※この作品はR-18です。

藤岡という男   作:DKの妄想日記

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夏休みの間、暇な時に適当に書いて溜まっている物を空いた時間で書き足したら、投稿していきまっす。


第1話:三中のNO.1モテ男

生徒も疎らになったある日の放課後、珍しく部活を休んだ藤岡翼は夕日が差し込む教室で一人の女子生徒と対峙していた。室内には異質な水音が響いている。

 

「ふ、藤岡君......も、もう我慢できないのぉ......だから......」

 

頬を上気させながら、スカートを捲り上げ、今まで自分で弄っていた秘所を藤岡へ晒しているのは藤岡と同じクラスの古手川莉子である。

 

「みんなが真面目に勉強する場所でこんな事するなんて......本当にイケナイ子だなぁ、リコは」

 

「そ、それは藤岡君が......言ったから」

 

「ほら、おいで?ちゃんと出来たご褒美をあげる」

 

藤岡の言葉を聞き、嬉しさを隠し切れない表情で近づいてくるリコを見て、藤岡は微笑みながらここに至るまでの経緯を思い出していた。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

藤岡翼と言えば、この公立南第三中学校で言わずと知れたモテ男である。

まず第一に顔がいい。端正な顔立ちの中にはまだ少年特有の幼さを残しており、あの甘いマスクで微笑まれたら胸がキュンキュンするらしい。

そして第二に運動が得意である。サッカー部に所属していて2年生にしてエースとして注目されている。彼が部活に打ち込む姿は見ている者の目を惹き、自然と応援したくなる。

最後、第三に性格がいい。人当たりがよく、誠実で優しい彼は生徒だけでなく先生からも慕われている。だからと言って真面目一辺倒でなく、冗談を言って場を和ませるコミュ力も持っている。

欠点といえば、部活に時間を割いているせいで成績は不振気味だという事と自分の人気ぶりに鈍感な事だけである。しかし、この欠点たちも完璧超人であるよりは親しみやすいという高評価に繋がっている。

 

こんな360度どこから見ても好青年である彼は今、恋をしている。愛しのお相手は同じクラスの南夏奈である。活発で元気な彼女だが、同級生からの彼女への評価は「可愛いとは思うけど、性格が奔放過ぎて疲れそう」だったり、「小学生を相手してる気分になる」だったり、「いや、あいつ猿だろ」などと散々なものばかり。実際、可愛い女子ランキングには常にトップクラスの好成績だが、付き合いたい女子ランキングでは全く名前が上がらない彼女である。そんな変わり者の彼女だが、藤岡の恋心は変わらない。しかし、藤岡自身の恋愛に奥手な性格と夏奈の変人ぶりが相まって全くと言っていい程に進展していない。夏奈の家族とも段々と仲良くなれているのだが、肝心の夏奈には学校一のモテ男も連戦連敗である。

 

今日も今日とてどんな勘違いからか、夏奈の襲撃を受けた藤岡だが今回は運の悪い事に一緒に倒れた夏奈を庇ったせいで受け身を取り損ね、頭をぶつけてしまったらしい。らしいというのは夏奈を庇って倒れた後の記憶がないからだ。気付いたら保健室のベッドの上で眠っていた。ベッドの側のイスには夏奈が心なしかションボリしながら座っている。いつもの彼ならこの状況だけで天国にでも登った心地になっていただろうが、現在の彼は絶賛混乱中だった。

 

なんと頭を打った拍子に前世と自称神との会合の記憶が蘇ったのだ。前世の藤岡は二次小説よろしく平凡な男であった。平凡に死に、非凡に自称神と出会った。なんでも偶々選ばれたらしい。平行世界での魂の容量バランス云々という平凡な男には理解できない話をされたが、どうやら男の知らないアニメ世界に転生のチャンスを得たとのこと。ちょっとした特典を三つ選べるという事で喜び勇んで選んでみた。平凡である事に嫌気がさしていたが、流石にドンパチやる程の勇気がない男は転生先の世界が殺伐とした戦闘モノの世界でない事を再三確認した後、以下の特典を選んだ。

①イケメンになること

②絶倫・巨根セット

③主人公補正(微)

まず、転生するに当たって男が目標に掲げたのは「女にモテまくってやる」であった。自称神には呆れた顔をされたが、華麗に無視してやった。①、②はそのままの意味。③に関しては男の読んだ漫画や小説によく出てくる主人公を後押ししてくれる世界意志という名の神(作者)のご都合主義である。しかし、微という言葉通り少ししか作用しない。男にとってちょっとだけ都合のいいことが起きたり、女の子が自分に好意を持ちやすくなるだけだ。ちなみに微、小、中、大、極と五段階あって小から上は戦闘モノの世界でないと邪魔にしかならないらしい。右手に神の奇跡さえ打ち消す異能が宿って、「不幸だ!」が口癖になったり、ちょっとした事で急に覚醒しだして、パワーアップできるが日常で力の制御が難しくなるなど、男のハーレムリア王街道には不要なものであった。

よって選んだ特典に満足しながら転生したはずなのだが、今の今まで記憶が封印されていたようだ。まあ、藤岡的には記憶が戻るのが幼少期や小学生時代では子供っぽい演技をしなければならないため有難いことではある。しかし、小学生時代には②の特典が発現しており、一時期は自分が病気なんじゃないかと悩む程の逸物を持て余していたのは断固抗議したい。

 

「......ぁ! なあ! おい! 藤岡ってば! 」

 

「あ、ああ、ごめん。南」

 

藤岡が考え込んでる間に夏奈を忘れてしまっていたらしい。

いけないいけない、と思考を止め、夏奈に視線を戻した瞬間に時が止まった。今まで見慣れていた夏奈の姿だが、記憶が戻って男の意識が混じったことにより、夏奈の美少女っぷりに驚いてしまったのだ。いつもは天真爛漫な表情が今は曇っていることを差し引いても前世では芸能人でも見たことないレベルの美少女であった。

 

「また、ぼーっとしてるぞ。 本当に大丈夫か? どこか痛むのか? 」

 

藤岡の顔を覗き込み本当に心配そうな表情をしている。変わり者と名高い彼女だが根は善良なのだ。

 

「いや、ごめん。南があまりにも可愛かったからビックリしちゃって......」

 

「......?......なっ!?な、ななななにを!?」

 

突然の藤岡の言葉にアニメのような動揺の仕方をする夏奈。焦りすぎて座っていた椅子から転げ落ち、隠すべき布を藤岡へと晒してしまっていた。藤岡自身も前世ではありえないほど自然に口説いてしまったので驚いてはいるが、人格が混ざり合ったことで藤岡マークIIとなった今では照れもない。

パンモロも前世ではこんな美味しいハプニングはなかなか無かったので特典様様である。

 

瞬間沸騰した夏奈は変な声を上げながら保健室を飛び出していった。走る足音が遠ざかっていったと思ったら、なぜかまた近付いてきた。なんだ?と思っているとドアがゆっくりと少しだけ開いた。隙間から顔の熱がそのままの夏奈が顔を半分だけ覗かせている。どうやらまだ用事があったようだ。

 

「......藤岡、今日は悪かった......倒れた時庇ってくれたから今日の所は引き分けにしといてやる!! 」

 

「ああ、ありがとう。 南」

 

何を引き分けにしてくれたのか分からないまま答える。

 

「そ、それと......さっき、私のこと、か、かか......」

 

「南が可愛いって言ったこと?」

 

「!?!?!?......んにゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

今度は猫の鳴き真似をしながら走り去っていった。

 

(これが萌えか......)

 

いつも夏奈を猿だろと言っているバカなやつらに今の光景を見せてやりたい。見せることができたなら、その日から夏奈が付き合い女子ランキングを通り越して嫁にしたい女子ランキングのトップに躍り出ることだろう。

しかし、あの夏奈を知るのが自分だけだと思うと、悪い気はしない所か、もうそれだけで幸せな気持ちになれる。

 

さて、先ほどの萌えをしっかり心に刻みつけて、ベッドから起き上がる。幸い頭の方はなんともないようだ。

好青年藤岡の意識もちゃんと残っているのでこのまま部活に顔を出さないという選択肢は無かった。

保健の先生も所用があったのかいないようなので、サッカー部に挨拶だけでもしに行くかとそのまま保健室を後にした。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

あの後、サッカー部に顔を出した藤岡はえらく心配されたこと以外は特に何事もなく挨拶を終え、一応部活を休めと言う顧問の助言に従って、教室へと向かっていた。

過剰な心配の理由を聞いてみると倒れた藤岡は我が人生に一片の悔いなしという穏やかな表情で気を失っていて、そのまま死にそうな勢いだったそうだ。奥手な少年藤岡にとって南夏奈との身体的接触は例えそれが襲撃によるものだという事を分かっていても幸せなものだったのかもしれない。

しかし、藤岡マークIIとなった彼はその程度で留まることはできない。いずれは自分の女にしてみせるという覚悟と共に教室のドアを開けた。

するとそこには同じく覚悟を決めた女の表情をしている女子生徒の姿があった。夏奈を今まで見たことが無い美少女だと思った藤岡だが、この少女も同じレベルでとんでもない美少女だった。

 

「ふ、藤岡君......頭大丈夫?」

 

ここだけ聞けばかなり失礼な質問であるが、少女・古手川莉子の問いに答える。

 

「うん。全然なんともないよ。心配してくれてありがとう」

 

ここで微笑むのを忘れない。今日の気を失う前までは自然に微笑んでいた彼だが、今は意識を持って微笑んでいる。効果的なタイミングでのイケメンの微笑みはそれだけで少女の顔を赤くする。

 

「っ! 良かったぁ。......あ、あの!藤岡君に話があるの......ちょっとだけ時間いい?」

 

このシチュエーションでちょっとだけ時間のかかる話といえばもうあれしか無い。というか今までの記憶を掘り返すと彼女が自分に好意を持っているのは明らかであった。こんな美少女に好かれているのに夏奈一直線でまるで気付いていなかった頃の自分に呆れる気持ちもあるが、今は目の前の少女である。

藤岡が変わったことで繋がる想いがあるのだ。

 

「うん。もちろんいいよ。なにかな?」

 

「あの!あの!藤岡君の事が大好きです!!私と付き合ってください!!!」

 

そして、恋する乙女は思いの丈をぶつけたのだった、この好青年の皮を被った、どうしようも無いほど女好きへと変貌した少年へ。

これを幸せと取るか、不幸と取るかは少女の考え次第である。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

古手川莉子という女子生徒は藤岡の通う中学校においてかなりの人気を誇る。

外見が良く、艶のある長い黒髪も相まって大和撫子の見本のような印象を受ける。性格も良く、成績も比較的優秀で、口元の黒子がセクシーだし、最近は元から目立っていたスタイルに更に磨きがかかっていて、男子は疚しい想像を掻き立てられる。。本人は藤岡への武器が増えた事を純粋に喜んでいたりするが。

男子の校内一のモテ男が藤岡であるならば、リコは女子の三大モテ女の一人として挙げられる。

そんな彼女が藤岡へ懸想しているという事実は女子の間では結構有名な話である。藤岡へ懸想している女子生徒の大半は彼女の想いが実ることを危惧している。実際には藤岡自身が夏奈以外の女性には欠片も興味を示していなかったので要らぬ心配であったが、進化を果たした藤岡によって、その危惧が現実のものになろうとしている。

 

「あの!あの!藤岡君の事が大好きです!!私と付き合ってください!!!」

 

(......言っちゃった)

 

本当は藤岡の無事を見届けたら、別れを言って帰ろうと思っていたのだ。元来ヘタレであるリコにはここに残って藤岡と話すという選択肢は存在しなかった。けれど、十数分前に気を失った藤岡に付き添っていた筈の夏奈が顔を真っ赤にして自分にも気付かずに慌てて帰って行ったのを見て、不安に思ったのだ。

しかも、帰ってきた藤岡は覚悟を決めた顔をしていたから、二人の間になにかあったのだと確信してしまい、気付いたら告白していた。完全にリコの勘違いなのだが、それに気付くはずもない。ましてや、藤岡の中身が変わっているなど想像もつかない。ただ、いつもより心なしかワイルドになった藤岡を見て、純粋にカッコいいと思っていたリコは完全に恋する乙女だった。




名前・名称について
今後も作者の捏造名前が出てくるので、後書きで理由を書いときます。そりゃねーよ!な場合は感想でご意見下さい。
言っときますけど、ほぼ全員くだらない理由で特に深い意味はない付け方してます。見逃してくださいm(_ _)m

公立南第三中学校:ただ南姉妹が三人だったのでこの名称

藤岡翼:サッカー物と言ったらキャプテンの人かイナズマ
のやつしか知らない。見たことはないけど。

古手川莉子:見た目とキャラがなんとなくToLOVEるのド
スケベ委員長と似てたから。名前は当て字で
す。
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