※この作品はR-18です。

葛葉の里に生まれました   作:B-in

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短いよ!!


三話

 

 

 

カチャカチャと碗と箸が擦れる音にみそ汁を啜る音が響く。

 

会話等無い。会話を使用にも出来ない。

 

最初に在った時から無表情で声に抑揚が無いし…話しかけ辛いんだよ。

 

いや、俺頑張ったよ? めっちゃ手伝いとかしてたよ?

 

分らないだろうなぁって所はそれとなく教えてたし、死んだ家族の息子とか家族を思い出させて辛いだろうから、出来るだけ視界に入らないようにしたりとか…

 

いや、俺も何でそこまでしないといけないのかって言われたら生活の為って答えるよ。子供には保護者が必要なんですよ。今の自分じゃ満足に料理も出来んのですよ。

異能とか言うのないし…魔力と在るのか分らんし、ってか感じられん。氣? 無いよ?

使えてたらとっくに野生児に成ってるよ。

 

でもまぁ、時間が解決してくれるだろうとか思いつつだらだら過ごしてたら、9か月も経ってました。

お願いだ、言い訳させてくれ…忙しいんだよ!! 

 

自給自足だから、薪とか集めないといけないし、畑の世話も在るし、狩りだってしなきゃならないんだよ!! 掃除・洗濯もだ!!

 

朝起きて働いたら飯食ってちょっと休んで働いて飯食って水浴びして寝るで終わるわ!!

 

今は、それなりに余裕が出来てきたから良いんだけど。

 

俺は大丈夫だよ? サバイバルとかそれなりに出来るし知識だけは在るから…でもですね。季節は夏です。夏が過ぎたら秋・冬と続く訳で、今の内から少しずつ冬越えの仕度をしないといけないのです。

だから、ちょっと勇気を出して言ってみた。

 

「里に下りないの?」

 

って、聞き返されたからちゃんと答えなおしたよ?

 

そしたら、そうね。行ってくるわって流れになったんだけど…どーも仲良く出来ない。

 

こっちを見る目が無感動だし、無表情だし…自然と緊張して同じように成っちゃうんだよ。

 

(はぁ…今日も山中で暇を潰す仕事が始まる)

 

あっ、久しぶりに鍛冶師のおっちゃんの所に行ってみよう。山の頂上近くに住んでるんだよね。其処から薪を分けて貰ったりしてます。あの人、基本差別とかしないみたいだから構えなくて済む。

 

それじゃ、行ってきま~す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山里で生まれた子供が山を遊び場にするのは当然の事であり、その姿を見た大人が子供の意外な身体能力などに驚かされると言う事もある。

しかし、そういった行動をする子供はそれなりに育った子供が殆どで痛い思いをしながらも遊んでいるのだ。

故に、現在山中を適当な言葉の羅列を並べただけの歌を歌いながら無理やりテンションを上げて歩いて居るのを見れば空いた口が塞がらなくなるだろう。

だが、隠れ里の山でしかもこの山で顎の事を見れるモノは現在一人しか居らず里の人間は決まった日にしか入ってこない。

 

つまり

 

独りで適当な歌を歌いながら山を登る可哀そうな子=顎である。

 

まぁ、村八分な子なので仕方がないのだが。

 

「ロンパ、ロンパ、ラ、ラ、ラ、トルラロ、ロラ、ラ、ラ」

 

綺麗なソプラノなのがどうしようもない。

 

少年、顎が山道をひたすら進むと、サラサラと水が流れる細い川が在る。その川に沿って上流へと向かうと、一軒の家が在る。殆どが工場として使われているその家にはただ一人の男が住んでいる。

 

名を多田羅目(たたらめ) 鎚丸(つちまる)と言う

 

男は何時も、この少年が来ると玄関を開けて一言言う。

 

「水」

 

「ういうい」

 

ソレに軽い言葉で返す当たり、この少年は自分の肉体年齢を覚えて居るのかが不安になる。

 

桶に水を汲んで大きな樽に注ぐ、十回も繰り返せば後半分、もう十回繰り返してようやっと足りる。といった量を時間を掛けて行う。

子供にはまだまだ早い作業を、筋肉強化の名目で行っている顎だが、三歳にも成って居ない子供が行うにはキチガイ的な行為である。ソレを行ってしまう辺りオカシイのだが、本人曰くボディバランスの問題と言う事らしい。

人間は自分と同じ体重までなら支えられるモノなのだから、ソレの半分ほどの重さなら運べて当然と言うのが顎の考えであり、その為の知識と技術を身に付けて居る。

 

それが終わると、多田羅目の家に入り、用意してある茶を飲んで一息吐く。

 

「何の様だ」

 

「何時も通り、だ~れも居ないから、誰か危害を加えない人の所に居たいと思っただけ」

 

「そうか」

 

多田羅目はそれだけ言うと席を外し、自分の仕事に戻る。

 

多田羅目の仕事とは管…封魔管と呼ばれるモノの作成と悪魔を切れる武具の製作である。

葛葉の関係者や、フリーの悪魔召喚士なら必ず欲する一級品を造り出す職人がこの男である。

身長は190に近く、全身を筋肉で覆った様な肉体は厚い。鉄を打っている最中に怪我をしたのか、右目は布を巻いて隠してある。

見様によっては二十代前半にも見えるが、三十代と言われても納得できる。

これだけのモノを造れるならば、ヤタガラス以外の組織からの誘いも有るのだろうが…この男は十年以上此処に居るらしい。

寡黙で無愛想。それが第一印象に成るだろうが、顎はこの男の事を好ましく思っていた。

付き合いは両親や珠樹の次に長いと言うのも有る。

 

顎から言わせれば寡黙で無愛想な所は職人の気質としては個人的に好きなイメージであり、自分の両親、どちらかと言えば父に雰囲気が似ている。

不器用だが、男とは反対に多弁な方であり表情も良く変えて居た。新米の父としては大変共感出来る所が在り、「あぁ、コレが父親と言う存在が出す安心感なのだなぁ」と思うと、自分も子供なのだなぁと酷く安心させられる。

 

ある種の自己確認方法であった。

 

「顎」

 

「ふぁい?」

 

ポケーとして居たので、変な声がでてしまったと若干恥ずかしく成りながら返す。

 

「そろそろ帰れ、日が沈む」

 

外を見れば、日もそれなりに傾いてきている。今から変えれば、空が赤く成る前には帰れるだろう。

 

「はーい、それじゃあまたねー」

 

挨拶をして変える。ソレが日常の一部と成っているためか、違和感や遠慮等も無い。

 

多田羅目は顎が帰った後、自分の湯飲みに茶を注ぎゆっくりと飲む。

 

「…やはり、心地よいMAGだな」

 

アレで、妖精(ピクシー)等の悪魔が近寄ってこないのは奇跡に近い。試しに見て見たが、驚くほど自然に異界への入り口に近寄らずに歩いている。

 

「面白い…まぁ、入ったとしても…」

 

この山の異界に居る悪魔は悪戯好きだが、人間を憎んでいる訳でも排他的でも無い。

 

あの童が悪魔召喚士になったら如何なる悪魔を従えるのか。思うだけでも楽しみでも在った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が暮れる前に家に帰ってきたら、何故かやる気満々の桔梗さんが待っていた

 

 

「コレから、貴方を鍛えます。」

 

お願いですから、説明を下さい。

ってかキャラが変わってるでしょう? 貴女

 




顎君一家の特徴

父親 普通に喋る。表情も結構変わる。そういう面では驚くほど普通の人

母親 寡黙。余り喋らないが必要なら喋る。表情は殆ど変わらない無表情。
   照れる時も無表情だが、身内には喜んでいるとか微妙な変化が分る。

桔梗 寡黙。母親と同じく必要な事は喋る。無表情かつ無愛想。

顎  普通に喋れるが喋らない。緊張すると無表情。
   実際は多弁で表情もコロコロ変わる。

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