僕「いってきます!」
タタタタ…
母「ん~行ってら~」
母「車と変質者に
気をつけるんだよ~」
ハーイ
母「…」
母「最近、なんだか元気ね、あの子」
父「そうか…」
母「あとは…まぁ、いつものことだけどテストの点数は満点ばっかだね~」
父「…そうか」
母「さすがアタシ達の子どもだよね~」
父「そうか…」
母「もうちょっと興味持ったら?自分の子供だよ?」
父「そうだな…」
母「何読んでるの?」
父「生徒たちの提出論文」
母「『大学教授』は休みの日でも忙しいんですね~」
父「まぁな」
母「はぁ…せっかく大学が休みだってのに」
父「これが私の休みの過ごし方なんだよ…、ここ脱字があるな…」
母「はぁ~」
母「じゃあ、アタシそろそろパート行ってくるわ~」
父「気をつけて…今日は何時になる?」
母「あ~、またたぶん遅くなるかな~?わかんね」
父「そうか、今日ぐらいは
君の作りたての料理が食べたかったんだけどな」ギュッ
母「ん♪後ろから抱きつくなんて…
あの子にもこれぐらい愛情表現してあげれば良いじゃない?やればできるでしょうに?」
父「…」
父「…行ってらっしゃい、
車に気をつけて」
母「もしも~し、都合悪いことは聞かぬふり…ですかぁ?」
母「ちっちゃい子供とおっきな子供かぁ」ハァ
…
瑞鶴「じゃあ、翔鶴姉ぇ!
行ってきま~す!」
翔鶴「行ってらっしゃい、
気をつけてね」
瑞鶴「わかってるってば~、翔鶴姉ぇは、まずはゆっくり入渠して前の出撃の傷を治しててよ」
翔鶴「一緒に出撃できないのが残念ね…とっても」
瑞鶴「う、うん私も…」
瑞鶴「そ、それじゃあ本当に行ってきます」
翔鶴「待って」
ギュッ…
瑞鶴「しょ、翔鶴…姉ぇ?」
翔鶴「…」
ギュウウ
瑞鶴「ちょっと、キツく
抱きすぎじゃない?」
翔鶴「だって、今日は一緒に出撃できないから瑞鶴成分をチャージしておかないと、ね♪」
瑞鶴「な、何よそれぇ」
翔鶴「いい匂い…」
翔鶴(瑞鶴のにおい…
僕くんのにおい…)
翔鶴(そっくり…)
…
物事は
築き上げるのは長い期間を必要として
崩れるのは一瞬だったりする
それは建物であれ、美術品であれ、様々な製品であれ…
もちろん大切な人と過ごした『思い出』であれ
全部同じこと
この日、お母さんが帰ってくることは無かった
…
物事は
築き上げるのは長い期間を必要として
崩れるのは一瞬だったりする
それは装飾品であれ、衣服であれ、砂浜に作った砂のお城であれ…
もちろん大切な人と過ごした『思い出』であれ
全部同じこと
この日、妹が帰ってくることは無かった
…
ヒソヒソ…
コノタビ ハ…
父「いえ…」
ヒソヒソ…
主婦1「交通事故ですって…」
主婦2「ひき逃げだったんでしょ?捕まったみたいだけどさ…」
主婦1「ホント、酷いわ
だって、そのまま車に引きずられて1キロも…」
主婦2「道路に血の跡が着いてたみたいじゃない?残酷よねぇ」
ヒソヒソ…
父「…」
僕「…」
父「…」
父「お前は子供部屋にいなさい…後はお父さんがやっておくから…」
僕「」コクリ
父「…おなかは空いてないか?」
僕「」フルフル
父「…そうか」
父「疲れただろう、もう今日は寝ておきなさい、学校の方には
連絡しておくから、とりあえず一日休みなさい…」
僕「」コクリ
僕「母…さん」
…
提督「―以上をもって…ここに、翔鶴型二番艦『瑞鶴』の轟沈を確認した…ものとする…」
提督「敬礼…」ザッ
翔鶴「」ブツブツブツ…
翔鶴「」ブツブツブツ…
翔鶴「」ブツブツ…
赤城「翔鶴…」
翔鶴「嘘嘘嘘嘘…」ブツブツ
赤城「翔鶴!しっかりなさい!瑞鶴の前でしょ!敬礼を…」
赤城「ちゃんと彼女の魂を讃えなさい!!認めなさい!名誉ある戦死でしょう!」
翔鶴「名…誉…?」
翔鶴「なにが…なにが、名誉ある戦死よ…」フルフルフル…
赤城「…」
赤城「しょう…かく?」
ガシッ…バタッ
赤城(お、押し倒された?
私が…!?)
翔鶴「死んだらおしまいじゃない!!なにが…」
翔鶴「何が『名誉』よ!!」
ガシィッ
赤城「か…っはぁ…!?」
ギリギリギリ…
赤城(く、首が…!)
翔鶴「名誉なんかいらない!!
いらないの!!戻してよ!!誰でも良いからぁ!!瑞鶴を返しでぇ゛えええ゛!!!」
ザワザワ!
ア、アカギサン!
衣笠「ちょっと翔鶴!!やめなって!!」
衣笠「味方に手ぇ上げるなんて、どうかしてるでしょ!?」
衣笠「い、妹さんは…瑞鶴は確かに残念だったけど…」
衣笠「ほ、ほら!!衣笠にも
姉妹艦はいるからさ…
気持ちはわかるよ!だから」
翔鶴「…」ギリギリ
翔鶴「へぇ?…」パッ
赤城「ぐっ…げっ…ぅ…!!」ゴホゴホッ
衣笠「」ホッ
翔鶴「衣笠?」
衣笠「な、なに?」
翔鶴「あなた今、気持ちがわかるって言ったわよね?」
衣笠「もちろん!
ほら、ほかにも姉妹艦いる子達だっているじゃない?やっぱり気持ちは痛いくらいに」
翔鶴「艤装展開…」ボソッ
衣笠「へ?なんで艤装なんか装備して?」
翔鶴「…嘘言わないでよ…」
衣笠(弓を待って…なんでこっち向いてないの?)
青葉「!?」
衣笠「あ、青葉ぁぁ!!」
翔鶴「本当にわかってもらうには」
翔鶴「これしかないでしょ?」キリキリキリ…
…