こんなはずじゃない
僕の決意と力は未来を切り開く
こんなはずじゃない
俺の自我と意思は魂から湧いてくる。
こんなはずじゃない
こんなはずじゃあ
無かったのに。
世界はこんなはずじゃないことばかりだ!
僕の満たされた生活はこんなはずじゃない理不尽に奪われた
父が殉職した。
父のお墓を建てた時、泣いている母を見て察した。父は、もういない。
もう満たされる日々は来ない。
母に近づく男性はそれを境にして急に増えた。
皆、支援を装っていたそうだ。金銭、僕の進学、士官学校の推薦、下士官待遇を約束する将官もいたそうだ。
どいつもこいつも下卑た笑いで近づいてきたそうだ。出世のの口利き、あるいは醜い肉欲か。本局へ出向くたびにそう言った輩に狙われたらしい。
帰宅する母はいつも悩み、疲れた顔をしていた。
ある日、母は諦めたような笑顔で僕にこう聞いた。
”やっぱりクロノは、お父さんが欲しい?”
聡明と評判の母だ。
寂しさを悟らせてしまったのだろうか?子供のために母たらん、そう気丈にふるまっていた。
それとも、僕の子供らしさが原因だろうか?
だがどちらにしても僕は嫌だった。母たらんとする姿、守ると決め込むその姿。疲弊していくその背中。
そして母が下卑た連中にはめられているような気がして
こちらの足元を見ているような舐めた態度が気に食わなかった。
見返りを求めずに助力してくれた人物はただ一人だけだった。
あの人は葬儀の日に疲れた顔をして母の臀部を見つめていた。ただ見ていただけ、、、
英雄ギル・グレアムその人だった。
これ以上、現実の猛威なんかに日常を奪わせない。
母の心は僕が守る。
そのために、
僕は英雄の門戸を叩くのだった。
クロノ・ハラオウンの早すぎる自立だった。
ー無人世界
赤色の石ころと岩と岩山しかない世界。
そんな世界のテーブル状の岩山の上
ようやく誂え向きな場所を見つけることができた。
儀式魔法の術式は即興で作り上げた。
実に単純だった。
必要なのは宝石の魔力を交信させること。
電磁的な干渉を防ぐことができる。
2個だけでは干渉の防止で完結してしまう。
3個あれば制御の負荷を2個に渡し、残る1個から純粋魔力を抽出する。
正念場は制御が安定するまでのわずかな時間
次元が破壊されると最悪世界が崩壊するそうだ。
世界か、復讐か。後戻りできる時期なんか存在しない。
陣の内側で宝石をローテーションさせて制御の負荷を分散する。
純粋魔力を取り込んだあとはリンカーコアの構造の次元を増やしておしまい。
転移魔法の応用だった。魔法的に仮想のリンカーコアを枝で管理する。
回復力は今まで道理でもキャパと圧力は今までより増加する。これで十分だ。
試しに宝石同士の交信だけ起動してみる。
「、、、」
困った。波長が同じ。これはいい。
しかし出力が若干違う。
これ、設置する回路が別の奴かもしれなかった。
つまり、制御するのに集中力が必要だった。
儀式の最中は純粋魔力の制御にも集中しないといけない。
、、、影分身
最近学校も影分身の日がある。
これに頼りすぎると戦術が先細る。
ー土遁・土流壁の術ー
ー多重影分身の術ー
ー変化の術ー
影分身は石に化けておく。
もしもの時は岩人間にでも化けて護衛させよう。
あとは影分身劇場の向こうで土流壁の陰に隠れて儀式を実行。
陣を起動する。
宝石を挟むように幾何学模様の刻まれた魔力のサークルが浮き上がる。
地面に置かれた宝石が腰ほどの高さに浮き上がり陣の所定の位置で停止する。
更に外側の陣を起動する。宝石同士の干渉が始まった。空間が鳴動し始める。
無秩序な魔力の流れに飲み込まれて体が重くなる。
出力が不揃いなせいで陣を壊されそうだ。
は、ははは早く次を!
更に外側の陣を起動する。宝石が時計回りに位置を交替し始める。
交代する度に更に大きく陣の形がグネグネと崩れる。
変動のパターンを読み切るまで耐え切らねえと、、、!
ギチギチと言う感触が体を抜ける。
もう少し。
ギチギチという音に時たま高い音が混じる。ピキという感触がする度に緊張が走る。
もう少し。
ピキピキピキ。音が徐々に連続する。、、、!
そこでようやく陣の形が真円に近づく。
もう少し。
ようやく真円になった。
周囲の空間を確認する余裕はない。
すぐに中心の陣を開放する。
体内に純粋魔力を流し込む。
予め体に組んだ術式を起動すると純粋魔力をもとにリンカーコアを浸透していく。
ああ、ダメかと思った。
あとは術式が正常終了するまで安静にしていなければ。
「時空管理局だ!今すぐ儀式を終了して投降しろ!現行犯だ。言い逃れはできんぞ!」
遠くで声がする。
俺と年の近そうな男子の声がする。
どうやら影分身劇場が上手く機能したようだ。
「断る。今中断して困るのはそちらだ。」
噓です。
あいつがくるくるしてるのは元は赤い石ころです。
時間が経てば青から赤に変わります。
「世の中はこんなはずじゃないいことばかりだ!でも!君d!君は!その顔つき、バンダナ、まさか、、、まさかジャクソンなのか!?」
影分身無言の肯定
「どうしてこんなことをした!言え!どうしてだ!」
悲壮に染まった表情で、錯乱したようにわめく局員
「力が必要だった。それだけだ」
ー幻術・写輪眼ー
「それでも君を止めなきゃならない!君のしていることは、君の痛みを次元世界に広げてしまう!」
いってらっしゃい。
熱い演説をすると局員は虚ろな目をして一目散に飛び立っていった。
恐らく砲撃の練習でもしているのではないだろうか。
「、、、ようやく完成した。」
引き出しにくくはあるが、とりあえず俺のリンカーコアは魔力タンクとして完成した。
見かけの魔力量は施術前と変わらない。ただ、枝先のリンカーコアを相乗させれば
それこそ見かけ上は無限の魔力だ。
回復速度は今まで通り。使い切ったらしばらく魔法を使えない。
つまるところ絶対数こそ稼いだものの、精霊の力を小出しにしなければいけない結果は変わらない。しかし、、、
消すものを選ばない精霊の炎。補足できれば必殺の力。
力をを扱い切る精密な魔力制御
そして強力な切り札の源泉となる潤沢な魔力
近づけば達人レベルの歩法と槍術で戦況は振り出しに戻り
いつ掛けられたか悟らせない幻術で隙を作る。
友人の友人まで守り切る多重影分身。
計画はここに成った。
心は不思議と落ち着いていた。
ここまで、1度たりとも奪われなかった。
これからは、失うことはない。
奪われない。
気持ちが落ち着く。報われた。
長い長い道のりだった。影分身を解除する度に落胆していた。
千人が2月、1月、はたまた1週間鍛錬してもあまりにも少ない成果でがっかりした。
同じ人間が何人いようと同じような経験をするだけ
術の魅力に目がくらんだ結果気づかなかった。
それからは毎日解除した。回復しないチャクラに苛立つ毎日
ストレスを槍術の鍛錬で発散した。
水周りの掃除で発散した。
仲間とピンポンダッシュマラソンで発散したこともあった。
キレて追いかけてきたおっさんが自転車に轢かれて警察沙汰にもなった。
そんな日々が実を結び、ようやく今日を以て基本的な戦術を行使する自分が完成した。
、、、ようやくだよ爺さん。
これから、あの野郎どもをぶっ殺すよ
主犯格の2人
必ずゆっくり追い詰める
変化の術を使って信用している人間のふりをして近づいて脱獄させては裏切って
逃走経路で落ち着くたびに一般人のふりして通報して
逃亡を手伝って幸せを覚えさせて
そして目の前で幸せを奪う。
精霊の炎を見せつけて
人間に生まれてきたこと後悔させてやる。
妻や娘、一族郎党の生首をその首にかけてやろうか。
目の前で生爪剥がして絶叫の意味身を再定義させてやろうか
それとも指名手配をさせて一生各地を転々とさせて疑心暗鬼な逃亡生活を延々引き延ばしてやろうか
復讐を。甘美な復讐を。俺は、怒りを忘れた腰抜けとは違う。もはや奴は同類ではない。
聞け、復讐の神々よ!
爺さん、、、俺、絶対内臓とか引きちぎる!生きたままモツ抜いてあいつらの目の前で燃やしてやるんだ。
だから、待っていてくれ。皆
「殺す、、、必ず殺す。」
決意を新たに、
俺は飛雷針で時の庭園へ帰還した。