今回は、艦隊これくしょんの少し
歪んだ愛情の物語です。
好き嫌いが激しく分かれると
思いますが、読んで頂けたら幸いです。
キーンコーン
カーンコーン…
やっと放課後…
早くお家に帰りたい…
急いで机の引き出しから
落書きされた教科書、破かれたノートを抜き取る
カタカタと震える手で至る所に切り傷をつけられた
黒いランドセルに押し込むように入れる
女子1「せんせい、さようならー!」
女先生「はいさようならー!
ほら残ってる皆も
さっさと帰った帰った!」
手を叩いて教室に残って
雑談している生徒達を帰宅するように促す担任の先生
良かった、先生に見つかる前に帰れそう
帰りたい帰りたい…
目をつけられる前に帰りたい…
昨日、月曜日は放課後にB君に背中蹴られたし
転んだし、膝擦りむいたし
頭打ったし
まだ痛い…
帰りたい…
急いで帰れば…
放課後にいじめっこの目を盗んで
急いで帰れば大丈夫…
早く、早く
…
夕焼けオレンジにマンションが染まる
入り口を抜けて一階ロビーの壁際に備えられてる
集合ポストに近寄る
そこから僕とお父さんの住む部屋の番号の
郵便ポストを確認…
…なんにも入ってないよね…
ただいま…
ランドセルをお部屋に片付けて
誰もいないリビングでちょっと待つ
革張りのソファに座って、足をブラブラさせる
お父さんに買ってもらった携帯電話を開いてメールを確認
待ち受けにしてる
お母さんとボクと…お父さん
待ち受けにしてるこの写真を見るたびに
なんとも言えない気分になるけど
でも変えられない、変えたくない…
メール受信ボックスを開いて
新規にカーソルを合わせる
『今日も遅くなる。
リビングのテーブルの上に
お金を置いてある。
それで何か好きなものを食べなさい』
テーブルに目をやるとお金が置いてある
再び携帯電話の画面に目を落とす
…これ、先週とおんなじ…
『こぴーぺーすと』ってやつだ知ってる…
その前のメールを確認
やっぱり同じ…その前も前も…
パタンと携帯電話を閉じて
ポケットに入れる
革張りのソファに横たわって
お気に入りの白黒の牛柄のクッションを手に取って
横に縦に伸ばす
ぼよーんぼよーん…
顔をうずめて足をパタつかせる
…さみしい…
火曜日はお父さんはいつもとっても遅いから
『お姉ちゃん』が来るまで
ゲームをしたり、アニメを観たり…してるけど
なんだか今日はそんな気にならないから
お昼寝しよう…
それに最近、
ちょっと別の遊びを覚えてからあんまり
楽しくなくなっちゃった…
なんていうか物足りない?
…
時計を見ながらソワソワ
時間が経過するのを待つ
待つ
ソワソワ
待つ
ソワソワ
早く夜にならないかなぁ…
…
ピンポーン
チャイムが鳴る
来てくれた!!
やったやった!
『お姉ちゃん』だ!
急ぐ気持ちを、興奮しきった心臓を
落ち着けるように深く深呼吸する
スー…ハー…
…よし
あんまりガツガツすると女の人に
嫌われるってお姉ちゃんも言ってたし…
落ち着いて
『おとなのよゆー』を見せないと
…子供だけど
念のためにお父さんから言われた通りに
ドアを開ける前にちゃんとドアに備え付けられた
レンズからマンションの廊下を覗く
ギンガムチェックのレトロなワンピース…
長い長い銀髪、血色の悪い
蛍光灯の光を受けてますます悪そうに見える
青白い肌
濁りきった大きな
瞳もこっちを見ている
赤い唇が半月を描くようにニタリと笑っている
大好きなお姉ちゃん
今日もお姉ちゃんと遊ぶんだ
ゲームよりもおもちゃよりも
楽しいごっこ遊び
遊びましょ
…
今日も寝不足かなぁ
明日の一時間目ってなんだっけ?
算数だ…
算数、眠くなっちゃいそう
ギシッ…キシッ
ギッ…ギッ…!!
僕の部屋のベッドは身長の高いお姉ちゃんと一緒に寝るのには
ちょっと狭いけど
体をくっつけられるとこが多くなるから
苦しいのと嬉しい…これってなんて言うんだっけ?
『複雑な気持ち』?
電気を消して月明かりだけ僕の部屋を
薄く照らす
お姉ちゃんと僕は肌をさらけだして
僕のお部屋で『くっつけごっこ』をして
遊ぶのが『火曜日の夜』
いつも思うけどお姉ちゃんは
顔は疲れた感じ
でも
体は元気に僕のお腹の上で跳ねている
お姉ちゃんの胸は
おっきくて僕の上に覆いかぶさると
顔が埋まっちゃう
お花みたいな
甘くて柔らかい香り
そこに僕とお姉ちゃんの
ちょっとだけ汗の匂いが混じって
頭がおかしくなっちゃいそう…
くっつけごっこは
とっても気持ちいいけど
とっても疲れるんだ
だって次の日には頭はグワングワンするし
目は赤くなるし正直つらい
理科の授業で習った
月と太陽のお話を思い出そうとするけれど
なんだったっけ?
面白い内容だったのに
忘れちゃった…
今って何時なんだろ
お姉ちゃんが部屋に来てから
夢中で抱き合ってたから時間わかんなくなっちゃった
こんな遅くまで起きてちゃいけないんだよね、
ホントは
本当なら
先生にだって怒られるし
お父さんにも怒られるから
この日は
僕はちょっと悪い子なんだ
友達のA君だってゲームをしていても
お父さんとお母さんから怒られて10時には寝ちゃうんだよ?
でも今日はお父さんはいない
どうせ明日の朝に帰ってくるもん…
だから怒られない
怒る人がいない
暗くて良く見えないけど目を少し細めると
なんとか薄い月明かりで文字盤が読める
0時30分…くらい?
気が付いたら、もう『今日』になっちゃってた
…!!
冷たい手のひらが突然
僕の頬に当てられて強引に
顔を正面に向けられる
向かい合う僕の顔と
お姉ちゃんの顔
―目を離しちゃダメ…
―見て…もっと…
耳元で吐息と一緒に耳の奥にふれる
お姉ちゃんの優しい声
頭がとろけちゃいそうな…
脳みその中にあめ玉を突っ込まれて
ぐちゃぐちゃに乱暴にかき回されてるみたい
ぼーっとしていたら…
カプリ…
唇を『食べ』られる
下唇を吸われて
ンチュ…クチュ…
上唇を噛まれて吸われて
ヌチッ…グチュ…
口の中に滑った舌が蛇のように
入り込んでくる
ジュル…チュッ…
僕の歯を這い回って
歯茎を舐められる
なんだか涎がたくさんでてきた
お姉ちゃんのチューは
ちょっと強引だけど
なんだかフワフワした気持ちに
なるから…恥ずかしいけど
どちらかと言えば
…好きかなぁ
落ち着いたのかな…
お姉ちゃんは僕の口から
舌なめずりしながら
綺麗な赤い唇を離す
ツゥって糸がひいてた
こういうのなんて言うか僕は知ってる
『エロい』んだ
…
これから
次第に壊れていきます。