今回はちゃんとエロ重視です。でも実用性は保証しません。
我らが団長がやらかしたその日の夜、事情を知る面々と当事者たちが集められた。
「団長さん」
進行役のサクラは、目の前で正座しているダメ男を見下ろし、色々な感情の籠った声で彼を呼んだ。
「団長さんにとって、ペポちゃんは好きな人である以前に恩人ですよね?
団長さんを悩ませていた悪夢を取り除き、あなたのかつての部下達を救いました」
「はい」
「そんな彼女にそれはもうヒドイことをしましたね。どう思いますか?」
「や、やっぱりイエローチューリップちゃん謹製の精力剤を飲んだのが原因かなぁーって」
この期に及んでそんな言い訳をするダメ人間に、サクラはため息を吐いた。
「私の判断ミスですね、団長の恋心をちょっとでも応援しようと思ったのが間違いでした」
「そんな、サクラさんは悪くないですって」
と、リンゴは当事者より後悔しているサクラを擁護した。
「サクラさんの次はきっと私に相談しに来たと思いますし、私も同じようなことをしたと思います。
私だって団長さんがあんな惨状を引き起こすなんて思ってなかったですし」
「り、リンゴちゃんまで」
「私は可愛い女の子たちの味方ですから」
勿論、その可愛い女の子たちにこの大馬鹿は含まれていない。
「ペポちゃんはどう思うかしら?」
サクラは未だ今朝の様子から回復しきっていない様子のペポに尋ねた。
「皆さん、もういいですよ。私はもう気にしてませんし」
「でも」
サクラはペポから視線を団長に向け。
「この人、反省なんかしてないわ」
「その言いぐさは酷くないか?」
「ちゃんと反省できる人は、あんなこと繰り返しません」
母親にしかられる子供のようにぴしゃりと言われ、項垂れる団長。
ぐうの音もでないとはこの事だった。
「サクラさん、本当にもう大丈夫です。
団長さんを責めたところで、この人が己の行動を省みるなんてこと無いんですから」
ペポの言葉の重りが百トンになって団長にのしかかる。
「そうだよねー、同じ状況になったら百回でも同じことしそう」
ランタナの何気ない言葉に、団長の頭上の重りに更に百トンが追加された。
「流石にこればっかりは私もどうかと……」
そしてリンゴにさえこのように言われる始末だった。
「お、俺は悪くねぇ、だって、イエローチューリップちゃんがあの精力剤を飲めって言ったんだ!!」
そしてついに、このクズの見本みたいなダメ男は開き直った。
サクラの言うとおり全く反省してないし、ペポの言うとおり己の行動を省みたりしていないようだった。
「あんなことになるなんて知らなかった、薬の説明にも書いてなかった!!」
「はぁ」
一応参加だけしていたクロユリが、心底呆れたと言ったような溜息を吐いた。
「クロユリ?」
「帰る、これ以上ここにいるとこのバカの発言にイライラさせられる」
と言って、さっさと退出してしまうクロユリ。
ここまできてようやくこのダメ人間も己の失言を悟り、表情が真っ青になり始めた。
「団長さん、あんまりこういう言い方したくないんですが。
あんまり私を幻滅させないでください」
サクラがそう言うと、だらだらと団長の顔に汗が浮かんでは落ちていく。
ちなみに、本当にサクラが団長に幻滅しているかと言えば、全くしていない。
なにせ幻滅するような幻想など彼女は団長に対して抱いていないのだから、それ以前の問題だった。
ただこう言った方がこの男はダメージが有ると言う計算づくの発言だった。
「反省してくれないと、私……団長さんのこと失望しちゃいます」
むしろここまでしておいて未だ失望していない所、サクラの精神性は聖人レベルだった。
「お、俺が悪かった、悪かったからゆるして……」
浮気がばれて離婚を突き付けられるダメ夫の如くみじめな土下座をして謝る団長。
これが普段は花騎士のことを第一に考えている、屈指の害虫討伐数を誇る騎士団長とは思えないほど酷い落差だった。
そして何よりひどいのは、ここにいる全員がこの男はこういう人だからな、という共通認識と言う名の諦念を抱いていることだった。
バカは死んでも治らないらしいが、この男もそうなのだろう。
「そもそも、どうしてイエローチューリップさんからお薬を貰ったんです」
「いや、だって、どうせなら長く楽しみたいじゃんか」
と、気まずそうにリンゴに応える団長。
「なんで一番大事な時にそういう不確定要素を入れるんですか……」
流石にそれには呆れを隠せないサクラだった。
「そういうよく分からないものに頼って失敗するから、相手が誠意を感じ取ってくれないんですよ」
「へへへ、断髪でもするか?」
「断髪するほど髪が長くないでしょう……」
いっそのこと丸刈りにでもすればいいのではないだろうか。
そんなことをサクラが思っていると。
ここで、
団長が、
ふと、ニタリと。
笑みを浮かべた。
「なあサクラ」
名前を呼ばれて、サクラは悪寒が走った。
彼女の優れた第六感が、この男が時折害虫討伐で発揮する悪魔的なやり方を思いついた時のような、優れた発想の転換と柔軟な戦略眼が発揮されようとしているのを悟った。
「お前はペポと向き合うには誠意が必要だと言ったな」
そう問いかける団長は既に、みじめに女の子たちに謝る無様さは消え去っていた。
「だからペポ、お前に誠意を見せよう」
子供の時は見えない物が見えたりするのは、霊感が鋭かったりするのは感受性が高いからだとされる。
だから、生来高い感受性を維持してきたペポは、猛烈に嫌な予感を覚えていた。
「俺は誰を切り捨てればいい?」
そして彼は、たったその一言だけでこの圧倒的不利な状況を支配した。
「え? どういうことですか?」
「どういうことも何も、お前の為にお前以外を切り捨てると言ったんだ」
困惑するペポに、勝利を確信した団長はただただそう告げた。
団長の言っていることは何もおかしくは無かった。
ペポのことが好きだから、いま付き合っている女性全員と別れるよ、と言っただけなのだから。
「勿論、言葉だけじゃない。実際に俺の部隊から移動させる。
今後あちらから接触してこない限り、口も利かないことを約束する。無論、手を触れることさえもだ」
誠意、と口にして実際にそうすると宣言したにもかかわらず、団長の態度からは誠意なんてものは微塵も感じられなかった。
「サクラか? リンゴちゃんか? クロユリか? 何なら全員でもいい」
「団長さん」
団長が何を言ったのか理解し愕然となったペポを見やり、サクラが珍しく険しい表情で彼を呼んだ。
「それはあまりにもズルいですよ。
そんなことを言ってペポちゃんをものにして、本当に嬉しいんですか?」
「サクラ、誠意が必要だと言ったのはお前じゃないか」
「ですが!!」
団長とサクラの間には、多くの差が有る。
性別や花騎士であることを差し引いても、団長は多くの面でこの優秀すぎる才女に劣っていた。
だがひとつだけ、決定的に団長が彼女に勝るものが有った。
それは男女の駆け引きの経験だった。
団長はサクラがこれはしないだろう、という手を平然と行うのだ。
「人間はな、好きや可愛いの価値を自分で決めることができる」
ペポが団長に誰かを切らせるなんてことが出来ないことを承知で悪魔的な提案をした団長は、ニヤニヤ笑いながらそう言った。
「俺はペポに、お前たち全員を超える価値を見出しただけだ。
惚れた女の為に何でもするとはこう言うことだろう?
俺は他人から見て俺に価値ある者を捨ててまでも、ペポを欲しているということだ」
やり方は相手の性格を利用してまでの卑劣な手だったが、サクラはすっかり自分が利用されていることに額に手を当てた。
どんなにみじめでも、情けなくても、団長は生粋の狩人。害虫殺しの騎士団長だった。
女性関係にだらしないと侮った彼女の失態だった。
「俺は何でもするぞ、ペポ。お前の為に、本当に何でもだ」
男が女性に対して、何でもするから、などと言ったりするが、この男はその“何でも”の限度を途方もなく釣り上げた。
「どうしても俺が嫌なら、俺の命が欲しいと答えろ。
そうすれば、俺はこの世に未練など無くなる」
そうして、団長はこの提案を拒否すると言う最後の選択肢を踏みにじる。
まさに、己の全てを賭した、彼なりの純情だった。
「……本当に、私の為なら他の誰も惜しくないんですね?」
「ああ」
沈黙が下りた室内で、やがてペポがそう口を開き、団長は頷いた。
「なら、これから私のわがままをいっぱい聞いてくれると嬉しいです」
そして、ペポの答えはそれだった。
「本当にそれだけでいいのか?」
「はい」
獲物を袋小路に追い詰めた恋に狂った狩人の問いに、彼女は頷いた。
「ペポちゃん、本当にいいのね?」
「ええ、正直に言うと、嫌では無かったんです」
サクラの心配そうな視線に、ペポも己の胸の内を打ち明けた。
「でもほら、団長さんって全然信用できませんでしたので」
そう言われてしまうと、この場に居た全員が頷いてしまう。
この男にいくら好きだのなんだの言われても、その重さは羽毛より軽いとしか受け取れないだろう。
「どうせ、他の誰にでも言っているだろうなぁ、と思うと、幾ら好きだって言われても、どうにも信じる気になれませんでした」
「ペポ……」
「団長さんにとっては駆け引きの材料に過ぎなかったのかもしれませんけど、他の誰よりも欲しいって言われて、私嬉しかったんです」
「それは……」
少なくとも団長は、ペポに本当にこれまで全員の女性と手を切れと言われればそうするつもりだった。
それだけ、狂おしいほど恋していた。
無論、後から後悔するかどうかは別だったが。
「言ったでしょう、ペポさん。団長さんはあなたにゾッコンだって」
今まで自分も遠ざけられるかどうかという話だったのに、リンゴはそれまでの話など何でもなかったかのようにそう言った。
「マジな話すぎて口が挟めなかったわ……」
「まあ、とりあえず丸く収まったのならそれでいいわよね」
ランタナとサクラも、とりあえず修羅場が収まり安堵のため息を吐いた。
「でも団長さん、こんなやり方はこれっきりにしてください」
「ペポ以外にこんな手使うかよ」
今回は結局、ペポの心が広かったからできたのであって、そのやり方はあまりにも破滅的だった。
「俺はペポを手に入れる為ならどんな破滅も厭わない、ただそれだけのことだ」
「それにしては、相手のことを考えているとは言えないみたいでしたけど」
「一昔前にな、主人公の男がイケメンでヒロインに笑いかけたり頭を撫でたりすると、コロッとその主人公に惚れるって展開の小説が良く流行ったんだが。
それでベッドに連れ込んで抱いた女ってのは、果たして自分に合うオナホを使うのと何が違うんだろうな?」
サクラの苦言に、団長はそんなことを言いだした。
「そうやって簡単に手に入る女より、俺は全てを投げ打って手にしても、嫌われたままである方がずっと楽しい。
俺は俺の思い通りになるだけの女になんて何の価値を見出さないのだ。
だからサクラ、こうしてペポへの告白が成功したのもお前のお蔭だ。俺も最高にゾクゾクできた」
「そうですか……」
五歳ぐらい若返った気持ちだ、と笑顔で語る団長に、体よく利用されたサクラは苦笑いをするしかなかった。
とは言え、サクラが何だかんだでこのド畜生に付いて行くのは、こう言った土壇場で自分が想像もできない意外性を発揮する所とかに惹かれているからなのだろう。
「よし、今日はいい日だ、リンゴちゃんとっておきの酒を開けるぞ!!」
「わぁい!! 一緒に飲みましょう!!」
そうして、団長はリンゴと一緒に楽しそうに部屋から出て行った。
お互い頑張りましょうね、と珍しくちょっと疲れた様子のサクラと一緒に部屋を出たペポとランタナだったが、三人は廊下の角にある談話スペースのソファーにクロユリが座っているのを発見した。
「その様子だと、あのアホにほだされたらしいな」
「え、あ、まあ……」
「苦労するぞ、お互いにな。
あれにほだされるとはそう言うことだ」
と、クロユリは先を見越していたサクラと同じようなことを言って、部屋に戻っていったのだった。
§§§
「ランタナちゃん、ちょっといい?」
「うーん、どうしたのペポ」
修羅場に近い話合いが終わった頃、時刻は既に夜中だった。
ランタナはもう既に寝る準備をしてパジャマだったし、彼女の部屋を訪ねてきたペポも枕を持ってパジャマ姿だった。
「ちょっとお部屋にまだ臭いとか染みついちゃてて」
ペポは枕に顎を乗せるように抱きしめ、気恥ずかしそうにそう言った。
「ああうん、オッケー!! 一緒に寝よう寝よう」
ランタナはそう言って彼女を招き入れた。
その後、ランタナ主催のパジャマパーティと言う名の昨夜の尋問がペポを直撃したりもしたが、二人は無事就寝するに至った。
そして、それから約二時間後の深夜のことだった。
「ううぅん、ランタナちゃん、重いよぉ」
なぜか妙に寝苦しく、ペポは目を覚ました。
寝ぼけ眼と思考でランタナをどけようしたが、重くて動かない。
あれ、とペポはだんだんクリアになっていく思考の中で、ようやく自分の上に乗っているモノの正体を察した。
「だ、だ、団長さん!?」
そう、団長だったのである。
どういうわけか彼はペポを抱き枕にして気持ち良さそうに眠っていた。
「団長さん、団長さん、起きて、起きてください!!」
彼の酒臭さから何となくここに来た理由を察しながらも、ペポはこのままでは身動きがし辛いので何とか身体を動かし団長をゆすり始めた。
「んがッ、んあ? ……あれ、何でペポが居るんだ? まあいっか」
「まあいっか、じゃないですよ、どいてください!!」
「わかったわかった」
しかし、この部屋のベッドは細身の女の子二人が寝るならともかく、それに加えて成人男性が寝転がれるほど広くなかった為、寝ぼけた団長はごてんと床に落ちた。
「あ、大丈夫ですか?」
「いてて、……あれ、どうして俺はここに居るんだ?」
「知りませんよ!! と言うか、どうやってランタナちゃんの部屋に入って来たんです!!」
ペポの疑問は尤もだった。この宿舎のマスターキーはサクラが管理している。
団長と言えども、或いは団長だからこそ、鍵も無いのに女子の部屋に入ってこれる筈がないのだ。
「ああ。それはランタナの奴が自分で持ってると無くすからってスペアキーを預かってるんだよな。部屋に入れたのは、多分それだ」
「ランタナちゃん、無防備すぎるよ……」
友人の危機管理の薄さにげんなりするペポだった。
「それでなぜ俺がここに来たかだが、多分あれだ。
俺は故郷で寒い日は女の子のところに転がり込んで抱き枕にしてたんだが」
時期はこの間、ハロウィンが終わったばかりで寒くなり始めた頃だった。
「今日はランタナの奴で良いかなって思ったんだろう、多分」
「…………」
「あ、勿論手は出してないぞ? 俺がこんなロリガキに発情するか」
と、ジト目で何かを訴えるペポに団長はぐーすか寝ているランタナを指差しそう言った。
「いやぁ、ランタナにしては弾力が素晴らしいなぁと思ったら、ペポだったのか、なるほど」
「なるほど、じゃありませんってば!!
もう!! 起きたなら戻ってください!!」
「え?」
「えッ」
ここでようやく、お互いに認識のずれが生じていることを当人たちは理解した。
ゆらり、と団長は立ち上がる。
「あの、団長さん、どうして服を脱いでるんですか? 寒いんですよね?」
「まあまあ、せっかくだから。な?」
「せっかくって何がですか!?」
手早く衣服を脱ぎ捨てた団長は、じりじりとペポに近づいて行く。
「隣にはランタナちゃんが居るんですよ!?
昨日の今日じゃないですか、今からするつもりですか!?」
「その方が燃えるじゃないか」
「私はちっともそう思いません!!」
ベッドの端に追い詰められたペポは、枕を盾に団長の魔の手から逃れようと必死の抵抗を試みる。
しかしペポは分かっていなかった。この儚い抵抗こそが、この男を楽しませ、より燃え上がらせるのだと。
「良いじゃないか、正直昨日は失敗だったんだし。
改めてペポを俺の物にした実感が欲しいって言うか」
「人をもの扱いしないでください!!」
「俺がいい加減な気持ちで言ってるわけじゃないって分かってるだろう?」
そうして、無意味な攻防を何度か続けると。
「分かった、そうまでペポが嫌がるなら仕方がない」
と、唐突に団長はそんな風に諦めの言葉を口にした。
それにホッとしたペポは、まだまだ甘かった。
「ペポは寝てていいぞ。俺はランタナを使ってペポの寝姿をオカズに虚しく自慰に耽るから」
団長は仕方なさそうに、寝ているランタナの小さな手を股間に持って行こうとする。
「そ、そんな!? ランタナちゃんには欲情しないってさっき」
「俺はお前に欲情してるのであって、それを収める道具に誰を使おうと俺の勝手だろ」
若干拗ねたようにクズ発言をする団長は、さも自分はペポが嫌がるから仕方なくみたいな態度だった。
「わ、分かりましたから、ランタナちゃんに手を出さないでください」
「えー、だって、嫌なんだろ? 昨日の今日じゃ。
別に無理する必要は無いんだぞ。俺は別にお前に無理させたいわけじゃないしな」
と、そんな白々しいことを言いだす団長に、流石のペポもこの男が本当にどうしようもないことを実感し始めていた。
サクラやクロユリの言葉が彼女の脳内で反芻された。
お互いに頑張りましょう、とか、苦労するぞ、とか。
「もう分かりましたから、好きにしてください」
「ふーん、本当に良いのか?」
「これ以上ランタナちゃんをだしにするなら、私だって本気で怒りますよ」
ペポは出来る限り真剣に聞こえるようにそう言った。
「そうか、悪かったよ」
団長もさすがに引き時だと判断したのか、からかうのを終わりにして抵抗を止めたペポを抱き寄せた。
「ペポ、お前が好きだよ。他の何を失ってでも」
そう言って、唇を重ね合わせようとする彼にペポは目を閉じて受け入れた。
ぬちゃぬちゃという水音と、ランタナの寝息だけが室内を満たしていた。
「はぁ、好きだ、好きなんだ」
先ほどの意地の悪さはどこかに消え、彼は熱っぽくペポを見つめていた。
もう彼女以外誰も、その瞳に映っていなかった。
それを見て、ペポは不思議と安堵した。
自分をオモチャにして弄ぶランタナのように彼を嫌いになれなかったのは、その奥に隠れた純粋な好意を感じ取っていたからだった。
それでようやく、彼女は団長の全てを受け入れる気になった。
「もっと言って、好きって言って」
「ああ好きだ。死ぬほど好きだ。死にたいほど好きだ」
ぎゅっとペポは抱きしめられる。
ようやく、彼女は漠然とした幸福感を抱くことができた。
自分のことを本気で好きだと言ってくれる人が居ると言うのは、女性としての本懐だったのだ。
「はぁ、はぁ、キレイだ」
昨夜とは違う優しい手付きでパジャマのボタンが外され、ペポのなだらかな胸部が露わになる。
控えめな双丘を攻略するのが何よりも大好きなこの男がこの美しい曲線に目もくれなかった昨日の夜がどれだけ異常だったか分かるというものだった。
「団長さん、恥かしいよ」
宝石か何かを触れるような慎重さで胸を愛撫され、ペポは恥ずかしそうに身をよじった。
そんないじらしい様子が団長にはたまらなかった。
ペポもその気になって硬さを帯びた両胸の頂点を団長はついばむ様に口に含み始めた。
「や、団長さん、声出ちゃうよぉ」
団長も慣れたもので、彼女の乳首の性感を優しく開発していく。
ペポが口元を抑えてくすぐったさと芽生え始めた快楽に耐えているのを尻目に、団長はこりこりと硬くなった先っぽを乳飲み子のように吸い始めた。
ちゅぱちゅぱ、とペポの耳に羞恥を煽る音が室内に響き渡る。
「やぁん、団長さん、やめ、やめてぇ、恥ずかしいよぉ」
気恥ずかしさと未知の快楽から団長の頭を押しのけようとするペポだが、団長はまるで妖怪か何かのようにがっちり組みついて離れようとはしなかった。
「こんな音、ランタナちゃんに聞かれたら」
真横でランタナが眠っているのを思い出し、彼女が熟睡しているのか横目で確認したペポ。
そんな彼女と、ぱっちりとした瞳の視線が交差した。
「ぐー、すぴー」
ベッドで横になっているランタナはわざとらしい寝息を立て始めた。
夜の暗闇の中でも分かるほど、ペポの顔色は羞恥で真っ赤に染まっていく。
「だ、団長さん、ランタナちゃん、ランタナちゃんが起きちゃってる!!」
「っぷは、何だペポ、あれだけ騒いでよくまだ眠ってると思ったな」
「分かってて始めたんですか!?」
「ぐー、すかー、これは寝言だけど、ランタナは寝ているよ」
「ランタナちゃーん!!」
恥かしさの余り悲鳴を上げるペポだった。
そうしている合間にも、団長は次のステップに移った。
ペポのパジャマのズボンの中に手を入れると、ショーツの上から割れ目を指でなぞった。
「お、湿ってる。おいおいペポ、お前ランタナの奴の横でしてるから余計に感じてるんじゃないのか?」
「ち、違うもん、感じてないもん!!」
むきになって否定するペポは何だか子供っぽい口調になっていた。
「じゃあ確かめてみるか」
ショーツを巧みにずらして、団長の指がペポの膣に侵入する。
その間も彼はもう片方の胸に吸い付き始めた。
「ああッ、いやッ、ダメ、ダメです、そんないっぺんに、はううぅ」
完全に硬くなったそれを木の実を舌で転がすように弄ばれ、膣内を指で掻き回されるペポは許容範囲を超えた快楽からイヤイヤと逃れるように身体を動かすが、彼女の体はもう既に団長のマリオネットに過ぎなかった。
「じーーー」
そして、そんな親友の痴態を横になったままガン見しているロリっ子。
「見てる、見てるのぉ、おね、お願い、だんちょ、団長さん!? やめ、て、ぇ」
怒涛の快楽で呼吸もままならず息切れしながら声を挙げるペポを見かねたのか、至福の時を満喫していた団長は仕方なさそうに顔を上げた。
「うーん? なんだ、寝てるじゃないか」
「んがー」
しかし、団長が横に視線を向けると、示し合せたかのようにランタナは狸寝入りを始めた。
「そ、そんなっ」
「じゃあ、そろそろおっぱじめようか」
前戯は十分と判断した団長はするりとペポのズボンとショーツを一緒にずり下げた。
「ほらほら、ちゃんと足を広げろって」
「やぁ、見てる、見られてるよぉ」
「なんだ、もしかしてペポは見られてた方が興奮するのか?」
「ちが、違うもん、ペポは、私、変態じゃないもん」
「じゃあここがこんなに濡れてるのはどうしてだ? うん?」
団長はガチガチに勃起した自身のそれの先端で、ぐちゅぐちゅに濡れているペポの可愛らしい縦筋をなぞる。
「いやぁ、止めて、言わないで、ランタナちゃんが聞いてるからぁ」
「だから、ランタナの奴は寝てるじゃないか」
「んがぁ、くとぅん、ゆふー、もっと食べたい……」
「おぎでるー、おぎでるのー!!」
自分の主張を受け入れられず、羞恥のあまり幼児退行し始めているペポを、団長はくすくすと上から見下ろしていた。
「寝てるってば、ほら」
団長はおもむろにランタナの毛布をはぎ取り、ランタナのパジャマを捲り上げた。
ぺたーん、と擬音が付きそうな地平線がそこにはあった。
「ぷぷッ」
そのあまりのつるぺたっぷりに、めくり上げた当人が噴き出した。
それにイラッとしたのか、ランタナは器用に寝返りをしながら団長の背中をキックした。
「のわッ」
「あぐぅ!?」
その拍子に、挿入の機会を窺っていた団長はつんのめって勢い余ってズブリとペポの膣内に自身の肉棒が突き刺さった。
その衝撃にペポは呻き、声にならない声をあげた。
「お、おほぉ」
そして団長は、きつきつでしまりの良い膣内の感触に思わず放心していた。
半ば正気を失っていた昨日では堪能できなかった心地よさだった。
「あぁ、良い、最高だよペポ。
昨日散々やったし、がばがばになってたらどうしようかと思ったが」
「ううぅ、酷いよぉ」
「ゴメンってば」
団長はまさに恋人にするように優しく抱きしめ、彼女の様子が落ち着くまで頭を撫で続けた。
女性に突っこんだらとりあえず腰を振る団長には珍しい反応だった。
「団長さん、もしかして焦らしてます?」
「どうしてだ? 俺はたまにはこうしてゆっくりするのも悪くないと思ってるが」
耳元でぼそぼそと小さな声で尋ねるペポに、団長はそう言った。
断続的にお互いの性器に刺激を与え続け、愛撫などでゆっくりと性感を高め合うスローテンポのセックスに団長は酔いしれていたのだが。
「もしかして、昨日のことが忘れられないのか?」
団長はにやりと笑みを浮かべながら、ペポの耳元にそう囁く。
ペポは恥ずかしそうにしたまま俯いていたが、やがてコクリと小さく頷いた。
「わかった、ただし……」
愛おしい少女からのおねだりに、団長は楽しそうに意地悪を言った。
「そ、そんなぁ、意地悪しないでください」
「意地悪じゃないさ、声が出るのは嫌なんだろう?」
「ううぅ」
気持ちいいことには気持ちいし、充足感はあるがどこか物足りないペポは腰を動かしたりするが仰向けの姿勢ではそれほど快感を得られなかった。
ちらり、と彼女は隣を盗み見る。
ガン見だった。
ランタナは真顔で瞬きさえせずに二人の緩やかな性交を観察していた。
そして彼女の毛布の下では何やら右手がもぞもぞしていた。
「お……」
ペポはもはや、開き直った。
「お願いです、団長さん。ペポをめちゃくちゃにして」
もう恥ずかしがるだけ無意味なのだから。
「おおぉん」
二人はベッドから降りると、ペポはベッドに上半身を押し付けてお尻をあげ、これまでの性交で濡れそぼった秘所を淫らに団長に突き出した。
バックからガンガンと肉棒が突き刺さり、ペポの視界は快楽でちかちかし始めた。
「おら、どうなんだペポ、言ってみろよ、お前の親友によ」
「ランタナちゃん、ランタナちゃん!! すごいぃ、すごいのぉ」
「どうすごいんだ?」
「あのね、あのねぇ、団長さんのがね、ペポのキモチぃとこゴンゴンされてるのぉ!!」
ばちんばちん、と二人の性器が激しくぶつかりあい、体液が床に撒き散らされる。
「ペポのオマンコねぇ、狭くてぎちぎちなんだってぇ!!
それをねぇ、団長さんのケダモノおちんちんで無理やり押し広げられて一番奥をね、子宮のお口と何度も何度もキスしちゃってるのおぉ!!」
「へぇー、ペポってばそんなにエッチな子だったんだー」
「そうなのぉ!! 私すんごくエッチな子なのぉ!! ランタナちゃんの目の前で団長さんのケダモノおちんちんでオマンコめちゃくちゃにされてすごく気持ちよくなってるのぉお!!」
親友にいかに自分が感じているかを報告しているペポとは対照的に、二人のプレイに付き合わされているランタナのセリフは棒読みだった。
「うぷぷ、ペポってばお顔が涙と鼻水とヨダレでめちゃくちゃだよ」
だからと言って、彼女も楽しんでない訳でもなかったようだが。
「そう、そうだよぉ!! 団長さんとのケダモノセックス最高だよぉ!!
きもちぃのがどんどん来てるの、ペポね、ペポね、頭バカになって動物みたいになっちゃうの!!」
「いやぁ、私って動物たちの交尾とか見たことあるけど、団長とペポみたいに酷くなかったよ。
つまり、動物に失礼だろ、謝れ!!」
「ごべんんぅ、ごべんなざいぃ、ペポとだんじょーさんのえっち、どうぶつさんたち以下の最低のえっちですぅ!!」
ペポのボルテージも上がり、団長が指示していないにも関わらず、どんどん雌犬以下のケダモノへと勝手に堕ちていく。
「ペポがこんなにエッチな子だったとはなぁ、幻滅しちゃったなー」
「いやぁ、幻滅、しないでぇ、らんたなちゃん、えっぢな子でゴメンううぅう!!」
「許してほしいってか? 許してやるよ!!
クンニしろ、オラァ!!」
ついにランタナも見ているだけじゃ我慢できなくなり、パジャマを脱ぎ捨て下半身をペポの顔に押し付けた。
「はぁい、舐めます、動物さんたち以下のケダモノのペポがペロペロしますぅ!!」
「ヨダレ塗れ鼻水まみれのペポを使ってやるんだぞ、嬉しいか!!」
「はぁいぃ、ありがとうございまずうぅ」
それにしてもこのランタナ、ノリノリである。
自身の股間に親友の顔を押し付けると、目の目には必死に無言でペポを貪る団長と目が合った。
「ずっぷ! ずっぷ! ずっぷ!」
「ああ……もう出そう」
あッ、と思った時は遅かった。
ランタナに乗せられ、今まで我慢していた射精衝動が限界を突破した。
「出る、出るぞ、ペポ!!」
団長の声に、んーんー、とランタナの股間に頭を抑え込まれているペポは唸る他なか無かった。
「もしかしたら妊娠するかもしれんが、拒否権は無いぞ。いいな?」
「んんーー、んーー!!」
「あっはっは、なに言ってんのかわかんね!!」
親友の痴態に大笑いするランタナだった。
「んんーーーー!!」
そして団長の精液の噴射がペポの子宮に打ち込まれるのと同時にビクンビクンと達した彼女は、ぐったりと脱力した。
団長はペポが逝ったのと同時に肉棒を締め付け精液を搾り取ろうとする膣内の動きに、射精の余韻に浸っていた。
「ふぅー、やっぱりペポは潜在的にドМだったか」
「いやぁー、一回だけしか出してないのにすごい満足感だわ。
もうマジで手放せないわ。最高だよ、ペポ」
ずるずるとペポをランタナの股間から引きずり出すと、放心して視線が虚ろな彼女が体液でぐちゃぐちゃな快楽に溺れた表情をしていた。
人によってはそれこそ幻滅しかねないヒドイ表情だったが、団長は体液塗れの顔に唇を近づけ、熱烈なキスをした。
ペポも無意識に舌を絡め返した。
こうして、三人の倒錯した性交は終わりを告げたのだが。
「だんちょ、まだ私不完全燃焼なんだけど!!」
「あー、そうか、お前には付き合わせちまったしな。
ここから入れるのはペポに不義理だし、手とか口とかだけならいいぜ」
「いよっしゃ―!! 第二ラウンドじゃー!!」
こうしてなし崩しで、団長を中心とした倒錯した関係にランタナも加わることになったのだった。
「ん、ううん……」
翌朝、ペポは目を覚ますと気だるげな自分の体に違和感を感じ、そしてああ昨日団長としちゃったんだっけ、と思い当たった。
いつの間にか床に寝ていたらしく、ペポは何とかベッドに手を掛け起き上がる。
「えッ」
そこには。
「らめぇ、もうらめなのぉ」
団長の膝の上でアヘ顏を晒してダブルピースをしている親友の顔が有った。
ランタナは裸でその平らな胸と股間の可愛らしい肉芽を団長に弄ばれ、随分長い事やっていたのか快楽堕ちしていた。
「二人とも、何してるの?」
自分でも知らずに低い声が出ていたことに自覚せずに、ペポは二人に問うた。
「団長さん、私、ランタナちゃんに手出ししないでって言いましたよね?」
「あ、いや、だって、なぁ? ランタナの方からやってほしいって言って来たんだし。
それに本番はしてないぞ? キスもだ。俺はあくまで遊んでやってるだけだ」
そんな団長の言い分に、ペポは生まれて初めて人間に殺意が湧いた。
親友を遊び道具にされたこともそうだが、床で寝ていたのに放置と言うのもムカッとした。
これが好きだ好きだと言った相手への扱いなのか。
だからと言って、怒鳴り散らすほどペポは子供ではなかった。
「団長さんの、バカーー!!」
それでも、平手打ちの一発ぐらいなら許されるだろう。
「いてて、ペポの奴め。
俺が悪いってのかよ」
まあ照れ隠しだろう、と団長は納得することにした。
あれくらいのビンタならまだまだかわいいモノだからだ。
団長が食堂に着くと、サクラとリンゴが雑談をしながら今朝の朝食の準備をしていた。
「でも驚いたわー、団長さんってばペポちゃんの為なら私たちを遠ざけても良いだなんて。
そんな男女関係の縺れで異動になるのは嫌だけど、団長さんにもそう言った男らしいところがあったのね。
私、少し見直しちゃったわ。私も他の誰よりもあなたが好きだって言われてみたいもの」
と、サクラがそんなことを話していた。
「わかってないですねー、サクラさん。
団長さんはきっと、私たちを捨てましたー、でもまたすぐに拾いましたーって言いだすに決まってますって」
「ああ。ああー、そう、なるほどねー」
リンゴが自信満々にそう言うのだから、サクラもちょっと残念そうな表情になった。
「あ、団長さんおはようございます!!
朝食ならもうすぐできますよ」
「要らん!!」
団長の到着に気付いて声を掛けたリンゴだったが、彼はなぜか不機嫌になって席から立ち上がり去って行った。
「あれ、どうしたんでしょうか、団長さん」
「リンゴちゃんもまだまだだってことかしらねぇ」
そんな二人のやり取りを、サクラは微笑ましそうに見ていたのだった。
エロ重視(ストーリーも重視しないとは言ってない。
これにてペポの攻略は完了です。
本格的にランタナの相手するのはまた別の機会と言うことで。
次回のR版はキンギョソウとあの男の馴れ初めです。
あの二人の出会いはこっちじゃないと描写できないので。
そしてその話は皆さんお待ちかね。
ガ チ 凌 辱 展開でお送りいたします。