奥井 詩織(死)
神藤 栞(脱)
北浦 亮
破軍 芳人(北斗 誠二)
渋谷 真央
・
滝嶋 結子
塚本 美穂(死)
野村 藍(死)
藤沢 彩菜
結城 真莉(死)
・・・・
燃え盛る黒枯中学校の屋上
そこでは現在四人の人物が
立っていた
白咲高校 元3年3組 出席番号23番
藤沢 彩菜
同じく元3組 出席番号16番
滝嶋 結子
同じく元3組 出席番号8番
北浦 亮
三人の見つめる先では
一人の人物が突っ立っていた
「・・・・・・・・・・・・」
同じく3組 出席番号22番
破軍 芳人
本名 北斗 誠二
彼が見つめる先には
一人の少女が両ひざをついたように
動かなくなっていた
それは
同じく3組 出席番号5番
奥井 詩織
旧姓 老島 詩織
三年前の事件を引き起こした
トリガーである
彼女が三年前の発端になったのは
彩奈の父親が彼女の友人
同じく3組 出席番号28番
結城 真莉
彼女の父親の会社を陥れたことから始まる
彼女の父親もこの会社に勤めていたが
真莉の父親の会社がつぶれてしまったことにより
職を失い
酒におぼれる毎日を送るように
なってしまう
心を病んでしまった詩織の父親は
詩織と彼女の母に暴力を振るうようになってしまう
さらに父の素行の悪さは
外に広まり
やがて学校にも広まってしまった
詩織は空手を雇っていたこともあり
暴力に訴えられることはなかったものの
誰に対しても話しかけられることのなく
陰口をたたかれていく毎日を送るようになる
詩織の心はボロボロだった
だがそんな彼女に
手を刺し伸ばしたのが
誠二だった
その後も誠二は詩織を手伝ったり助けたりした
やがて詩織は誠二に惹かれていった
だが父のこともあり
告白する勇気を持てぬまま
時は過ぎていく
そこに転校してきたのは
早乙女 絵理奈であった・・・・ ・
絵理奈は転校してすぐに
誠二と付き合い始めた
詩織はやがて
再び孤独を感じるようになった
詩織はその後も
誠二と普通に接していったが
その傍に絵理奈がいたことは
彼女にとって我慢ができないことだった
だからこそ彼女は
あの七人にあるプランを持ち掛けた
絵理奈を凌辱し
彼から引き離すプランを
だが
あの七人はそれを利用し
三年前のあの事件を引き起こし
絵理奈ではなく彼のほうを陥れた
詩織はこのことに
とても憤った
抗議をしたものの今や彼らは学園の英雄
下手に意見すればどうなるか
孤独感を味わうのが嫌な詩織は
身を引いた
復讐心を募らせながら
そんな時
路地裏におて強姦まがいの暴行を受けた
友人の真莉を見つけ
彼女を助け
手を伸ばした
互いの復讐を果たすために
高校にてもう一人の友人
渋谷 真央とも出会い
ことの発端である藤沢 彩奈の父親に
復讐するために
彩奈がいじめられるように仕組んだ
こうしていくつものピースがつながり
このような出来事が起こってしまったのだった
「終わったのね・・・」
結子がつぶやく
「そうだな・・」
亮もつぶやく
すると
彩奈はゆっくりと
歩いていき
破軍、否、誠二と向き合うように
彼のもとにとまった
「ねえ、破軍・・・
ううん、誠二っていうべきかしら・・・
あなたはいつからこの復讐計画を練ってたの?」
彩奈は聞く
「そうだな
3か月前に
俺が破軍の家を焼く
三日前・・・
母さんが俺の前で息を引き取って
すぐに計画したんだ・・・」
・・・・ ・
3か月と三日前
彼が僅かに
涙を浮かべている
その視線の先には
一人の女性が眠っていた
否
亡くなっていたというべきか
彼女は誠二の母
三年前の事件の時
最後まで息子のことを
信じてくれた数少ない人物だった
だがそのせいで
ひどい生活を受けていた
賠償金を支払うために
借金をした彼女は
少しでも借金を返すために
昼夜問わずに働き続けた
だが
犯罪者の母親と言う肩書のせいで
職場では理不尽な扱いを受けていた
労働基準法ギリギリの労働時間まで
働かされ
更には給料もただ同然
こんな扱いを受けても
今の就職率はただでさえ
高くないゆえにやめられない
苦しくも息子のために
働き続けたものの
毎日のように送られてくる
借金の借用書、いやがらせの手紙や無言電話
世間の理由のない悪意のせいで
彼女は体を壊してしまった
それでも息子のためにと
壊れた体に鞭打って
どうにか働き続けた
だが
仕事で無理したせいで
ミスをしてしまいクビ
それどころかさらに
賠償金を請求されてしまう
とうとう彼女は倒れ
目を覚ますことはなかった・・・・ ・
「母さん・・・
僕のこと・・・
最後まで信じて・・・
頑張ってくれたのに・・・
俺は何にもできなかった・・・
ごめんなさい・・・
ごめんなさいお母さん・・・」
彼はそう言って
左手で顔を覆い
泣いた
母の遺体の前で
声を殺して泣いた
だが
「許さねえ・・・」
憎しみに満ちた瞳を
指と指の間から見せるのだった
そして
・・・・ ・
破軍家
「「合格おめでとー!!」」
そこでは
二人の男女が
少年を祝っていた
「おめでとう芳人
お前は俺たちの誇りだ」
「ええ
まさか地元最難関の
名門校に入学するなんてね
お父さんお母さんも
鼻が高いわ」
「ありがとう父さん母さん」
すると
ピンポーン
インターホンが鳴った
「あら?
誰かしら?」
「俺が見てくる」
と父親のほうが
席を立って玄関に出る
するとそこに立っていたのは
髪が異様に伸び、ひげを蓄えた
一人の少年であった
「なんだ君は」
父親は訪ねてその時
家の周りから当然
炎が舞い上がったのだった・・・・ ・
「うわあああ!!
いったい何を・・」
すると
「あああ!!!」
その少年は
男性、破軍の父親を
炎が燃え移っていく方向に
押しやっていく
リビングでは
破軍と母親が
あわただしく動いている
無理もない
家が突然燃え始めているのだから
すると
「うわあああ!!」
「お前らを全員
生かしておくものか!!」
とリビングにおいて
鉄の棒を手に振るっていく少年
激しい悲鳴と怒号が
リビング中に響きわたっていく
やがて家は
炎に包まれていく
「そおらあ!」
「があああ!!」
「おりゃあ!」
「きゃあああ!!」
と少年は
父親と母親を殴りつけ
気絶させると
燃えている方に
ゴミを捨てるかの如く
放り投げた
「父さん!
母さん!!」
残った少年
破軍のほうは
その様子に
激しい恐怖に駆られて
その場を離れていく
だがそれを
少年は追いかけていく
「ひいいい!!!」
「待てえええ!!!」
二階に上がって
自室の部屋を閉める
だが
扉は瞬く間に
破られてしまった
「ひぃ!」
入ってきた少年をみた
破軍からすると
まるで足音を立てて
迫ってくる怪物のように
移っていく
「な・・・
なんなんだよ・・・
お前一体誰なんだよ・・・」
破軍はおびえながら問いかける
「冷たいね・・・
もう忘れたのか・・・
だったら教えてやる・・・
俺は・・・
北斗 誠二だ・・・」
・・・・ ・
「俺がそう言ったら
破軍の奴
まるで何かに乗り移ったように
三年前の事件はしおりがプランしたもの
それを使って自分たちが
俺を蹴落としたこと
もともと俺のことが気に入らなかったこと・・・
次々とペラペラしゃべって・・・
そしたら一酸化炭素中毒で気を失ってな・・・
気が付いたら病院のベッドの上で
左手と右足を失った俺は
破軍の奴が死んだことを知って
あいつに成りすました
するとあの七人はそれに気づかずに
俺のお見舞いに来たんだ
するとびっくりしたよ
あいつら全員この辺りの
学校に通ってるっていうんだから
これは運命だ・・・
そう思った俺は
奴らへの復讐計画を
始めたんだ・・・
でもあの七人を狙うと
足をつかれる恐れがあったし
だからカモフラージュが必要だったんだ」
「・・・・それで私に
復讐を手助けしようって言ったのね・・・
私の復讐を手伝って
自分の狙いを悟らせないために・・・」
「最初っから俺は
お前を利用するために
お前の復讐を手伝っただけだ・・・
俺からすればお前も結子もその程度さ・・・」
すると
「・・・・そうかもね・・・
でもそれって本心?」
彩奈は聞く
「え・・・?」
「だってあなた
確かに私のことを
利用したのかもしれない・・・
でもあの時私の復讐から
結子を救い出したのは何で?
本当にそれだけの感情なら・・・
どうして私と結子と恵美を引き合わせたの?
どうして?」
「・・・・・・」
彩奈のその問いに
誠二は答えない
とそこに
「があああ!!」
炎に包まれた入り口から
現れたのは
「はあ・・
はあ・・
やっと見つけたぜ・・」
元3年3組 出席番号12番
渋谷 真央
彼女であった
「真央!?」
すると真央は
動かなくなった詩織を見る
「詩織・・?」
真央は詩織に近づき
彼女の顔に触れると
その場に倒れた
「そんな・・
嘘だろ・・」
詩織の死を理解した真央は
涙を流す
「真莉・・
詩織・・
嘘だろ・・
二人とも死んじまったのかよ・・
そんな・・
そんな・・」
すると真央は
一同のほうをにらむ
「全部・・
全部お前らのせいだあああ!!
全員殺してやるううう!!」
と持ってきた金属バットを
振るって襲い掛かっていく
だが
「もういい・・」
「あああ!!」
「もう・・
いいだろおおおお!!」
亮が真央の体に
拳を叩き込み
気を失わせるのだった
「はあ・・
はあ・・」
気を失った真央を背負う亮
「そろそろ出よう
今だったらまだ間に合う」
「で、でも・・・」
「彩奈あなた言ったでしょ
私が自分の復讐から
絶対に逃げないって
だから生きて出ましょう・・・
逃げないために!」
「結子・・・」
そして
「ええ・・・
でましょう・・・
生きてこのことを
伝えていかないと・・・」
脱出を決意する一同
そして
・・・・ ・
燃え盛る黒枯中学校
校庭に消防車やパトカーが
集まっていく
「消火!」
放水が始まる
すると
「おい、あそこ」
校庭で
気を失っている
神藤 栞
もう一人のほうは
元3年3組 出席番号17番
塚本 美穂
だが彼女は
気を失っているのではない
すでに亡くなっているのだから
「とにかく保護しよう」
と救助される二人
さらに
「要救助者発見
急いで向かえ」
と消防隊員が
燃え盛る学校に入っていく
・・・・ ・
「サイレンが鳴ってる・・・
どうやら消防がここに
やっと着いたみたいね」
「ここに来るまでに
結構多くの家が火事になってた
おそらくそれに手間取ったんだろう・・」
「誠二め・・・
まさかここまで・・・」
すると
彩奈は気が付く
そう
「誠二がいない!?」
「「!?」」
誠二がいないのだ
「まさか・・・
あいつ屋上に残って!?」
「彩奈、亮!
二人は先に行ってて・・・」
と結子は一人
来た道を引き返していく
「結子!
ぐう・・・」
「仕方ない
早く出て消防の人に
二人を救助するように言わないと・・」
「そうね・・・」
と彩奈は亮とともに
出口を目指す
「・・・・・・」
亮は後ろについていく彩奈を
じっと見つめていた
夏休み前
彼女に告白する決意をし
それを友人である阿部 祐樹と
辻村 健太郎の背中を押され
勇気を出して彩奈を呼び出し告白した
だが彩奈はそれを
冷たく切りすて
それどころか
自分の目の前で
クラスメートの森谷 直人と
接吻を交わすのを見て彼は
自分は実は彩奈に嫌われてたのかと
思い込むようになった
だがそれはのちに
幼馴染であったレンの策謀に
よるものだったことが分かった
だから決めた
彩奈をいじめから守ると
だがそのせいで自分は
許されないことをしてしまった
人の命
文曲 虎太郎の命を
奪ってしまったのだ
もしも戻ったら
罪を償って
改めて彩奈に
そう思ったその時
床が抜けていく
「きゃああああ!!!」
「彩奈!」
彩奈が落ちて行ってしまったのだ
・・・・ ・
床が抜けていく刹那
彩奈は思う
ああ、そうか
これは報いなんだ
復讐のために
散々好き放題した報い
私は幸せになることを
望んだんじゃない・・・
私はただ
普通に生きたかっただけ
朝起きてお父さんお母さんに
おはようって言って
行ってきますを言えば美穂が待っててくれて
学校に行ったら結子や恵美が迎えてくれる
そんな日々を送りたかった
でもわかってる
もうそんな日々は失った
だって復讐なんて
考えた時点でもう私は
幸せになることはできなくなったと
でも・・・
いやだ・・・
死にたくない・・・
だって死んだら・・・
後悔するもの・・・
私はまだ・・・
やらなければ
ならないことがある
そのためにも私は・・・
私は・・・
終わるもんか!
・・・・ ・
燃え盛るある場所
そこに一人の少年が
座り込んでいた
「終わったよ・・・
絵理奈・・・」
そう告げるとそこに
「誠二!」
そこに一人の女子が入ってきた
「結子・・・
どうしてここに?」
「簡単よ
星座の好きなあなたは
絶対にこの理科室に行くと思ったのよ
星座のことを習うなら
理科の授業だものね」
すると
「この部屋ね
俺と絵理奈がよく
先生に内緒でこっそり
入っていたところなんだ
あの時は楽しかったよ・・・
絵理奈と楽しく星座のことを
離していたあの時のことはさ・・・」
「・・・・でもだからって
死ぬなんて駄目よ!
そんなことしても・・・」
「わかってるよ!
わかってるけど・・・
あいつのいないこの世界に
生きていくのはとても耐えられないんだ・・・
それにどうせ出て行っても俺は死刑・・・」
「そんなことないわ!
だってあなた一人じゃないもの・・・
私もいる、彩奈だっている・・・
だから・・・
生きることに臆病にならないで!」
「結子・・・」
「・・・・・・・」
すると
「ありがとうな・・・」
誠二はそう言って
笑みを見せた
「誠二!
と決まったら急いで・・・」
すると
誠二はそこに倒れてしまうのだった
「そんな・・・」
「・・・・・・・」
すると結子は
誠二の体を起こし
思いっきり抱きしめる
「あなたを一人では
行かせない・・・
行かせるわけないでしょ・・・
絶対に・・・
一人なんかにさせないわよ!」
すると
辺りか崩れていき
・・・・ ・
「あ・・」
脱出し消防の人に
話をしようとした亮は
崩れていく学校を見て
驚愕するのだった
「彩奈・・
誠二・・
滝嶋・・
そんな・・
ああああ!!」
その場で泣き叫ぶ亮
それを見ていた人々の中に
一人その光景を
見つめている黒い影があったが
そのことを知るものは
いなかったのであった
こうして燃え盛る
黒枯中学校にて行われた
最後の戦いは
終わりを迎えるのであった
そして
それと同時に
多くの者達を巻き込んだ
復讐劇もまた終わりを迎えていくのであった
燃え盛る学校は
野村 藍
結城 真莉
奥井 詩織
この者たちの遺体を
燃やし尽くしていく
旗から見れば
床に落ちていった彩奈も
残った結子も
助かりそうにもない
だが
それはあくまで
人びとの見解
どうなってしまうのかは
それを決めるのは
神のみぞ知るのかもしれない
だが
このことを告げる言葉があるなら
きっとこれだろう・・・・ ・
復讐は終わった・・・・ ・
復讐完了