※この作品はR-18です。

歪に甘く   作:卵白

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瑞鶴の残り香

 

 

 

 

 

 

 

赤城「さすがに喪服だけだと、この時間帯は冷えるわね」

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…ええ」

 

 

 

 

 

 

 

赤城「ねぇ、さっきの『代わりならいるって』どういう事?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―僕とお付き合いして下さい!

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…今は言えません」

 

 

 

 

 

 

 

赤城「…今は?」

 

 

 

 

 

 

 

―へ、返事…待ってるから

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「はい…駄目です…言えません」

 

 

 

 

 

翔鶴「すいません…」

 

 

 

 

 

 

赤城「いつかは…教えてくれるの?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…わかりません…」

 

 

 

 

 

 

赤城「…話せるときが来たら、言ってね」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「時がきたら…」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「話せると思います…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴(…今は、あの子に縋(すが)るしかないの…)

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴(…もう…壊れそうなの…)

 

 

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「お、姉ちゃん…?」

 

 

 

 

 

 

赤城(…子供?)

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…僕…くん?」

 

 

 

 

 

 

 

僕「なんで…お姉ちゃんが…こんな所に?」

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…壊れてしまったの…」

 

 

 

 

 

 

 

僕「…壊れた?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「大事だったもの…」

 

 

 

 

 

僕「…」

 

 

 

 

 

僕(お姉ちゃん…たぶん僕とおんなじ…目をしてる、きっと)

 

 

 

 

 

 

 

僕「ねぇ、お姉ちゃん…どうしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「なんで、そんな黒い服を着てるの?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…」

 

 

 

 

赤城「…ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

僕「…はは、おそろいだね?」

 

 

 

 

 

 

僕「ほら…僕も、今日…黒い服着てるでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「…おそろいだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

翔鶴(…ああ、そうよ…)

 

 

 

 

 

翔鶴「僕くん、いいよ…」

 

 

 

 

僕「…え?」

 

 

 

 

翔鶴「…前に告白してくれたでしょ?」

 

 

 

 

僕「う…うん」

 

 

 

 

赤城「…?」

 

 

 

 

翔鶴「お付き合いしましょう?」

 

 

 

 

僕「…」

 

 

 

 

僕「…良いの?」

 

 

 

 

翔鶴「…ええ」

 

 

 

 

翔鶴「…おいで?」

 

 

 

 

赤城「翔鶴?なに言ってるの?この子供は?」

 

 

 

 

僕「…」スタスタ

 

 

 

 

 

ギュム

 

 

 

 

僕(あったかい…)

 

 

 

 

 

僕(お姉ちゃんの匂い…)

 

 

 

 

 

翔鶴(あったかい…)

 

 

 

 

翔鶴(僕くんの匂い)

 

 

 

 

 

翔鶴(瑞鶴の匂い…)

 

 

 

 

翔鶴(お帰りなさい…瑞鶴…もう)

 

 

 

 

 

 

ギゥゥ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハナサナイ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔鶴「赤城さん…」

 

 

 

 

 

 

赤城「な…なに?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「先に戻っててくれませんか?」

 

 

 

 

 

赤城「だ、だめよ!!今の貴女を一人になんて出来る訳ないでしょ!?」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「」ジィッ…

 

 

 

 

 

 

赤城(…!)

 

 

 

 

 

 

赤城(なんて…酷い目をしてるの…翔鶴…)

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城(それが…今まで戦いを共にしてきた仲間に対する)

 

 

 

 

 

 

 

赤城(誇り高き艦娘の…)

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「…ああ」

 

 

 

 

 

赤城「そういうこと…」

 

 

 

 

 

 

 

赤城(翔鶴はもう)

 

 

 

 

 

 

 

赤城(ずっと前から『壊れて』いたのね…)

 

 

 

 

 

 

赤城(瑞鶴が沈む前からもずっと)

 

 

 

 

 

 

 

赤城(瑞鶴、貴女は翔鶴の…妹という存在以上の支えだったのね)

 

 

 

 

 

 

 

赤城(翔鶴が瑞鶴に対するモノは

きっと、肉親に対する綺麗で透明な愛情なんかじゃなく)

 

 

 

 

 

 

 

赤城(腐った果実のように熟し切った…ドロドロの不透明な…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕「」ギュウ

 

 

 

 

翔鶴「」ギュム

 

 

 

 

 

 

 

赤城(妹を失った今、

それをどこに向けていいのかわからなくて…苦しんでいるのね…)

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城(いや、あの子…あの男の子が、その代わりなの?)

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城(あの子の何が翔鶴の愛情を受け止めているのかわからないけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

赤城「良いわ…」

 

 

 

 

 

 

赤城「先に戻ってるわね…翔鶴」

 

 

 

 

 

 

翔鶴「…!?」

 

 

 

 

 

 

赤城「…何も言わないから…」

 

 

 

 

 

赤城「安心して…」スタスタ

 

 

 

 

 

赤城「あ、それとキミ?」

 

 

 

 

僕「…はい」

 

 

 

 

赤城「…翔鶴を、『見て』てね?」

 

 

 

 

 

 

僕「…う、うん」

 

 

 

 

赤城(…信じるしかないでしょ)

 

 

 

 

 

赤城(例え翔鶴が…あの少年以外を拒んでも)

 

 

 

 

 

赤城(私だけでも、翔鶴を信じないと…)

 

 

 

 

 

 

 

 

…

 

 

 

 

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