるという意味ではね!!」

 

詩織はそう言って

刀を抜き

 

彩奈たち三人に

向けて構えを取っていく

 

「やめなさい!

 

 こんなことしたところで

 意味なんかないわ!!」

 

結子が言う

 

「ふふ

 

 結子・・・

 

 あんただって

 かつて通うはずだった

 高校をクズの七人の一人である

 

 貪狼の奴のせいで

 台無しにされて

 

 挙句に家庭環境は

 変わってしまったんじゃない・・・

 

 あの時あなたは

 貪狼への復讐を果たした・・・

 

 それで改めて聞くわ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あなたはあの男への復讐を果たすことに

 

 何の意味があったのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・」

 

「結局それで

 あなたは両親が

 服役してしまった・・・

 

 復讐を果たし

 そこに意味なんてあったのかしら?

 

 私もそうよ・・・

 

 わかってるわよ・・・

 

 この復讐に・・・

 

 彩奈を死なせることに・・・

 

 意味なんてないことぐらい・・・

 

 とっくに気が付いていたわよ・・・

 

 でもね・・・

 

 意味があるかどうかは関係ない・・・

 

 何もかも失った私には

 ほかに生きる意味を見いだせなかった・・・

 

 それだけのこと・・・

 

 真莉だって同じよ・・・

 

 裏切られて・・・

 

 お父さんが死んで・・・

 

 そのことで中傷され・・・

 

 挙句には理不尽な扱いも受けた・・・

 

 そうして心を壊された真莉に

 ほかに生きる意味なんて見つからなかった・・・

 

 所詮その程度のものなのよ

 私も真莉も・・・

 

 あんたと彩奈もね・・・」

 

「・・・・・・・」

 

詩織の言葉に

何も言い返せない結子

 

「でも・・・

 

 私はあなた達二人や

 真莉とは違う・・・

 

 だって私は・・・

 

 やり遂げる意味が

 見つかったんだからね・・・

 

 と言うことで覚悟なさい

 

 私はもう容赦なんてしないわ・・・」

 

「悪いが・・

 

 お前の思い通りにはさせない!」

 

亮が前に出る

 

「亮・・・

 

 そういえばあなた

 空手やってたんだったわね・・・

 

 だったらそれで行く?」

 

「ああ・・」

 

詩織は刀を鞘に納め

亮とともに空手の構えを取る

 

「はあああ!!!」

 

「てやああああ!!」

 

二人は立ち向かっていき

互角に渡り合っていく

 

「滝嶋!

 

 彩奈を連れて逃げろ!!

 

 俺も誠二を連れて

 すぐにいく!!!」

 

「わかった・・・」

 

と脱出しようとするが

 

「ふん!」

 

詩織がそこに

蹴りを与えていくことで

 

脱出を阻む

 

「フフフ・・・」

 

「やるしかない・・・

 

 はああああ!!!」

 

結子も体術で

応戦し

 

亮と二対一で

詩織に挑んでいく

 

「てや!」

 

「きゃ!」

 

「はあ!」

 

「がっ!」

 

だが

 

詩織はなんと

 

二人をそれぞれ

正拳突きと蹴りを食らわせて

 

二人をノックダウンさせた

 

「亮!

 

 結子!!」

 

彩奈は二人に駆け寄ろうとするが

それを詩織が阻む

 

「真莉はあんたを

 自殺させようと

 させていたみたいだけど

 

 私はそんなまどろっこしいことは

 しないわ・・・

 

 この火災に乗じて

 あなたをきっちり始末してあげる

 

 そのあと私はもう一度やり直すの

 

 彼と一緒にね!」

 

「ぐ・・・」

 

彩奈は杖を構え

 

挑んでいくが

詩織は刀を抜いて

 

彩奈の杖の一撃を止めた

 

「これって利穂が持ってた

 奴よね・・・

 

 まさか・・・

 

 あいつを殺して奪い取りでもした?」

 

「一緒にしないで!

 

 私はあなたや真莉とは

 違う!!」

 

「同じよ!

 

 あなただって元をたどれば

 何も変わらないわよ

 

 そうでしょ彩奈あああ!!!」

 

彩奈の杖を

巧みな返しではじき

 

刀を大きく振り上げて

彩奈に振るう

 

「「彩奈ああああああああ!!!!!」

 

亮と結子が叫ぶ

 

「っ!」

 

彩奈は思わず

腕で顔を覆った

 

その時・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金属音があたりに響いた・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・?」

 

彩奈は恐る恐る

頭部を上げると

 

「ふざけたこと言うなよ・・・

 

 やり直す?

 

 そんなこと本気でできると

 思ってんのか?」

 

そこでは

小刀を逆手にもって

詩織の刀の一撃を止めた

 

破軍の姿があった

 

「せ、誠二・・・!?」

 

「少なくとも彩奈も結子も・・・

 

 お前や真莉のように

 復讐が果たされれば

 どうにかなると

 考えている

 甘ったれとは

 まったく違う・・・

 

 俺は俺が犯した罪を

 ずっと背負っていく・・・

 

 俺も復讐を決めた時

 

 彼女を救えなかったという罪を

 背負うと決めた時に

 

 覚悟を決めた・・・

 

 結子も彩奈も一緒だ!」

 

「破軍・・・」

 

「あ・・・」

 

破軍の言葉に

結子と彩奈は思わず声を漏らす

 

「どこまで私を否定するの・・・!?

 

 ありえない・・・

 

 ありえない・・・

 

 ありえないありえないありえない

 ありえないいい!!!

 

 絶対に認めさせる・・・

 

 あなたは私の者だあああ!!!」

 

と切りかかっていくが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詩織の腹部に刀が勢いよく突き刺さる

 

「がは・・・」

 

「理解してもらおうなんてのも・・・

 

 最初っから思ってねえっつの・・・」

 

「誠・・・二・・・

 

 私・・・

 

 私は・・・」

 

と彼につかみかかる

 

「ごほ・・・

 

 あの時から・・・

 

 あなただけを見てきた・・・

 

 あなたにために勉強して

 あなたのためにきれいになって

 あなたのために強くなって

 あなたに・・・

 

 認められたくって・・・

 

 あなただけに・・・

 

 誠・・・二・・・

 

 そのためだったら

 私死ぬことだって怖くない

 

 だって私・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あなたのことが大好きだから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って詩織は

その場に崩れるように倒れた

 

「はあ・・・

 

 はあ・・・」

 

破軍は肩で息をしながら

動かなくなった詩織を見つめているのであった・・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥井 詩織

 

旧姓 老島 詩織 死亡

 

残りは四人と一人

 

・・・・ ・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       




残り、4人と一人

奥井 詩織(死)
     神藤 栞(脱)
北浦 亮
     破軍 芳人(北斗 誠二)
渋谷 真央
     ・
滝嶋 結子

塚本 美穂(死)

野村 藍(死)

藤沢 彩菜

結城 真莉(死)

・・・・

















  
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。