※この作品はR-18です。

歪に甘く   作:卵白

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告白

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「今日は楽しかったですね」

 

 

 

海の夕焼けはとっても綺麗

 

放課後に一人で帰るときに見るのは

 

ちょっとなんか…切ない気持ちになるけど

 

お姉ちゃんと見るとなんだかワクワク、

ドキドキするというか

 

『いい気持ち』になるから不思議

 

 

 

 

僕「」スタスタ…

 

 

翔鶴「」テクテク

 

 

 

 

お姉ちゃんと出会ってから僕は

 

連絡を取り合うようになって

 

頻繁に出会うようになったんだ

 

一緒に公園に行ってお話ししたり

 

お昼ご飯を食べたり

 

お姉ちゃんは僕の知らないお店をいっぱい

 

知ってたから、とっても珍しくて楽しかった

 

 

北欧雑貨っていうのかなそういうのが

たくさん置いてある喫茶店や

 

弓道場?かな?弓がたくさん置いてあったけっど…

 

お姉ちゃんが言ってたけど

 

一般的な弓をその道の職人の人たちが改造して艦娘専用の艤装に仕立てるんだってさ!

 

 

 

『僕は』

 

楽しかった楽しかったけど

 

 

『お姉ちゃんは』

 

楽しんでいるっていうよりは

 

 

 

楽しんでいる僕を見て、

ただ静かに微笑んでいるだけだった

 

 

 

 

僕がお姉ちゃんを楽しませるってことは無かったから、何だろう…ちょっと悔しい

 

 

今も僕の目の前を歩くお姉ちゃんは

 

スラッと長い足はきっと今よりも

 

ずっと歩幅を大きくして歩けるはずなのに

 

それの小さい僕に合わせて歩いていてくれている

 

 

 

僕がリードしたい…

 

 

 

僕「ねぇ、お姉ちゃん?」

 

 

 

 

僕がお姉ちゃんを喜ばせたい

 

 

 

 

翔鶴「なぁに?」

 

 

 

 

 

いつも余裕たっぷりの

翔鶴お姉ちゃんが驚く顔を見たい

 

 

 

 

 

僕「僕、お姉ちゃんが好きみたい」

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

何でそんな顔をするの

 

 

 

 

僕「お姉ちゃんは僕の事…」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「好きですよ?」

 

 

 

 

僕「じゃ、じゃあ!お姉ちゃん聞いて!」

 

 

 

 

 

 

これじゃ、だめだ落ち着かなきゃ…

 

 

 

 

 

翔鶴「なぁに?」

 

 

 

 

僕ができる精一杯のお姉ちゃんへの

 

愛情表現

 

 

 

 

僕「あの…これ…」

 

 

 

 

 

背負っていたリュックから

 

箱に入れて大切に保管していたそれを取り出す

 

 

 

 

 

翔鶴「これは?」

 

 

 

僕「ぼ、僕の

お小遣いだと赤いバラ…一輪しか

買えなかったんだ…ごめんね…」

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

僕「あ、赤いバラの花言葉は…『あなたを愛してます』!///」

 

 

 

 

 

 

だから

 

 

 

 

 

 

僕「受け取ってください!ぼ、僕と

お、おつ…おつきあいしてください!!

 

 

 

 

 

 

 

 

言った

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

お姉ちゃんは眉一つ動かさなかった

 

 

 

 

 

 

僕「だ、だめ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…『ごめんね』」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「!!!???」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「少し…考えさせて?ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「…ぅぅ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「良い子だから」

 

 

 

 

 

 

僕「…うん」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「ふふ、僕くんは本当に良い子ですね」

 

 

 

 

 

 

僕「へ、返事…待ってるから…」

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「ええ、忘れないから、ちょっと

待っててね」

 

 

 

 

 

 

 

今日はやんわりとはぐらかされてお姉ちゃんに見送られて

僕はマンションに帰った

 

 

帰ったらお母さんが夕飯の準備をしてたけど

 

味がしなかった

 

 

 

 

 

ごめんねというお姉ちゃんの言葉がいつまでも

 

頭の中をグルグルと回っていた

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

 

肉の体は本当に良い

 

五感それぞれ独立して情報を得られるのだから

 

 

 

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚

 

 

 

 

瑞鶴の姿、声、匂い、体液、肌

 

 

 

全部、感じられる

 

 

それは麻薬のように常習性を増していき

日に日に激しく高ぶるようになり

毎日、感じてないと

気が狂ってしまいそうになっていた

 

 

 

 

 

だからこそ

親密になり自分と彼女の時間を奪う

提督を呪ったこともあった

 

 

 

 

でも

瑞鶴は、今まで

私に見せたことのない笑顔を

提督に向けていた、

 

 

 

 

 

食事中だって、会議中だって

 

 

 

 

 

提督を見つめる彼女を見つめていた

 

 

 

 

 

 

自分でも歪な危ない感情だと感じている

 

 

 

 

 

だから偶然出会った『あの少年』から

瑞鶴と『同じ匂い』を感じ取ったときに

 

 

 

私の脳が妹の姿を少年に重ねてしまった

 

 

 

 

 

 

そこで私の中で

せき止めていた何かが決壊した

 

 

 

 

溢れだした歪な思考は脳内を駆け巡った

 

 

 

 

 

 

目を閉じて、

耳を塞いで、

口を閉じて、

肌に触れなければ…

 

 

 

ほら、ソコにあるのは

 

 

 

 

愛しい妹と同じ

『瑞々しく甘い香り』だけでしょ?

 

 

 

 

 

 

ソコに瑞鶴の『代用品』がいるじゃない

 

 

 

 

嗅覚以外の情報を遮断して

 

瑞鶴の姿を思い浮かべる

 

 

 

 

 

 

…

 

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