※この作品はR-18です。

歪に甘く   作:卵白

12 / 17
崩壊

僕「いってきます!」

 

 

 

タタタタ…

 

 

 

母「ん~行ってら~」

 

 

母「車と変質者に

気をつけるんだよ~」

 

 

 

 

ハーイ

 

 

 

 

母「…」

 

 

母「最近、なんだか元気ね、あの子」

 

 

 

父「そうか…」

 

 

 

母「あとは…まぁ、いつものことだけどテストの点数は満点ばっかだね~」

 

 

 

父「…そうか」

 

 

 

母「さすがアタシ達の子どもだよね~」

 

 

 

父「そうか…」

 

 

 

母「もうちょっと興味持ったら?自分の子供だよ?」

 

 

 

父「そうだな…」

 

 

 

母「何読んでるの?」

 

 

 

父「生徒たちの提出論文」

 

 

 

母「『大学教授』は休みの日でも忙しいんですね~」

 

 

 

父「まぁな」

 

 

 

母「はぁ…せっかく大学が休みだってのに」

 

 

 

父「これが私の休みの過ごし方なんだよ…、ここ脱字があるな…」

 

 

 

母「はぁ~」

 

 

 

母「じゃあ、アタシそろそろパート行ってくるわ~」

 

 

 

父「気をつけて…今日は何時になる?」

 

 

 

母「あ~、またたぶん遅くなるかな~?わかんね」

 

 

 

父「そうか、今日ぐらいは

君の作りたての料理が食べたかったんだけどな」ギュッ

 

 

 

母「ん♪後ろから抱きつくなんて…

あの子にもこれぐらい愛情表現してあげれば良いじゃない?やればできるでしょうに?」

 

 

 

父「…」

 

 

父「…行ってらっしゃい、

車に気をつけて」

 

 

 

母「もしも~し、都合悪いことは聞かぬふり…ですかぁ?」

 

 

 

母「ちっちゃい子供とおっきな子供かぁ」ハァ

 

 

 

 

…

 

 

 

瑞鶴「じゃあ、翔鶴姉ぇ!

行ってきま~す!」

 

 

 

翔鶴「行ってらっしゃい、

気をつけてね」

 

 

 

瑞鶴「わかってるってば~、翔鶴姉ぇは、まずはゆっくり入渠して前の出撃の傷を治しててよ」

 

 

 

翔鶴「一緒に出撃できないのが残念ね…とっても」

 

 

 

瑞鶴「う、うん私も…」

 

 

 

瑞鶴「そ、それじゃあ本当に行ってきます」

 

 

 

 

 

翔鶴「待って」

 

 

 

ギュッ…

 

 

 

瑞鶴「しょ、翔鶴…姉ぇ?」

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

ギュウウ

 

 

 

瑞鶴「ちょっと、キツく

抱きすぎじゃない?」

 

 

 

翔鶴「だって、今日は一緒に出撃できないから瑞鶴成分をチャージしておかないと、ね♪」

 

 

 

瑞鶴「な、何よそれぇ」

 

 

 

翔鶴「いい匂い…」

 

 

翔鶴(瑞鶴のにおい…

僕くんのにおい…)

 

 

 

翔鶴(そっくり…)

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

物事は

築き上げるのは長い期間を必要として

 

崩れるのは一瞬だったりする

 

 

それは建物であれ、美術品であれ、様々な製品であれ…

 

 

もちろん大切な人と過ごした『思い出』であれ

 

 

全部同じこと

 

 

 

この日、お母さんが帰ってくることは無かった

 

 

 

 

…

 

 

物事は

築き上げるのは長い期間を必要として

 

崩れるのは一瞬だったりする

 

 

 

それは装飾品であれ、衣服であれ、砂浜に作った砂のお城であれ…

 

 

もちろん大切な人と過ごした『思い出』であれ

 

 

全部同じこと

 

 

 

この日、妹が帰ってくることは無かった

 

 

 

…

 

 

ヒソヒソ…

 

 

 

 

コノタビ ハ…

 

父「いえ…」

 

 

 

ヒソヒソ…

 

 

 

主婦1「交通事故ですって…」

 

 

主婦2「ひき逃げだったんでしょ?捕まったみたいだけどさ…」

 

 

 

主婦1「ホント、酷いわ

だって、そのまま車に引きずられて1キロも…」

 

 

 

主婦2「道路に血の跡が着いてたみたいじゃない?残酷よねぇ」

 

 

 

 

ヒソヒソ…

 

 

 

 

父「…」

 

 

僕「…」

 

 

 

父「…」

 

 

 

父「お前は子供部屋にいなさい…後はお父さんがやっておくから…」

 

 

 

僕「」コクリ

 

 

 

父「…おなかは空いてないか?」

 

 

 

僕「」フルフル

 

 

 

父「…そうか」

 

 

 

父「疲れただろう、もう今日は寝ておきなさい、学校の方には

連絡しておくから、とりあえず一日休みなさい…」

 

 

 

僕「」コクリ

 

 

 

 

僕「母…さん」

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

提督「―以上をもって…ここに、翔鶴型二番艦『瑞鶴』の轟沈を確認した…ものとする…」

 

 

 

提督「敬礼…」ザッ

 

 

 

 

 

翔鶴「」ブツブツブツ…

 

 

 

 

翔鶴「」ブツブツブツ…

 

 

 

 

翔鶴「」ブツブツ…

 

 

 

 

 

 

赤城「翔鶴…」

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「嘘嘘嘘嘘…」ブツブツ

 

 

 

 

 

 

赤城「翔鶴!しっかりなさい!瑞鶴の前でしょ!敬礼を…」

 

 

 

 

 

赤城「ちゃんと彼女の魂を讃えなさい!!認めなさい!名誉ある戦死でしょう!」

 

 

 

 

 

翔鶴「名…誉…?」

 

 

 

 

 

翔鶴「なにが…なにが、名誉ある戦死よ…」フルフルフル…

 

 

 

 

 

赤城「…」

 

 

 

 

 

赤城「しょう…かく?」

 

 

 

 

 

 

ガシッ…バタッ

 

 

 

 

 

赤城(お、押し倒された?

私が…!?)

 

 

 

 

翔鶴「死んだらおしまいじゃない!!なにが…」

 

 

 

 

翔鶴「何が『名誉』よ!!」

 

 

 

 

 

ガシィッ

 

 

 

赤城「か…っはぁ…!?」

 

 

ギリギリギリ…

 

 

 

赤城(く、首が…!)

 

 

 

翔鶴「名誉なんかいらない!!

いらないの!!戻してよ!!誰でも良いからぁ!!瑞鶴を返しでぇ゛えええ゛!!!」

 

 

 

 

 

ザワザワ!

 

ア、アカギサン!

 

 

 

 

 

衣笠「ちょっと翔鶴!!やめなって!!」

 

 

 

 

衣笠「味方に手ぇ上げるなんて、どうかしてるでしょ!?」

 

 

 

 

 

衣笠「い、妹さんは…瑞鶴は確かに残念だったけど…」

 

 

 

 

 

衣笠「ほ、ほら!!衣笠にも

姉妹艦はいるからさ…

気持ちはわかるよ!だから」

 

 

 

翔鶴「…」ギリギリ

 

 

 

 

 

翔鶴「へぇ?…」パッ

 

 

 

 

 

赤城「ぐっ…げっ…ぅ…!!」ゴホゴホッ

 

 

 

 

衣笠「」ホッ

 

 

 

 

翔鶴「衣笠?」

 

 

 

衣笠「な、なに?」

 

 

 

 

 

翔鶴「あなた今、気持ちがわかるって言ったわよね?」

 

 

 

 

 

 

衣笠「もちろん!

ほら、ほかにも姉妹艦いる子達だっているじゃない?やっぱり気持ちは痛いくらいに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「艤装展開…」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

衣笠「へ?なんで艤装なんか装備して?」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…嘘言わないでよ…」

 

 

 

 

 

 

 

衣笠(弓を待って…なんでこっち向いてないの?)

 

 

 

 

 

青葉「!?」

 

 

 

 

 

 

 

衣笠「あ、青葉ぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「本当にわかってもらうには」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「これしかないでしょ?」キリキリキリ…

 

 

 

 

 

…

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