ー八神家 リビング
ジャックとシグナムが帰宅するとリビングには全員がそろっていた。
「おはようシグナム。ジャックはどやった?」
はやては不安そうに尋ねる。
「はい。年の割には随分と練られています。期待ができますよ。」
「!シグナムが認めたのか。おい試合はしたんだろうな?」
「ああ。不覚をとってしまった。」
「!お前。」
守護騎士達は驚愕する。
シグナムは彼らのアタッカーだ。
まさか管理外世界の男児が彼女から一本をとるとは思えなかった。
「おい!お前今度あたしとな。」
ヴィータは警戒した。
いつ裏切られるかもわからない男の手の内を知る必要があった。
「ああ。いつでも相手してやるよ。」
「!…てめえ」
見下されたように思い、彼女はジャックを睨み付ける。
朝から食卓に嫌な雰囲気が流れる。
「安心しろ、ヴィータ。その男の主への愛は本物だ。この男が主はやてを裏切るはずがない。」
「!おい。言うんじゃねえ!」
「ふっ。恥ずかしがるな。それなら口にしなければよかった話だろう?」
「「…」」
シグナムの仲裁によって場の空気は変わった。
件の2人は照れたように目を背けるのであった。
ー数日後
はやては疑問だった。
おかしい
シャマルに聞いたテクを駆使してもリードできない。
ジャックは毎晩の行為でも余裕を持って対応をしてきた。
まるで最初から知っているかのように体制を整えた。
全身どこを舐めても嬉しそうにした。
あ、それをするのかとでも言いたげに体勢を整えて、
さらにはこうするとやりやすいなどとアドバイスをされた。
突然経験値の差を披露してくるジャックに、
はやてはすっかりベッドでの主導権を失った。
まさかシャマルから情報がリークしているのか。
しかしシャマルに相談したが思い当たる節がないという。
エロ本でも隠しているのかとも思うが、あれば自分と一緒に読んでいるはず。
悩んだはやては本人に問いただす。
「なあ、ジャックも誰かに教わっとるやろ?ザフィーラとか?」
「ああ。気がづいたか。はやてはシャマルだろ?」
彼女はやっぱりと息を付く
考えたことは同じだったのかと、彼女は一層愛情を深める。
「あーあ。せっかくうちがリードできとったのに…」
ジャックは彼女を抱きしめながら諭した。
「こういう時は男がリードしなきゃ失礼なんだってよ。俺はお前に恥をかかせたくない。」
「もう。ありがと」
ジャックは幸せだった。
指導が数日にして形になり、はやてには感謝をされた。
日々深まる愛情に、
シグナムには感謝をしなければ。
と思うのであった。
「なあ、いつ教わっとったん?」
「ああ、朝の鍛錬の後だよ。最近時間早めてるだろ?」
「?朝はいつもシグナムと一緒やないん。」
「?シグナムだぜ。あいつに色々教わってんだ。」
女だと?
はやては嫉妬する。
鍛錬への熱意は以前から知っている。
その熱意のために2人の時間を削っていることも知っていた。
だから、シグナムと2人きりで出掛けるとしても鍛錬だからと割り切っていた。
将来を誓うとか言っておきながら早速、他の女性との時間を優先するのかと
「ふーん。うちをほったらかしてシグナムといいことしとるんかいな?いいご身分やな。自分」
「そう言わないでくれ。俺もっと上達するよ」
「嬉しないわ!あほ!」
ジャックは困惑する。
彼女のために習得した技術は思わぬ結果をもたらす。
構ってもらえない寂しさが原因。彼はそう、考えた。
「鍛えるのが好きなんは知っとる。けど、その時間使てシグナムとエロい話するいうんは嫌!」
「おい。俺はお前の、」
「もういい。とにかくなしやからな!わかったか!」
とにかくはやては怒っている。
ジャックは戸惑いながらも理解する。
「わかった。」
こんなことになるはずではなかったのに。
彼女は確かに、技術の向上に喜んでいたのに。
これで絆が深まるはずだったのに、何故?
彼は思案した。
なぜその方法を取ろうとしたのか、
その方法を提案したのは自分だったのか
彼の頭からはすっかり抜け落ちていた。
その日から彼の鍛錬は1人に戻った。